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― パージエリア・資料庫 ―
ナミ「うーん……(薄暗い資料庫の狭い通路。その脇にあるファイルを詰め込んだ棚から一冊ずつ手に取って流し読むという一連の動作を繰り返していた) 」
【報告書:12900913】
長い間、例のプロジェクトの後継科学者を探していたが、前任者「W.D. Gaster」の代わりとなる崇高な人物はいなかった。
【報告書:18910704】
方舟計画《プロジェクト・アーク》は順調に進んでいる。
だが、「方舟」の完成まであと少しというところで、責任者の「プロフェッサー・ジェラルド」が世界政府へ連行されてしまった。
当然のことながら、この計画は頓挫した。しかし、「方舟」はまだ眠っている。
フランキー「…「方舟」か…船大工としては興味のある内容だが…今は必要ない情報だな。(眉をひそめながら手に取ったファイルを棚へ戻す) 」
【報告書:18920426】
人為的に開放した異次元ホールの果てに、とある星の存在を確認する。その星の文明は我々人類が長年築き上げてきたそれとは比較にならないほどの超高次元的なものであった。
何より目を引いたのは、それらの遺産の殆どに"願いを具現化するシステム"を実行するための類稀なるプログラムが設定されていたのだ。
後にその星は「ハルカンドラ」と名称付けられることとなった。
【報告書:18930617】
我々は彼らの文明を流用し、彼らが遺した未完成となる遺産を人工月としてカモフラージュし、世界政府の目を欺きながら完成を目指した。
だが、頓挫してしまった方舟計画《プロジェクト・アーク》により、この作業からも撤退せざるを得なくなった。
人工月「Star Dream」は未だ衛星軌道の何処かを彷徨っている。
【報告書:13940522】
「不可能を可能に変える」――― それこそが、科学を科学たらしめる不変の指標である。
しかし、我々はそれを成すことができなかった。足りなかったことはただ一つ。
何も考えず無我夢中に走り続けていた、あの幼き日にあった混じり気のない心だけだと、私はここを去る間際に思いだしたのだ。
ナミ「この島のことや…あいつの言っていた「聖杯」に関する情報はどこかにないのかしら…(頬を膨らませ、不必要な情報を記したファイルを畳む) 」
【報告書:14971202】
そして、ついに発見した。未だかつて発見されたことのない電磁異常物質を。
これはエネルギー保存則を無視した永久機関だ。更に研究を進めた結果、これは多元的な世界同士を繋げるマルチバース・ジョイントであることが判明した。
我々はこれを「扉《ゲート》」と呼んだ。扉《ゲート》を利用した相転移実験を成功させれば、人類が夢見た理想を実現できるだろう。
【報告書:14971218】
合議型人工知性群「トリニティ・プロセッサー」を制作。
これは、「プネウマ」「ロゴス」「ウーシア」の3つの生体素子を採用したプロセッサー群から成る。
プロセッサーの各々を異なる仮想空間で育成することで個性を獲得させ、
その合議により我々人類の判断に拠らないの扉《ゲート》管理運営を可能にすることを期待したい。
その願いを込め、我々はこの三体を『天の聖杯』と呼ぶことにした。
だが、この混沌世界が齎すエーテルの流れに乱れが生じ、「ロゴス」と「ウーシア」は別次元の彼方へと消失してしまった。
我々にはもう、「プネウマ」しか残されていない。
ロビン「………―――――!(『天の聖杯』…これだわ…!)(「聖杯」の文字を見つめ、手にしているファイルのページを開いていく) 」
【報告書:14980118】
残された天の聖杯「プネウマ」を基に、被験者を通じて疑似的な同調実験へと移行する。
扉《ゲート》から直接エネルギーを抽出することで超常的な力を持つ天の聖杯の存在は絶大的と言えるものだった。
仮に実験に失敗しても消滅することなく存在し続ける。そうして何度も失敗を重ねながら実験を続けた。
やがて実験結果より、天の聖杯はすべての生命体と同調することが可能とされ、
同調した生命体情報、更には経験や感情までもが記録されるなど、生命を管理するに相応しい役目を持っていることが分かった。
これら蓄積された情報を基に新たな進化コードを提言することで、更なる生命体を生み出す命の循環を作り出せるかもしれない。
【報告書:14980228】
天の聖杯の実験もいよいよ大詰めとなり、我々はついにプネウマへの本格的な同調を開始することとした。
結果、驚くことにプネウマから「一人の少女」が誕生した。プロセッサーが擬人化されたものと推測。
対話を試みようとしたが、不運にもーテルの乱れ――"混沌"――が発生。その影響により少女の人格はほぼ半壊し、ついに暴走。
驚異的な潜在能力を発揮した擬人化体はこの研究所、更には地上へと抜け出し世界全域に甚大な被害を齎した。
幸いにもその活動時間は一時的なものであったらしく、機能停止した実験体の回収に何とか成功。
しかしこの事件で様々なプロジェクトが夢半ばへと潰えた。
無論、事件の影響はついに隠し切れないものとなってしまった。世界政府が我々の所在を把握したのだ。
苦渋の決断の末、生存した我々はこの島諸共海底へと鎮め、逃走することに至った。
悲劇の発端となってしまった「天の聖杯」も、動力室に封印することとする。
次に目覚めた頃は…我々人間に悪意を抱くことがないようにと願いたい。
ロビン「……「天の聖杯」…その誕生の陰に、過去にこの島で起きた事故があったのね…(ファイルを畳むと、ナミとフランキーを呼ぶ)情報は見つかったわ。例の「聖杯」は動力室に封印されているようね。 」
ナミ「本当!?さっすがロビン!そうと分かれば、早速――― 」
ズ ズ ゥ ン ッ … ! ! (施設内の何処かで、小さな地響きと共に衝撃音が反響した)
フランキー「……!?…まさか、あいつら…何かあったんじゃねえのか…! 」
ロビン「…急ぎましょう! 」
― ??? ―
あなた「―――――………(どうやら深く眠り込んでいたのか、その瞳が開かれゆっくりと目覚める) 」
気が付くと、
「あなた」は違う世界にいた。
野原が広がり、青空が広がり…すべてが青々としたのどかな世界だった。
目覚めたばかりでまだぼんやりと歪む視界の中で、「あなた」はその眼前に一本の木を見つける。
その木下に、あの、赤毛の少女が立っている。
赤毛の少女「……(木の下の少女は遠い遠い最果てを眺めていた。呆然と、混じり気のない瞳で―――) 」
あなた「…… …… ………サク……サク……(心地よい微風が撫でる青い芝生道を踏み鳴らし、その少女の下へと歩みだす) 」
赤毛の少女「……ここは、夢の中。遙かな昔…誰もが共に暮らしていた場所。(歩み寄ってくる「あなた」へ語り掛けながら、静かに振り返る)そして…―――「私たち」の故郷。(少女の胸に、少年が触れた赤い剣にもあった翡翠色の結晶体が埋め込まれていた) 」
赤毛の少女→ホムラ「―――― 私の名前は『ホムラ』 ―――― 」
あなた「……!(少女の名前を知り、自分も自己紹介しようと声を出そうとするが…) 」
ホムラ「―――"知ってます"、「あなた」のことは。(すべてを察しているのか、無理をして言の葉を紡ごうとする「あなた」に優しい笑みを見せる)さっき…「私」に触れてくれた時に、あなたのことを知りました。何処かの世界からやってきたこと…その時に、言葉と、感情と、記憶を、失ってしまったことも。そして…そのすべてを、取り戻すために旅をしてきたことも。 」
ホムラ「…でも、あなたは死んだ。大切な仲間を守るためにその身を犠牲に…胸を刺し貫かれてしまったのです。(悲哀の目を浮かべてそう告げる) 」
あなた「………!!(その時思いだす――― 自分が璃奈を庇い、黒いフェイスに刺殺されたことを…) 」
あなた「……――― ダ ッ ! (「あなた」は咄嗟に走り出した。仲間を助けに行くために。だが…)―――ズザザァー…ッ…!! ド サ ァ … ッ … ! (闇雲に走り出したせいで芝生の上で転倒してしまう) 」
ホムラ「……(「あなた」の一連に行動から仲間への"想い"を察したのか、浮かれない表情をしながらも転がり倒れた「あなた」のもとへと歩み寄っていく) 」
ホムラ「…あなたを観ていると、なんだか誰かを思い出します。(赤毛の少女は、「あなた」を見てその脳裏に誰かを連想する)優しくて、あたたかくて、眩しかった…大切な人を…(何かを懐かしむような穏やかな表情を浮かべながら、倒れた「あなた」を起こそうと手を差し伸べる)――― お願いがあります。(起き上がる「あなた」へ、少女は告げ始める) 」
あなた「……!……?(ホムラの手に引き起こされると、その言葉に傾げる) 」
ホムラ「私を…――― 『 楽園 』に連れていって。 」
あなた「………? 」
ホムラ「ここは記憶の世界。遠い、遠い私たちの記憶の世界。幻のようなものなのです。本当の『楽園』は、あなたたちの世界にあります。 」
あなた「…… …… ……(ホムラの願いに応えたい。しかし、自分は死んでしまったのだ。その葛藤を露わに、ホムラの言葉に首を振るってしまう) 」
ホムラ「……私の命を半分あげます。そうすれば、あなたは生き返る。私の…「天の聖杯」のパートナーとして――――…どうします? 」
あなた「…… …… …… 」
ホムラ「…あなたの考えていることは分かります。"ここ"に来れば世界を…いつか滅びゆくその運命の呪縛から解き放たれる。もう、未来に怯えなくても済む…そんな、誰もが幸せに暮らせる時へ… 」
あなた「……!…… …… ……(ホムラの願い…そしてその"想い"を受けて、「あなた」は自分の胸に手を当て何かを感じ取ろうとする。そして…―――) 」
あなた「………(―――「あなた」は、目の前の少女に手を差し伸べた) 」
ホムラ「――――― あ り が と う ―――――(少女は自ら「あなた」へと歩み取り、差し伸べられたその手に自らの手を重ねるのだった―――) 」
―――― キ ュ オ ォ ン … ッ … ! (赤い剣に触れた時と同じように、ホムラの胸の結晶から翡翠色の光が溢れ出す)
ピ カ ア ァ ァ ッ … ! ! (そして翡翠の光は「あなた」の胸へと注がれ…二人は世界ごと眩い光に包まれていくのだった――――)
黒いフェイス「――― さァ…!残るお前たちもまとめて皆殺しよォ! 」
「 「あの子」のこと、そんなに強く想っていたんだね 」
天王寺璃奈「……………―――――― 」
「 大丈夫 りなりーのその「想い」は、きっと届くよ だって…そういうものなんでしょ?この世界って 」
天王寺璃奈「――――― キ ュ ッ ――――― (少女は祈るように、目覚めぬ「あなた」へ"想い"を馳せる) 」
―――― キ ュ ォ ォ オ オ ン … ッ … ! ! ! (錆びた鉄の臭いが充満する閉鎖空間に、蛍火のような翡翠色の光が現れ、飛び交っていく)
あなた「―――――――――……………(やがて、「あなた」は息を吹き返し目覚める。その手がぴくりと動き出した時、何もない手に翡翠の光が集ってゆく―――) 」
天王寺璃奈「…………?………!!(微かに動いた「あなた」の手を、そしてその手に集まる光に瞠目した) 」
……ピキ……パキャ…ッ……――――― シ ュ ボ ォ ッ ! (赤毛の少女を閉じ込めていた棺桶装置のガラス部に亀裂が生じていく。同時に、その内部にて発火現象。熱を帯び棺桶は赤く染まっていく。そして…)
――― ボ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ッ ! ! !(刹那、装置から爆炎が飛びだし、倒れ込んでいた「あなた」の身体がその炎に飲み込まれていく。炎は螺旋を描きながら渦巻き、やがて暴発して火柱となり、薄暗い空間を瞬く間にその光で白く満たしていくのだった)
黒いフェイス「んなァッ…!!?な、なんだァ…何が起きやがったァ…!? 」
天王寺璃奈「きゃっ―――――!?(…熱く、ない……?これ、は……)…あ……!(周囲を包み込むように広がっていく炎に目を見張りながらも、その焔に呑まれていく「あなた」に声を上げた) 」
あなた&ホムラ『――― ジ ャ キ ィ ン ッ ! ! ! ――― (火柱の中より、赤毛の少女「ホムラ」と復活を遂げた「あなた」が現出する。「あなた」の手には…燃え盛る赤い剣「 聖杯の剣 」がしっかりと握りしめられていた)』
天王寺璃奈「―――― ! ! ―――― (暗がりの空間をあたたかく照らす太陽の如き光を仰ぎ見る) 」
天王寺璃奈「…よかった……―――― "届いた"…っ……(両の手を胸に添えて少女は涙に揺れるその瞳に「あなた」を捉える。目にするだけで穏やかな気持ちを齎してくれるそのたった一つの光を目にしながら、ゆっくりと立ち上がっていく) 」
メディ「―――― 主様…!!(常識を逸脱した光景に理解が追い付けないでいたが、これが「人間」なのだと、また新たな可能性を見出して感嘆の意を表した) 」
黒いフェイス「うぐゥ…!その小娘…その剣…――― ま、まさかァッ…!!(焔の中に二人を目に狼狽する) 」
あなた「………(火の粉の雨が降りしきる中、「あなた」は燃ゆる剣(つるぎ)を手に、悠然とその地に立つ) 」
黒いフェイス「同調したのか、天の聖杯と…ッ…!?…このォ…―――ふざけるなああぁぁッ!!!(怒号を張り上げる)そいつァ…俺のモンになるはずだったんだよォ!!それを…お前のような人間如きにィッ!!許さん…許さんぞォ…!!もう一度サクッと殺して、その娘、貰い受けるぞォ!!(鋭い爪を突きつける) 」
ホムラ「……聞こえます、あなたの「声」が。だから私も、その「声」に応えます。成すべきこと、成したいこと…私たちで果たしましょう!!(隣に立つ「あなた」へ、優しい声音で語り掛ける) 」
あなた「……!(ホムラの言葉に強かに頷きながら、燃え盛る聖杯の剣を強く握りしめた) 」
メディ「……私は一度、主様をお守りすることができませんでした……ですが!もう二度とそのような失態は犯しません!でなければ、主様たちと共に行くことなど許されないのですから…!!(アタッシュアローを突きつけるように身構える) 」
