僕らの物語 過去ログ 第3章②

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恣慰ヶ丘学園・3F・保健室 ―


ベール「 ス ゥ …… ス ゥ ……(保健室のベッドにて静かに眠りこんでいる) 」

メディ「―――……ということですので、後はよろしくお願いいたします。(保健室の職員に一礼し、魔法使いの少女に一瞥を与えてその部屋を後にする)」

ブレロウ「………(偶然にも保健室のある廊下を歩いていた。ずっと泣いていたのか、目元が少しだけ赤く腫れていた)……ぁ……(そんな時、メディと鉢合わせになり歩みを止める)」

メディ「……!(保健室を出た途端にブレロウと出会い目が丸くなる)……これから、ヒロ様たちのもとへ合流しようと思うのですが…ブレロウ様は如何いたしますか?」

ブレロウ「………私は……―――」



恣慰ヶ丘学園・16F・科学部ラボ ―


ホムラ「(ヒロを椅子に座らせ、軽傷を負った彼の治療に当たっていた)……はい、これで大丈夫ですよ。(治療終え、彼に微笑みかける) 」

ヒロ「……ん、ありがとなホムラちゃん。(頬に負った擦り傷の部位に絆創膏を張られ、やや照れくさそうには人差し指で鼻を擦った)………(ベールとの戦闘、そこで突きつけられた鋭い言葉を思い出し、一瞬悲しげな目を浮かべた) 」

ニシキノ「…いや~…立て続けに災難が舞い込んだが、ひとまず落ち着いて何より…というべきかな。(テーブルに腰かけチュッパチャプスを舐めている) 」

秀太院「何よりなものか!!!(クワッ)この私を煩わせやがって!!!許さんぞ猫共!!」

りにゃ「注射…痛かったにゃん…〖=;ω;=〗(テーブルに突っ伏して涙している) 」

あにゃた「(りにゃと同じく涙目で項垂れている。注射器を指された部位はガーゼで覆われている) 」

サトミ「なんだかんだで部長、採血は上手くいきましたけど本当に不味いですからねそれ…(小声)」

メディ「 ガ ラ ラ ッ (璃奈たちの居場所を突き止めたのかラボへ入ってくる)皆様!お待たせしてしまい大変申し訳ございませんでしt……ええっ!?(入室するや否や猫耳姿の璃奈とあなた、軽傷を負ったヒロと見渡してただ事でないと驚いてしまう)……こ、これは……っ……? 」

りにゃ&あにゃた『メディ~~~!〖=;ω;=〗 / ……!(やってきたメディへ涙目で抱き着く)』

ホムラ「あっ、メディちゃん…!よかった、無事だったのですね…♪ 最初に別れちゃってからなかなか会えなかったので心配しました… 」

メディ「璃奈様、主様…っ…??(…かわいい……)(猫耳姿の二人に抱き疲れて思わず表情が綻んでしまう)……えっと…なにやらいろいろあったみたいですが…情報を整理したいのでお話を伺ってもよろしいでしょうか…? 」


~少女説明中~


メディ「―――……え~…つまり、今この学園ではテロが起きていていて、ここにいる我々はその騒動に巻き込まれて学園に閉じ込められてしまったと。そして騒動の中で璃奈様と主様の身体に異変が起こり、謎の敵から奇襲を受けてヒロ様とホムラ様たちも軽症を負ってしまったと…。ううっ…わたくしが不在の間にそのようなことが…やはり身勝手に皆様から離れるべきではありませんでした。本当に申し訳ございません… 」

りにゃ「…メディが謝ることはないにゃ。君は悪くない…にゃ。(メディを撫でる) 」

ヒロ「…………君は悪くないよ。俺たちがいいって言って離れたんだ。…猫は可愛かったか?(気丈に振る舞うようにメディに) 」

古手梨花「しかし、ホムラもヒロユキもみんな、いろんな意味で満身創痍なのです……今また攻め込まれるようなことがあれば、今度こそ一巻の終わりなのです…(ヒロ達についてきていた) 」

メディ「あぅぅ…璃奈様…(…やっぱりかわいいです…)(撫でてくれるりにゃ、特にその頭から生えた猫耳を見て頬を赤らめる)……! コ ク リ … (ヒロの問いへ答えるように静かに頷いた) 」

ホムラ「あ、かわいい…じゃなかった!君、何処から来たの~…?(小柄で可憐な少女の梨花を見て優しく微笑みかける) 」

秀太院「さて…じゃあ今から私とサトミ君は二人から採血した血液を基に、猫化した原因を探ると共にその治療薬の開発作業に入ろう。どの道今日はみんな帰宅できないことだし、このラボで好きにくつろぎたまえ!私とサトミ君は作業のため隣の研究室へ潜るからな!何からあったらさっき教えた私の番号へ電話よろしく!(そう言うとサトミと一緒に隣の部屋へ移った) 」

古手梨花「はぅ、申し遅れましたなのです…ぼくは、「古手梨花」と申しますなのです。たまたまこの学園を見学していたら、何やらお外が騒がしくなっていたので、思わずついてきてしまいましたなのです。にぱ~☆(梨花ちゃんスマイル) 」

ニシキノ「…ふぅ~む…そうだな… では僕たちは例の七不思議の解明に進もうか。先程、図らずとも璃奈ちゃんたちが七不思議のうちの一つである美術部へ逃げ込んで、そこで暴れてくれたおかげで例の謎の暗号も手に入ったわけだしな…(一枚の写真―― とある絵画の裏側に描かれた小文字の「 p 」 が写った――を見せつけながら) か わ い い ! (梨花ちゃんスマイルにうっとり) 」

ヒロ「………やはり、来たか(彼女を知っている、なおかつ今の状況を鑑みて、梨花を見て神妙な顔で) 」

りにゃ「…うん…科学部の人から逃げてる時に絵画にぶつかって落としちゃって…でも、その裏に偶然あのアルファベットの暗号らしきものを見つけたんだにゃ。 梨花ちゃん…私、天王寺璃奈(りにゃ)。よろしくにゃん〖=・ω・=〗(猫の手で挨拶) 」

あにゃた「……!(梨花に手を上げて挨拶する) 」

ホムラ「私はホムラ。梨花ちゃん、よろしくね♪(ふふっと母性的な微笑みを見せる)そうですね…私たちが動かないと、学園に閉じ込められてしまった学生の皆さんもお家へ帰られなくなっちゃいますし…(ニシキノに賛同するように強かに頷く) 」

ヒロ「…そうか、それはよかった。俺の怪我なら大したことない。安心してくれ。ホムラちゃんの方は………(ホムラの方を向き) 」

メディ「はじめまして、メディと申します。以後お見知りおきを。(梨花に深々とお辞儀する)………(情報共有してくれたおかげで現状を理解できたものの、こちらが知っている情報―― ブレロウやベールのこと ――についてはあえて話そうとはせず、ただ黙して今の雰囲気に溶け込むことにした) 」

ホムラ「私の方も大丈夫です♪ 大丈夫、ですが……(その時、先程対峙したサイボーグ忍者…その素顔が脳裏を過ってしまい表情が陰る。現場にいたヒロにはその意味を察することができた) 」

ニシキノ「革命部の反乱によって学園は完全封鎖されてしまい、関係ない一般客や生徒たちも含めて全員がこの学園で一夜を過ごす羽目になってしまった…だが奴らの活動も日中に比べて大人しくなっているはずだ。その間に、夜にしか発生しない七不思議の調査をし、この学園に纏わるすべての謎を解き明かすのだー! 」

古手梨花「み~♪(各々に再びスマイルを返す) みぃ………あんまり、思いつめないでほしいのです。(ヒロの様子を窺い、ホムラに) 」

ヒロ「……(目を閉じ、ホムラの心中を察する) 」

ホムラ「……!梨花ちゃん…(「ごめんね、ありがとう」と弱弱しい笑みで彼女に応える) 」


様々な思いを巡らす一同だったが、一度ラボを離れて七不思議解明のために他のフロアへと向かうのだった…



恣慰ヶ丘学園・8F・音楽室 ―


ニシキノ「……と、いうわけで到着した…夜の、音楽室…!ひぃー!いい歳したお兄さんでも流石にビビるねこれは!どうやらここでは夜になると独りでに音が鳴ると噂の場所だが…実はその正体は既に判明していて、お菓子好きの音楽担当教員がここでいつも間食しているらしく、そのおこぼれの菓子屑を求めて入り込んできた鼠たちの仕業によるものらしい。だからここでは例の暗号を探すことに専念しようじゃないか! 」

意味ありげなポケモンカードのダンボール箱「カサカサ……カサカサ…… 」

りにゃ「夜の音楽室…うん、確かに怖いかも……(メディにくっつきながら探索している)」

あにゃた「……?(その辺に置かれていた楽器を適当に退かしながら暗号を探している)」


一同が暗号を必死に探している中、ヒロはある物に目が止まった―――音楽室の教壇近くにある、一台のピアノだった。


ヒロ「なんじゃそりゃ……?(ピアノが目に止まる)ピアノ… 」

りにゃ「……ヒロさん、ピアノ弾けるの…?(ピアノを見つめるヒロを見て小首を傾げる) 」

ヒロ「…!(りにゃの言葉を聞き)…まぁな。昔やってたんだ。 」

ホムラ「へぇ…ヒロ君にそんな特技があったのですね♪私、ちょっと聴いてみたいです…♪ 」

ニシキノ「ほう!「グルセイダー」君にそんな特技があったとは!では特別演奏会と洒落込もうじゃないか(何の疑いもなくそこにあった段ボールに腰かける) 」

ヒロ「誰がルイスクルーズだ……わかったよ(椅子に腰掛ける)………!(しばらく目を閉じていたが、カッと見開き鍵盤に触れ始めた)」




ブレロウ「………(音楽室の外の扉の前、佇みながら聞いている) 」


鍵盤に指を置き、音色を奏ではじめた青年。
時にどことなく間が抜けたり、人から心配されそうになる彼から生み出されるものとは思えないほど、
それは美しく、あたたかく、優しいメロディーだった―――


ヒロ「―――――(いつになく真剣な顔で、それでいて何処か大人びたような…愚直に何かを想うように、ただピアノを弾き続ける) 」


部屋いっぱいに広がる美しい音色が、それを聞く者たちの心の琴線に触れていく。
それは、演奏しているヒロ自身も例外ではなかった。


鍵盤を愛でるかのように滑らかに弾けばピアノは彼に応えてくれるように混じり気のない音を生み出してくれる。
そうして掻き鳴らされる旋律と共に、青年の脳裏にまざまざと蘇る遠い日の記憶―――


まだ彼が純粋に学生だった頃…いろんな悩みを抱えながらも、目まぐるしい日々を過ごしていた。
漠然とした将来を思いながら大好きな野球をしていた時のこと、学校の帰り道に友人らと他愛もない話をしていた楽しい時のこと、
新たに大切な家族ができた時のこと、叶わぬ恋に悩みながらもずっと捨てきれずにいた時のこと、そして…
愛するものを失った時のことを…―――


ヒロ「―――――(様々な記憶が、想いが、音色とともに流れてくる。楽しいことも、嬉しいことも、悲しいことも、たくさんあった…そんなことを想いながら、青年は尚も奏で続ける) 」




その昔…どれくらい前のことだっただろうか。
彼は今のように、大事な人の前でこうしてピアノを弾いたことがある。
あの時奏でた、同じ曲を。真剣になって奏でる彼のことを、同じように真剣になって聞いてくれる人が傍にいた。
彼にとって愛おしい人だった。そして決まってその人は涙を流すのだ。
哀しいからじゃない。そのメロディーが、あまりにも優しすぎたから…


りにゃ&メディ『(互いに身を寄せ合う様にくっついて、流れる旋律に聞き惚れている)』

ヒロ「―――― ぐす… (鍵盤を指で押し込む度に、感情が込み上げてくる。時々鼻を啜りながら、それでもやめることなく演奏を続ける) 」

古手梨花「―――――! ………ヒロユキ………(ヒロによって奏でられているピアノの音色を聴いていて、同じ想いに浸されているかのように深刻な表情で見据えていた…) 」

ブレロウ「……………(涙を隠すかのように、目元を拭う)…… 」


色褪せていく記憶、されど、朽ち果てることはない。
あの時と同じ季節の風に吹かれながら、それに運ばれてくる誰かの香りを感じながらひたすらにピアノを弾き続けた。


ベール「――――………(夜中の学園に響き渡るピアノの音色に目が覚めると、その心地よいメロディーに二度寝へと誘われるかのような安心感に満ちた表情を浮かべるのだった) 」


美しい音色にはどことなく切なさも、力強さもあった。
まるで平気を装って、寂しさを紛らわすような弱い心を表しているかのように。
それでもよかった。ただ、傍で聞いてくれる人がいたから―――


ホムラ「(両手を膝もとに、ほとんど瞬きすることなく彼の演奏に身を委ねている) 」


彼が弾くその曲に、少女《 ブレロウ 》は震える。
聴いたことはないけれど、何故だかどこかで聴き覚えのある曲。
ずっと大事にしていたいと思う曲に感じられた―――


ブレロウ「……ヒロ…さ……(小声で呟く)…なんだろう、この曲…どこかで…? 」

ヒロ「……っ………(鍵盤に触れる手が微かに震えている。瞳を閉ざすとその瞼の裏で滲みだす感情―――) 」


メロディーを重ねてテンポも速く、青年はピアノの鍵盤を隅から隅まで力強くも優しく叩く。
それぞれのパッセージを大切にしていく、それは誰かを大切に思うように。そうして最後のフレーズへと移りだす…


青年にとって、今も昔も変わらない"想い"がある。自分が自分であるために、大切なこと。
選んだ道を進み、守りたいもののために戦い、心の底から愛してあげたいと抱きしめる…そこには「迷い」などない。
ただ自分が決めたことを信じたい。
そんな、揺るぎない"想い"を込めたメロディーが過去と現在(いま)、そして未来へと繋がっていく―――


ヒロ「―――――」


今でも忘れはしない、誰かが傍にいてくれたことを。


ヒロ「―――――」


きっと忘れはしない、誰かがのこしてくれたものを。


ヒロ「――――…………(そして、旋律を目一杯弾き切ると、その残響は部屋を超えて空へ届いていく。気が付けば、いろんな思いが錯綜し、泣いていた。それは悲しみの涙ではない。長く彷徨っていた「迷い」の中で、ようやく彼は大事なものを見つけ出したから…) 」




ホムラ「……優しい音色でした…。(ヒロの演奏を聴き終え、まるで素敵なものに触れたかのように感極まっていた)…心の優しい人でないと、あんな素敵な曲は弾けないと思います。きっと、ヒロさんにしか奏でられないでいでしょう。 」

トウカイテイオー「…う……うっ、うぅ…っ…(ヒロの演奏で号泣していた) 」

ニシキノ「うおおおおおおぉぉおおいおいおいおい~~~…!!(滝のような涙を流している)ううっ…実に素晴らしい曲だったよ…「ポンジェッタ」君…!ニシキーは感激のあまり涙を禁じ得ない!うわあああああぁぁぁぁ(※うるせえ) 」

りにゃ「うん……ヒロさんの曲、とっても、優しかった……なんだか、涙が止まらないよ…りにゃちゃんボード、うるうる…〖=இωஇ=〗 」

メディ「……音楽というものに初めて触れましたが、とても良いものですね。演奏者の心を体現した旋律…これに人は感動を覚えるものなのですね。(涙するりにゃへハンカチで拭き取っている) 」

ヒロ「…………誰がポンセだ……… み、みんなそんなに感動してもらえるなんて…(驚いた顔を見せる) 」

古手梨花「……ヒロユキ………  ……ここまで……よく、頑張ったのです…(演奏を終えたヒロの頭を、優しく撫でる) ぼくは………これ以上、その気持ちを無駄にしてほしく、ないのです。 」

門矢士「……(いつからそこにいたのかは分からないが、部屋の奥壁に凭れて演奏を聴いており、それが終えるとヒロのもとへ歩み寄った)……お前にはこれまでいろいろと話してきた。今更、俺から何かを言うつもりはない。だが一つだけあえて送るとすれば…言っておきたいことがある。 」

門矢士「人は誰でも、「迷い」の中を彷徨って生きている。ここの学生にしてみてもそうだ。大人になることへの不安、社会人になることへの不安、家庭を持つことへの不安…どいつもこいつも、そんな将来に「迷い」を見せる。 」

門矢士「…だからこそ、誰かの前に立って導いてくれる存在が必要だ。救いの手を差し伸べてくれる…――― そんな「 ヒーロー 」がな。 」

ヒロ「…みんな……あぁ、ありがとう(梨花に撫でられながら照れくさそうに笑みを零す)……ヒーロー…か…(士の言葉を噛み締めるように呟く)」

門矢士「……お前は、誰かの為の「それ」になれ。お前が誰かに救われたように、今度はお前が、誰かを救う番が来たんだ。(それだけを言い残し、男は部屋を後にした) 」

ヒロ「……俺が、誰かを救う……(ベールの言葉、そして今の梨花、士の言葉のすべてを受け止めて、想う…)」

あにゃた「……(ヒロの演奏の余韻に使っていたが、大切な何かに気づいた彼の表情を見て、ようやく安堵したように強かに頷いてみせた) 」


ピ ラ … (開けた窓から夜風が吹き付け、一番高い棚の上から一枚の楽譜が床の上へと落ちてきた。楽譜には数字の「 1 」の落書きが書かれていた)


あにゃた「……?(落ちてきた楽譜を拾い上げ、その暗号を凝視した) 」

ブレロウ「………(ヒロの姿を見届け、静かに立ち去ろうとする) 」

メディ「……?(誰かの気配を感知して音楽室を出るが、そこには既に誰もいなかった…) 」

ニシキノ「……おっ!運よく暗号も手に入ったみたいだな。…よし…!それじゃあ感動の演奏会はこれでお開きだ。残る七不思議の謎もあと二つ…次の場所へ行こうか!」

ホムラ「……?どうしたの、メディちゃん…? 」

メディ「……!あ、いえ…なんでもございません。…行きましょうか、次の場所へ。(……今の気配、ひょっとして……―――) 」



メディ「 はい、ということで次回へと続きます。今回はちょっぴり感動的なエピソードがありましたね… 」

飛電或人「まさかあのヒロにあんな一面があったなんてな~…驚いたよ。…よし!じゃあ俺からヒロへとっておきのギャグをプレセントだ! 」

飛電或人「演奏中に突然人が訪れると、音ずれる… はいッ!アルトじゃ~~~~~~ないとッ!!m9( ゚д゚ ) 」

メディ「世界の破壊者様でも、感動の余韻をぶち壊すような真似は致しませんが?(※キレ気味) 」

仮面ライダーディケイド「令和は俺が破壊する!\FINAL ATTACK RIDE/ \DE DE DE DECADE !!/(或人へライダーキック) 」

飛電或人「ぎゃーーーー!!破壊者に墓石建てられるううううう!!! 」

ゴルシ「披露宴で披露する演奏、ヒロ「うえええええん!!」 ゴルシじゃ~~~~~~ないとォォォォォォォォォ!!(或人に向かってドロップキック) 」

飛電或人「うぎゃーーーーー!!お願いだから俺の持ちネタとらないで~~~~!!! 」

ヒロ「うええええん!だいなしだよおおお! 」

まきちゃん「なにそれ!?イミワカンナイ!!(ヒロにピアノと曲とアイデンティティを奪われて駄々をこねる) 」

ヒロ「うええええん!だいすきなまきちゃんのあいでんてぃてぃうばっちゃったよー! 」

にょぽむ「こんばんはーーーーーーーーーー!スピュールアイドルの上原歩夢だぴょーーーーーーーん!!今日は!!ピアノに初挑戦してみたいと思いまーーーーーーーす!!!えっとーーーー!!鍵盤をこうして叩くんだっけーーーー!!!えーーーーーい!!!!!(ピアノ、叩くッ!!!ピアノ、割れるッ!!!) 」

あいさん「やめたげてよぉ!!!!(悲痛な叫び) 」

かすみん「かすみんくらい、にゃんにゃんできますけど!?( 2 2 点 ) 」

ヒロ「ウワァァァア!!また現れたなお前ええ!!!!(にょぽむを見て) 」

しおにゃん「しおにゃん、あなたのためにお歌をうたいますにゃん。あなたが幸せになってくれたら、しおにゃんもうれしいにゃん。 」

ヒロ「癒し(しおにゃんを見て) 」

中川菜々「  尊  い  !  !  !  !  !  !  !  !  !  !  (しおにゃんに吐血する) 」

兄者「(しおにゃんの破壊力にノートPCもろとも破壊される) 」

かにゃたちゃん「かにゃたちゃんもにゃんにゃんしちゃうもんね~…Zzz… 」

かりんパイセン「ひらがなばっかで読みづらいのよぉ…なによ「かにゃたちゃん」って…舌噛みそうな名前してぇ… 」

あいさん「みんなにゃんにゃんしてる!こうなったらあいさんもにゃんにゃんして……えっ?あいさんはどっちかと言うと「トラ」なんじゃないかって?あはっ!こいつは一本「取ら」れた!宮下じゃないと~~~!! 」

ヒロ「君ヒョウや(※公式)(あいさんに) 」

あいさん「ひ↓ょう↑!? 」

ヒロ「…………いや、うひょうって来ると思ったら予想外だなオイ!それじゃ虎でもヒョウでもなく虫じゃないか!(謎理論) 」

クマ・ヴェルデ「ガオー!クマ・ヴェルデちゃんです♪食べちゃうぞー♪ 」

クマ(パンダ)「殺伐としたスピュールアイドル部にライオンがッ!! \ S H I M A U M A / (谷底へ落っこチーター) 」

しずくま「あなたの理想のくまちゃんになりたいんです!(詠唱:憧れのオークマー) 」

りにゃりー「りにゃちゃんボード〖=ФωФ=〗フーッフーッ 」

あいさん「おっほおおおおおおおおおおおおおおおお(りにゃりーに耳もとへ息を吹きかけられ討死―――) 」

ヒロ「なんてこった!あいさんが討死した!この……かわいい(りにゎりーの顎をさする) 」

ヒロ「へたこいたー!!!!(りにゎりーを謎の腕力でりにゃりーに変える) 」

ズラシックザウルス「 や め る ず ら (ヒロを丸のみする) 」

ヒロ「うわぁぁ!!でかいズラがあぉああ!!!(丸呑みにされる) 」


終 制作・著作 N(ねこ)H(は)K(かわいい)


ヒロ「ヒロおおおお!!!!!(しずくまの隣にいて、丸呑みにされたヒロに向けて叫ぶ) 」


ぐしゃ!!!!(ヒロが終わりの時によくあるN(ねこ)H(は)K(かわいい)のロゴに潰される)


うちはマダラ?(仮面)「かすみんBOXは犠牲となったのだ…(ヒロと一緒に潰されたかすみんBOXを見てフェードアウト) 」



恣慰ヶ丘学園・?F―


ノリアキ会長「―――― ザッ … (何処かのフロア。征徒会の役員を総動員させ、バリケードで封鎖された廊下の前に立っていた)…クラウス教授からいただいた情報とお借りしたマスターキーを使ってここまで来たが…奴らめ、まさかこんなところに拠点を張っていたとはな…」

征徒会役員「会長、総員戦闘準備完了しております。いつでも乗り込めます。(ノリアキの背後から耳打ちする)」

ノリアキ会長「…よし…(依然前方のバリケードを睨みつけたまま返答)……いいか、諸君。長きに渡る我らの因縁の対決も、いよいよ今日までだ。これより、革命部を根絶やしに、我々征徒会がこの学園の秩序を取り返すのだ―――(振り返る)」


シ ン … … ――――(ノリアキの背後には20名以上の役員たちが待機していた…はずだった。しかし、彼が振り返った時には彼らの姿はなく、姿も声も完全に消失していたのだった―――)


ノリアキ会長「なッ―――!?(先程まで背後にいたはずの役員たちが忽然と姿を消したその状況を理解できず、驚愕する)……な、ぁ……みなのもの、一体どこへ――― ド ス ッ ―――う゛っ゛!?(背後から鋭い何かに刺され、そのまま気を失い倒れ伏した)」

征徒会役員?「…………――――― ニ ヤ (ノリアキに耳打ちしていた役員の手には、注射器が握られていた)」



恣慰ヶ丘学園・30F・プール部屋 ―




ニシキノ「――― 夏じゃないけど!海じゃないけど!!プールだ!!!(いつの間にか海パン姿でプールサイドに立っている) 」

ホムラ「……えっと……それはいいんですが…どうして、水着に着替える必要が…?…うぅ…ちょっときついかも……//(赤いビキニに衣装替えされて困惑している) 」

あにゃた「……♪(水着パーカーを着用して準備運動のストレッチをしている) 」

モルペコ「(ホムラの前に雪崩のような焼きそばを持ってくる) 」

ニシキノ「プールといえば水着だろう!?ははぁ~、なんて美しいんだ…!!やっぱ美女の水着はたまんねえぜ!!…おっと、僕としたことがこれはいかん!今度の七不思議として、この「深夜のプール」を探索するんだが、プールは泳ぐためにあるものだ。というわけで今から水着美女とむふふ…じゃなかったみんなでこのプールへ飛び込んでいろいろ調べてみるのだー! 」

はらぺこあおむし「あ、ごめんなさい…(プールサイドでハロウィンのアルバイトをしていたところ誤ってモルペコにぶつかりプールへ突き落してしまう) 」

ヒロ「…………それが本音だろ!(海パン姿) 」

古手梨花「……? …ここが「ななふしぎ」なのですか?(胸元に「古手」と名前の入ったスク水を着ており、プール部屋を見渡しながら) 」

メディ「雰囲気付けにわたくしも。(白のスイムスーツを着て歩いてくる)……?璃奈様?どうかされましたか?(背後にいる璃奈の方へ振り返り何度も首を傾げている) 」

りにゃ「………//// (一同がちゃんとした水着を着ている一方で、なぜか自分だけセーラースク水にニーソを着用した姿でいることに酷く恥ずかしがっている)……ねぇ…メディ…?みんなの分の水着用意するのはいいんだけど…どうして、私のだけこんなのなの…?〖// >▵< //〗 」

メディ「猫耳、セーラー服、スクール水着、ニーソ…萌えのロマンの集大成でございます。とってもよくお似合いですよ璃奈様。パシャパシャ(璃奈の姿をカメラに収めながら) 」

りにゃ「…これ…ただメディが見たいだけなんじゃ……あぅぅ…撮らないで~…〖// >▵< //〗(両手で必死に体を隠している) 」

ヒロ「ゴハァ!!!!!(りにゃを見て大量の鼻血) 」

ニシキノ「ゲハァ!!!!!(りにゃを見て昇天) 」

古手梨花「みなさん、とてもとてもかわいらしいとぼくは思いますですよ。にぱ~☆(りにゃ達に) 」

今日のボス:水着美女を見て出血多量で死亡

ホムラ「うふふっ…♪ でも、なんだかいいですねこういうのも。(みんなの様子を見てうふふと微笑む) 」

あにゃた「……! ザ ッ パ ー ン ッ (勢いをつけて走り出しプールへと盛大に飛び込む) 」




りにゃ「うひゃあ…!?(あにゃたが飛び込んだことで巻き上がった水飛沫に驚き跳び退く)うぅ……ええい、もういいや…!(半ばやけくそ気味にプールへ飛び込む) 」

メディ「ああ、主様!プールサイドで走るのは危険ですよ!(低段差からゆっくりプールの中へ入り込む) 」

ヒカリ「はぁ…呑気なものね…(ホムラの中から、賑やかな面々を他所目にため息をつく) 」

ホムラ「ふふっ…そう言ってヒカリちゃんも本当はみんなと泳ぎたいでしょ?……えいっ♪(プールに向かって飛び出すと同時にヒカリへ交代する) 」

ヒカリ「なっ…私は別にそんな―――― はあぁっ!?///(交代されるや否や白いビキニを着た状態でプールへと落下する)……ぷはっ…!ちょ…ホムラぁぁ~~~!!(わなわな) 」

古手梨花「(スク水姿で浮き輪を身につけて入水し、優雅に浮かんで寛ぐ)みぃ~…♪ 」

ヒロ「あ、みんな!よーーし!俺だって!(勢いよく飛び込む) 」

ニシキノ「よし、ニシキーはここで水着美女の撮影を……というのはあまり紳士的でないな…よし、デッサンだ!(カメラを捨ててデッサンを始める。画力は前世に置いてきた) 」