ヒロ「……!…そうだ、俺は……決めたんだ…もう迷わねえって…!(失意に項垂れていた頭を上げ、立ち上がる) 諦めねえ限り…希望はある…「誰か」に…そう教えられた気がするんだ…だから……!!(復活を遂げた「あなた」を横目に、自分も決意を抱く)……めげねえよ、俺は…!!(刀を突きだす) 」
黒いフェイス「揃いも揃って、この俺を舐めやがってェ…!(ギュインギュインギュイン…)(背面の砲台再び粒子エネルギーが収束し始める)消しとべぇいいいいいッ!!! バ シ ュ ゥ ゥ ゥ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ン ッ ! ! (そして、あの青い閃光を再度解き放った) 」
ホムラ「(――――!) フ ォ ン ッ ――― パ キ ィ イ イ ン ッ ! ! (速い歩調で「あなた」の前方へと立つ。両手を前へかざすと光の膜を展開し、二人を守るように閃光を防いだ) 」
あなた「……!(身を挺して攻撃を防いでくれたホムラへ「ありがとう」と頷く) 」
ホムラ「どういたしまして!…続き、行きます!(そう言うと、光の膜を展開し「あなた」の盾となりながら、黒いフェイスへと駆け出していく) 」
黒いフェイス「んなッ…ば、馬鹿なァ…!?あれを容易く凌いだだとォ…!?ブルァァァアアアアッ!!(両腕の爪をシャリシャリと研いだ後、その巨体な身を乗り出してあなたとホムラへ斬り裂こうと迫る) 」
メディ「……!させません! \ カバンスラッシュ ! / はぁッ!!(黒いフェイスが襲い掛かるタイミングを見計らい、その左腕に向かってエネルギーを纏った強力な斬撃をお見舞いする) 」
あなた「……!!(ホムラに続いて駆け出す。疾走の最中に剣を鮮やかに振るい、その遠心力によって風と火を混ぜ込むことで、刃は更なる熱を帯びていく) 」
ヒロ「やらせるもんかああああぁぁッ!!!(メディに合わせるように目いっぱい刀を振るい、フェイスの右腕に重い斬撃を叩き込んだ) 」
黒いフェイス「ぐあァッ…!!?(メディとヒロ、双方の斬撃を左右から受けたことで両腕の関節が機能停止する) なんだァ…ガキどもの力で、この俺に…―――!まさか…これが、「天の聖杯」かァ…ッ…!?(ショートする両腕を垣間見ることで、先程と比較にならないほど威力を増した二人の斬撃の正体を察する) 」
あなた&ホムラ『 タ ン ッ ! ! (そして二人は高く跳び上がり、宙で一つの剣の柄をそれぞれ握りしめ、振りかざす―――)』
あなた / ホムラ『……!!! / “バーニングソード”!!! ( バ シ ュ ゥ ウ ウ ウ ン ッ ! ! ! )(その刃から、聖なる焔を纏う強力な斬撃波を解き放り、黒いフェイスを一刀両断する)』
黒いフェイス「――― ヌ グ ェ ア ア ア ア ア ア ァ … ッ … … ! ! ! (激しくも緩やかな揺らめきを持つ聖なる焔の剣に切り裂かれ、その黒鉄の身体に熱閃の痕が刻まれた)…ウググッ……ムゥ゛ウ゛ン゛ッ……!?(こ、小僧だか小娘だか知らねえがァ…!これが、天の聖杯と同調した力かァ……!)(閃痕に視線を落としながら、ガチャン、ガチャンと大きな足音を立てながら退いていく) 」
黒いフェイス「お、おのれェ……俺としたことがァ…こんな、こんなガキどもにィ……!ウグゥ……だ、だが…俺は諦めんぞォ!…その娘、今は預けておこう…!天の聖杯…いつかこの俺がいただきに参上するからよ……あばよォ…!!!(捨て台詞を残すと、機兵はその体を飛行形態へと切り替え、何処までも高い上空へと瞬く間に飛翔し、天井を突き抜けて何処かへと飛び去っていった) 」
あなた「………!(目覚めたばかりでとてつもない力を行使したためか、脱力したようにその身が前傾するが…) 」
天王寺璃奈「――― ギ ュ ッ (倒れようとする「あなた」を正面から抱きしめるように受け止めた)……信じて、よかった……(嬉し涙を浮かべながら「あなた」の耳元に囁く) 」
天王寺璃奈「………(気を失った「あなた」を膝に眠らせ、静かにその寝顔を見つめている) 」
メディ「脈拍は安定しているようですね。安心しました。……ですが…いったい何故、主様はあの重症から立ち直れたのでしょうか?傷も完治しておられますし、不思議ですね… 」
テリー(DQⅥ)「おい………こりゃあいったい、何がどうなってやがる………いろいろな事が同時に起こりすぎて、さっぱりわからん。 」
ホムラ「――― それは…私が、自分の命の半分を分け与えたからです。(「あなた」を囲む面々に言の葉を紡ぎ出す)ご紹介が遅れましたね。私は、ホムラ。記憶の世界で「この子」と出会えたおかげで、ようやく目覚めることができました。あなたがたのことも、「この子」の記憶を通じて知っています。」
ホムラ「私たちの出会いは、運命だったと思います。「この子」が、それを繋げてくれた…(優しい笑みを「あなた」に向けながら)」
ヒロ「……なるほどな(ホムラの話を聞き)…無事で、よかった… 」
天王寺璃奈「…運命……(ホムラの言葉にもう一度「あなた」に視線を落とし、何度もその言葉の意味を深く感じ取った)……あの、えっと……「この子」を助けてくれて、本当に、ありがとう……!(綻んだ笑みをホムラに向けながら) 」
メディ「ホムラ様ですね、初めまして。主様をお救いくださり、真に感謝いたします。……?既に我々のことを?(目をぱちくりさせながら傾げる)…目覚めた…と申しますと、やはり、ホムラ様が例の「天の聖杯」と呼ばれたお方なのですね。つかぬことをお聞きしますが、いつごろからこの場所で眠られていたのでしょうか。 」
ホムラ「……!(感謝の言葉にやや驚きつつも、嬉しそうに受け取る)……500年も前のことです。私は、「天の聖杯」としてこの世に生まれました。ですが、目覚めた頃の私はこの世界に流れる"混沌"に呑まれてしまい…とても不安定なものとなってしまいました。そのせいで、多くの人たちを傷つけてしまいました。あの黒い機械(黒いフェイスのこと)の言っていた通りです。私は、天の聖杯は、人類には身に余る力を持っているが故に、引き起こされた災厄そのものなんです…(自嘲気味に憂いの瞳を浮かべながら) 」
天王寺璃奈「…でも……あなたは、ううん…ホムラちゃんは、「この子」のことを助けてくれた。私たちのことも。だから、そんな風(災厄)になんて…私、思わない。……ス…(ホムラに向かって手を差し伸べ、握手を求める)……私、天王寺璃奈。よろしくね…♪〖*^ワ^ *〗(片手で笑顔のボードを持ちながら) 」
メディ「…不躾な質問で申し訳ありませんでした。(ホムラの事情を汲み取り、謝罪するように頭を下げる)わたくしも、ホムラ様はそうではないと判断しております。璃奈様の仰る通りです。それはきっと、生命を共有した主様も、同じお考えだと思います。 」
ヒロ「…同時に、俺のことも救ってくれた。(璃奈に続くように)‥いや、こっちの話だ。(俯くように)俺はヒロだ。よろしくな(ホムラに握手を求める) 」
あなた「―――………?(ようやく、璃奈の膝上で眠っていた「あなた」が目を開ける)………!(ゆっくりと起き上がり、何やら会話をしていた一堂に揚々と手を挙げて目覚めの挨拶をする) 」
ザビーダ「……いいのかねぇ、そんなにホイホイ信じ込んじまって。(いつの間にかその場にいた) 」
ホムラ「…みなさん……!(璃奈やヒロから求められた握手に応えるようにその手を交わしていく)…そのようなことを言ってくれて、嬉しいです。皆さんとこうして出会えたこと、私も感謝の気持ちで胸がいっぱいです…♪ ……あ、目が覚めたのですね…!(目覚める「あなた」にほっと胸を撫で下ろす) 」
メディ「 !! (ザビーダを発見するや否やデフォ目になる)先程の不審者です!!( ピピーッ♪ )(笛で警音を鳴らす)主様、おはようございます。ですがあちらを向いてはなりません。決して!!(ザビーダの方を向くなと言わんばりに両手を振りながらわたわたする) 」
ザビーダ「ちょ、おまっ…だから、それやめれって(汗(メディに) 」
ヒロ「いや、見るなって言うより…こっちをなんとかすべきだ(メディにそう言い、ザビーダの上半身にモザイクをかける) 」
天王寺璃奈「……!………(目覚めて起き上がる「あなた」の様子をずっと静かに見続けていた)あ、さっきの…(いつの間にかいたザビーダを見て) うん。私も、長い間眠っていたホムラちゃんが目覚めてくれてよかったと思う。璃奈ちゃんボード…〖* ☼ Д ☼ *〗ぱっちり! 」
メディ「ああ、ヒロ様!なんてことを!モザイク効果でさらにいやらしく見えます!破廉恥極まりないです!(ぇ 」
あなた「……♪(寝起きも相まって表情も相変わらず固いが、ザビーダを見てはしゃぐ(?)仲間たちに便乗して自分もザビーダの傍へ近寄ってはしゃぎだす) 」
ホムラ「………ふふっ…♪(そんな面々を傍目に、愉快そうに噴き出した) 」
ヒロ「ええ?じゃあこれでいいかー?(ザビーダの首から下に黒のアクリル板を立てる) 」
天王寺璃奈「……そういえば、何か大事なこと、忘れてる気がする……――― あ (ぽんと手をついて思いだす)そうだ、あの渦潮を何とかするんだった。えっと、この動力室でなんとかできるかな、メディ? 」
メディ「それもダメな気がします!!(首から下が真っ黒になったザビーダに白目で絶叫する)……!そ、そうでしたね…本来の目的を遂行しなければ…。はい、ホムラ様が封印されていたあの装置から、この島全域の歯車を停止させることが可能かと存じます。(そう言うと装置の方へと歩き出し、そこにあるキーボードを操作しながら作業に取り掛かっていく) 」
ザビーダ「おいおい、俺で遊ぶんじゃねえ!ったくよ………言いたかったことまで忘れちまったじゃねぇか。 」
その頃、地上―――
海域に偏在していた巨大な渦潮より下の海底で起動していた歯車群の回転速度が緩慢化し、やがてガコンッと大きな音を立てて停止する。
その数分後、海面の渦潮の遠心力も徐々に弱まり、やがて海は穏やかな波を取り戻すのだった。
アンゴル「申し上げます!伝説の超渦潮が収まりましタァ!(地上で申し上げている) 」
ベジータ「早速釣りに出かける!後に続け、ブロリー! 」
ちゃちゃまる「ぴえん…(
ペニーワイズと一緒に呑まれた渦潮から解放されて海面を漂う) 」
ブロリー「はい… 」
はらぺこあおむし「(渦潮が収まったのでハロウィンのアルバイトを再開する) 」
救助猫「ヨシ!救助開始!(ライフセーバーの格好をした猫が海へ飛び込む、尚カナヅチなのですぐに溺れていく) 」
電話猫「どうして持っているのが浮き輪じゃなくどでかいホットドッグなんですか?どうして…(世話の焼ける救助猫を釣り竿で引き上げる) 」
メディ「……これでこの島全域の歯車は停止したかと思われます。おそらく我々が港に戻ったころには、渦潮も完全に収まっていることでしょう。これで一件落着ですね。 」
天王寺璃奈「よかった…(ほっ一息つく)じゃあ、あとは地上へ戻るだけ、だね。 」
ヒロ「ダメかあ………お、元に戻ったな!…よし、戻ろうぜ! 」
ズ シ ィ ィ ン ッ … … … ズ シ ィ ィ イ ン ッ … … ズ シ ィ イ イ ン ッ … ――――
ザビーダ「やれやれ…… おっとそうだ、そういやお前ら.........ここ来る時、上でドッタンバッタン大騒ぎしてたろ。 」
ホムラ「……?(どこからか鳴り響く地響きのような音に振り返る)……!いえ、これは…――― 」
キングの像「――― ズ ギ ャ ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! (安心したの束の間―――そこに、あの巨大な石像が壁を突き破って再び現れたのだった)」
あなた「……!!?(鳴り響く震音、そしてその正体である石像が壁を突き破って出現したことで仰天したように飛び退いた) 」
ザビーダ「―――――って、言いだした矢先にもう来やがった! 」
メディ「……?……!この揺れ…ひょっとして―――!(予測的中。追跡してきた石像とまたも相見え璃奈と「あなた」を守る様に前へ身を乗り出す)…ついに、ここまで追ってきましたか。(アタッシュアローを身構える) 」
天王寺璃奈「あっ……!あのおっきな石像、また……うっかり、してた……!〖*。д゜*〗あわわっ! 」
ザビーダ「…ま、こーなるこたぁ、俺ぁはじめっから予想はしてたけどな。何はともあれ……お前らの残飯だ、っつーわけで、処理よろしく!(そう言って肝心な時にも関わらず、緑風に包まれ消えてしまう) 」
キングの像「ズシィンッ、ズシィンッ、ズシィンッ…!!(巨像はついに彼らを追い詰める。逃げ道は自身が突き破ってきた出入り口ただ一つなのだから…) 」
ヒロ「…………そうやすやすと帰らせちゃくれねえか(同じく二人を守るようにメディの横に立つ) 」
ゴムゴムのぉ~~~~…―――――――
ルフィ「―――― “鷲(イーグル)バズーカ”ァッ!!(高い天井から落下してくるや否や、武装色の覇気を纏った両腕の掌底をキングの像へ炸裂させた) 」
キングの像「 バ ギ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (颯爽と現れたルフィの一撃に脳天よりかち割られ、激しい爆音と共にその体が粉砕され、空間に土煙が巻き起こった) 」
天王寺璃奈「きゃっ……!?(突然石像が粉々に砕け散った衝撃で目を瞑る)……?……!砕け、ちゃった…でも、どうして……!(不思議そうに状況把握しようと辺りを見渡したところ、そこに身に覚えのない人物…麦わら帽子をかぶった青年「ルフィ」を発見して「あっ」と声を零した) 」
メディ「ああ、なんたること!肝心な時に逃げ出すなんて、とんだ無礼極まりない不審者です!我が飛電インテリジェンスのブラックリストに登録いたします!(ぇ(消え去ったザビーダに)……!…どうやら、あちらの方に助けられたようですね。(ルフィに視線を送りながら) 」
あなた「……!(助けに現れたルフィを見て首をかしげる) 」
ホムラ「……急なところを助けてくださり、ありがとうございます…!あの、あなたは……?(離れた距離からルフィへ尋ねる) 」
ルフィ「――― 俺は「ルフィ」!海賊王になる男だ!!( ド ン ッ ! ! )(意気揚々と名乗り出る)大丈夫だったか、お前ら?にっししし…♪ 」
天王寺璃奈「もしかして、ロビンさんの言ってた、仲間の……(「ルフィ」というを名、そして「麦わら海賊団」のトレードマークである彼の麦わら帽子を見てすべてを察する)……うん、助かった…ありがとう。 」