あにゃた「バシャバシャ…!(梨花の浮き輪を押しながらバタフライで遊泳) 」

ヒロ「…楽しいかー!!!(叫ぶ) 」

りにゃ「この憂さ晴らしにヒロさんを討伐するにゃん…!(どこからともなく取り出した水鉄砲でヒロに水を発射) 」

サーバルちゃん「たーのしー♪ 」

ヒロ「な、なんでぇ!?(水がかかり)りにゃちゃーん!そらないよー! 」

メディ「いいですね…水泳は健康にとても良い運動とされておりますので。(優雅に泳いでいる)あ、ヒカリ様までいらしたのですね。ご一緒にいかがですか?(ふふっと笑いながら) 」

ヒカリ「……ふんっ。いいわよ、私についてこられるのならね!(クロールで泳ぎ始める) 」

メディ「……!望むところです!(ヒカリに対抗するように泳ぎ出す) 」

りにゃ「りにゃパンチ!しゅっしゅっ!〖=`・ω・´=〗っ (シャドーボクシングしながらヒロに水飛沫をかける) 」

ヒロ「うあああ!!!すごいなぁ!(水しぶきを浴びる)……かわいい 」

ニシキノ「くそっ…!!おっπが…!おっπが美しく描けない…!!くそくそくそッ!!!(※デッサン中) 」


七不思議の謎を解くことなどすっかり忘れて、純粋な学生のようにプールで無我夢中に遊び出す「あなた」たちだった…


メディ「ふぅ………?(しばらくプールから上がって休憩していたが、ふとテラス側を見るとそこにあるベンチで一人佇んでいたヒロの姿を捉える)……ヒロ様も休憩中ですか?(ヒロのもとへ歩み寄ると、あらかじめ自販機で買ったと思われるスポーツドリンクを彼に差し出す) 」

ヒロ「…ん?まぁ、そんなとこ…かな。…ありがとう(メディからスポーツドリンクを受け取り)…璃奈ちゃんのあの水着、ナイスだったな(ぉ 」

古手梨花「(しばらくしてプールから上がる) …無理もないのですよ。いろいろありましたですから。(ヒロとメディのほうへ歩み寄り) 」

メディ「あまり璃奈様のナイスバディをガン見しないでくださいと言いたいところですが、今回に関しては同意します👍✨(真顔でグーサイン)……ヒロ様も学生の年齢ですが…以前はどこかに在籍されていたのですか?(ヒロの隣へ座り込む 」

メディ「梨花様…(彼女へ会釈しつつ同様にスポーツドリンクを差し出す)そうですね…先ほどお話を伺って、いろいろあったみたいですからね… 」

古手梨花「ん…ありがとうなのです(スポーツドリンクを受け取る)だけど………今のヒロユキは、100点満点だったのです。良い子良い子~なのです♪ 」

ヒロ「…………3年くらい、前まではな(隣に座ったメディを見て)…この世界に来る前のことだ。 」

メディ「……(ヒロの回想に耳を傾ける) 」




ヒロ「俺は、この世界に来る前は地球にいてな。ごく一般の家庭で暮らしていたただの学生だった…今、ここにいるみんなのように、学生生活を満喫していたよ。 」

ヒロ「ん…ありがとう。…これからの話、君はある程度わかっているのかな(梨花の言葉に対し) 」

ヒロ「でもある時…それは終わった。家族であり、愛しい人でもあった義理の妹を失った時に………!(グッと拳を握りしめる) 」

メディ「……!(ヒロの話から、数時間前にしたブレロウとの会話を思い出す)……(しかしそれについては彼女との約束もあり、それ以前に質問するのは不謹慎であることを理解しているため、ただ黙して話を聞き続けている) 」

ヒロ「彼女の命を奪った奴は、全く見知らぬ奴だった。…彼女の遺体には……奴に……(拳を握りしめる力が強まる) 」

ヒロ「…俺は何もできなかった。もし俺があの時その場にいたとして、彼女を救えたかはわからない。だが…何もできず実質見殺しにしてしまった。その事実は、俺にとってはかなり大きかった……… 」

メディ「……(大切な家族を奪われてしまった悲しみ…今まで吐露しなかったヒロの壮絶な過去に瞬きをする) 」

古手梨花「………………。(雛見沢で幾度も惨劇を経験していた彼女は、まるで自らに降りかかった災厄かのごとく、息を殺すかのようにじっと聞いていた…) 」

ヒロ「……全てに絶望した俺は、ある事を決行することにした。……"彼女の命を奪った犯人を殺し、自分も死ぬ"。 」

メディ「……! 」

古手梨花「……!! ……っ…………(ヒロの話す言葉に胸が締め付けられたのか、自らの胸元をぐっと掴むように押さえ込む) 」

ヒロ「…犯人の情報は聞いていた。彼女の死後、警官の1人が「警察は、彼女をつけ回していた人物がいてそいつが犯人だと目星をつけている。だが…警察はなんらかの圧力で逮捕に踏み切れない」 」

ヒロ「…それを聞いた俺はそいつへ復讐することにしたんだ。だが………それが、さらなる悲劇を生んだんだ…(俯き) 」

メディ「…それは、一体…? 」

ヒロ「……俺は、愛する人に加え………守ると決めた人まで失ってしまった。 」

メディ「……!(重なる悲劇に、言葉を失う) 」

ヒロ「…………結果から言えば、復讐には成功し、その犯人は死んだ。だが…手を下したのは俺じゃなかった。 」

メディ「……ヒロ様ではなく…では、どなたが…? 」

ヒロ「…その、俺が守ると決めた人だった。…復讐の前に彼女に会って復讐を止められたが…俺はその手を振り払った。そしたら、代わりに、彼女がそいつを…! 」

ヒロ「…俺が辿り着いた頃、既に犯人は死んでいた。その直後、彼女から電話が来て… 」


あなたの妹さんを死なせた犯人は死んだ….私が…あなたの代わりに殺した……これで、あなたは殺人者にならずに済む……
それで、いいの……たとえ、私が二度とあなたに会えなくなっても……さようなら、大友くん。(ガタンッ!プツッ―――


ヒロ「………殺人者として、俺に会いたくなかったんだろう。犯人を殺して、そして、命を……! 」

メディ「…殺人を犯そうとしたヒロ様を止めようとして、代わりに自ら……そして、その方はもう… 」

古手梨花「………人の意思によって齎された惨劇は、新たな惨劇を生み出すことになる………やがてそれは、連鎖し、永遠に抜け出すことのできない……真っ暗な闇と化してゆく……(大人びた声・口調を放つ) 」

ヒロ「…………あぁ。そういう、ことだ。(目を閉じ)…彼女は出会った時も…自殺しようとしていた。その時に命を助けて、絶対に守ってみせるって誓ったはずなのに…俺は復讐して自らも死のうとして、その子を突き放してしまった。…守るという約束を破って復讐しようとした、報いだったのかな。(いつのまにか、彼の瞳から涙が溢れる) 」

ヒロ「……そしてその後すぐだったかな。ここに来たのは。…今度こそ、守るべき人を守る。誰も失いたくない。…そんな気持ちでずっと頑張ってきたつもりだったんだけどな(先程のベールの言葉を思い出し) 」

古手梨花「けれど………あなたはまた、失った。何人も…何人も……出会いを得ては、別れさえも得てゆく………皮肉なことにね。 」

メディ「……ずっと、苦しい思いをされていたのですね。(ヒロの吐露から、その心中をようやく理解する)…それでも…それでも、今も前を向いて歩こうとするヒロ様はご立派だと思われます。かつて自らの命をその手で断とうとしたあなたが、あなたを救ってくれた人の支えによって、二度と命を蔑ろにしないと誓ったのでしょう。 」

メディ「…それは、弱さなんかじゃありません。ヒロ様は、ヒロ様ご自身が思い込んでいる以上に…強くて優しいのです。先程の門矢士様の言葉を借りて申し上げるならば…ヒロ様は"英雄《ヒーロー》"なんだと、わたくしは思います。 ……ああ、わたくしとしたことが…或人社長が反応してしまいそうなギャグみたいに聞こえますよね…(他愛もないことを口にしつつ、ヒロにちょっとした笑顔を齎そうとする) 」

ヒロ「…運命…あるいは、決意故の苦しみ。…人はそうやすやすと運命を変えられないということかな(梨花に)…フフッ(メディの言葉を聞いて笑みを溢す)ありがとう。そう言ってくれると………(メディの頭を撫でようとして手を止める)…すまん、なんか、前が…(目元の涙を拭う) 」

メディ「…… …… ……♪(撫でようと手を伸ばすヒロに咄嗟に身構えるが、そんなやり取りにも面白おかしく噴き出す) ヒロ様がいてくれたからこそ、わたくしは人の強さや弱さ、儚さと優しさを学びました。わたくしだけではございません。主様も、璃奈様も、ホムラ様も、ヒカリ様も…今を共にする仲間たちが、あなたのお陰で少しでも救われているのだと思います。それはきっと、今までヒロ様と出会った人たち…そして、これから出会う人たちも、また…」

ヒロ「……!……嬉しいな… 俺もまだ、誰かの為にできることがあるんだな………! 」

ニシキノ「――― お~~~い!そんなところで何しているんだい?(ヒロたちのもとへ歩み寄ってくる)さっき、璃奈ちゃんたちが泳いでいる時に、偶然にもプールの底に暗号らしきものを見つけてくれたんだよ!(すると、ヒロたちに大文字の「 L 」の暗号を写した写真を見せつける)これで残す謎もあと一つだ!さあ、体が冷えないうちに着替えて向かおうじゃないか! 」

メディ「もう見つけたのですね。かしこまりました、それでは我々も向かいましょうか。(ニシキノに声をかけられ、ヒロたちと立ち上がってそのベンチを後にし更衣室へと向かった) 」

ヒロ「流石璃奈ちゃんたちだ。 ……ああ、そうだな。 ……(ベンチから立がるとき、テラスから覗く夜景にふと目が奪われる)………いつか…何も思い煩うことなく、大切な誰かとこんなきれいな景色を見れる日が来るといいな…(そんなことを呟きながら、自分も更衣室へと向かうのだった) 」



恣慰ヶ丘学園・25Fと27Fの間の避難階段 ―




ニシキノ「…さて、ここがおそらく最後の七不思議となる場所か…生徒たちの噂によれば、存在しないフロアの26Fへの入り口が、その上下の階を繋ぐこの長い避難階段の何処かにあると言われているらしいが… 」

りにゃ「確か、科学部のサトミちゃんが言ってた…ある特定の時間に、あるものを使うと、26Fへと繋がる隠し扉が現れるって…今は…23:56…あとちょっとで日付が変わろうとするけれど…ひょっとして……(スマホのデジタル時計を見つめてぼそっと呟く) 」

ヒロ「もしかすると、0時になった途端に何かが起こるのかもしれないな…警戒しよう。(璃奈の傍に立って辺りを隈なく見渡す) 」

ホムラ「…今更ですけど、夜の学校ってなんだかドキドキしますね…!私ひとりじゃ絶対に歩けないかも…(どさくさに紛れてメディにくっついている) 」

メディ「ううっ…ホムラ様…(あったかい……)(炎を司る天の聖杯であるため人よりも体温が高いホムラにくっつかれて熱が籠ったのか、あるいは単にこっぱずかしいのか、ほんのりと紅潮する) 」

古手梨花「……い、いったい何が起こりますですか…?なんだか、ぼくはちょっと、こわくなってきましたです……これはもう、夜中にトイレに行けなくなってしまうのですよ…(普段の幼い声・口調で) 」

あにゃた「コンコン…♪(一定間隔を開けながら壁を次々とノックして確認している) 」

りにゃ「……あ、0時になったよ。(スマホで時刻を確認すると、周囲に何か異変がないか確認しようと辺りを見渡す) 」

ニシキノ「しかし、こんな暗い避難階段でもわずかに明るいとはな……あ!そうか~…この学園は避難階段にも窓が付いてるし、そこからお月さまの光が差し込んでいるからか!ハハッ、なるほどな~…! 」

ホムラ「あ、本当ですね…♪今宵のお月様も、満月ではないけれどとっても綺麗ですね~………?(その時、ふと何かに気づき始める)……??(窓から差し込む月光……その直線状を目で追いかけていく) 」


ホムラの直感は当たっていた。
彼女が目を向けた方角――月光の差す場所――その壁に、先程まで暗くて何も見えなかったものが照らされていたのだ。
そこにあったものは、大文字の「 O 」という暗号だった。


りにゃ「…どうしたの、ホムラちゃん……?……!これって……!(ホムラの視線が気になって同じようにその先を見つめると、ずっと気が付かなかった暗号を発見して驚く)……でも、どうしてこんなところに…?私たち、さっきからずっと探し回っていたのに…全然気づかなかった… 」

メディ「……なるほど、解りました。(ホムラが探し当てた暗号と、その鍵となる月光からすべてを読み解いたかのように頷く)…月の位置です。月は、星の自転によって移動し…夕方18時頃に東の地平線から昇り、朝6時頃になると西の地平線へと沈みます。 」

メディ「ですが、その間にある「午前0時」頃に月は南中し、空に一番高く昇るのです。この学園…そしてこの避難階段にある窓は、見たところかなり高い位置に設置されております。そこから、0時になって一番高く昇った月の光が差し込み、その先に暗号を残したのでしょう。 」

古手梨花「み、みぃ…… 出てきたのは、文字だけなのですか…?も、もう何も、出ませんですか…?(おどおど、きょろきょろ) 」

ニシキノ「なるほど…!月の光はかなり強く、この暗い避難階段を照らすのには最適だが…その強すぎる光が仇となって、壁に描かれた暗号を見落としがちになり易かった…だからこそ、比較的暗号に目が届きやすい時間――月光が暗号を照らすその時でないと見つけられない…というトリックだったのか…!流石ホムラちゃん!鋭い感だ! 」

ホムラ「えへへ…♪(照れくさそうにはにかむ)…で、でも…これですべての暗号を手に入れたとはいえ、これからどうすればいいのでしょう…?それに、このフロアで暗号を見つけたはいいものの…サトミちゃんが言っていた「あるもの」なんて……―――あ!(ふと、その「あるもの」に該当するのではないかというものを思い出して懐から何かを取り出す。それは、ベールとの戦いで粉々になった銅像から出てきた、あの謎の鍵だった) 」

りにゃ「ヨチヨチ…(さりげなく梨花を抱きしめて宥めるように頭を撫でている。いつの間にか「本物の猫の手」になったことに気づかず…)……ホムラちゃん、その鍵は…? 」