――― スト、スト、スト、スト、ストッピだよ~~ん。(粉々に砕け散った石像の残骸…そこに立ち込める土煙の中から、大きな影と共に幼子の声が聞こえてくる)
あなた「……! ……(ルフィに感謝の挨拶とし手を挙げるが、その時聞こえた謎の声…石像が砕けた箇所へと振り返る) 」
ポーキー「――――― ガチャンッ、ガチャンッ、ガチャンッ……! (砂埃より出でるその影が正体を現す。棺とも揺り籠とも思える六本足を持つ起動兵器…その内部に、酷く衰弱しきった白髪の少年が、まるで介護される老人のように収容された)おわりの、はじまり。すべての、おわり。なかよく、しようよ。ぼくが、『ポーキー』です。ほんとうは、こんなに、すなおな、ただの、ちいさな、しょうねんです。ゴホンゴホンゴホ。みらいと、かことを、じゆうに、いききしてきた、たびびと。だれよりも、おりこうで、だれよりも、チャーミングで、だれよりも、いたずらっこな、『ポーキー・ミンチ』さま、でーす。ハァー、ハァー。 」
天王寺璃奈「……君が…「キングP」……(ポーキーのその見た目に、形容しがたい表情を見せて怯えるように距離を置く) 」
ヒロ「……!ルフィ、か。助けてくれて、ありがとうな(ルフィに)…ポーキー・ミンチ?知らない名前だな? ……(璃奈の不安を察し、彼女のそばに立つ)…やけに弱ってるようだな?(ポーキーに) 」
メディ「……(砕けた石像の残骸から出でるその不気味なマシンと中の少年を睨むように、依然構えを解かず対峙する)……やはり、でしたか。あの逃走の間際、わたくしは石像をスキャニングして感知したのです。石像の中に、大きな起動兵器と、小さな生命体の反応を。(先程の逃走シーンがフラッシュバックする)……あなたが、今回の事件の首謀者…「キングP」。いえ…『ポーキー』、ですね。 」
ルフィ「にっしし、気にすんな!(満面の笑顔でヒロたちに)なんだぁ、あいつ…?ポッキー・ミンチ?なんだか旨そうな名前だなぁ~(悠長に涎を垂らしている)にしても…すんげぇ~~~~かっくいいなぁ~~~~!!✨(ポーキーのマシンを見て少年心をくすぐられたのか、両目を輝かせながら眺める) 」
メディ「あの様子…まるで、人間の寿命を何度も体感し、限界値を超えた老化が進んだ結果と言えるものでしょう。見たところ呼吸困難のようで、喋るのもやっと…でしょうか。癒着したあのマシンから生命エネルギーを吸い取っている…わけではなく、どうやら、"彼自身の生命力だけ"で生き永らえていると思われます。にわかには信じられませんが…伝説にもある"不老不死"…ですね。不老ではないみたいですが…(ヒロに) 」
天王寺璃奈「……君が…この島の歯車を、起動し続けた。ホムラちゃんの、力を利用して……(ポーキーに) 」
ポーキー「この、ポーキーさまの、おしろへやってきた、しょくん!あらためて、ようこそ。おしり、ぺんぺーん!あはははははは。ゴホンゴホン…ゼイゼイ。これまでの、にんげんたちが、やらかしてきた、しっぱいを、にどと、しないようにって。ここから、あたらしい、せかいを、つくろうとしたのに、なんで…ばーーーっか、じゃないの?!どんなに、ルールかいていをしても、どんなに、やせがまんしても、にんげんという、いきものは、なんどでも、おなじように、わるいことや、ばかなことをして、じぶんたちの、くびを、しめあうのさ。そして…はめつする。 」
ポーキー「ぼくのように、すぐれた、えいゆうの、アイディアにみちた、わがままに、だまってついてくれば、しあわせになれるのに…。ゼイゼイ、ゼイ、ハー、ハー。どうして、そんなふうに、ちっぽけなあたまと、なさけない、からだと、よわよわしい、こころで、じたばたと、あがきながら、いきようとするのかなぁ? 」
ポーキー「ま。まぁ、もう、きみたちの、さるしばいも、まくを、おろすときが、きた。ぼくが、ちからのなかの、ちからを、わがものにするときが、きたからね。これまでも、すべてを、おもいのままにしてきた、ぼくが、さいごにして、さいだいのちからを、「てんのせーはい」を、てにいれるわけだよ。へへへ、へへっへ。あは、あははは、あはははははははは。ゴホンゴホンゴホン、ゴホッゴホッ。ハー、ハー、ハー、ハー。(マシンの六本手の一つで天の聖杯であるホムラを指し示す) 」
天王寺璃奈「……うん、そうだね。私たち人間は、いくつもの間違いを繰り返してきた。それは、否定できない事実。…でも、その度に、その間違いを正そうって、努力もしてきた。この歯車だらけの島も、この島を創った昔の偉い学者たちも、それからこの島を受け継いできた島民たちも…ううん、この世界にいる私たちのみんな。だから、今を生きている。その破滅のない、現在(いま)を。」
ヒロ「不老、不死…!そんな…人間の生命力が、そんなにたくましい物だと言うのか!(ポーキーを見てメディに)…そのちっぽけな頭と、情けない体、弱々しい心で…失敗しては立ち上がって…それを繰り返して強くなったやつだっているんだよ!…おめーなんかにやるわけにはいかねえ! 」
ヒロ「そんなに欲しけりゃなあ……俺たちを倒してからにしろ!!(ドン!! 」
メディ「あなたにとっては、あなたのために尽くそうとした残党員たちも、相対する私たちもみな等しく愚かに見えるのでしょう。あなたがこれまで幾度の時間を超えて何を見て、何を感じてきたのかは我々には知る由もありません。ですが、これだけは断定できます。人間は日々変化を遂げながら成長し、進化し続けるのだと。 」
メディ「私を作ってくれた璃奈様や或人社長、共に冒険をする主様やヒロ様、そしてここで出会ったテリー様や麦わら海賊団の皆様、ホムラ様との出会いを通じて…私はそう確信を得ました。人間は出会いの数だけその身と心に可能性を見出すのだと。これは私の憶測でしかございませんが…ポーキー様、あなたはそのような素晴らしい邂逅に巡り合えなかったのでしょう。故に、他者へ排他的意見を持ち出し、自分以外を見下し道具としか判断しない。そのような方の説くお言葉など、荒唐無稽と言えるでしょう。 」
葦名弦一郎「 なるほど、機械の力を使っての不死か。ならば……(スラリと黒の不死斬りを抜刀)。……加勢しよう。不死に関しては色々と因縁があるゆえ。これも葦名のため。 」
ホムラ「……私のこの力は、世界を変革するためでしか意味を成さないのでしょう。それが私自身が生み出された由縁……それでも…(「あなた」に一瞥を与えながら)…私は、「私」として生きていきたい。たとえそれが、あなたの言う通りの世界だとしても……私は、彼らと一緒に、この世界に生きていたいのです…! 」
テリー(DQⅥ)「お前……… まったく……どこまでもお人好しな馬鹿だな。(メディの言葉を聞き) 」
あなた「………!!(仲間たちそれぞれの"想い"と同じなのか、意を決したように聖杯の剣の切っ先をポーキーへと突きつける) 」
メディ「それが、私が生み出された由縁であるが故に。人間とヒューマギアの「夢」を支えること…それが私の最たる役目なのですから。(テリーににこりと笑う)……!どなたかは存じませんが、ご協力感謝いたします。(葦名弦一郎に) 」
ポーキー「…ふぅ…ここまでは、あそびのためとはいえ、ずいぶん、きみたちに、いろいろ、すきほーだい、させたものだ。ぼくは、ほら、たいくつで、たいくつで、スリルのある、ゲームをしたくて、たまらなかったからね。でも、もう、こうしてであったら、ハンデは、なしだ。「てんのせーはい」…ぼくが、そのむすめを、てにいれる。そのじてんで、ぼくの、おもいのままになるだろう。おそらく、きみたち、おばかさんたちは、その、しゅんかんから、ゴミか、ホコリのようなものになって、やがて、きえてしまうことだろうよ。あははは。ちょっと、さみしいけどね。 」
ポーキー「そんなことでもないと、ぼくは、じぶんの、たいくつに、おしつぶされそうなんだよ。ゼイ、ゼイ、ゼイ。ハー、ハー、ハー、ハー。りかいしてくれるね?かみのような、そんざいになった、ポーキーさまの、かなしみを。あははは。あは、あはははは。ゴホッ、ゴホッ、ゴホッゴホッ、ゴホッ。わは、わは、わはははははは。 」
ポーキー「…でも、うんうん、いせいが、いいいね、よわむしくんたち。やっぱり、そのほうが、ゲームが、おもしろくなるからね。あははははっはははは。ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ。ゼイ、ゼイ。ハー、ハー。あっかんべろべろ、へっぺけぺー!ハァー、ハァー。ゴホンゴホンゴホンゴホン。でも、もう、ほんとうに、あそんでるばあいじゃないんだ。ゼイ、ゼイ、ハー、ハー。「てんのせーはい」は、このポーキーさまの、ものだ! 」
葦名弦一郎「 礼はいらん。どうしてもしたいのなら、終わってからにしろ。(メディに)さて……ずいぶんと弱り果てた声よ。竜咳に蝕まれたかのような……。 」
メカポーキー軍団『 ド ド ド ド ド ド ッ … ! ! ! (動力室のいたるところからポーキー本体の姿を象った少年ロボットが数百体以上出現し、四方八方から取り囲むように彼らに襲い掛かった)』
ヒロ「……かなりの大舞台だな。…ご挨拶させてもらうよ!(土でグレネードを生成し、メカポーキー軍団に投げつける) 」
ポーキー「 ガチャンッ、ガチャンッ、ガチャンッ……! (召喚したメカポーキー軍団と共にそのマシンもまた進撃を始める)ズバンッ、ズバンッ、ズバァァアアンッ !!!(六本腕の二つ、その刃の如き鋭い先端を巧みに振り払い、一向を斬り裂こうと襲い掛かる) 」
ルフィ「くか~~……Zzz……はっ!むにゃ…もう終わったのかぁ…?(人の話を聞くのが苦手故か、ずっと居眠りしていた模様)うっひょー!なんかおもしれーロボットがたくさん出てきやがったな!(にししと笑うとメカポーキーたちの頭上へと飛び上がり…)ゴムゴムのぉ~~~……“鷹銃乱打”(ホークガトリング)ッ!!(再び覇気を纏った両腕で凄まじい速度で拳を打ち出しながらメカポーキーたちを殴り飛ばしていく) 」
ホムラ / あなた『行きましょう! / ……!(軍団たちを潜り抜けながら、ホムラは光の幕を張りながらポーキーの斬撃を縦となって受け止め、「あなた」は聖杯の剣で斬り返しながらその隙を狙い、ポーキーの腕の一本へ剣を振るい攻撃する)』
天王寺璃奈「…これ、使って…!前にせつ菜さんにせがまれて作ったライブ用の小型爆弾だけど…敵の動きを、止めるくらいには使えるはず…(守られるヒロに背後から、作成した猫型爆弾を数個差し出す) 」
メディ「…ッ…!(身を翻してメカポーキーの進撃やポーキー本体の斬撃を掻い潜っていく) はっ! (アタッシュアローを縦横無尽に振り抜き本体にダメージを与えていく) 」
葦名弦一郎「 ふん!(ポーキーの斬撃、軍団の進行を刀で弾きながら機を伺いつつ)……シュバァァアアア!!シュバァァアア!!(ホムラ/あなたを援護するように弓矢を射かける)進むがいい……俺は道を誤った。異形の力、竜胤の力を……変若の澱みを使えば、葦名を救えると思っていた……お前達はそうなるな。 」
テリー(DQⅥ)「ふっ……なら……俺も支えてやらないとな。…お前達の夢とやらを。―――ギガスラッシュ!(メカポーキー軍団を薙ぎ払う) 」
ヒロ「む、これは…!せ、せつ菜ちゃん…どんなライブにするつもりだったんだ…?…まぁ、いい!ありがとう!使わせてもらうよ!(差し出された猫型爆弾を受け取り、一個ずつポーキー目掛けて投げる) 」
ポーキー「ガキィン、ガキィンッ…!(「あなた」とメディの斬撃、葦名の矢に二本の腕が弾かれるが)ギュルルンッ――― ドギャアァンッ!!(独楽のように回転すると同時に六本腕を四方八方へ勢い良く伸ばして薙ぎ払う) 」
メカポーキー軍団『 チュボンッ、ボギャアァンッ、ズギャギャギャアアアアァァンッ ! ! ! (一行の快進撃に次々と破壊されるが…)―――― ウィン、ウィン、ウィン、ウィン…!(爆炎の中から何処からともなく増援が押し寄せてくる。頭部のサイレンライトを光らせながら容赦なく特攻し、彼らの至近距離で自爆を起こそうと迫りくる)』 」
ホムラ / あなた『きゃんっ…! / ……!?(幸いにもホムラの展開する光の膜のお陰で無傷だが、斬撃にそのまま圧倒されて二人とも吹き飛ばされる)……私は、平気です…!そのまま、攻撃を…! / ……!(二人ともすぐに立ち上がると、「あなた」は燃え盛る剣を振るって遠距離から火炎弾を何発もポーキーに放つ)』
メディ「……!感謝いたします。(小声でテリーにそう告げる)――――! あぅ…ッ…!(水平に構えた武器で回転斬りを受け止めるもそのまま圧倒されてしまう)はッ……!(「あなた」と共にエネルギー矢を放って反撃する) 」
ポーキー「ボギャンッ、ドギャンッ!!(火炎弾やエネルギー矢が全弾被弾するも…)シュゥゥウウ…ッ…(そのマシンには傷一つ付かなかった)おしえてやろう!いくらこうげきされても、ぼくは、しなないんだよ。たおれることまでは、あっても、ぼくは、しなない。しらなかったろう? 」
ポーキー「ぼくは、なんどもなんども、じかんと、くうかんを、ひっこししてきたから、ふつうの、にんげんのように、ふつうに、としをとることができなかった。もしかしたら、1000さい、かもしれないし、10000さい、なのかもしれない。あたまのなかは、こどものときの、ままなのにね!おかしいかい?おかしいよね。……わらうのか。ゴホン、ゴホン。ぼくを、わらうのか!(すると今度はマシン頭部にエネルギーが収束し、メカポーキーを巻き込んでの電撃光線を一行へ放ち蹂躙していく) 」
葦名弦一郎「 ―――!(放たれる電撃光線。直撃したかと思いきや……)ガラン、ゴロン(その場に残されていたのは鎧甲冑と兜、そして本人は……) 」
ホムラ / あなた『きゃあああぁっ!! / ……!!?(ポーキーの電撃光線を受けてホムラの身体が感電する。すると、不思議なことに被弾していない「あなた」も同様に感電した痛みが全身に走っていく)…はぁ…はぁ……んく、ごめんなさい…私と命の共有を行ったことで、「あなた」にも…… / ……! …… ……♪(謝るホムラに、「あなた」は無表情でも笑っているかのような目を向けて答えて立ち上がる)』
メディ「ホムラ様…!……!?(主様まで…!?いったい、何が起きて…)(電撃光線をステップで避けながら急いで二人のもとへ駆け寄っていく)すぐに手当てを!(ホムラの被弾部へ応急処置を行う) 」