ホムラ「はい…夕方ごろに外にいたのですが… 壊れた銅像の中から出てきたんです。この鍵にも暗号が書かれたタグがぶら下がっていたので、おそらく関係するのではないかと……?(ふと何を思ったのか、壁に描かれたアルファベットの「 O 」を凝視。その円の真ん中にある黒い部分へ、鍵をさし込もうとした…) 」


ガ チ ャ ン ッ ―――― ズ ズ ズ ズ ズ ズ ッ … ! ! (ホムラが「 O 」の暗号に鍵をさし込んだ途端、何の変哲もないただの壁が独りでに動き出して窪んでいく。壁はある程度まで窪んでいくと横の溝へと入り込み、視えなかった隠し扉がその先に出現したのだった)


ニシキノ「マーベラス!!(窪んでいく壁、そしてその先に現れた隠し扉に仰天する)す、すごいぞ…!正直なところ、これまでの七不思議はそこまで大した驚きはなかったが…最後の最後でまさかこんなドッキリが待ち構えていたとはな!!…恐らく、この扉の先こそが…存在しないと言われていた幻の26Fだ…!そこになにがあるのかは知らないが、ここまで来て振り返るわけにはいくまいて! 」

ヒロ「す、すげぇ…!まさかほんとに隠し扉なんてものがあったなんてな…お手柄だホムラちゃん。 」

ホムラ「ほ、本当にあったんですね……!わ、わっ……なんだか、余計に怖くなってしまいました…!💦(ガクガクブルブル) 」

野良猫「 にゃー (そんな中、いつからそこにいたのか、学園でよく見かけたあの野良猫の一匹が彼らのもとへ現れた) 」

ホムラ「( !!? )きゃーーーー!!助けてーーー!!><(野良猫の鳴き声にビビって飛び上がる) 」

メディ「隠し通路ですか…どうしてただの学園にそんなものが………?(野良猫の声に振り返り、「あっ」と声を漏らす)…大丈夫ですよ、ホムラ様。こちらはただの猫です。(野良猫を抱きかかえる)……?(だが、その猫を抱き上げた時、あることに気づき始める) 」

野良猫「 にゃー (メディに向かって鳴いている。だが、その鳴き声は今に限らず、これまで何度もメディが耳にしてきたものと相違なかったように感じられた) 」

メディ「…… …… ……(まるで睨めっこするように、泣いてばかりいる猫の顔を見つめる) 」

古手梨花「……! ほ、ほわぁ~~~…!ひ、開きましたのです!  ……! ……猫………にゃ~。(野良猫を見て、鳴き真似する) 」

りにゃ「……ねえ…今まで集めてきた暗号なんだけど…とりあえず、こんな風に並べてみたんだけど…これで合ってるかな…?(あにゃたから貰ったメモ用紙とペンに七つの暗号を書き記し、その下に並べたものを書き綴る)――――「 1up LABO 」……? 」

野良猫「 にゃー (梨花に反応してまた鳴きはじめる。だが、先程からずっと同じ声音で、同じように鳴いている) 」

ニシキノ「……?聞いたことのない暗号だな……だが、LABO(ラボ)といえば…あの科学部の子たちが何か知っていそうだな。…よし、聞いてみるか。まだ起きていればいいのだが…(スマホを取り出して秀太院に電話をかけ始める)…………あ、もしもーし!ニシキノだよ~。……ああ、七不思議の謎はすべて解明し、暗号もすべてに入ったんだ。それでさ…―――」

秀太院(電話)「……なに、「 1up LABO 」?暗号をすべて並べて、そんな文字ができたのか? ………あっ…!!ひょっとすると、それは……!!(秀太院のでかい声が、ニシキノだけでなくその辺の人物にも聞こえていく) 」

古手梨花「………?(野良猫を見つめ、首を傾げる)……みぃ~…… この猫………なぜだか少し、違和感のようなものを感じますです。 」

ヒロ「あいつら、まだ起きてたんだ…(相変わらず声でけえな…) 」

メディ「……梨花様もお気づきになりましたか?…わたくしもそうです。この学園に来てからというもの、何故かいたるところに野良猫がたくさん生息していたのですが…どの猫も人懐っこく、よく鳴いていました。中にはこの子のように、同じ鳴き声を、一定の間隔で発している猫もいました。従来の野良猫には類を見ない、特異な性質かと思われますが… 」

秀太院(電話)「……ああ、そうだ!きっとそうだ!私がまだ1年生だった頃…我が尊敬する元顧問のワンナップリン博士が、この学園の何処かに個人の研究部屋を構えて、そこで放課後などに研究に勤しんでいたという話を本人から聞いたことがある。それがおそらく、「 1up LABO 」(ワンナップリンのラボ)だ…!だが私もその在処は知らない。もし、そんなものが学園にあるとするならば…それは誰も踏み入れたことのない、それこそあの26Fにあるのが濃厚だろう!まさか、本当にあの幻のフロアを見つけたのか!?ちょっと待ってろ!!もうすぐで例の採血の結果が分かるからあとでそっちへ向かう!(そう言うと一方的に電話を切った) 」

古手梨花「そうなのですか……同じ鳴き声、一定間隔……まるで、機械仕掛けみたいなのです。でも、どうみても機械には見えませんです… 」

ニシキノ「……あらら、切られちゃった…(スマホをしまう)……だってさ。科学部の子たちに聞いて正解だったね。謎の暗号は、例のラボを指している可能性が高い。そして、それはこの扉の先にきっとあるはずだ。ラボに何があるのか、そしてそこに…この学園に纏わるすべての謎の答えが果たしてあるのか……みんな、覚悟は良いかな?まあなくても僕一人で先に行っちゃうけどね!真実を追い求めてひた走る…それがライターなのだから!(そう言うとバァン!と勢い付けて扉を蹴り飛ばし、その先へと踏み込んだ) 」

あにゃた「……!(先に進んでいったニシキノを追いかけるべく、自分も扉の先へと向かう) 」

りにゃ「あ、待って…!(あにゃたへ続くように自分も恐る恐る扉の向こうへと歩いていく) 」

ヒロ「…おおい、先走るなって……?(メディちゃんたち…どうしたんだ?)(猫を見つめるメディと梨花を他所目に、先に26Fへ向かった璃奈たちの身を案じてついていくことにした) 」

ホムラ「ひ~ん…!置いていかないでください~~!!><(慌てて追いかけていく) 」

メディ「………(ニシキノたちが先に向かっていく中、自分は未だ微動だにせず野良猫と睨めっこしている)………にゃー…?(何を思ったのか、首を傾げながら猫の鳴き声を真似する) 」

野良猫「 にゃー  」

メディ「…にゃあ~…? 」

野良猫「 にゃー  」

メディ「…にゃぁ…… 」

野良猫「 にゃー  」

メディ「……「にゃ~」… 「にゃーん」… 「にゃぁ~」… (それからずっと、まるで目の前の猫とを問答を繰り返すように何度も何度も猫の鳴き声を模倣しながら発していく)………ピロリ、ピロリ…♪(瞳を閉じると、耳元のヒューマギアモジュールを起動させて何かを検索し始める) 」

メディ「―――(この猫の鳴き声…どことなく既視感があります。誰かの声に、似ているような…?)(目に搭載された録画機能よりリプレイを高速閲覧し、これまでこの学園で見てきたもの、聞いてきたもの、触れてきたもののすべてを掘り起こしていく) 」

メディ「――― はっ…!(「あなた」たちが先に扉の向こうへ行ってから五分ほど経過し、ある重大な事実に到達したように瞳が勢いよく開かれた)………そんな……いえ、これはまだ憶測の範囲から抜け出せない… これを明確化する答えになるのは―――(一瞬、猫耳の生えた「あなた」と璃奈の二人が脳裏を過った)――― いけません!それだけは…!(表情を強張らせながら、急いで扉の奥へと向かっていくのだった) 」



不破諫「( …… 「ヒロ様は"英雄《ヒーロー》"なんだと、わたくしは思います。」 …… 「ヒロ様は"英雄《ヒーロー》"なんだと」 ……… 「ヒロ様は"英雄《ヒーロー》」 ……… ッッッッッッッ―――!!!) 」

不破諫「―――ぶふぅぅぅぅぅぅぅッ!!!(〝とあるお茶〟の一杯目を飲もうとして口に入れていたが、それを飲み込む間もなく口に入れていた分すべて、不意に盛大に吹き出す) 」

飛電或人「ぶあっちいいいいいいいいいいいい!!!!!不破さんやめてくれええええええええ(噴き出された熱々のお茶をぶっかけられのた打ち回る) 」

刃唯阿「…なにやってんだか……(額に手を当て困惑気味に溜息を吐く) 」

天津垓「野良犬君がギャグで爆笑する確率は―――1000% 」

イズ「(不破さんは)ゴリラですから。 」

飛電或人「それって関係あるの!?💦 」

腹筋崩壊太郎「ヒーローには腹筋が必要なのでーす!ここで私の腹筋を見てましょう。腹筋☆パワーーーーーッ!!!!!!(腹筋が炸裂) 」

飛電或人「ぎゃーーーーー!!!そんなヒーローがいたら「疲労」しちゃうよおおおお!!!!! 」

梨汁発散太郎「梨汁☆ブシャーーーーーーッ!!!!!!!!🍐(梨汁が炸裂) 」

岩石崩壊野郎「…メ……… 」

岩石崩壊野郎「…ガ……… 」

岩石崩壊野郎「…ン……… 」

岩石崩壊野郎「…テ……… 」

うごくせきぞう「――――ガンッ!!(呪文寸前で岩石崩壊野郎を自慢の攻撃力で蹴飛ばす) 」

岩石崩壊野郎「ヒューーーーーーン!!!(発動寸前でうごくせきぞうに蹴飛ばされ、ちゃちゃまる宅に飛んでいった) 」

ちゃちゃまる「ぴえん 」

飛電或人「ああっ!またちゃちゃまるの家が破壊されてしまった!この人で梨(なし)!!!(※梨汁塗れ) 」

ペニーワイズ「(松坂牛マシマシピザを注文する) 」

ペニーワイズ「(ちゃちゃまる宅に特大笹の葉を刺す)ママと結婚できますように! 」

岩石崩壊野郎「 \ テレレレレレッ♪ / (呪文発動音) 」


デ デ ー ー ー ー ー ー ー ー ー ン ☆


ちゃちゃまる「(七夕の夜空に浮かび上がるぴえん) 」



恣慰ヶ丘学園・26F ―




存在しないと言われた幻のフロアへと踏み込んだ「あなた」たち。
そこは他のフロアのように明かりは一切ついておらず、ただ窓から差し込む月光だけが頼りであった。
長く閉ざされていたのか、少しカビっぽい匂いが広がり、とても人のいる気配は感じられない。
だが、明らかに人が施したものと思われる幾つものバリケードが無造作に貼られており、
広々とした造りのフロアが心なしか狭く感じられた。


ホムラ「ううっ…怖いです、怖いですぅ……(右の掌に火を灯し、その明かりで暗がりの廊下を照らしながらゆっくり進んでいる) 」

ニシキノ「ここが例の26F…誰もいないようだが、このバリケードは明らかに人の手が加えられたものだ。恐らくだがここには誰かが潜んでいるだろう。(床に散乱している学校の道具などを足で退かしながら進んでいく) 」

りにゃ「……この学園、各フロアだけでも結構広い…部屋もたくさんある… ここの何処かに、ラボがあるんだっけ…?そこに、きっと秘密があるはずにゃ…(無表情だが覚束ない足取りから少なくとも恐怖しているのが分かる) 」

ヒロ「………ゾンビとか出そうな屋敷だなぁ(周りを見て) 」

あにゃた「…… …… ……?(しばらく歩いていたところ、前方に何かを見つけたのかそこへ指差して他のメンバーへ知らせようとする) 」


あにゃたが指示した先に、かなり厳重に張り巡らされたバリケードの壁があった。
隙間から覗けるその奥には、とある大部屋への扉だけがあった。


りにゃ「ゾンビなら、得意中の得意!〖=`・ω・´=〗(※ゲームの話)……?何か、見つけた…?(あにゃたの指先にあるものを見る)……絶対に、入られたくないって感じがする…にゃ(厳重なバリケードを見て「うわぁ」と声を零す) 」

ニシキノ「うーむ…困ったな…ありゃ相当厳重に建てられてるな。……強行突破するか。行け、「オダチュウ」!ボルテッカーだ!!(ヒロにバリケードを粉砕しろと命令) 」

ヒロ「………じゃ、璃奈ちゃんに任せちゃおうかな?(冗談っぽくりにゃに)…誰が小田裕也だよ…まぁいいけどな!(土刀を構える) 」

りにゃ「……??……! あ、待って…! (バリケードを見て何か気づいたのか、一度ヒロを制してバリケードへと近づいていく)…………トン…(何も言わずバリケードを人差し指で突いた) 」


バターーーーン…!!(なんと、バリケードに見えたそれはただの張りぼて看板!りにゃの一指しでいとも簡単に倒れたのだった!)