葦名弦一郎「 (空中に舞うような身のこなしで、それはまるで天女が地上へと降りるかのよう。しかし、その右手に握られた不死斬りと刀身に宿る膨大な電撃がそれらを否定するかのような威容と轟音を立てていた)――――――巴の雷、見せてやろう!(巴流に伝わる"雷返し"。雷撃をまとった斬撃がビームのようにポーキーへ) 」
ルフィ「くっそ~…!こいつら邪魔だな…!!(次々と迫りくるメカポーキーたちをじれったそうに蹴散らしていく) 」
ポーキー「あぎゃぎゃぎゃ。(葦名の放つ雷撃がマシンに炸裂し、一瞬その機能が停止して電撃光線が潰えた)……もし、「てんのせーはい」を、つかえば、すべてが、はかいされつくして、あらゆる、いきものが、すべて、きえてしまうかもしれない。それでも、あはは、あは、あははははは、あははははは、ゴホゴホ、ゴホ。ぼくは、いきているんだ。ひろいひろい、せかいに、ぼくと、「てんのせーはい」だけが、いきている!そんなことも、かくごのうえさ。あはは、あはははははは!ゴホンゴホン、ゼイ、ゼイ。(そしてマシンは再起する) 」
―――― ルフィ~~~~ッ!!(動力室に、彼の名を呼ぶ大勢が押し寄せてくる)
ゾロ「三刀流!“黒縄・大龍巻”!!(飛び出してくるや否や、三本の刀を力強く振るい斬撃の竜巻を引き起こし、メカポーキーたちを吹き飛ばす) 」
サンジ「ちッ…まとめてシバくぜ。“羊肉(ムートン)ショット”!!(強烈な連続蹴りを繰り出しながらメカポーキーの大群を蹴散らしていく) 」
ウソップ「俺の出番だな!緑星(みどりぼし)!“ドクロ爆発草”! チュボォーーーンッ!! (ドクロの形をした爆発を起こす種をパチンコで飛ばし、メカポーキーの大群の一部を破壊する) 」
ナミ「いくわよ~!“サンダーボルト=テンポ”!!(魔法の天候棒を振り回しながら、メカポーキーへ雷(いかずち)を落とす) 」
チョッパー「大丈夫かみんな~!? “柔力強化(カンフーポイント)”!アチョ~~ッ!!(軽快なフットワークでカンフーを繰り出しながら、迫りくるメカポーキーたちを薙ぎ払っていく) 」
ロビン「遅くなったわね。(ヒロのもとへ駆け寄る)千紫万紅(ミル・フルール)!“巨大樹(ヒガンテスコ・マーノ)・スパンク”!(1000本の腕を咲かせて2本の巨大な腕を作り出し、メカポーキーたちを突き飛ばしていく) 」
フランキー「食らいやがれ!!“フランキーラディカルビーム”!! ギュゥウウン―――ボボボボッカアアアアァァアアンッ !! (両腕を合わせた後、両掌の孔からレーザービームを発射して一列に並んで襲い来るメカポーキーたちを蹂躙する) 」
ブルック「ヨホホホホ!失礼しますよ~!鼻唄三丁“矢筈斬り”!! ズッバァンッ!! (仕込み杖による速斬りでメカポーキーを一刀両断) 」
ジンベエ「ここはワシらに任せぃ!魚人空手!“唐草瓦正拳”!!(正拳突きを行うと同時に全方位に衝撃波を発生させてメカポーキーたちを吹き飛ばす) 」
ルフィ「お前ら~~~~!!(対に集結した麦技海賊団の仲間たちを目に嬉々とした笑みを浮かべる)よっしゃッ!そいつらは任せた!俺は…あいつをぶっ飛ばす!!(そう言うとポーキー本体へ全速力で向かう) 」
ホムラ / あなた『はぁ…はぁ……メディちゃん、ありがとう…!(彼女の治療を受け、何とか呼吸を整えていく)……私はもう大丈夫です。いけますか? / ……!(ホムラの問いかけに「あなた」は強かに頷く)』
天王寺璃奈「あっ……!(参戦した麦わら海賊団の面々に驚きつつも、逆転の可能性を信じて祈るように見守り続ける) 」
テリー(DQⅥ)「お前達……ふっ、これで大体、役者は揃ってきたな。さて………一気に畳みかけるぞッ!(海賊団の面々を見て、再び構え)――――アルテマソード!!(メカポーキー軍団に強力な斬撃を繰り出す) 」
葦名弦一郎「道を拓く! このまま進め(ギリギリと強く振りしぼった矢をいくつも放ちながらホムラ/あなたに) 」
ポーキー「ぼくは、えいえんのいのちとして、せかいが、おわるまでを、みとどけて、やる。ぼくを、すきにならないやつらが、みんな、きえたあとの、せかいが、おわるまで……!!(抗う面々を他所目にするが、その隙を突かれ葦名の矢に動きを封じられる) 」
ルフィ「ゴムゴムのぉ~~~…―――――"火拳銃"(レッドホーク)ッ!!!(赤熱した拳をポーキーへと炸裂させ、爆炎を纏うすさまじい一撃を叩き込んだ) 」
メディ「 これで決めます…!\ ジャンプ ! / \ Progrisekey confirmed. Ready to utilize. / (ライジングホッパープログライズキーをアタッシュアローへと装填し、レバーを引いてエネルギーを溜め込んでいく) \ ライジングカバンシュート ! ! / (黄色い閃光の如き強烈なエネルギーアローをポーキーへと放った) 」
ホムラ / あなた『 はああああぁぁッ!! / ……!!(仲間たちの支援を受けて、二人ともに高く跳び上がる。そして天で折り返し、ポーキーの頭上より猛火の太刀を振り下ろした)』
ポーキー「なんだって―――!!?(三人の合体技が一度にマシンへと炸裂する) ギュ、 ギ ュ ゥ ゥ ウ ウ ン … ッ … ! (ポーキーのマシンは多大なダメージを負い、その機能が徐々に低下しつつあったが…) ボ ッ ギ ャ ア ア ア ァ ァ ン ッ ! ! ! (ついに限界値に達したのか、マシンはすさまじい爆音を上げて一度弾け飛び、金属床へ打ち付けられるように倒れ伏すのだった) 」
天王寺璃奈「……あ……!(ポーキーの爆発に驚いて転倒する。その衝撃でポケットからあの「古びたヨーヨー」が飛び出してしまう) 」
ポーキー「ぐぐぐ、なかなか、やるね。ゴホゴホ、ゴホ。でも―――!!(マシンを再起させようと試みたその時、璃奈から飛び出て地面へと転がり落ちたそのヨーヨーを偶然目にし、何故かその動きを止めた) 」
ポーキーの脳裏に、懐かしい記憶が過る。彼がまだ身も心も純粋だった頃…その時一緒にいた、ある少年との日々を―――
ヨーヨーを回しながら一人遊んでいる少年。
彼は、その様子を離れたところから呆然と眺めていたかつてのポーキーのもとへと歩み寄っていき、そのヨーヨーを手渡そうとしていた。
ポーキー「――――(ヨーヨーを見て、いつかの思い出を連想する少年はマシンの内側からそのヨーヨーに向かって手を伸ばそうとしていた)………(だが、老いに老いたそのしわくちゃの手は上手く伸びず、諦めたようにゆっくりと下ろすのだった) 」
葦名弦一郎「――――!(乱世の侍ゆえの習性か、ポーキーがヨーヨーを見て止まった直後に一気に駆け出す。彼の不死を、この『黒の不死斬り』にて断つために) 」
メカポーキー軍団『ギュゥゥンッ…――――(ポーキーの意思に呼応してか、止めどなく溢れて暴走していた軍団がすべて急停止し、次々と前のめりに倒れ込んでいくのだった)』
あなた「……?(璃奈が落としたヨーヨーに動きを止めたポーキーの姿を垣間見、初めは不思議そうに首をかしげていたが……)……―――!(その時、「あなた」は何か大切なことを察したのだろう。手にしていた聖杯の剣を投げ捨てて突然駆け出し、ポーキーを庇う様に葦名の前に立ったのだ)………(無表情だが、その目は武士や侍のものにも引けを取らない、確固たる決意を秘めていた) 」
ホムラ「あっ……!(剣を捨ててまで駆けだした「あなた」に手を伸ばすが、その意を汲み取ったのか、それ以上は何も言わず、ただその背を見守るのだった) 」
葦名弦一郎「(首を落とす為に刀を振り上げたはいいものの、あなたが前に阻み、動きを止める)―――敵の首を取るは今だぞ。それをなぜ阻む?……だが(静かに納刀)よかろう……(二、三歩後ろへとさがる。ここはホムラ/あなたに任せることに) 」
あなた「………(刀を下ろしてくれた葦名に「ありがとう」と小さく頷いた)……(そして、「これでいいのだろう?」と、どこか優しげな瞳をホムラに見せた) 」
ホムラ「……! ………(「あなた」の瞳に、自分も小さく頷くのだった) 」
ポーキー「――――……ぼくの、あそびに、こんなに、さいごまで、つきあってくれて、ありがとう。あんがい、ぼくって、いいやつだろう?あは、あは。(その弱った声音には、どこか穏やかさがあるように感じられた) 」
ポーキー「…ぼくは、しなない。ぼくは、しなないし、だれにも、まけることはないけれど、ぼくの、マシンの、エネルギーが、もうすぐ、きれてしまいそうだ。あはっ。だから、そのまえに、ぼくは、また、ちがうじかんへ、たびをするのだ!だ!だ!だ!なのだ!ゴホンゴホン。…きみたちが、かったわけじゃないよ。(その言葉が真意かどうかは誰にも分らないが、少なくとも少年はもう彼らに手を出すことを諦め、再起したマシンを退かせていく) 」
ポーキー「いつか、いつか、どこかで、ゴホ、ゴホゴホ。あそんでくれたら、うれしい、かな。ゼイ、ゼイ、ハー、ハー。それじゃあ ――――― またね。(それだけを告げるとポーキーのその体はマシンごと白い光に包まれていく。光は真っ暗な天へと昇るように消えていくのだった…―――) 」
天王寺璃奈「…… …… ……(光となって昇っていくポーキーを顔を上げて見送った後、床上に転がっていたあのヨーヨーを拾い上げる)―――― コ ト ……(そして、何を思ったのか、そのヨーヨーを彼のいたところへと眠らせるように置いていくことにした) 」
葦名弦一郎「 ……違う時間へ行く、というのが真実であるのならば、それは脅威を見逃したことに外ならぬとは思うが……いいのか?(特に意味はないかもしれないが、まるで素朴な疑問のように、比較的穏やかにホムラ/あなたに) 」
ホムラ「……そうかもしれません。でも…あの子(ポーキー)は、「この子」(あなた)と出会って…何か、大切な何かを連想したのだと思います。その"想い"が、長い間変わることのなかったあの子の心を変えるちょっとしたきっかけになったのなら…それであの子が少しでも救われたのなら…良かったかなと思います。(胸に手を当てながら葦名に) 」
メディ「……時を渉る永遠の旅人「ポーキー・ミンチ」様の旅路に、幸あれと―――(その光を見届け、瞳を閉ざす) 」
葦名弦一郎「 ……(その答えに特になにも言わず。そして不満もなく、その決断に敬意を抱きながら甲冑を身に着ける) 」
あなた「……(璃奈の隣へと赴き、同じように暗い頭上へと昇っていく白い光が消えていくまで見届ける) 」
こうして、歯車島での騒動は幕を閉じるのだった――――
メディ「……いろいろありましたが、これでこの島の事件はすべて解決いたしましたね。皆さま、お疲れさまでした。 」
天王寺璃奈「うん… びっくりしたこと、たくさんあったけど…普段味わえないこと、たくさん経験した。……これが、冒険なんだね。 」
テリー(DQⅥ)「…ふん……こんな面倒な事、二度と御免だがな。 」
ブルック「しかし驚きましたね~…!まさか私のように蘇りを経るとは!びっくりして、目玉が飛び出ちゃいそうです―!ま、私、飛びだす目玉もないんですけど…ヨホホホホホ!!(あなたに) 」
ヒロ「…ありがとうな。みんなのおかげだ(メディや璃奈たちを見て) 」
ナミ「あら?なんだかんだ言ってここまで付き合ってくれるなんて、アンタもお人好しなところあるじゃない(テリーをからかう) 」
サンジ「ったく…愛しのナミさんが俺たちの助けを求めてくれたってのに、このクソマリモが道中はぐれるせいでえらい時間かかったじゃねーか…(ゾロにがんを飛ばす) 」
ゾロ「あぁん?なんか言ったかグルグル眉毛…!(サンジと睨み合う) 」
ホムラ「はいっ。みなさんのおかげで私もようやく無事に目覚めることができましたし…本当に良かったと思います。 」
あなた「……♪………?(ブルックのスカルジョークを面白そうに聞いていたところ、ふと振り返った先に何かを見つける) 」
ウソップ「……ん?おい、どうした?なんか見つけたのか~?もしかしてお宝とかか~?(振り返った「あなた」に気が付いてその視線の先を見つめる) 」
テリー(DQⅥ)「……あ?…勘違いするな。俺は俺の目的のために動いてただけだ。……まあ、とんだ大ハズレだったがな。それにだ…この島のせいでどうしようもなくなっていたのは全員同じなんだからな。(ナミに) 」
「あなた」の視線の先……そこにはただの壁。
だがその壁に、白い何かが刻まれている。近づいてみるとそれは、何らかの「文字」のように見えた…
白い文字のようなもの…それはあまりにも稚拙で猥雑で読み解くのも困難を極めるものだった。
そう、一言で言い表すなら、それは文字というよりも落書きに近いものだ。
一文字にまた違う文字が何重にも重ねられ、それが一つの文を成していたのだ。
ロビン「……?………これは……!(「あなた」が見つけたその不思議な文字に見覚えがあるのか、もしや…と驚声を漏らした) 」
ジンベエ「なんじゃ?何を見つけたかと思えば……これは、文字か?ポーネグリフとは違うようじゃが…お前さん、これに見覚えが?(文字の刻まれた壁と対立しながらロビンに) 」
ロビン「これは……――――『 混沌文字 』ね。(間違いない、と断定するようにその文字を見続ける) 」
あなた「……?(「混沌文字」の言葉に首を傾げる) 」
ロビン「…『混沌文字』は、ありとあらゆる言語の文字をそのまま重ね続けてできあがったものよ。例えば極端な話、日本語のひらがなにある「あ」という文字の上に、カタカナの「ア」、それから漢字にある「亜空」の「亜」を三つ重ねると、どう見えるかしら?…想像は容易く、まるで意味不明よね。そうして様々な言語の文字が何十以上と重なって…まるで子どもの落書きのようにぐちゃぐちゃとしたものになるの。 」
天王寺璃奈「だから…「混沌文字」、なんだ……でも、それって、ただの落書きじゃ…?小さい時、私もよく、暇つぶしに落書きで同じようなこと、したことあるから… とても、意味があるようには…〖* ・_・ *〗?(疑問のボードを被る) 」
ロビン「実際、この文字を解読した研究者たちの証言があるからだわ。けれど解読に成功した文字は運よく重なった文字数が少なかっただけ…重なる文字が多ければ多いほど解読は困難となる。そして、研究と調査が進み現時点で分かったことが二つだけあるの。 」