ニシキノ「なんだよそれ!!!!!ちょっとまじめに身構えてしまったのがバカみたいじゃん!!!!(怒りのあまり倒れた張りぼて看板を何度も踏み潰す) 」

ヒロ「厳重じゃねーじゃねーか!(いとも簡単に倒れたバリケードを見て)落ち着け「西野勇士」、そのバリケードになんか手掛かりが…あるわけねーか 」

ニシキノ「あるわけねーだろ!!大方、学園祭で使われるはずだった看板の使い回しだろこれは!バカにしてやがる!!ニシキノは激怒した!!来い、「セリヌンティウス」!かの邪智暴虐の王を除かなければならぬ!!!(偽物のバリケードを超えてその大部屋の扉へ突撃する) 」


バラバラバラバラッ――――ガシャーーーンッ ! ! !(ニシキノが扉を上げたその時、彼の頭上から無数の黒板消しが山のように落ちてきた)


ニシキノ「果林せんぱーーーーーい!!!!!(雪崩の如く落ちてきた黒板消しに埋もれる) 」

ヒロ「わっ、バカ!ずるいぞ!俺も叫びたいぞ!せっつーーー!!!!!(なぜかニシキノと張り合う)………って古典的だなオイ! 」

ホムラ「ニシキノさんは犠牲になられました…南無南無…(黒板消しに埋もれたニシキノに両手を合わせる)…って、呑気なことやってる場合じゃなかったです!だだだっ、大丈夫ですかー!?(黒板消しの山からニシキノの手を掴んで引きずり出そうとする) 」

あにゃた「……!(黒板消しの落下によって巻き起こったホコリを手で払う)……!(その後、大部屋を目の当たりにして見開いた) 」


その大部屋は、これまで「あなた」たちが見てきた科学部の部室と同じ造りの科学室であった。
部屋には乱雑に科学の実験道具が散乱していたり、机の上に放置されていた。


野良猫たち『  にゃー  (だが、驚くべきはそこではなかった。よく見るとその部屋には―――― 大量の猫たちが潜んでいたのだった…)』

ホムラ「科学室…ひょっとして、ここが例のラボなのでは…?ここに、この学園の秘密が眠って―――!!?(ふと遠くへ目を向けた途端、そこに広がっていた大群の猫に言葉を失った)……こ、ここって、もしかして……―――猫ちゃんの楽園!?✨(たくさんの猫を見て目を輝かせる) 」

あにゃた「 !!? (たくさんの猫に出迎えられ、驚きの余り硬直してしまう) 」

りにゃ「…こ、これって……!(予想だにしなかった光景に目を奪われてしまう)…な、なんで…こんなところに、猫が…それも、たくさん……(猫耳がぴくぴく動き出す) 」

サイボーグ忍者「(ステルス迷彩を解き、26Fの入り口に立つ)……………ここか。連中め、幻の部屋を見つけるとは。(フルフェイスは修理完了。そのままゆっくりと入っていく) 」


―――― ひっ…ひひっ……見ちゃったね…僕の、「楽園」を……!(一同が唖然としている中、奥の方から猫…ではなく、少年と思わしき人物の弱弱しい声が聞こえる)




班目「……ひ、ひひひ…っ…!(猫を抱えて一同の前に現れる)……僕は、「斑目灰斗」(まだらめ はいと)…これから、君たちの「友達」になるんだよ…?名前、覚えておいて…ね…?(これまでの学生たちに比べると覇気がなく、女性よりも女々しく感じられる雰囲気を醸し出しながらも、その少年はどこか不気味なオーラを放っていた) 」

ニシキノ「―――ぷはぁ!助かった、ホムラちゃん!このお礼はビックリマンチョコ一か月分で返そう! …なんだぁ?これまたずいぶんネクラな学生だな?僕はてっきり、ここが革命部のアジトだと思っていたのだが…(猫に囲まれた少年を見て鼻で笑っている) 」

古手梨花「……! ……やっぱり………(ここに至る前の1匹で違和感を覚えていたため、大量の野良猫を目にした時、それは確信へと近づいていくのだった) 」

ヒロ「ここが、あんたのアジトだってのか?(斑目を見て) 」

班目「……革命部のみんななら、"ここ"にいるよ?(そう言うと、両手を広げてニシキノに応える。彼の周りにはたくさんの猫。人は、いない―――) 」

あにゃた「………――――!!(班目の様子を見て何かを察したのか、いつになく表情に険しさが浮かび上がる) 」

ニシキノ「……ロシア(もしや)……ッ…!!そ、そんなバナナ(馬鹿な)…!!? 」

ヒロ「この子たちが、革命部だってのか?はは!冗談はよせよ! 」

古手梨花「―――!(班目やその周りの猫達を見て、はっとする)……どうりで………〝人間が忽然と姿を消す〟わけだわ。(大人びた声・口調で)だって―――― 」

古手梨花「――― まさかそれが〝人間〟とは、誰も思わないんだもの。

班目「…ううん…革命部だけじゃない、よ…?数時間前…彼らのアジトだったこのラボを突き止めて、突撃してきた征徒会のみんなも、ここにいる… そう…「みんな」、僕の「友達」になったんだ……!ひ、ひひひっ…!そう、僕はずっと、この時を待ってたんだ…革命部の連中が、学園祭にテロを起こすと聞きつけた時から、ずっと…この機会を…!奴等が学園を占領してくれたおかげで、僕の計画はすんなりと進んだんだ…!学園の生徒も…先生も…部外者の一般客もみんな…「友達」にしちゃおうという、僕の、とびきりの計画をね…!」

ヒロ「………ま、マジかよ(梨花の言葉を聞き、全てを察する) 」

りにゃ「…人を、猫に………!!?(そしてようやく、自分が猫化した謎、その真実に辿り着く)……あの時(トイレ争奪戦)…私とこの子(あなた)に、何かしたのも…君が…? 」

班目「そーぅだよ!!(りにゃに)…ぼ、僕は革命部員になりすまして…あの中で、君たちに「薬」を打ち込んだんだ…!人間を、猫ちゃんに変えちゃう魔法の薬をね…!もとはといえば、このラボで見つけたんだ…ふ、ふふ…!すごいよ…これで、「友達」が作れちゃうんだもの…!」

メディ「―――ええ、その通りです。(梨花の言葉へ続くように、遅れて部屋へと入り込んでくる)…この学園のいたるところで見かける猫…その子たちは、みな一様に"同じ鳴き声"を発しておりました。そしてその声は、人間の「ある言葉」を発した時に流れる声の波長と一致したことも、今解りました。 」

ホムラ「そんな…そんなことって…!(衝撃の事実に口元を手で覆う)……!メディちゃん!……どういうことですか…? 」

メディ「…先程、ホムラ様が猫に驚いた時に発した言葉―――」

(回想)ホムラ「( !!? )きゃーーーー!!助けてーーー!!><(野良猫の鳴き声にビビって飛び上がる) 」

メディ「……これまで聞いた猫の鳴き声と、ホムラ様の声を比較した時、その波長が重なったのです。そこで、人懐っこい猫たちが、我々に向けていったい何を伝えようとしていたのかが分かりました…――――」

メディ「―――――「 助けて 」――――― 」

あにゃた「……!?」

メディ「そして、それを理由づけるもう一つの証拠が…猫たちにあった「射し痕」です。「薬」を打ち込んで人を猫に変えたのならば、当然注射器の刺された跡が残るはずです。猫化してしまった璃奈様と主様がトイレで何かに刺された痛みを訴えたのも、そのせいです。この二点の動かぬ証拠によって…全ての謎が集約しました。 」

古手梨花「メディ……ようやく真相に辿り着いたようね。お手柄だわ。 」

ヒロ「そ、そうなのか?(メディの言葉を聞いて)……じゃあ、璃奈ちゃんとあの子はこのままだと…! 」

班目「……ふ、ふふふ……ふーーふふふっふふふっふふっ…!!!うふふふふふふ!!!(メディの解明に目論見を見抜かれ、自嘲気味に笑った)……そ、そうさ……!君たちの言う通りさ!そしてその子たちももうすぐ僕の「友達」になるんだよぉ!!(璃奈とあなたを指して)バレてしまったのなら仕方がない…それじゃあみんなまとめて…僕の「友達」になってよ…―――― ジ ャ キ ン ッ ! (両手の指の隙間から無数の注射器を出現させ、下品な笑みを浮かべる)」

メディ「もったいなきお言葉で恐縮です(梨花に微笑む)…はい、ご察しの通り、璃奈様と主様が完全に猫になってしまわれます。 ……!(本性を現した班目に身構える) 」

ニシキノ「なんということだ…まるで名探偵だ!すごいぞメディ君!まるでサスペンス映画のようなシーンに感激してポップコーンが食べたくなってしまった! さあ、というわけで観念したまえ「ロシアンブルー」君!大人しく投稿すれば痛い目は合わずに済むだろうよ!(班目に) 」

りにゃ「…そんにゃ……うっ……!?(そんな時、体に異変が起きて胸元を押さえつけながらしゃがみ込んでしまう)…はぁ……はぁ……あたまが、ぼんやりしてきた……わたし、ほんとに、ねこに、なっちゃうのかな……?(呼吸が乱れ始める) 」

古手梨花「……! なんて往生際の悪い男……(状況を察し、後方へ下がっていく) 」

あにゃた「――――!?(りにゃと同じくして、「あなた」の身体にも異変が発生。急に力が抜けたように両膝をついてしまい、飛びかける意識にさいなまれるように頭を抱え始める) 」

ホムラ「……!?璃奈ちゃん!!(りにゃとあにゃたのもとへ駆けつけようとするが――――) 」


班目「み、みんな、大人しく「友達」になってもらうんだな…!ふ、ふふふふっ…!!(そう言うと一同へじりじりと詰め寄っていくが―――)」


――― ズ バ ン ッ ! (その時、黒い影が班目の背後に落ちると共に、鋭い刃物で切り裂くような音が班目の背に迫った)


班目「 ふ ぎ ゃ あ あ あ ぁ ッ ! ! ? (背後を切り裂かれ、両手から注射器を手放してしまう)……い、いた……いぃ……ドサァ…!(そのまま白目を向いてうつ伏せに倒れてしまった)」




サイボーグ忍者「――――(倒れ伏す班目に代わるように、そこに立っていた人影が彼らの前に姿を現した)……猫だらけだな。あぁ、なるほど。そういうことか。(無機質な音声で周囲を見渡し)」

ニシキノ「くそっ!なんてこったい!!まさかこんなことになろうとは!この子たちは僕に任せて、君たちはそいつらを何とかしてくれ!!(蹲るりにゃとあにゃたの傍へ近寄り、安全なところへ避難させる) 」

ホムラ「―――っ!?(空間に迸る殺気―――班目を斬り倒したサイボーグ忍者に目を見張るも、再び相見えた「彼女」と対峙を示す)……貴女は…!(手元に燃え盛る聖杯の剣を出現させる) 」

ヒロ「なッ…!?あいつ、確か…(倒れる班目、そして現れたサイボーグ忍者に身構える) 」

メディニシキノ様!お二人をよろしくお願いします―――!?(斬り裂かれた班目へ咄嗟に駆け寄り、急いでサイボーグ忍者から引き剥がす様にその体を引きずり寄せ、応急処置を行う)…一難去ってまた一難…あの者は、一体…」

濁った声の黒猫「ニ"ャ"ー"ン"(サイボーグ忍者の行く手を遮るようにその足元に自動小銃の9mm口径の弾丸を見舞う)—————ニ"ャ"ァ"ーン"(この猫、当然のように二足歩行で行動している) 」

サイボーグ忍者「(構えはまだせず、聖杯の剣を持つホムラをまじまじと見つめているように)……炎と剣を操る身でありながら、なるほど………綺麗な「瞳」だな。無垢な子供のようだ……。(そしてゆっくりと正眼に構える)……学園内部のいざこざなど、どうだっていい(背中の高周波ブレードを引き抜き)―――― ここで全員、消す。(無機質ながらも、その奥には本人の意思が込められた念のようなものがこめられていた) 」




古手梨花「―――んうっ!? んんっ!! んっ……ぅ……… バ タ ッ (戦闘の邪魔にならぬよう後方へ下がっていた彼女だったが、背後から突然何者かに口元を塞がれ、気絶させられてしまう) 」

ホムラ「……――― はっ!(柄を強く握りしめると同時に床を蹴り上げ、瞬く間に忍者へと迫る)ブォンッ、ザキィンッ ! ! ブォンッ、グォンッ、ギャギィンッ ! ! !(残火を散らす刃を何度も豪快に振り抜きながら圧倒しようと試みる) 」

サイボーグ忍者「 シュガガガガガガガガガガッ!(残火に対して、こちらは残光。生命を感じさせない零度の剣戟を繰り出しながら炎を切り裂き、ホムラの剣に対抗する)どうした? もっと攻めてこい!(零度の剣閃の奥に秘める殺意の熱。切っ先の先にいるホムラの魂ごと射抜くように、忍者の腕と足はより激しく動きながら死神のダンスを披露する) 」


―――まさかこんなところに潜んでたなんてなぁ。……〝子猫ちゃん〟。(梨花を気絶させた者の声)


ホムラ「くっ、あっ……うぅ…!!(目にも留まらぬ一閃の連撃によって逆に圧倒されてしまい、全身を包むように展開した光の膜で防御を強いられてしまう)…どうして…どうして、あなたのような優しそうな方が…!(張り裂けるような声を上げながら、身を捻った遠心力からなる炎の回転斬りを繰り出す) 」

濁った声の猫「……ブチッッ(なんと、自らの尻尾を千切りナイフのように逆手にして構え)ス……(両腕を前に出し、柔術特有の構えを取りつつ、反撃を誘うようにして無防備で挑発的にサイボーグ忍者へ間合いを詰める) 」

サイボーグ忍者「 ぬぅんッ!?(炎の回転切り。その豪快な一撃を刀身で防ぐも、パワーで押し切られ吹っ飛ばされるが宙で体勢を立て直して着地し)……人にはそれぞれ役割(ロール)というモノがある。俺はそれを果たしているだけに過ぎない。幼い時からずっとな。……きっとお前には想像もつかないだろう。(太陽のように周囲を優しく照らす炎を凝縮した美しい赤の瞳を持つホムラに対し、その無機質な声は真冬の北風のように返す)さぁ、まだ終わっていないぞ。もっと見せてみろッ!(切っ先を向けるようにしてホムラに肉薄する) 」

ホムラ「……!……使命…みたいなものですか?確かに、人には生まれながらに使命を、その"天命"を背負っていると、ある人が言っていました…(先日のゲームショウで出会ったサガラの言葉が脳裏を過る)…私にもあります…!だからこそ!あなたたちの思い通りにはなるつもりはありません!(忍者へ掌を突きつけ、そこから火炎弾を幾つも解き放っていく) 」

サイボーグ忍者「 !(突如現れた火炎弾)ガガガガガガガガガッ!(刀で弾いていくも、並の炎ではないために押され始める)くぅうう!!(跳躍し天井に張り付く。そして火炎弾のタイミングを見計らい、天井を思いっきり蹴ってホムラへと斬りかかる)ならば、力を見せてみろッ!! 」

ヒカリ「ホムラ、変わって!貴女じゃ相手のスピードには追い付けないわ!私なら、あの程度…すぐに追いついて―――(ホムラの精神世界から交代を要求するが…) 」

ホムラ「(―――だめ、ヒカリちゃん…ここは、私にやらせて…!あの人は、どうしても自分の手で…)(ヒカリの要求を珍しく拒みながら、天井の忍者を見上げて武器を振りかぶった)―――“フレアスマッシュ”!!!(燃え盛る刃で床をたたきつけるように振り下ろすと火山のように爆炎が広がり、そこから飛び出した火柱が忍者もろとも天井を貫く勢いで弾けた) 」

サイボーグ忍者「―――なっ!?(その圧倒的な火力。強化外骨格を身に着けているとはいえ、喰らえばひとたまりもない。自慢の刀は焼き切れ、ボディーに甚大なダメージをおよぼして)ドゴォオオオオオオッ!!(勢いのまま壁に叩きつけられる)あ……が……(立とうとするもかなりズタボロの状態。また、あのときのように左顔の上半分が砕け、その分の顔が見えていた……)強い、な……さすが、天の聖杯……(機械音声はまだ続いている。そしてその中身であるエレン・ベーカーの瞳には、まだ戦意が残っていた。その時―――) 」

クラウス(音声)「(周囲の人間にも聞こえるようにもどこからともなく音声が)なにをしている。さっさと立って戦え。役割を果たせ(それは忍者の機械音声以上に冷徹で人間味の無い声調。ただ目的を果たすという一心のみの命令だった) 」

ホムラ「はぁ……はぁ……!(いつになく感情的になってしまったためか、乱れた呼吸から冷静さがかけているのが分かった)……!(サイボーグ忍者……から流れる男の声に眉がピクリと動き出す)……違う…っ…―――」

ホムラ「――― 違 う ッ ! (忍者ではなく、その背後にいる男に向けて激昂する)誰もが抱えている使命…それは、あなたが決めることじゃない!(その後、素顔を露わにしたエレンに、いつものような温かい表情を向ける)……エレン先生…あなたが、今までどのように暮らして生きてきたのか、当然私には知る由もありません。でも…自分が、"自分の意思で選んだ使命"のままに、これまでの日々を過ごしてきたと、胸を張って言えますか…? 」




濁った声の猫「(ホムラの問いかけに耳がピンと立つ)……………。(何か思うところがあるのか目線が床に落ち首をわずかに捻って背越しにサイボーグ忍者の挙動を注視した)」

サイボーグ忍者「――――(クラウスに言われるまま、ぼんやりと立ちあがるも、ホムラの激昂に硬直する。そして)……自分の、意思? 俺(わたし)……は、戦ってきた。演じてきた。誰かの道具として……それでしか、俺(わたし)は俺(わたし)を表現、でき、なかった――――。(ポツリポツリと言霊を漏らしていく) 」

クラウス(音声)「サイボーグ忍者、耳を貸すな。余計な感情を持つな。役割を果たせ。繰り返す、役割を、果たせ!! 」

サイボーグ忍者「 ………でも、剣を握っている時や、……いや、教壇に立っているときや、生徒達と話している時、皆でお弁当を食べたり、補習をしたり、卒業式で泣く生徒を宥めて上げている時……そこには、……なにか、「あたたか」なものが、あった、かもしれ、ない……。自分の意志でなにかを決めた、ような……なんだか、ふわりとした、よく、わからない……(ポツリポツリと言葉が漏れる中、彼女の瞳に光が宿っていく) 」

ホムラ「……私は、この学園でしか"あなた"を見てこなかった。それは仮初の姿でしかなかったかもしれません…けれど、生徒や先生たちを愛し愛されて、余所者だった私達にも変わらない笑顔を振りまいてくれて… なんとなく、でしたけれど…その時のエレン先生、なんだかとっても…楽しそうでした。(ふふっと笑う) 」

ホムラ「人は誰だって人生(みち)に迷う。迷ってしまった時、人は最も脆くなってしまう。どうしたらいいんだろうって……その答えを見つけられなくて、悩んでしまう。だから、答えを与えてくれる人に縋ってしまう。当然ですよね…だって、そうした方が"楽"なんですもの。…でも、どうでしょうか…?自分とは違う誰かの使命(こたえ)に従って生きていくのって…本当に生きている実感が湧くものなんでしょうか…?(サイボーグ忍者、否…エレン・ベーカーという女性に対し、赤毛の少女は問いかける) 」

あにゃた「………(胸元を抑えつけながら、ホムラたちの言葉へ静かに耳を傾けていた) 」

サイボーグ忍者「 あぁ……あぁぁぁ……(温かな微笑みを向けてくれるホムラを見て、思わず涙が零れる。演技でしか流せないハズなのに、本能が泣くことを欲した。そして、ゆっくりと手を伸ばしながら一歩、一歩と歩み寄ろうとする――――――だが) 」

クラウス(音声)「……――――サイボーグ忍者、自律的な任務続行は不可能。これよりダミーシステム『疑似聖杯』を起動する。……システム、発動(冷たい声が射抜く。それと同時にサイボーグ忍者/エレンに異変が起きる) 」

濁った声の猫「 ダッッッ (矢の如く駆け出しヘッドスライディングをホムラの踵へ仕掛け) シャァ———!!(彼女を押しのけサイボーグ忍者との間に割って入り身を呈して守ろうとする) 」

ブレロウ「………(そっと扉の外から戦いを見ていた) 」

サイボーグ忍者「―― ド グ ン ―― (突如、エーテルらしきエネルギが全身を巡回し、そして)ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!(男とも女ともとれないような断末魔を上げる。雷に打たれたかのように体を仰け反らせ、死の舞踏を踊らされる操り人形のように四肢が不気味に動き回る) 」

ホムラ「――――ひゃんっ!?(猫の頭突きに尻もちをついてしまう)あいたた………!ね、猫ちゃん…?!(濁った声の猫に驚嘆するも…)――――!?(突如奇声を発して暴れ出す忍者を目に、その痛々しい相貌に言葉を失ってしまう) 」


――――だめじゃないですか、〝お仕事〟はきっちりしてもらわないと。(サイボーグ忍者/エレン・ベーカーが歩み寄ろうとした時、誰かが歩いてくる)


そして、サイボーグ忍者/エレン・ベーカーに歩み寄ってくる人影、それは………


サイボーグ忍者「 い゛、いつの、間に……ギィイイイイイ! ―――ッ!?(声のした方向をなんとかして振り向いてみる) 」

エレン・ベーカー?「―――ねえ、先生。(なんと………今まさにサイボーグ忍者の中身であるはずの、エレン・ベーカーの姿であった。) 」

サイボーグ忍者「――――!!?!?!?!??!?!?(ダミーシステムで意識が侵食されかかっている中で、驚愕の光景に混乱を余儀なくされる) 」

クラウス(音声)「―――――。(どこかもわからない場所でモニターしながら今の状況を黙って見ている) 」

ヒロ「お、おい…なんだよ…いったいなにがどうなって…!?(浸食されるサイボーグ忍者に加え、現れたもう一人のエレン・ベーカーに困惑するばかり)」

濁った声の猫「 ニャッッッ (メディへ『この猫化現象をどうにかしてくれ』と言わんばかりに目で訴えかけつつも)  ————チャカ(ベレッタを猫ながらも慣れた手つきで構え、銃口をサイボーグ忍者……ではなくエレン・ベーカーへ向け微動だにしない) 」

ホムラ「 !!? (二人のエレン・ベーカーに酷く仰天する) 」

メディ「……!(あの猫…治療中だったため強く意識してはいなかったのですが、まだ人間としての意識が残っている…!?)(猫の訴えかける目からその真意を悟る)…しかし、今の私にはどうすることも―――」

秀太院「 そ こ で 我 々 科 学 部 だ ッ ! ! ! (バーーーンッ!!)(メディの発言へ続くようにラボへ現れる)待たせたな!「ヒーロー」は遅れてやって来るものなのだ! ヒロパンマン!新しいお薬よー!そーーーーれ!!(そう言うと、猫になった人間を元に戻す治療薬の注射器の一本をヒロへと投げ飛ばし、それを濁った声の猫へ打つように促した) 」

サトミ「遅れてしまってすみません!ただいま治療薬が完成しました!(秀太院と共に駆け付け、急いであにゃたとりにゃにも同様に注射器で投薬を行う)……って…何事ですかこれはーーー!!? 」

あにゃた→あなた / りにゃ→天王寺璃奈『……!(治療薬によってみるみると猫の耳と尻尾が体の中へ消えていく)』 」

エレン・ベーカー?「おやおや……驚いて声も出せないって顔ですねぇ。…ま、無理もないか。 コツ コツ コツ ……あなたは〝最初から私の監視下におありだという事〟を、今一度再確認願いましょうか。(サイボーグ忍者/エレン・ベーカーに歩み寄り、耳元で囁く) 」

ヒロ「………!すっっっげえかっこいいのが悔しい(濁った声の猫に注射器を打つ) 」

ホムラ「……――― チ ャ キ (後から現れたエレン・ベーカーに剣を突きつける)……何者ですか、あなたは?(確固たる敵意を剥きだした瞳で彼女?を睨む) 」

サイボーグ忍者「監視下? ……一体、なんのこ、―――ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!(ここでダミーシステム『疑似聖杯』の侵食が完全なものになる)ギチギチギチギチギチギギギギギギッ!(腕や足、そして胴部がまるで泡ボコのように膨れ上がる。スーツで見えないがその状態から内部がどんな惨状になっているかを想像するのは難しくない)ズドンッ!(そして四つん這いのような状態になり、狙うのは――――) 」

エレン・ベーカー?「おぉ~っと、こわいこわい(濁った声の猫に銃口を向けられて)最近の猫ちゃんは荒っぽくていけない。―――もっと周りの状況に気を配ることをおすすめしよう。(そう一言言い放つと…) 」


「ねぇお姉さーん、眠れないよー」「ベッドで寝たいよー」「なんか話して―」
「……う~ん、困ったなぁどうしましょうか。あ、そうだ。皆でお歌を歌いましょう!」「歌?」「うん、歌う歌う~」
「じゃあ、皆と出会ったことをテーマに――――――」


濁った声の猫「プス—————。—————(あなたや天王寺璃奈のように一瞬で猫化が解消されるどころか、外見的変化が起きない。唯一)————— 何者の声を聞くな、飲まれるぞッッ!(猫でありながら芯の通っている、一人の戦士然とした声をサイボーグ忍者へ張り上げる)———俺の友が言った言葉がある!「俺たちは、政府や誰かの道具じゃない。闘う事でしか自分を表現出来なかったが、いつも自分の意志で戦ってきた」!! これまでがそうだったかはどうでもいい、これからだ!!若さもある、気力もある、人生がある!!人として生きるという責務があるだろう!!   —————!?(歌……?子供の声、この女……いやこいつは) 」

古手梨花「――――う……っ………(エレン・ベーカーにより、ロープで体をぐるぐる巻きにされた状態で銃口やホムラの構える剣の前へと連れ出されてきた) 」




ホムラ「……!?(梨花ちゃん…!)(人質にされた彼女に体が震え、恐る恐る手にした剣を下ろし始める)あっ……!(そんな中、動き出したサイボーグ忍者をその目で追いかけ―――) 」

エレン・ベーカー?「……と、いうわけで、今の君たちに抵抗する術〔すべ〕は、もはや何もない。  ざ  ん  ね  ん  で  し  た  。  (梨花を人質に、余裕綽々な態度を見せる) 」

サイボーグ忍者「 ブシュー、ブシュゥゥゥー(はち切れんばかりに膨れたスーツの切れ目から、血が霧状に噴出し始める。左上半分見えている顔も蒼白であり、目に至っては猛獣のそれ。先ほどの濁った声の猫の言葉は脳内でバラバラになり、『殲滅と天の聖杯の回収』のみが彼女の生命となり果てる)ぐわぁああああああああああああああああ!!(ホムラに飛び掛かった。先ほどの人間性は消え失せ、猛獣のように襲い来る) 」

濁った声の猫「くッ……!!(呪いも因果も信じない。あるのは事実だけ、また俺は『忍者』を救えなかったという事実だけ……) バチ…バチバチ……バチ……(猫のままサイボーグ忍者の成れの果てへ真っ向から向かうべく駆け出す。その最中、身体中を青い雷が駆け抜け)  カッッ————— 」

クラウス(音声)「……最悪四肢をもいでも構わん。天の聖杯を回収しろ。(しばらく黙っていたがようやく口を開くも、そこから発せられるのは変わらない命令。最早エレン・ベーカーそのものに対してなんの未練もないように淡々とした態度で) 」

濁った声の猫→スネーク「エレン……ベェェェェカァァァァァァ————— ッッッッ!!!!!!!(部屋全体を照らす閃光が迸り、中心から濁った声の猫……否、『蛇』の称号を持つ男が駆け出し) ガッッッッ(槍のようにして構えたスティンガーの弾頭部をサイボーグ忍者へ突きつけ、ゼロ距離でトリガーを引こうとする) 」

ホムラ「(そんな…エレン先生……――――)――――― っ ! ! ! (成す術もなく立ち尽くしていたところ、果敢にも飛び掛かっていく猫の雄姿に目を奪われる) 」

エレン・ベーカー?「……よ~し、良い子だ。今なら奮発して、花丸💮をあげちゃおう。(剣を下ろしたホムラに) 」


流転(ころ)がる石は大海の底へ沈み、波行く先のままに大地(ふるさと)へと還る ―――― “移り変る星《 スワップアウト 》”


刹那、エレン・ベーカーの皮を被った謎の人物の懐にいたはずの古手梨花が消え、代わりに人体模型の忍耐君がそこに出現した。


ベール「――――― ざ ん ね ん で し た (エレン?の眼前に颯爽と現れた謎の魔法使いは、彼女?が発した言葉をそっくりそのまま返してべーっと舌を出した)…いいムードなんだよ、邪魔しないでくれるかしら?(傍へ手繰り寄せた梨花の縄を魔法で解除し、エレン?へ不敵な笑みを浮かべる) 」

メディ「……!(あの方は…!)(突如現れた魔法使い・ベールの姿を見て驚く。保健室へ連れてって以来、彼女を見ていなかったため尚更である) 」

サイボーグ忍者「 (スティンガーの弾頭部を向けられるも、恐怖心など一切ないように突っ込んでくる。そこに人間的な感情は一切ない、無機質な激情だ。さながらメタルギアREXやRayを彷彿させるような勢いと咆哮を上げながら突っ込んでくる) 」

エレン・ベーカー?「……!? 何…!―――――誰だ貴様!(すり替えに驚き、エレン・ベーカー?の本来の声が露わになる) 」

ベール「―――― 通りすがりの魔法使いだ、覚えておけ!(大胆不敵な笑みと共にビシィ!と指差す)……♪(その後、背後で様子を見ていたメディへウィンクを飛ばした) 」

スネーク「伏せろッ!!(後方に控える面々へ短く警告しスティンガーの弾頭部で直接殴りつけるようにして起爆)  ┣¨   ウ  ッ  (爆散。ゼロ距離で軍用ヘリを撃墜する火力の爆風を直に受け吹き飛び背面の壁へ叩きつけられる)っっッ……!!(強化骨格の強度によっては仕留めきれん……ッ!だが……) 」