ホムラ「うーん……確かに、とても読めたものではありませんね…(ぐちゃぐちゃに重なった混沌文字を前に難しそうな表情を浮かべる)……分かったこと、ですか…?(ロビンの方へ振り返る) 」
ロビン「ひとつは、解読された混沌文字はすべて、「誰かに向けられたメッセージ」のような内容であること。
もうひとつは、その差出人…つまり、この文字を書き残した者の名が『 アラン・スミシー 』であることよ。 」
ブルック「…『
アラン・スミシー』…?何処かで聞いたことのある名前ですね………ああ!そういえば昔…映画鑑賞をした時に、クレジットでそのような名前を目にしたことがあります~! 」
天王寺璃奈「私も、確か、以前…しずくちゃんと一緒に古い映画館で観た映画のエンドロールに、そんな名前を見た気がする… …… …… ……(ふと、何かを思い出したように俯きだす。その表情は何処か、寂しげであった) 」
ホムラ「……あの…えと…その、『アラン・スミシー』というのは…?(恥ずかしそうに小声で誰かに問いかける) 」
ヒロ「アラン・スミシー?…そいつが、こんな文字を…(混沌文字を見て)…どうした?(俯いた璃奈に) 」
あなた「……?(俯く璃奈を見て心配そうに首を傾げる) 」
メディ「 『アラン・スミシー』というのは、架空の映画監督の名前です。映画制作中に監督が降板してしまいポストが空席になったり、何らかの問題で監督が自分の監督作品として責任を負いたくない場合、監督協会の審査・認定のもとに、完成品に自分の名前をクレジットする代わりに…「アラン・スミシー」という名義を用いることができたのです。 」
天王寺璃奈「……ぁ……うん…(ヒロと「あなた」の視線を感じて小さく頷く)……実はね…私の同級生で、友達の「しずくちゃん」っていうんだけど… ある時、急に行方不明になっちゃったの。ちょうど…「あの彗星」が落ちた日から… 部室にも来なくて、家にもいなくて…心配になってみんなで探したけど見つからなくて…警察にも捜索願を出したけれど……まだ……(しゅんとなる) 」
ヒロ「えっ、しずくちゃんが!?(面識のあった少女の名前を聞き、驚いた顔を見せる)…もしかしたら、あの彗星が、関わってるかもしれないな… 」
ホムラ「存在しない映画監督の名前…ですか… 映画…私は観たことありませんが、機会があればいつか鑑賞してみたいですね。…あ、ごめんなさい。関係ないですよね…続けてください…(恥ずかしそうにしゃちこばる) 」
テリー(DQⅥ)「……また「あの彗星」か。部屋にも、家にすらいない…………やれやれ………まさかな。 」
あなた「……(璃奈の言葉に耳を傾けながら、同情するように目を伏せる) 」
チョッパー「ふぅ~ん……ロビンは、この文字を解読できるのかー? 」
ロビン「…結論から言うと、無理ね。混沌文字を解読するということは、難関な知恵の輪を解くと同様なの。多様な言語を理解し、そして人間が持つ視認力の限界を超えた、それこそスーパーコンピュータみたいな超高性能な分析力や読解力を兼ね備えていなければ、混沌文字を解読することは不可能よ。もし、そんなことができる存在がいるとするならば……(その発言の後、メディに一瞥を与えた) 」
メディ「………???(ロビンと目が合い、きょとんと小首を傾げながら目をぱちくりさせる) 」
フランキー「アーオッ!なるほど!そこでヒューマギアのメディか!確かにお嬢ちゃんならロビンの言っていた解読に必要なものを持っているかもしれねえしな…! 」
ヒロ「肩書きのみの映画監督ってことかい…子供にそんな名前をつけるような親も居そうな気がするな(メディの話を聞き)…そうか、彼女なら…!(ロビンの目線に気づき) 」
天王寺璃奈「…ぁ…でも、待って…(そこでようやく話に戻ってくる)確かに、メディならそれができるかもしれない…でも、今のメディはAI(学習能力)向上の過程で、他国の言語は理解できても、そんな何十もの文字が重なった混沌文字を解析、読解するのに大きな時間を有すると、思う…… 」
メディ「…璃奈様の仰る通り…今のわたくしでは、こちらの文字を解読することはほぼ不可能にあります。お役に立てず、申し訳ございません… 」
ヒロ「…そうか… (頭に手を置こうとしたが、手を止める)謝るな。これからどんどん学習していけばいいさ(ニコッとメディに)…見つかるといいな、しずくちゃん…(心配そうに璃奈に) 」
ロビン「そう…ううん、気にしないで。私も考古学者なのにこの文字だけは未だに解読できないのだから…(メディを慰める) 」
あなた「…… …… …………ス……(その時、壁に刻まれた混沌文字へ静かに手を触れる)………!(誰も解読できなかったその文字に触れて何かを感じ取ったのか、おもむろに懐からペンとメモ帳を取り出してその場へしゃがみこみ、その切れ端に何かを書き記していく) 」
天王寺璃奈「………うん… 私も、会いたい……(寂しげな声音でヒロに)……?どうしたの……?(文字に触れ、そして何かを書き始めた「あなた」を不思議そうに見つめる) 」
ロビン「……!(「あなた」の行動に目を見張る)……ひょっとして、この文字が読めるの…?「あなた」は、記憶を失ったと聞いたけれど…… 」
あなた「 カリカリカリカリ…(黙々と文字を書き連ねていく)――― シ ュ ッ … (そして文字を書き終えたのだろう。立ち上がると、ロビンにその切れ端を手渡す。代わりに読んでほしいと、言いたそうに…) 」
ロビン「……(「あなた」からそのメモ帳の切れ端を受け取り、静かにその文字に視線を落としながら、口を開き始める)……読むわね…――― 」
――― 「 連なる想いはその結(ゆい)と綻(ほころび)を齎す、あなたの歩む先はどちらか Alan Smithee 」 ―――
「あなた」が解読した文字をロビンが口に出したその瞬間、空間が音もなく光に包まれた。
― 空白の劇場 ―
光が途絶えた後、一行は身に覚えのない異空間へと飛ばされていた。
そこは白と黒の二色だけで構成された大きな舞台のような空間。
舞台には黒い幕が下ろされていたが、しばらくすると幕が上がっていく。
彼らの前に広がったのは、あの
リューズ島での冒険で何度も目にしてきた歯車だらけの景色。
その舞台の景色は、何処までも果てまで続いているようだった。
奥ゆかしいその光景に、誰もが一度は目を奪われた―――
あなた「―――――!(まるで劇場の舞台のような不可思議な空間にいつの間にか立っていたこと、それからその光景に、ただただ驚くばかりだった) 」
天王寺璃奈「………ん……こ、ここは………?(恐る恐る目を開け、広がるその光景に目を奪われる) 」
メディ「………現在地、検索不能。何故か衛星ゼアとの通信も遮断されてしまいました。…あの歯車…わくたしたちが見てきたものとは、少し異なるようですが…… 」
ヒロ「………じゃあ、島とはまた違うってことか?(メディの話を聞き) 」
ホムラ「……ここは、一体どこなのでしょう……?(不安と好奇心が入り混じった複雑な思いを胸に、辺りを静かに見渡している) 」
ロビン「…どうやらそのようね。(メディとヒロに続くように呟く)…まるで大きな劇場ね。それも、ただの劇場ではない……なにかこう、スピリチュアルなものを感じるわ。 」
ルフィ「なんだここは~…?すっげぇ~~~~広いな~~~~~!?(呑気にはしゃいでいる) 」
アーロン「―――――その通りだ。(いつの間にか、その場に存在していた...) 」
チョッパー「……ん?? ぎゃああああああああああ!?!?!?!?(突然現れたアーロンに驚きすぎて目玉が飛び出る)でででででで、出たあああああぁ!!!!(怖がって、近くにいた璃奈の足へ急いで隠れる) 」
天王寺璃奈「…劇場……わっ…!(忽然と現れたアーロンと、彼を見て飛びだしてきたチョッパーに驚く)……あなたは、あの時の…(
寄宿舎で出会った時のことを思いだしながらアーロンと対面する) 」
ヒロ「劇場?いきなり飛ばされた所が劇場…(何かを考えている)スピリチュアルな…?(さらに考え込む) 」
コ ツ ン ーーー コ ツ ン ――― コ ツ ン――― (刹那、空間に誰かの靴音が一際大きく反響する。その音の主は、舞台からやってきているのが分かった…)
水馬(あめんぼ)赤いな、アイウエオ。浮藻(うきも)に小蝦(こえび)もおよいでる。
柿の木、栗の木、カキクケコ。啄木鳥こつこつ、枯れけやき。
大角豆(ささげ)に醋(す)をかけ、サシスセソ。その魚(うお)浅瀬で刺しました。
立ちましょ、喇叭(らっぱ)で、タチツテト。トテトテタッタと飛び立った。
蛞蝓(なめくじ)のろのろ、ナニヌネノ。納戸(なんど)にぬめって、なにねばる。
鳩ぽっぽ、ほろほろ。ハヒフヘホ。日向のお部屋にゃ笛を吹く。
蝸牛(まいまい)、螺旋巻、マミムメモ。梅の実落ちても見もしまい。
焼栗、ゆで栗、ヤイユエヨ。山田に灯のつく宵の家。
雷鳥は寒かろ、ラリルレロ。蓮花(れんげ)が咲いたら、瑠璃の鳥。
わい、わい、わっしょい、ワイウエヲ。植木屋、井戸換え、お祭りだ。
反響する靴音と共に少女の声が聞こえてくる。
やがて声音の主が彼らの前に姿を見せる。
璃奈とヒロには、その姿に見覚えがあった。
いや、本人と面識のある二人にとっては見間違えるはずはないだろう。
彼らの前にいる少女、彼女は―――
桜坂しずく?「――――――(舞台の上で輝いていた小さな女優『 桜坂しずく 』だったのだから) 」
天王寺璃奈「―――!?(舞台上に現れた少女…同級生にして、友達にして、仲間である、しずくの姿を見てひどく驚いた)……しずく、ちゃん…なの……?(少女は恐る恐る言の葉を紡ぎ出しながら彼女へ尋ねだす) 」
ヒロ「…………しずくちゃん!?(劇場という言葉から連想したのか、思わず口から出てくる) 」
アーロン「……お前達はひとつの意思に触れ、そして、招かれた。いや…………試された、か。 」
桜坂しずく?「……(黒い衣装とペルソナマスクにその身を包んだ少女は、舞台の眼下にいた璃奈とヒロ、そして一同を静視している) 」
ヒロ「……連想が当たったってわけかい(しずくを見て)しずくちゃん…無事…だったのか…? 」
あなた「……!!(先程璃奈の口から聞いたばかりの「しずく」という名の少女であると知り、目を見張る) 」
メディ「…彼女が、璃奈様のご友人『桜坂しずく』様…!しかし、行方不明であったはずのしずく様が、なぜこのような場所に… 」
天王寺璃奈「……彗星が落ちたあの日から、しずくちゃんは、急にいなくなった… 連絡も取れなくて、同好会のみんなで探し回ったけれど……でも…無事でよかった……(今にも泣きだしそうに目を潤ませて) 」
ホムラ「あちらの方が……でも……(なんだか、様子が……)(黒い衣装を身に包んだ演台の少女に目を細めてしまう) 」
桜坂しずく?「……(同級生で、友人で、仲間である璃奈との再会を果たした少女。だが、彼女は表情一つ変えず、ただその舞台で静かに佇む。まるで、璃奈をはじめ、目の前にいる彼らが視えていないかのように…) 」
天王寺璃奈「……しずくちゃん……?(やがて彼女の様子に違和感を覚えたのか、思わず踏み出した一歩から先に進むことができずにいた) 」
桜坂しずく?「………璃奈さん、あなたの席からは観えていますか?暗くて眩い、あの「空白の劇場」を照らす影光を。(舞台の少女はようやく言の葉を紡ぎ出す。だが、その声には人としてのあたたかみは感じられない) 」
天王寺璃奈「…え……?(語り始めたしずくの言葉に硬直する) 」
桜坂しずく?「十二星夜が瞬き落ちたあの日から ―― 世界は「はじまりの暁(あさ)」を迎えました。「箱庭」の幕開けは遍(あまね)く人々をその劇場に招き、忘失の彼方へと誘う大宴を始める。十二使徒の名優たちが演じる素晴らしい舞台なのです。 」
ヒロ「…(璃奈の横に立ち、しずくを見る)…劇場が始まるってのかい?…君だけの劇場が… 」
天王寺璃奈「……しずく、ちゃん……?(彼女の語りに理解が追い付けず、ただただ瞬きをするだけだった) 」
桜坂しずく?「そして宴が幕引く時、想いを転(まろ)ばすこの混沌とした星は生まれ変わります。軋轢や葛藤に苛まれた悲劇は、朝焼けに溶けて、円満で決意に溢れた喜劇へ。 」
一羽のカラスが何処からともなく飛んでくる。カラスは舞台の少女が差し出した右腕に留まった。
桜坂しずく?「――― ようこそ、ここが 渾沌思想劇場【 空白の箱庭 】 です ――― 」
バ サ バ サ バ サ バ サ ァ ――――― カ ァ ー ッ !(しずくがその腕を振り上げると、片腕に留まっていたカラスが促されるように空へと飛び上がる)
フ シ ュ ゥ ゥ ゥ ー … ッ … ! (その直後、水蒸気のような白い煙幕が舞台上に吹き荒れ、飛び去ったカラスが煙に紛れてしまった)
機械仕掛けの卵(オウム・エクス・マキナ)「――― ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ … ッ …! (白煙が晴れていくと、歯車以外何もなかったはずの舞台上に、それはそれはとても大きな「 卵 」があった。横たわる歯車状の土台に固定されている卵は、そのすべてが歯車などの機材のみで構成された、文字通り『 機械仕掛けの卵 』であった) 」
天王寺璃奈「……っ……ねえ、しずくちゃん……?しずくちゃんが何を言っているのか、よく、わからないよ…っ…(喉奥に何かが詰まったようにか細い声を張り上げながら、舞台上の少女を仰ぎ見る)…私たちに言えないこと、あるのかもしれない……しずくちゃんの"想い"を、聞かせてほしいよ…だから………みんなのところへ、一緒に帰ろう…? 」
桜坂しずく?「私が帰る場所は、もう、どこにもありません。だから"還る"べき世界へと私は飛び立ちます。今、ここから、「私の物語」が始まるのです―――(謎の言葉を告げると、小さな女優の身体は煙幕に包まれてしまい、そしてその舞台より行方を眩ました―――) 」
あなた「………!!!(消えゆく少女、そして顕れる異端な卵にかつてないほどの緊張感が迸り、咄嗟に聖杯の剣を構えだす) 」
メディ「……!璃奈様、危険です!(機械仕掛けの卵が佇む舞台へ近づこうとする璃奈をその手で防ぐ)…あの機械仕掛けの卵……機械であるのに、"解析不能"です…っ…!ですが、これだけは判断できます……――― 放置してはならないと…! 」
ヒロ「……待っていろ、しずくちゃん…帰る場所………待ってるぜ…!(卵を見据えて一言) 」