ホムラ「―――!!(スネークが咄嗟に発した言葉に光の膜を展開し、衝撃に耐えようと試みる)ひゃんっ…!(耐えきれず膜は破裂したものの、なんとか転倒で済んだ) 」

ベール「っと…!!(スネークの張り上げた声に六角形障壁を張り、自身と梨花が吹き飛ばされないように凌ぎきる)やれやれ、無茶しなさる… 」

エレン・ベーカー?「……まあいい。どのみちそろそろいい頃合いだとは思ってたんだ。――――(エレン・ベーカーの姿だったものが別の姿に変化する) 」

サイボーグ忍者「 ぐゎあああッ!!?(爆炎に包まれ炎を振りほどこうともがく。)―――ギロッ!(スネークやホムラを睨みながら、また戦闘態勢。しかし)―――ボト、ボト…(右腕があらぬ方向にねじれ、そこから蛇口で捻ったように血液が零れ落ちていく。本来であれば致死量だが、このシステムによってなのか、活動限界を先延ばしにされている。まさに生き地獄である) 」

ヒカリ「……ホムラ…あの人は、もう…―――」

ホムラ「……わかってる…っ……それでも……!(ヒカリの言葉を押しのけるように声を荒げ、聖杯の剣を握り直す)…私は信じたい……必ず救いがあるって……!(か細い声で身を震わせながら、前方の忍者を見据える) 」

スネーク「火力支援を要請する、OVER(首筋に指を添えそう告げると、彼の背後の壁に時空の歪みが生じ、そこから『アサルトライフル』が生成されスネークの手元に収まる)—————"銃"は俺に任せろ。くだらん殺し合いで重責を負うな。(ホムラへ短くそう告げると、再び正面から突っ込み『頭部』を狙い鉛玉の火雨を降り注がせる)スナイパーウルフ、お前が居たなら少しは『楽』をさせてやれたのかもしれないな……ッ 」

あなた「―――― ザ ッ … ! (その時、ずっと後方で静観していた「あなた」がホムラの横へと立ち、同じようにサイボーグ忍者を見つめた)……!(ホムラへ強かに頷くと、彼女が握るその剣の柄に手を添える) 」

ホムラ「……!(「あなた」とスネークの支えに、その重圧が拭われる)……はいっ!(そして赤毛の少女は決意を抱き、その剣を持ち上げて構え直す) 」

ベール「……下がってな、嬢ちゃん。(石動から視線を外さないまま梨花を避難するよう手で促す)……テメーの相手はあたしだよ。(手元に箒を出現させ、彼と対峙する) 」

サイボーグ忍者「 う゛あ゛あ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!(銃弾の雨が容赦なくフルフェイスを抉っていく。頭部に当たった形跡はあるも、それでもホムラたちにまだ突っ込んでくる)がぁああああああああ!!!(咆哮とともに爪を立てるような仕草で飛び掛かる) 」

エレン・ベーカー?→石動「――――――決着をつけようぜ? \ コブラ! ライダーシステム! エボリューション! /  \ Are you ready? /  」

石動→仮面ライダーエボル「 \ コブラ! コブラ! エボルコブラ! / \ フッハッハッハッハッハッハ! / \ エボル、フェーズ1……!/ 」

(回想)エレン・ベーカー「よってらっしゃいみてらっしゃい! 生徒達が作ったおいしーものばかりデスヨー!! 」

(回想)エレン・ベーカー「はいはーいぜひ見に来てクダサイネー!火薬とか一杯使うみたいで心配ですけど、まー問題ないでしょー!HAHAHAHA 」

古手梨花「……! あ……ありがとうなのです……! …っ(促されるまま避難する) 」

あなた / ホムラ『……! / はっ…!(天の聖杯と共鳴した「あなた」によって、ホムラたちが握る剣に灯される"焔"が熱く滾り、眩く輝きだす)……!!(二人同時に飛び上がり、サイボーグ忍者の爪による切り裂きを真っ向から受け止めた)』

(回想)エレン・ベーカー「 オー!ノールックキャッチ!これにはメジャーリーガーもビックリデス! お、科学部ですねー。先生興味深々デース!! 」

ベール「チキショー…いいな、「変身」…あたしも変身してみてーなぁ…なーんて…そんな呑気なこと言ってる場合じゃないわねー。(本性を現した敵に対し、少女はその帽子を目深に被り直す) 」

(回想)エレン・ベーカー「か、か、か革命部のみ、ミナサ~ン……お話シマショー……。話し合えば、きっと、わかり、アエマ~ス。暴力は、いけませ~ん……ヒィィィ…… 」

メディ「 バ ッ (ベールへ並ぶようにエボルト対峙する)僭越ながら、お供します。お体の具合も心配ですので。(アタッシュカリバーを構えながらベールに) 」

天王寺璃奈「……エレン、先生……っ…(後方で彼らの戦いを見守っていたが、変わり果てたサイボーグ忍者にエレン・ベーカーの笑顔が重なり、悲しみに暮れた瞳を浮かべる) 」

サイボーグ忍者「 ギギギギギギギギギギッ!!!!!(ホムラ/あなたに攻撃を防がれ拮抗。力で押そうとするも、スーツからの噴血がより一層ひどくなる)メリメリメリィ、バキボキッ!(骨が砕け、内臓に刺さっていく。しかしそれでも活動が止むことはない。泡ボコのように、肉体は見る見る膨れていく) 」

クラウス(音声)「(まさか……ダミーシステムを以てしても、こうも手こずるのか?……そろそろ活動限界が近い。)無為な戦闘を避け、天の聖杯の回収のみを優先しろ。これは命令だ! 」

あなた / ホムラ『……!! / はああぁーッ!!(拮抗状態のなか、二人分の力で圧倒してサイボーグ忍者を地面へ叩き落とす)――――(緩やかに流れる時間で、「あなた」とホムラは同じことを思い出していた。この学園で過ごした、感じたことのない喜びを、楽しさを―――)』

スネーク「——————(あなたとホムラの予想外の行動に目を見開くも、どこか皮肉めいた苦笑を浮かべ) ————火力支援を要請する!(時空の歪みから『高圧電流のテーザー銃』を取り出し) ┣¨ンッッ  (麻痺作用のある弾丸をサイボーグ忍者の四肢へ向かって放つ)(できるだけのことはやらせよう……。もしそれでも現実が立ちはだかるなら、全ては俺が攫っていけばいい) 」

仮面ライダーエボル「さァてと…… ―――ふんッ!!(地面を抉るほどの衝撃波を放出し)――――ぬんッ!(隙もなくベール達の目前に瞬間移動してきてパンチやキックを容赦なく繰り出していく) 」

ベール「うっひょー!ついにあたしにも可愛い専属メイドが…!テンション上がってきたーーっ♪♪♪ …お気遣いあんがとね。礼を言いたいのはこっちの方なんだけど―――さ!(話の途中で瞬間的に割り込んできたエボルに対し、咄嗟に腕を交差させて打撃を防御しながら圧倒される)~~~~~ッ゛!か弱い乙女を殴るとはロクな死に方しねーぞテメー!(箒を振り回すとその残像軌道に乗って星型魔弾が生成され、次々とエボルへ放たれた) 」

メディ「……!(ピロリ、ピロリ…♪)(敵の行動パターンの分析を開始―――)ガッギギンッ、ギャギンッ、ガギィンッ ! ! (アタッシュカリバーを華麗に振り回しながら殴打を受け流していく)―――はっ!(身を屈め、エボルの脚へ足払いを繰り出し転倒を図る) 」

サイボーグ忍者「―――ギィイイ!?(ホムラたちに地面に叩き落とされ、スネークの正確無比な射撃が四肢を射抜く。一時的にとは言え動きを止めるには十分だった)―――グアアアアアアアアアアアアアア!!(それでも対抗しようと無理くりにでも動こうとする) 」

ヒロ「……!!(暴走するサイボーグ忍者にしり込みしていたが…)……もう…誰も見殺しになんかできねえ……!俺は、俺は…うおおおあああああぁぁぁああああーーーーっ!!!(手元が輝きだし「キーブレード」を顕現。前線で戦う「あなた」たちを跳び越えて、忍者へと飛び掛かると共に鍵剣を振りかざし、そのまま武器を振り下ろした) 」

あなた / ホムラ『……!? / ヒロ君…!?(我先に飛び出したヒロに驚愕しながら、その背を見守る)』

サイボーグ忍者「―――!!?(ヒロのキーブレードが炸裂。それは確かなダメージへと変換される)あが……ぁ……(動きが鈍るも、まだ戦おうとしている。しかし)――――ボコボコボコボコボコボコボコッ!!(ついにスーツはとんでもない規模にまで膨れ上がった。それはさながら割れる寸前の巨大な風船―――そして)ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!(弾ける音と共に響く『女性』の断末魔。スーツこそ破れてはいないがその代わり大量の血が辺り一面に噴出する)……ドシャ(忍者はついに倒れる。スーツ内で肉体は筋肉や骨、内臓もろともグチャグチャになり、最早やせ細った老人のようになる。)……ブツブツ、ブツ 」


彼女はなにかを呟いているようだった。
死に掛けの、いや、最早死も同然のか細い声で何かを呟いている。
耳を済ませてみなければ聞こえないほどに弱弱しく…


ヒロ「――――(忍者から噴き出した返り血が頬に付着し、ぎりぃと悔しそうに歯を食いしばった)………?(そんな中、何かを呟く目の前に女性へ静かに耳を傾けた) 」

仮面ライダーエボル「フン、そんなこたぁ俺の知ったことじゃない。―――無駄無駄(向かってくる星型魔弾へ手を向け、次々に吸収していき) ひょいっとォ!(跳躍して足払いを逃れ)―――ほらよ!(そして、先程吸収した星型魔弾に破壊力を上乗せしてベールメディに放出) 」

サイボーグ忍者「 ……コロ、し、テ……コロ、シテ……(最早生命維持は不可能、ダミーシステムによって蝕まれた身体は二度と戻らないまでの域まで潰れている。そんな中、システムの影響がまだ残っているのかまだ意識がある状態。彼女は願う。終焉(ジ・エンド)を) 」

ベール「うわっちち…!!(カニ歩きするような奇抜なステップで辛うじて魔法弾を避けていく)なぁーろー…!魔法使いなめんじゃねーぞ!(そう言うと取り出したのは、魔法使いには似つかわしくない拳銃――)――― バァンッ、バァンッ ! ! (そして発砲で応戦していく) 」

メディ「……!(ピロリ、ピロリ…―――)(視界に映る星型魔弾の軌道を予測し、最低限の挙動だけで被弾寸前で回避を成功させる)……はあぁっ!(ベールの援護射撃を受けつつ、エボルへ斬撃を見舞う) 」

ヒロ「ッ……!!(命を終わりを希う女性を前に、青年は躊躇いでその手が震える)……俺は…また、救えなかったのか…?目の前で、大事な人を……!(頭の中を何度も過る忌々しい過去。いつか失った大切な人の顔が、目の前のエレンに重ねてしまう) 」

ベール「――――(エボルへ発砲し続ける最中、ヒロの様子を静かに横目で伺う)」

スネーク「(ヒロを手で制し黙して首を横に振る。サイボーグ忍者だったものの前で佇み、懐からベレッタを引き抜いた)……。割り切れることではない。どんな理由があっても、どんな環境、状況にあっても結局のところそれは『殺し』だ。それが正当化される時代は過去も未来も、そして『現在』も永劫にない(ヒロへは一瞥もやらずそう告げる)お前達と彼女とでは住む世界が違った……。『そんな地獄がある時点で最期は決まっていた』ということだ。彼女のためを思うなら、お前達はそんな世界を未来に託さないでやってくれ

サイボーグ忍者「コロシテ……コロシテ……コロ、シテ……(まるで壊れたオルゴールのように、同じ言葉を同じようなリズムで発する) 」

スネーク「—————『こんな事は』時代と共に滅びるべき負の遺産だ。過去(彼女)は、過去(俺)が連れ去る (—————ためらい一つなく、それが『当然のこと』『果たすべき』であるように引き金を引く。こめかみへ一発、余分な苦痛を伴わないように) 」

ヒロ「 ! ! ! (スネークの言葉に、震えていたその手がついに動き出す。そして…――)――― う゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ っ゛ ! ! ! (聖なる光を放つキーブレードを勢いよく振り抜いて、エレンの心に突き―――)――― ザ グ ン ッ !(…刺せなかった。剣は彼女ではなく地面へ突き刺さったのだ)………(声にもならない呼吸を発しながら、スネークの手にただ目を向ける…) 」

仮面ライダーエボル「あ~あ、やれやれ……(見るも無残なほどのサイボーグ忍者を見て、呆れの感情を表しながら)こうなっちゃあ………こいつはもうおしまいだなァ。  おっと!(メディの斬撃を片手で受け止めて鷲掴み) パシッ!! グッッッッッ(もう片方でベールの銃弾を掴んで握りしめる) 」

サイボーグ忍者→エレン・ベーカー「――――あぁ(最期の一瞬、彼女はサイボーグ忍者でもなくエレン・ベーカーでもなく、ただ一人の名もなき女としての声を発する。こめかみを貫いた感触が徐々に消えていき、意識は暗転していく。そのとき、『存在するはずのない古い記憶を見た』)『うわぁああん、おかーさーん、おとーさーん!』(それは奮戦地で銃弾が飛び交う中、父母の遺体に縋りワンワン泣いている幼女)【あれは……だれだろう? 可哀想な子……】(ここで完全に生命が切れる。偽りと戦いを繰り返す人生は幕を閉じた―――)」

ベール「……っ……!(崩れるヒロに唇を噛み締める)……―――!!(そんな最中、エボルの言葉が癪に障ったのか、帽子の内側で鋭い眼光を露わにする)―――“固く禁ず星《 キープアウト 》”!!(エボルに向けて突きつけた掌から無数の鎖が飛び出し彼を拘束) 」

ベール「 シ ュ ボ ォ ッ … ボ オ ァ ッ …――― 失せろ、二度とその面見せんな (両足に灰色の焔が纏われ、拘束したエボルへ向かって飛び出した) ――― “ 灰 に 燃 る 星 《 グ レ イ ア ウ ト 》” ―――(冷ややかでありながら底知れない怒りの瞳を剥きだし、エボルへライダーキック宛らの灼熱を帯びた灰色の脚で豪快な一撃を炸裂させ、そのままラボの壁を貫かん勢いで蹴り飛ばした) 」