ホムラ「……!(剣を構えた「あなた」を横目に、すぐにその意を汲み取って身構える)事情はお察ししますが…今は…!目の前に感じる危険を何とかしましょう…!! 」
ロビン「………そうね……!(腕を交差して身構える)謎が謎を呼んで状況を整理したいところだけど…それは後ね。今果たすべきは、目の前の「敵」を倒すことよ! 」
ルフィ「………うしっ!なんだかよくわかんねえけど…あいつをぶっ飛ばせばいいんだな?(ポキポキと拳を鳴らす) 」
アーロン「……来るぞ。(刀を抜き、構える) …どうやらこの世界には、破壊が必要なようだ。(どこかの通りすがりのような言葉を口にする) 」
天王寺璃奈「…… …… ……―――― うんっ……!(潤む瞳を指先で拭い、目前の卵を見据えるように仰ぐのだった) 」
そして、「あなた」たちは対峙する。
未だかつてない大いなる存在の、その一端―――「聯想」の名を象った化身と。
機械仕掛けの卵(オウム・エクス・マキナ)「 キ ャ ル キ ャ ル キ ャ ル キ ャ ル ル ル ル … ッ … ! ! (卵の歯車は廻り続ける。幕を開けた舞台の物語を加速させようと―――) 」
――― Vs. 【 空白の箱庭 】 聯想の劇団員《 機械仕掛けの卵 》 〖 Section 1 〗―――
フランキー「どでけぇ卵だな…!全員で叩けば容易く割れそうだぜ!(卵に向かって駆けだしていく) 」
ウソップ「よっしゃあ!行くぜ!(パチンコを両手に狙いを定める) 」
機械仕掛けの卵(オウム・エクス・マキナ)「 カチリ、カチリ、カチリ…―――― ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ ィ ッ ! ! (卵表面にある無数の歯車が回転すると、捻って取り除かれるネジのようにその表面から飛び出し、大きな歯車が彼らを踏みつぶそうと迫る) 」
サンジ「……!ナミさん、ロビンちゃん!危ねぇッ!!悪魔風脚(ディアブルジャンブ)――――(脚部に劫火を纏いながら一目散に駆け出し…)――― “画竜点睛(フランバージュ)ショット”ォッ!!!(ドグォンッ!!!)(迫る歯車の一つに対し、赤熱する脚で強烈な蹴りを見舞って蹴り飛ばす) 」
ホムラ / あなた『私たちも…! / ……!(ホムラの言葉に頷いた「あなた」は彼女と共に駆け出し、迫りくる歯車を横切るように避けていく)』
ヒロ「……歯車!(璃奈とメディの手を引き、歯車を避ける) 」
ルフィ「 "ギア2"ッ!! (全身に力を込めると体中から水蒸気が溢れ出す)ゴムゴムのぉ~~…―――“JET銃乱打(ガトリング)”ッ!!!(ズダダダダダッ!!!)(拳を何度も打ち出す凄まじい速度の乱打を歯車の一つへと繰り出し、粉々に破壊する) 」
天王寺璃奈「わっ……!(ヒロに手を引かれたことで難を逃れる)…ありがとう。……(その間際、果敢にもホムラと共に立ち向かう「あなた」を見据えた) 」
メディ「……! ……きやすく触らないで下さいと申し上げたはずですが……今回は感謝いたします(やや冷たそうな表情でヒロにそっぽむく)…璃奈様の護衛はわたくしが。ヒロ様は、主様を……! 」
ヒロ「…おうよ(璃奈の礼に答え)…へへっ、素直じゃないの(メディを見て)…オーケー、任された(メディの言葉に応え、「あなた」の方へ)おう、援護するぜ! 」
機械仕掛けの卵(オウム・エクス・マキナ)「 ガ ッ キ ィ ン ッ (小歯車(ピニオン)と大歯車(アイドラ)がそれぞれ連結し回転する) ギ ュ ル ル ル ル ル ゥ ッ … ! ! ! (歯車は尚も加速を続ける) 」
――― ギ ュ ゥ ン ッ ―――(一瞬、全員の視界がぐにゃりと歪みだす。同時に、彼らの感覚に異変が発生する。彼らの体感速度が急激に高速化し、従来の速度を超えた異常な感覚が押し寄せることで、運動機能が思うように発揮しない状態へと陥ってしまう)
ゾロ「オレが斬る―――!?(三刀流を構え卵へ刀を振り抜こうとするが―――) なっ……!?(勢い誤って サンジに斬りかかろうとしてしまう) 」
サンジ「んなッ―――― ガッキィンッ!!(ゾロの斬撃が自分に迫るのをいち早く感じ取り、咄嗟に挙げた脚でその刃を間一髪受け止めた)……テンメェ…!なにしやがんだ……ッ…?(ピキピキと青筋を立てながらゾロを睨みつける) 」
ゾロ「(今のは、なんだ…一瞬、早くなった…!?)……悪かったよ、"いきなり勢いが付きすぎちまって"な…お前もそんなところでぼさっと突っ立ってんじゃねーよ…(サンジを睨み返す) 」
サンジ「あ゛ぁ゛ん?んだとゴルァ!! 」
ナミ「ちょっと二人とも何してんのよこんな時に―――!?…うっ…(一瞬歪む視界に立ち眩む)…な、に……この、ッ…感じ……(魔法の天候棒を杖代わりに立ちすくむ) 」
あなた「……!(援護に現れたヒロを視界に捉えると彼にも頷く。そして迫る歯車に聖杯の剣を振り下ろそうとするが…)……!!?(剣を振る速度が突然早くなったことで、歯車を直前に空振りを起こしてしまう) 」
ブルック「ヨホッ…!?わ、私の足が突然速くなってしまいましたよー!?ヨホホホホホホホ―――ズドーンッ!(漫画走りで床上を駆け抜けていたが勢い余って壁へ大の字に激突してしまった) 」
ジンベエ「むっ…いかん!何か妙じゃ!下手に動くなお前ら!(空間に迸る違和感に、その場に立ち止まる) 」
アーロン「……どうやら奴は、こっちの速度を自由に操れるようだ。 」
ホムラ「……ッ…!?(これは、ひょっとして……!)……あっ…!(何かを悟るも、空ぶって大きな隙を生じた「あなた」へと迫る歯車に気が付く。咄嗟にその間へと割り込んで光の膜を展開し、歯車を吹き飛ばして「あなた」を庇った) 」
メディ「……?そのようなことが可能なのですか?…しかし、わたくしの方は平常ですが……(アーロンの言葉を耳に、全身を軽く動かしてみる。その通り、どうやらメディ自身にはその"加速"が働いていない模様で、平常通りの機能を保っていた) 」
あなた「……!(歯車から庇ってくれたホムラに手を上げ感謝の意を表す) 」
ヒロ「…………な、なんでえ!視界がおかしいぜ…!体を動かして攻撃しなきゃ………いいんだろ!(歯車に向けて土弾を放つ) 」
ホムラ「……「エーテル」です…――― 大気中の「エーテル」の流れに、乱れが生じているからです…!(アーロンとメディへ続くように、声を張りあげる) 」
天王寺璃奈「エーテルって…よくゲームとかで聞く用語だけど……それって…? 」
ホムラ「…エーテルは、全ての命の源で、「魔素」とも呼ばれているように魔法の原動力となる一種の生命エネルギーでもあるのです。動物や自然、この世に生きとし生けるすべての生命にはエーテルが宿り、大地にも血液のようにエーテルが流れています。つまり、エーテルはこの世界の物質を構成するために不可欠なエネルギーなのです。 」
ホムラ「時にエーテルは、すべての生命に未知なる力を与えてくれます。ですが、力を与えてくれるとは一口に言っても、正確には少し違っていて…何らかの動作を行う際の"きっかけ"みたいなものです。この混沌世界は、特にそのエーテルの流れが著しく、時々、奇跡的な現象を巻き起こすためのきっかけを与えてくれます。そのエーテルが乱れるということは、人の可能性を低下させてしまう危険性を意味します…! 」
ホムラ「…私はこの大気中のエーテルの流れを読むことができます。みなさんの感覚が鈍ってしまい、誤認が多発しているのは…あの卵が、意図的にエーテルの流れを乱しているからです。人間が本来持ちうる体感速度を加速させたような感覚を齎して、超高速で動いているように思わせる…だから、思うように体が動かせないのだと思います。人間としての感覚を持たないメディちゃんには効いていないみたいですが… 」
ゴールドシップ「うっっ……うおおおおお!!この……このゴルシちゃんの…足が……レース直前のゲート前で…!G1レースなのに…!浮いちゃうぜ!! 」
メディ「なるほど…そういうことでしたか… ですが、かの敵の歯車の回転が加速したことでそのような現象が起きたのならば、歯車の速度を低下させてしまえば、乱れたエーテルの流れを元に戻すことができると推測できますが… 」
天王寺璃奈「……!(メディの推測から、何かを思いつく)…えっと…歯車は、本来、精密機械の殆どに使われる…それを狂わすには、"強力な電磁波"を与えたら、いい。(ふと、テリーとナミの二人へ視線を繰る) 」
ナミ「…ふぅ~ん…そういうトリックね。いいわ、私に任せて♪ (天候棒を振り回して頭上背後に雷雲を発生させる) いくわよ~…!“雷光槍(サンダーランス)=テンポ”!!(天候棒を手繰り、雷雲から稲妻を発生させ、卵に向かって落とす) 」
テリー(DQⅥ)「……! ほぉ……なるほどな。面白い。――――唸れ!雷鳴の剣!(雷鳴の剣を掲げ、雷撃を放つ) 」
機械仕掛けの卵(オウム・エクス・マキナ)「 ギ、ギュギュ…ゥゥゥン…ッ……!(メディと璃奈の推測通り、雷によって歯車の速度が低下していく。同時に、歪んでいた空間が元に戻り、彼らの感覚も元通りになっていくのだった) 」
ルフィ「……っとと……!?(平常の感覚を取り戻したことで転倒しかける)おっ…♪ 気分がよくなった!よぉ~~し!反撃だ!!ゴムゴムのぉ~~…――― “鷹(ホーク)ライフル”ッ!!(覇気を纏った拳を捻り、コークスクリューパンチを卵へと炸裂させる) 」
ナミ「ふふっ、やるじゃない♪(テリーにウィンクを飛ばす)さー、あんたたち!今の内にいきなさい! 」
チョッパー「ありがとなー!(ナミとテリーに手を振りながら卵へと駆け出していく)―――腕力強化(アームポイント)!刻蹄“桜吹雪”(ロゼオミチエーリ)!!(強化された自慢の蹄で乱打を炸裂させていく) 」
ブルック「ヨホ…それでは失礼して―――“夜明歌(オーバード)・クー・ドロア”!!(仕込み杖による鋭い突きを卵へ繰り出す) 」
フランキー「感覚を取り戻せばこっちのもんだ!“ウエポンズ・左(レフト)”!!(左腕に内蔵された砲弾を発射して攻撃する) 」
ロビン「良い連携ね…! 千紫万紅(ミル・フルール)!“巨大樹(ヒガンテスコ・マーノ)「ストンプ」”!!(地面から巨大な両脚を咲かせ、卵に踏みつぶし攻撃を行う) 」
テリー(DQⅥ)「ふん…せっかくお膳立てしてやったんだ、しっかりやってくれよ?特に、そこの…役立たずの馬鹿2人(ゾロ&サンジ)! 」
ゾロ&サンジ『――― あぁんっ!? (二人してテリーにがんを飛ばす)役立たずは「こいつ」だッ!!(互いに互いを指さす)』
機械仕掛けの卵(オウム・エクス・マキナ)「 ギャリ、ギリィ、キャルルッ、ギャリンッ……!!(彼らの攻撃を受ける度に、表面の歯車パーツが一つ、また一つと回転を帯びながらパージ(剥離)し、その残骸が落下し始めていく。それは剥がれ落ちていく殻のように、卵としての形が崩れようとしている) 」
ガ シ ャ ガ シ ャ カ ゙ シ ャ ――― ガ シ ャ ア ァ ン ッ ! ! (卵から剥がれ落ちた歯車パーツがひとりでに浮遊し始める。残骸は空中を踊るように舞いながら一つ一つ合体し、数個の鳥籠へと変形。そして、鳥籠はそのまま垂直落下し、ナミ、ウソップ、チョッパー、ブルック、ロビン、フランキーの六人を閉じ込めた)
あなた「……!……!?(連携攻撃により剥がれ落ちる歯車を見て勝機を予感したのも束の間、鳥籠に捕縛された六人の仲間たちに目を見張った) 」
ルフィ「……!?お前ら…!!(囚われた仲間を助け出そうと鳥籠に攻撃を続けるが…)……くっそぉ~…硬ぇ……!(両手をひらひらさせながら舌打ちする) 」
ロビン「ッ……!私たちのことは構わないで!あなたたちは目の前の敵に集中して! 」
テリー(DQⅥ)「――――――!? なっ……くそっ、あの野郎、対策してきやがった! 」
機械仕掛けの卵(オウム・エクス・マキナ) → アンティキティラ「 キュ ル ル ル ォ ォ ォ ォ オ オ ン … ッ … ! ! (そして、砕けていく機械仕掛けの卵…その内側より、蒼く透き通る硝子が埋め込まれた歯車で構築された鶏のような巨鳥が顔を出し、その全貌を露わにした)」
――― Vs. 【 空白の箱庭 】 聯想の劇団員《 アンティキティラ 》 〖 Section 2 〗―――
ヒロ「…!…近距離攻撃はこの鳥籠の餌食になるわけか!(卵に向けて土弾を放つ) 」
アンティキティラ「 グ ゥ ォ オ ン ッ ! ! (複数の歯車が重なっている両翼を一度、二度と羽搏かせると、強風と共に美しい水滴をまき散らす。だが、その巨鳥からまき散らされた水滴は、常人からすれば大きな水膜…水鉄砲ならぬ"水大砲"そのものであり、被弾すればひとたまりもない。そんな水膜が一行の前方より次々と迫りくるのだった) 」
ホムラ「ハッ…油断は禁物です!敵の姿が…!(卵が割れ、中より孵る巨鳥の姿に圧倒される)……!!(巨鳥が羽搏いたのを見て何かを察し、「あなた」と自分に光の幕を張って水大砲を防ごうとするが…)――― ひゃんっ!!(その圧倒的な破壊力に吹き飛ばされてしまう) 」
メディ「―――!璃奈様!(アタッシュアローからエネルギー矢を数発放つことでこちらに迫る水鉄砲の相殺に辛うじて成功する) 」
ヒロ「…………くっ!(土弾を放ち、泥弾にして跳ね返そうと試みる) 」
天王寺璃奈「……!!(メディに庇われ、飛散する水滴を横目に…卵から孵った歯車の巨鳥を見据える) 」
メディ「っ…世話が焼けるお方です!(咄嗟的にヒロと水鉄砲の間へと割り込み、エネルギーを纏った刃で水大砲を一刀両断する)ヒロ様の能力では、敵の攻撃との相性はあまりよくありません!ここは武器に力を集中させるのが得策かと…! 」
アンティキティラ「 グ ゥ ン ッ ――― !(発条仕掛けのの巨鳥が体を震わせると、その体内から機械仕掛けの小さな卵がまき散らされる。卵たちが地面へ落下すると、殻のような機械部品が散乱すると共に中から機械仕掛けの雛鳥たちが孵り、抗う者たちに襲い掛かる) 」
機械仕掛けの小卵 → 機械仕掛けの雛鳥『 キュコキュコキュコキュコ…! (歯車の足を転がし、発条仕掛けの両翼をばたばたと羽搏かせながら進行する)――― ギ ュ ィ ィ ィ イ イ イ イ ン ッ ! ! (脆そうな両翼が侵攻と同時に激しい回転を帯びはじめ、チェーンソーの如く物体を切断する武器となりて彼らに襲い掛かる)』 」
ジンベエ「水には水の心得じゃ!“武頼貫”ッ!!(こちらに迫る水大砲へ掌から衝撃波を放って相殺する) むぅ…また雑魚がうようよときおったか…!(機械仕掛けの雛鳥たちに身構え、その攻撃を見切って反撃の回し蹴りで粉砕する) 」
サンジ「チキンか……唐揚げにでもしてやるよ!!“揚げ物盛り合わせ”(フリットアソルティ)!!(進撃する雛鳥たちを次々と蹴り飛ばしていく) 」
機械仕掛けの雛鳥『……ホ……ホォー……ッ…!…レンソー!レンソー!ホー、レンソー!(やがて、機械の雛鳥たちの口が胡桃割り人形の如くパクパクと上下に開閉を繰り返し、口内からスピーカー音が鳴り始める。それは人語を話す無機質な音声であった)』
あなた「―――!(ホムラと一緒に吹き飛ばされる)………!(すぐに起き上がり、彼女の手を引いて態勢を整える)……!(その直後、押し寄せる雛鳥たちに感づいて聖杯の剣で追い払うように振り回して退けていく) 」
ヒロ「…!(メディに庇われ)すまねえな…!水を切る勢い、見せてやる…!(日本刀を取り出す) 」
アンティキティラ「 ジ ャ キ ィ ィ イ ン ッ ! ! (両翼の歯車より鋭利な三枚刃が突出。翼を左右順番から薙ぎ払う様に激しく揺らし、大地ごと斬り裂かんと彼らに襲い掛かる) 」
ゾロ「ッ―――“極虎狩り(ウルトラがり)”ィッ!!! ガッギィィイインッ !!! (アンティキティラの巨大な斬撃を、振り下ろした三本刀で真っ向から受け止めようと試みる)――― うおおおおおおぉぉぉおおおおッ!!!(激しい火花を散らしながら拮抗し合う) 」
機械仕掛けの雛鳥『……髪ハ艶ヤカ、雲ハ大キイ、小石ハ宝物、空ハ青イ、蠟燭ハ暖カイ、光ハ奇麗、珈琲ハ美味シイ、理解ハ明快、林檎ハ赤イ、音色ハ心地ヨイ、瞳ハ双ツ、雨ハ恵ミ、命ハ美シイ、物語ハ面白イ、アノ人ハ好キ、イツカハ続ク―――』
ホムラ「…っ……すみません…!(「あなた」の手に起き上がる)……?……!?(その後、突然喋り出した雛鳥たちに驚嘆した) 」
機械仕掛けの雛鳥『髪ハ伸ビル、雲ハ掴メナイ、小石ハガラクタ、空ハ広イ、蝋燭ハ溶ケル、光ハ眩シイ、珈琲ハ苦イ、理解ハ困難、林檎ハ丸イ、音色ハ五月蠅イ、瞳ハ閉ジル、雨ハ濡レル、命ハ儚イ、物語ハツマラナイ、アノ人ハ嫌イ、イツカハ消エル―――(雛鳥たちは語り続ける。親鳥の"想い"を代弁するかのように…)』
機械仕掛けの雛鳥『―――― 人 ノ クオリア ハ 異ヲ成スモノ ――――』
天王寺璃奈「……?(雛鳥たちから放たれる奇妙な言葉の一つ一つに耳を傾ける) 」
ルフィ「ゾロッ!!そのまま抑えてろッ!!(天高く跳び上がり、片腕に空気を入れて巨大化させる) "ギア3"ッ!!! ゴムゴムのぉ~~~…――― “象銃”(エレファント・ガン)ッ!!!(覇気を纏い硬化した巨大な腕でアンティキティラへ殴りつける) 」
アンティキティラ「――― ズギャアアアアアアアァァァアアアアンッ!!!(ルフィの巨大な腕に押し潰される…と思われたが…)――― グ、グググッ……ギ ュ ォ ォ オ オ オ ン ッ ! ! ! (全身の歯車の回転速度を上げることで各運動機能を上昇させ、そのままルフィを押し返した) 」
ルフィ「どああぁっ!!(押し返されるように吹き飛び、地面へ着地する)にゃろう…強いな……!(口元を腕で拭う) 」
機械仕掛けの雛鳥『思イ描イテイタ理想絵図ノ相違――― 互イノ食イ違イニヨル蟠(わだかま)リガスベテヲ滅ボス。 有リ得タダロウ絆モ、起コリ得タダロウ奇跡サエモ。』
ホムラ / あなた『“フレイムノヴァ”! / ……!(燃える刃による回転斬りを繰り出し、雛鳥たちを駆逐していく)』
アーロン「……やはり一筋縄とはいかなかったか。(アンティキティラを見据え) 」
アンティキティラ「 ギ ュ ル ル ル ル ゥ ッ ――― ジ ュ ァ ア ア ア ッ … ! ! (全身の発条が高速回転することで熱を帯び、鋼色の歯車が赤熱…その熱量エネルギーは咥内へと溜め込まれ、そして…) グ パ ァ ッ ――― ド グ ゥ オ ン ッ ! ! ! (赤熱を帯びた口をがぱぁっと開かせると、咥内から水や空気をも焼き焦がすほどの凄まじい熱波の衝撃を解き放った) 」
ルフィ「んなッ――― ぐわあああああぁぁぁッ!!!(抵抗しようと拳を振り抜くが、目前より襲い来る熱波の衝撃に全身を焼き焦がされるような痛みが走り、そのまま壁へと大きく吹き飛ばされてしまう) 」
ホムラ / あなた『―――!いけません! / ……!?(咄嗟に「あなた」を庇い、自身の熱エネルギーを放出することで熱波を吸収するように相殺させる)』
メディ「くっ…この強力な熱反応は……!!\ Everybody Jump !! / \ Progrisekey confirmed. Ready to utilize. / (メタルクラスタホッパープログライズキーをアタッシュアローへと装填し、その場で斬撃を振るうと鋼鉄の防御壁をすぐに展開し、自分と璃奈を熱波から守る) 」
機械仕掛けの雛鳥『連ナル想イハイズレソノ解レヲ起コシ…ヤガテハ霞ンデ消エル。モハヤ救イナキ世ニアル未来ナド、風化シテイクダケ。』
アンティキティラ「 カ チ カ チ カ チ カ チ … (歯車が再び回転を帯び始める。その回転速度は先程の比ではなく、瞬く間に歯車が赤熱していくが…)…ポチャン…――― ジ ュ ワ ア ア ァ ッ … ! (そこに、歯車内部の液体が注がれ、熱を帯びる歯車は元の銀色へと戻っていく。同時に歯車の回転はさらに続き、両翼に強力なエネルギーが充填されていく…) 」
機械仕掛けの雛鳥『不安定ナ己ガ心情ヲ己自身デスラ理解シ得ヌヨウニ、他者ニソレヲ求メルノモマタ尚ノコト。』
サンジ「ッ、ルフィ!!……! おい…ッ…!なんかまたヤベェのが来るぞ…!(アンティキティラを見据えながら) 」
アーロン「―――――(熱波が通った時に彼の姿が一時的に消え、再び姿を現す)――――熱に耐えられる者でもいればいいが…… 」
ヒロ「……こいつぁ…これで…!(土の波を熱波へ放つ) 」
アンティキティラ「 グ ゥ オ ン ッ ――― ヒ ュ バ ア ァ ッ ! ! ! (身を包み込むように両翼を畳んだ直後、勢い良く広げる。その両翼の展開と同時に、水面に広がる波紋のように空間一帯に衝撃波が迸る。しかし、その衝撃は目視で確認できるうえに、速度的に常人でも容易く回避できるほど遅い―――) 」
ゾロ「……!? 避けろッ!! (全員にそう叫ぶと、先程の熱波とは違う遅い衝撃波を跳んで回避する) 」
サンジ「ヘッ…こんな攻撃…さっきのに比べりゃあどうってこたあねえ!クソマリモに言われるまでもなく避けられるぜ!(そう言って飛んできた衝撃波を跳躍回避する)) 」
ホムラ / あなた『大丈夫でしたか…? / ……!(「あなた」の身を案じるホムラに対し、続く攻撃を目撃した「あなた」はその衝撃波を指さして回避を促す) お任せを…!(前方に炎の渦を引き起こし、衝撃波の相殺を試みるが…)』
――― ヒ ュ ゴ オ オ ア ァ ッ ! ! ! ! (だが次の瞬間、一度解き放たれたはずの衝撃波に続き、見えざるもう一つの衝撃波―― 最初に放たれたものよりも早すぎて可視できない ――が空間迸り、第一波を避けたことで大きな隙を見せた者たちに炸裂するのだった)
アーロン「―――――ふんッ!(刀を掲げ、衝撃波を斬らんとして振り下ろす) 」
ゾロ&サンジ『なっ――― うおおおぉッ!!?(敵の思惑通り、続く第二波によって悉く吹き飛ばされてしまい、床へ打ち付けられる』
ホムラ / あなた『へ―――きゃあああぁっ!! / ……!!?(お互いに第二波によって大きく吹き飛ばされてしまう)……はぁ……はぁ……今のは、一体…っ……? / ………!?(攻撃の正体が掴めず、困惑しながらも腕に力を込めて起き上がろうとする)』
ヒロ「くっ…!?(衝撃波に日本刀で応戦しようとするも、速度差に対応できず、吹き飛ばされてしまう) 」
機械仕掛けの雛鳥『ソノ為ノ手段タル言葉モ感情モ、タダタダ無意味デアルコトニ未ダ気ヅカヌ可哀ソウナ赤子ヨ。』
機械仕掛けの雛鳥『シカシテイズレハ気ヅクコトトナル。ソシテ隣人ハ『箱庭』ヲ離レテイク。汝モマタ振リ返リ跡ヲ絶ツダロウ。』
メディ「あうッ……!(熱波をも凌いだ鋼鉄の防御壁で、第一波、第二波を辛うじて退けるも、負荷に耐えられなくなった障壁はそのまま目の前でガラガラと崩れ落ちてしまう)……今の攻撃は…もしかすると……―――! 地震波と類似したものですね……! 」
ホムラ「はっ…はっ………っ…?どういうことですか…!?(メディの方へ振り返る) 」
メディ「地震によって放射される地震波にはP波とS波があります。震源から離れた位置で震源はを観測する時、最初に観測される小さな揺れが初期微動の「P波」、それに続いて観測される大きな揺れが主要動の「S波」です。P波とS波は同時に発生しますが、P波はS波より約2倍ほど早いので、P波が到達してから同じ場所にS波が到達するまでに時間差が生じます。敵が今放った波動もそれと同じ仕組みです! 」
メディ「最初に放った波動は微弱で、それ自体に物質を吹き飛ばすほどの運動エネルギーは作用しません。しかし、続く第二波の破壊力は凄まじく、まともに直撃すればひとたまりもありません。第二波はあまりにも強力ですが、敵の予備動作から判断することで目視で回避することができます…敵はその欠点を逆手に取り、あえて微弱な波動で威嚇して意図的に私たちの回避を誘発し、その隙を狙って本命の第二波を放ったのです。 」
メディ「歯車の回転エネルギーで充填して生まれた波動も、避けられてしまえば無駄打ちとなってしまう…だから、第一波を2とした時、第二波を8の比率で後者に余力を残し、二段階攻撃を行ったのだと思います。 」
サンジ「野郎…ッ……鳥頭のくせに…随分頭の切れる鳥じゃねえか……!(メディの解説を聞きながらよろよろと立ち上がる)あんな攻撃…まともに食らい続ければ身が持たねえぞ…! 」
ホムラ「そんな……!…なんとかして、相手の動きを封じることができれば…(表情が曇る) 」
葦名弦一郎「 さて、この窮地……いかにしてかえするか。 」
天王寺璃奈「……――――「バックラッシュ」だ…!(頭を巡らせながら考えた末、ある事柄に至ったようにぼそりと呟く) 」
サンジ「…バックラッシュ……?お嬢ちゃん、何か、策が分かったのか…?(璃奈に視線を送りながら) 」
メディ「バックラッシュとは、一対の歯車が互いに噛み合って運動している際に、運動方向に意図して設けられた「隙間」のことです。歯車の回転を無理なく滑らかにするためには、歯と歯の間に多少の隙間が必要なのですが、この隙間が無ければ歯車の歯同士が干渉してしまい、回転ができなくなってしまいます。璃奈様、ひょっとすると… 」
天王寺璃奈「……うん。歯車のバックラッシュ(隙間)を突けば、相手の動きを止めることができる…その間に、トドメ、させるかもしれない……! 」
アンティキティラ「 カ チ カ チ カ チ カ チ … ――― ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ ィ ッ … ! ! (巨鳥は全身の歯車を回転させ、エネルギーの充填を再開する) 」
葦名弦一郎「 歯車の隙間か。……矢でどうにかなるか。それとも…… 」
メディ「 ガッ! (吹き飛ばされるヒロの背後へ高速で旋回し、その身を受け止める)ヒロ様…先程は、「あなたの能力では相手と相性が悪い」と申したこと、撤回いたします。璃奈様の助言から新たに作戦を考案しました。敵の歯車…その間隙に、ありったけの土を流し込んでください。そうすればおそらく、敵の動きは… 」
ホムラ / あなた『……やってみましょう…!それしか方法がないのなら…! / ……!(ホムラと共に決意を固め、聖杯の剣を構える)』
――― うおおおおおおおおぉぉぉ~~~~~ッ!!!!(崩れ落ちた壁の残骸から、吹き飛ばされたルフィの唸り声が轟いた)
葦名弦一郎「 よかろう。援護する。(矢を番え、自分が狙われることさえもいとわずに前へと出る) 」
ヒロ「…………よし!やってみよう!(回転した歯車に向けて土を放つ) 」
ルフィ(ギア4)「 ボ ゴ ォ ン ッ ――― "ギア4"ッ!!!!(全身に覇気を纏い筋肉が膨張した形態へ進化を遂げた状態で残骸から飛び出してくる) 強ぇと分かったんなら…こっから俺も全力だッ!!! バシュゥンッ!!! (空中を異常な脚力のみで決定同士、瞬く間にアンティキティラへと迫っていく) 」
テリー(DQⅥ)「……もし失敗したら、真っ先にお前(ヒロ)を斬らせてもらうからな。(アンティキティラと対峙し、剣を構え) 」
葦名弦一郎「ふん!!(アンティキティラへ連続射撃。正確無比な精密性で抵抗を妨害する) 」
アンティキティラ「 ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ ィ ――― (加速に加速を重ねる歯車。やがてエネルギーが最高潮に達し、再びあの衝撃波を解き放とうと両翼を羽搏かせた、次の瞬間―――)――― ギ、ギンッ……ギゥッ…ギゴゴゴンッ……!!(全身の歯車、その間隙にヒロの土が混ざり込むことで鈍い金属音をあげて回転が滞ってしまう。回転が止まったことで、必然的に全身に蓄積されたエネルギーも霧散していく…) 」
機械仕掛けの雛鳥『永キ時間ヲカケテドンナニ深ク打チ込ンダ楔(くさび)モ、抜ケルハ容易ク呆気ナク。想イノ繋ガリナド、等シク虚シク、欠ケ落チテイクモノ。』
アンティキティラ「ギ…ギュンッ…ギュォォオオオ…ッ……!!(錆びかかったたブリキのロボットのように、挙動がかくつきはじめる。両翼の刃を振り回そうと足掻くも、その関節部位に葦名の矢が被弾――更には間隙に矢が差し込まれる―――したことで、巨鳥の動きは完全に封じられてしまう) 」
機械仕掛けの雛鳥『汝ト隣リ合ウ観念…「聯想」ハ、心ノ繋ガリデハナク、虚無ノ連ナリデアルト知レ。』
天王寺璃奈「……(ずっと雛鳥の奇妙な言葉に耳を傾けていたのか、口数が少なかったようやくここでその言葉に隠された真意を読み取り、深呼吸する)…世界には、いろんな人がいる。みんなそれぞれ、"想い"は別々。だから、誰にだって思い違いがあって、それで喧嘩してしまうこと、あるかもしれない… だけど、いろんな人との出会いから生まれた感情は…その人たちから与えられた言葉は、決して無意味なことなんかじゃないって、私は思う…。 」
天王寺璃奈「自分に自信のなかった私を、光照らす路へ連れ出してくれた人がいるように…(宮下愛の笑顔が脳裏を過る――)…心の繋がり、その"想い"の連なりから得られるものは、人を、変えてくれる…私は、そう信じてる…! それはきっと、「この子」だって……!(「あなた」の背に一瞥を与えながら) 」
メディ「狙い通りですね…!(巨鳥の挙動を窺い、笑顔を表現)…私にはまだ、心というものが分かりません。それでも、わたくしを生み出してくれた人たちの"想い"を受けて、今、ここにいる…。人と人の繋がりから命が生まれ出ずるのなら、わたくしも…その繋がりを支えたい。そして、また生まれる新たな命に、絆の素晴らしさを説きたい。…もう一度、誰もが共に「夢」を語り合う日々を、取り戻せるように…! 」
ルフィ(ギア4)「――― うるせぇッ!!!この世界(うみ)を一人で生きてる奴なんて、いるわけねえだろぉッ!!!俺は!!大事な仲間と夢を追い続ける!!冒険も!!宴も!!「こいつら」と一緒にッ!!!(雛鳥の言葉を押し返すように声を張り上げると、アンティキティラの頭上へと勢いよく飛び出した)ゴムゴムのぉ~~~~…――――(腕に力を込める)」
ナミ「ルフィ……!(囚われた鳥籠の中から頭上へ跳んだルフィを仰ぐ。自分たちが信じた船長が、仲間たちの為にその"想い"を告げたことに感極まり、その身を震わせた)」
ホムラ「…感じたクオリアが愛情なら、恋人を…それが夢なら、仲間を… 自分に溢れんばかりの感情や豊かな言葉を与えてくれた人との出逢いこそが、自分自身の心を感じることができるクオリアだと思います。私は…ここでみなさんと出逢えたことに、感謝しています。その喜びはこれからも消えることはありません。……行きましょう、これが最後です!(「あなた」に優しい笑みを浮かべて) 」
あなた「……!!(ホムラの言葉と笑顔に勇気づけられるように、その手に握られた剣を天高く掲げた) 」
テリー(DQⅥ)「さて………一気に畳みかけるぞッ!――――はああああああああああぁっ!!(アンティキティラのほうへ飛び出し、全力で斬りかかる) 」
ヒロ「…動きは止めた。…抜けたら戻せばいい。欠けたら拾い集めればいい。……繋がりが無意味なんて事は、絶対ねえんだよ!!(日本刀をアンティキティラに向けて振りかざす) 」
ルフィ(ギア4)「――― “獅子王(レオレックス)バズーカ”ァッ!!!!(反発力を溜め、筋肉を膨らませた両腕で超強烈な掌底を放った) 」
葦名弦一郎「――――秘伝・渦雲渡り!(風をまとい、舞うような連続剣撃) 」
メディ「これで…お終いです!! \ メタルライジングカバンシュート ! ! / (鋼鉄の塊を纏う強力なエネルギーアローを放る) 」
ホムラ / あなた『 “プロミネンスリボルト”!! / ……!! (聖杯の剣を天高く振りかざすと、アンティキティラの真下より大きな火柱を上がり、巨鳥をその聖なる焔で焼き尽くす)』
アンティキティラ&機械仕掛けの雛鳥『ギ、ギギッ、ギュッ…―――――(己が抱く虚無の嘆きは、彼らの強い"想い"によって打ち砕かれていく―――)』
「 聯想 」
ある事柄から、それと関連のある事柄を思い浮かべること。また、その想念。
聯想の化身を退けた次の瞬間、世界は白い光に包まれる―――
あなた「――――――…… ……… ………!! 」
――― 気が付くと、「あなた」はあの舞台の客席にいた。
演台にはあの劇団員も、装飾ような歯車たちも、そして仲間たちの姿もない。
もぬけの殻となった劇場に、「あなた」と……その隣にもう一人、いた。
金髪の青年「………(いつからそこにいたのかは分からない。「あなた」の隣席で、今は何もない舞台を眺めるように座っていた)………素晴らしい舞台でした。(まるで、「あなた」にその称賛を繰るように、ふっと和らな笑みをこぼした) 」
あなた「……!(いろいろと状況が追い付かない中、隣にいた青年にびっくりして席から飛び退いてしまう) 」
金髪の青年「…歯車は、歯車同士で連結しないと動かないように…"想い"もまた、違う"想い"と繋がり合っているんです。ひとつの"想い"から、また別の何かを想起する…―――それが、「 聯想 」というものです。 」
金髪の青年「…初めまして。おそらく「あなた」は、ここに来るまでの過程でもう既に私と出逢っているのかもしれませんが。でもここは律儀にご挨拶いたしましょう。(席から立ち上がると「あなた」と面向かい、紳士的にお辞儀する) 」
あなた「…… …… …… 」
金髪の青年「私が何者か気になっているご様子ですね。……うーん…そうですねぇ…(顎元に手を当て瞑目する) 」
金髪の青年 → オスカー「…とりあえず、私のことは『 オスカー 』…とでも名乗っておきましょうか。
ええ、その場凌ぎで考えたものですから、特に深い意味はありません。以後、よろしくお願いいたします。
(ふふっとはにかんだ笑みを見せる)」
あなた「………(自分を「
オスカー」と名乗る謎の青年に、とりあえず会釈する) 」
オスカー「…さて、では改めまして。先程の舞台を見せていただき、とても感動いたしました。「あなた」には、そして「あなた」のお仲間もまた、各々の揺るぎない"想い"を秘めている。その"想い"が紡ぐ物語を…私はこれからも末永くこの席から観てみたい。…そこで、ひとつだけ、お願いしたいことがあります。 」
オスカー「―――― 「私」を止めてください ―――― 」
あなた「………? 」
オスカー「……今は"それ"で大丈夫です。(疑問符を浮かべる「あなた」の表情を窺い、微笑む) いつか、もしかすると近いうちに、きっとすべてを知り得る時が来るでしょう。時間は有限…されど、慌てなくてもいいのです。何故なら可能性は無限ですから。限られた刻の中で、如何様にも成すことができる…それが、私たちの住むこの世界なのです。 」
オスカー「…その世界が今、消えかけようとしている。世界を真に憎む邪な心が…混沌のバランスを崩そうとしているのです。ですが、「あなた」はまっすぐに、あなた自身の旅を続けてください。その最果てに、物語の結末に、「私」はいます。 」
あなた「…… …… …… 」
オスカー「――― 皆さんの旅路に、幸あれ ――― 」
金髪の青年が指を鳴らしたその時、舞台はホワイトアウトする――――
あなた「――――…… …… ………!! 」
閉ざされた「あなた」の瞳が開かれたその時、
「あなた」やその仲間たち、この島で出会った者たちも、風の塔の前にいつの間にか立たされていた。
塔の歯車風車は、心地よい風に吹かれてゆるやかに回り続けている。
天王寺璃奈「……ん…っ…………あれ……?(目覚めると、いつの間にか外にいたことに驚く)……あれは……なんだった、のかな……(見渡しても、あの歯車だらけの劇場の面影は一つもない。あそこで過ごした時間は今や記憶の片隅の中。吹き付ける心地よい風にはっと気づかされるように、風の塔の風車を仰ぐのだった) 」
メディ「……どうやら、わたくしたちは何らかの不可思議な現象に巻き込まれていたみたいですね。(辺りを見渡し、自分たちが地上へ戻ってきたことからそう察した)…これで、本当に一件落着ですね。 」
ホムラ「……!ここが…外の世界…なんですね……♪(500年もの長い間、ずっと暗い地下空間に閉じ込められていたこともあり、塔がそびえ立つ丘上から眺める島や海に釘付けになっている) 」
テリー(DQⅥ)「…………そんな事が……ひょっとして、至るところで起きているのか……? 」
ロビン「……まるで、夢のような時間だったわね。けれど、これですべてお終い…ふふっ、ちょっと楽しかったわ。 」
ルフィ「はぁぁ~~~~……なーんか腹減っちまったなぁ……(事件が解決したことで緊張感が一気に抜け、同時に空腹に襲われてごろんと倒れる) 」
天王寺璃奈「…うん、そうだね…… …… ……(…しずくちゃん……)(あの夢のような時間の中、舞台上で再会を果たした「友達」の変わり果てた姿が過るが…)…………いつか、また、会える。そしたら、今度は……(その不安を押しのけるように胸に手を当て、丘から穏やかな海を眺めるのだった) 」
ロビン「……そういえば…(何かを思い出したように「あなた」へと振り返る)……「あなた」は、あの文字(混沌文字)が読めたようだけど…それはいったい…… 」
あなた「………??(ロビンに首を傾げる。どうやら、自分にも何故文字が解読できたのか、よくわかっていないような様子であった) 」
ロビン「………いいえ、何でもないわ。(「あなた」の様子から察し、それ以上は追及しないことに決めた)……さあ、町へ戻りましょう。 」
ヒロ「…………あの時間は…いや、夢…じゃなかったのか…?(拳を胸の前で握りしめ)…今度は、彼女が帰ってくるべき場所へ誘う……(璃奈の横に立ち) 」
丘を下り、ネジの町へと戻った一同。
彼らは、最初に出会った酒場で宴を行った。
バカ騒ぎをして、楽しいひと時を過ごして、そして疲れ果てて宿で一泊し…
また新たな朝を迎えるのだった。
― リューズ島・港 ―
ナミ「……短い間だったけど、楽しかったわ♪ ありがとねっ♪ (麦わら海賊団の船「サウザンドサニー号」をバックに、「あなた」たちに別れの挨拶を告げる) 」
ブルック「ヨホホ!とても素敵なひと時を堪能できました。…あの……もしよければ最後に、パンツ、見せていただいてもよろしいでしょうk(ここでナミの拳骨が飛んでくる) 」
ウソップ「お前たちも冒険の途中なんだってな!俺たちもそうさ。もしかしたら、またどこかで会えるかもしれねえな! 」
フランキー「アーオッ!渦潮も収まって、これからお互い、また出港できるわけだ!あばよ~! 」
ゾロ「ぐか~~~Zzz…(先にサウザンドサニー号に乗って居眠りしている) 」
サンジ「こちら、旅のお供にどうぞ…レディーたち。(璃奈、メディ、ホムラの女性陣に手作りの焼き菓子を詰め込んだ小袋をプレゼントする) 」
ホムラ「わぁ~♪ ありがとうござます♪ ありがたくいただきますね♪(お菓子の小袋を受け取る) 」
あなた「♪~(すでにサンジから貰ったお菓子を摘まんで食べていた) 」
メディ「ありがとうございます。ですが私は食べることができませんので、こちらはヒロ様にお渡ししますね。(そう言うとサンジから受け取ったお菓子の小袋をヒロへと渡す) 」
ジンベエ「波も穏やかで落ち着いておる。天候も良し。悪くないのお。 」
チョッパー「うおおお~!元気でな!?またどこかで会おうな~!(ぴょんぴょん飛び跳ねながら) 」
ヒロ「あぁ、みんな元気でな!!…お、ありがとう(メディからお菓子の小袋を受け取り) 」
ロビン「…ヒロ。まさかあなたとこんなところで再会できるなんてびっくりしたけれど…きっとこれも運命の巡り合わせなのね。私たちはこれからまた旅に出るけれど、あなたも、あなたたちの旅を続けてね。(ふふっと微笑む) 」
ヒロ「…あぁ。俺たちの旅………いろいろなものを紡ぐよ。(ロビンに) 」
ロビン「――――(ヒロへ静かに微笑み返す)(…そう、これは運命の巡り合わせ。。あなたたちとはいつかきっと、また何処かで会うでしょうね…『来るべき迎え』の日に――――)
ルフィ「にっししし…♪ おいお前!名前…わかんねえだってな?(「あなた」に)……いつか、その忘れた名前を取り戻せたら、また会いに行くよ!だってお前のこと…ずっと覚えていたいしな!にっししし♪ 」
あなた「……!(ルフィの言葉に強かに頷き、その約束を結ぶように手を指し伸ばした) 」
ルフィ「……―――― またなっ!(「あなた」と握手を交わす) 」
―――― ガ シ ッ ――――(「あなた」とルフィ、それぞれの"手と手"が重なり合う――――)
ルフィ「よぉ~~~し…――― 野郎どもォ~~~ッ!!出航だああああァーーーーッ!!!(両腕を高らかに広げ、青空へ旅立ちを叫んだ) 」
「「「おおおおおおおおおお~~~!!!」」」
そして、島から二隻の船が出港する。一つは海賊船、もう一つは豪華客船。
その互いの船の行く先は、彼らにも分からない。けれど、そこに不安はない。
ただ次の冒険への期待だけが、胸に詰まっていたのだから―――
あなた「………(シーギャロップ号の甲板から、自分たちとは正反対の方角へと向かっていく海賊船を眺めていた)………(ふと、ルフィと握手を交わした手に視線を落とし、その掌を優しく握りしめるのだった) 」
メディ「…さて、いろいろありましたが…これで私たちの冒険も再開できますね。予定より一日余分に経ってしまいましたが、次の目的地までまだ時間がありますので、リスケ(日程の再調整)を行いますね。 」
天王寺璃奈「うん、お願いね。(メディに)……麦わら海賊団…面白い人たち、だった。まるで、愛さんみたいに、明るくて、元気で、優しかった……(「あなた」の隣へ立ち、同じく海賊船が見えなくなるまで見送り続ける) 」
ホムラ「コツ、コツ、コツ…(甲板上に現れ、「あなた」たちの傍へと歩み寄っていく)…少し、バタバタしていたのでちゃんとしたご挨拶ができなかったのですが…改めまして、「ホムラ」と申します。これから、みなさんの旅路にご同行いたしますので、よろしくお願いします…♪(深々とお辞儀する) 」
ヒロ「………改めてよろしくな、ホムラちゃん(ホムラに)…頼むぜ、メディちゃん(メディに)…楽しい冒険だったな(「あなた」の後ろから声をかける) 」
天王寺璃奈「うんっ…よろしくね、ホムラちゃん。璃奈ちゃんボード…ハッピー♪〖* ^∇^ *〗(ホムラを歓迎するように明るい声音で挨拶する) 」
メディ「ホムラ様、こちらこそよろしくお願いいたします。(お辞儀を返す) 」
あなた「……!(ヒロの声に振り返り、「そうだね」と満足したように強く頷いた)…… …… ……♪(そして、ホムラにも手を差し伸べ、握手を求める) 」
ホムラ「……! ……♪ (みんなに歓迎される中、「あなた」に差し出された手に、自分の手をそっと差し出した) 」
手と手が重なり合う。
それは人と人の"想い"の連なりを…「聯想」を表しているかのように―――
ボ オ ォ ォ ォ ー ー ー … ッ … ! (青空に汽笛が鳴り響く。"想い"を紡ぐ彼らの旅は、まだ始まったばかり―――)
最終更新:2023年03月11日 22:14