仮面ライダーエボル「ぬッ… ――――ズ ガ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ボ グ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! (ベールの一撃により壁を突き破りながら盛大に吹き飛び、爆発に飲まれていった) 」

あなた / ホムラ『……(悲哀に満ちた瞳を浮かべて、彼女の最期から目を背けることなく見届けるのだった)』

クラウス(音声)「最期の最期まで、任務は果たせずじまいか。(いつもと変わらぬ声調で)まぁいい、天の聖杯の実力をこの目で見れたことはかなりの収穫だ。それは褒めるべきだな(どこまで行っても冷徹な態度を崩さず、今回の戦闘データを賛美する) 」

ヒロ「………なあ…――― これで、よかったのかな…(もはや何も言わなくなった女性を前に、ベールへ尋ねるように声をかける) 」

ベール「 シ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ … (開いた壁から吹き付けるよ風に両脚から灰燼が散っていく)……それが君の選んだことでしょ。(目深に被り直した帽子の内側で、呟くようにヒロへ応える) 」

クラウス(音声)「…よくぞ私のサイボーグ忍者を倒した。あれでもかなりの実力者だったのだが…君達相手ではどうやら力不足だったらしい。君らの、特に天の聖杯の実力は尊敬に値する。対立する立場で言うのもなんだが、―――よくやったな。おめでとう、おめでとう、おめでとう(比較的穏やかな口調で、音声の奥から軽い拍手が聞こえてくる) 」

ヒロ「………(クラウスの声が聞こえる音声機器を拾い上げる)……あんたか…この悲劇を生んだ張本人は…?(機械…クラウスに向かって声をかける) 」

ホムラ「……!(クラウスの声に憎悪にも近い感情を露わにしてしまい、反論しようと身を乗り出したところ、さきに踏み出したヒロに制止する) 」

スネーク「—————クラウス。お前達がここで出会った教師の一人だ(ヒロの問いに先んじて回答し、彼の握る無線機へ歩を進める)報復に興味はない。彼女はお前が行ってきたことの『一部』だ。 当然のようにお前を処理する、少なくとも俺が召喚された理由の一つなのだろう。 ————改めて聞く、何が目的だ 」

古手梨花「(ヒロ達のもとへ戻ってくる)……! …その男が、すべての…… 」

クラウス(音声)「悲劇の張本人、視野の狭いことを……そんなことだから彼女を殺せなかったのだ。コラテラルダメージ、というものを知っているだろう? 大いなる目的の為には犠牲がつきものだ。彼女はそうなったに過ぎない(ヒロに対し)……そうか、そう言えば話してなかったな。スネーク、まさしくお前にとっても因縁深いものだろう。――――「楽園」だよ(どことなく声に高揚感が現れる)……太古の時代、人類が本当にあると信じていた楽園。それを創造する。天の聖杯の力があればそれは可能だ。」

クラウス(音声)「―――スネーク、かつてお前の同族(スネーク)が目指した戦士達の楽園、安息の地のアイデアの元に、全人類が楽園の庇護の下、安息の日々を暮らせる世界だ。そこでは貧富も紛争もなにもない。武器も異能も不要になる誰もが幸せに生きれる。親が子を愛し、やがて子が親になり、また子を愛す。そんな当たり前のことが当たり前のように営まれる古き良き楽園―――【グレード・オールド・ヘブン】。それが私の目的だ。どんな犠牲を払ってでも、これを完遂させる。そして、私の行いを最後の流血にする。理解いただけたかな諸君?(ひと通り話終わり、フゥと溜め息) 」

ホムラ「(「楽園」―――)(その言葉には強い反応を示す。何故なら、ホムラとヒカリが目指すべきものこそが、その「楽園」なのだから。しかし…―――)――― ……ありますよ、「楽園」。けれど、それは「私たち」(天の聖杯)の力で創られるものではありません。クラウスさん、あなたこそ視野の狭い人です。あなたが悲観しているほど、この世界は歪んでなどいません。「楽園」は…必ずあります。……私たちの旅の行く先に、必ず。 」

クラウス(音声)「天の聖杯、お前はこの世の醜さを知らない。私も元々は地球から来たものだったが、そこでどれほどの醜悪な欲の膿が溜まり切ってたと思う? この世界でもそうだ。私がやらねばならない。天の聖杯の圧倒的なパワーが、世界を導くのだ(完全にホムラやヒカリと対立している。同じ楽園でも、その向かう先はすれ違っている) 」

ヒロ「綺麗ごとをほざくなよ…!誰かの犠牲の上にある楽園なんか、俺は願い下げだ…!そこに幸せなんかあるものか!確かに俺は、彼女を救うことができなかったかもしれない…けど…けどな…!それでも生きてやるんだ。未来(あした)を失った奴らの為に、俺がその"想い"を継いで生き続けてやる! 」

スネーク「(怒りも憤りもない、ただあるのは諦観。こういったことはあるのだろうと何処かで予測していたと言わんばかりの諦めの篭ったため息だった)—————平和幻想について長々と語り合う気は無い、目的を聞き出せたならそれでいい。 だが返礼として俺の"これから"の任務を伝えておこう    "貴様"を駆除する   それだけだ 」

クラウス(音声)「犠牲もなくなにを作れる? 家を建てるのにも木という命を使う……創造するということは、なにかを犠牲にせねばならない。私も、お前も、そこにいる全てが人間だけでなく動植物の犠牲によって成り立ち、そしてそれを幸せと呼んでいる。だがそれは古い幸せだ。私で最後だ。それ以降は誰も犠牲にしない幸せが全人類全員で享受できるのだぞ? なにが不満だ?(ヒロに対しても冷徹な態度を崩さず) 」

クラウス(音声)「シンプルでわかりやすいなスネーク。それに対して私の返答はこうだ。―――来るがいい。貴様が任務を遂行するように、私も任務を遂行するッ! 」

あなた「…… パ シ ッ (ずっと傍で話を聞いていた「あなた」がヒロから音声機器を奪い取る)……!…!……!!……!!…!!!………!……!!(出もしない「声」を、その先にいるクラウスへとぶつける。無表情なため、何を思いながらどんなことを言い放ちたいのか、傍目からすれば理解はできないだろう。それでも、「あなた」は訴え続けた。自らの意思を。そして……) 」


あなた「―――― ガ シ ャ ア ァ ン ッ ! ! (音声機器を思いきり床にたたきつけ、粉々に粉砕した)」


ヒロ「……!(あなたの一連の動作に呆気取られる)………ありがとう。君が何を言ってやったのかは分かんないけど…なんだか、俺の方が救われた気がするよ…(ふっとあなたに微笑みかけながら) 」

ホムラ「……(ヒロと同じく「あなた」の行動に目を見張るも、それを面白可笑しそうに微笑むのだった) 」

古手梨花「――――!(「あなた」の行動に目を見開く)………ふふ……これでもう、しばらくは耳障りな能書きを聞かなくて済みそうね。 」

クラウス「……(音声機器を破壊されたことで通信不能。「あなた」が持っていた為最後の沈黙のみが不可解だった)……今はまだいい。受け入れられはしないだろう。だが……「楽園」が出来ればきっと理解するだろう。(真っ暗闇の中踵を返してどこかへ歩いていく) 」





サイボーグ忍者…否、エレン・ベーカーの悲報より数分が経った。
見るも無残な姿となってしまった彼女にはブルーシートが被せられ、旧研究部屋に沈痛な雰囲気が漂っていた―――


班目「ぅぅ…っ……(気を失っている学園事件の首謀者である男子生徒は気を失ったまま治療され、その後身柄を拘束されてしまった)」

メディ「………(班目の応急処置、そしてエレン・ベーカーの遺体の処理を終え、隅で項垂れている面々のもとへと戻ってくる)……私にできることはやり遂げました。エレン様については、誠に遺憾でありますが…――――」

天王寺璃奈メディ、ありがとう。………(その後、ブルーシートの方へと静かに視線を送るが、すぐに目を伏せた)」

ヒロ「………っ…(悲しみとも怒りとも取れる、複雑な想いに震える拳を強く握りしめる)」

ホムラ「………こんな形で、別れたくはありませんでした。スネークさんのおっしゃってたように、"こうなることが決まっていた"というのなら…そんな運命を、断ち切ることができれば……」

ベール「………(窓の外を覗き見、夜空を照らす月を一人静かに仰いでいた)」

あなた「………(各々に憂い、悔いる面々の中で、感情を表に出すことができない自分は、ただ茫然と立ち尽くすしかできなかった)」

ニシキノ「……あー……その、なんだ… 気持ちは分からんでもないよ。けど、どれだけ俯いてたって、帰ってこないものは帰ってこないんだ。僕だってその昔、最愛の妹を失った。人の手にかけられて、ね…。その時の喪失感、悲壮感を、今でもずっと覚えている。今でも時々、悔いることはある。でも、振り返っても、そこにあるのは思い出だけだ。」

ニシキノ「――― ポ ン ッ … (震えるヒロの方に優しく手を添える) 今は、それでいい。その"想い"を、どうか忘れないでやってほしい。それが、「彼女」に報いることができる、ただ一つの弔いだから。」

ヒロ「………ああ…(零れそうになる感情をぐっと堪えるように、鼻を啜った)」

秀太院「……っし、これで全匹だな。(すべての猫たちにようやく注射を打ち込み終えたのか、ふうと肩の荷が下りる)」

サトミ「これで、猫にされてしまった生徒の皆さんが元に戻るはずですが…(同様に注射を終えて猫たちの様子を伺う)」

猫→ノリアキ会長「――――ん……ぁ…?(その後、みるみると身体を大きくした猫が人の形となり、元の姿に戻っていく)…気を失っていたのか…?私は確か…革命部のアジトを突き止めて、それで……」

猫→マサシ「…っ~~~……?(同様に起き上がる)なんだ……?なにか、長い時間眠ってしまった感覚だが、なんでこんなところで…――――!(寝ぼけた様子で周囲を見渡したその直後、傍にいた人物が目の敵としているノリアキであることに気づいてはっと我に返る)…テメェ……!!(そして、怒りの形相を露わにする)」

ノリアキ会長「……!貴様…ッ…!!(こんな形で再会した犬猿の仲。互いに鋭く睨み合いながら立ち上がる)」




マサシ「まさか俺たち革命部の本拠地を嗅ぎつけてくるとは…もう後には引けねえが、いいぜ…ここらで盛大に戦争しようぜ……!?(同じくして立ち上がった革命部員、およびその傘下の生徒たちもまたマサシの背後で征徒会の面々と睨み合う)」

ノリアキ会長「ここで会ったが百年目…!今こそ、長きに渡るこの因縁の対決に、決着をつけてやる…ッ!!(立ち上がる征徒会役員たちをその背に、目の前の敵を討伐戦とする闘志をその目に滾らせる)」

ホムラ「……!ま、待ってください…!そんな…争いごとなんて、もうやめましょう…っ…?こんなことをしても、何も解決には――――(慌てて両者の間に割り込もうとするが…)」

マサシ「余所者は引っ込んでろ!!これは…俺達学園の問題だ…ッ!!(ホムラに怒号を飛ばしながら眼前のノリアキから決して目を離さず睨みつける)」

天王寺璃奈「ううん…その学園の問題が、こうしていろんな人たちに迷惑を掛けちゃってる… もう、やめようよ…?それに…こんなことをして、エレン先生が喜ぶはずがない…っ……(切なそうに自らの胸元を握りしめる)」

ノリアキ会長「ならば尚のこと、今この場で戦いに終止符を打つまで!!この学園を秩序あるものにするために、革命部を徹底的に弾圧するのみ!!(手をかざし、特攻の指示を下す)」

マサシ「上等だ…ッ…!!野郎ども、やっちまえッ!!!(金属バットを手に突撃の合図を出す)」

征徒会役員&革命部員『 うおおおおおおおおおおおおお!!!!(物哀しい空気をぶち壊すような雄叫びを上げ、両勢力が狭い部屋の中でぶつかり合う)』

秀太院「なんということだ…ついに始まってしまった…!こうなった以上、そう簡単に彼らを止めることはできない…!死者が出たというのに、これでは…更なる二次被害が…!(頭を抱えて混乱する)」

サトミ「あわわわっ…どううしてこんなことに…!(秀太院の背後に隠れて狼狽する)」

メディ「璃奈様っ…!(慌てて璃奈を抱き寄せ、混戦地帯から離れる)…皆さん、かなりの興奮状態に陥ってしまっています。誰も、我々の声に耳を貸すような余裕もなく…危険な状態です…」

天王寺璃奈「そんな…っ……!でも、このままじゃ…!」

あなた「……!!(尻込みしている中、果敢にもその混戦地帯へ駆け出そうとした、次の瞬間――――)」


―――― ズ ッ ガ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (突如、空間一帯に叩きつけるような凄まじい衝撃が迸った)


ノリアキ会長&マサシ『  ! ! ?  (轟く衝撃音に、二人は勿論のこと彼らが率いる両勢力がぴたりと静止してしまった)』




ヒロ「――――…はぁ……はぁ……っ…!(キーブレードを両手で握りしめ、床を強く叩きつけていた)」

天王寺璃奈「……!……ヒロさん……?(思い切った行動に出た彼に目を丸くする)」

ヒロ「……お前たち…いい加減にしろ…ッ…!!人が…実際に人が死んでしまった目の前で、よくそんなくだらないことができるよな…ッ…!?(戦闘においては、普段軽々と振り回しているキーブレード。しかし、重みのある言葉のように、今はずっしりとした重量感が、そこにはあった)」

ニシキノ「………(ヒロの一声から、彼を静かに見守る)」

ヒロ「守りたいものがあるから、奪われたくないから…人は戦う… だけどな…戦おうとすればするほど、本当の目的を見失いがちになって、目の前のことしか見えなくなってしまう…!そんなことになってみろ…目的を忘れたら、もう取り返しのつかないことになるんだぞ…!!

ヒロ「俺は……そうやって、何度も目の前が真っ暗になりかけたことがある… 守りたかったはずなのに、そのために戦い続けて…気が付いたら、守るべきはずだったものは見失ってしまった… 進めば進むほど、大事なものを置き去りにしてしまう… 何かのために戦うってのは…そんな、そんな恐ろしさが付きまとうんだよ…!!

メディ「(ヒロ様……)(今迄に目にすることのなかった彼の悲痛な想いに、噤むように佇む)」

ヒロ「お前たちにその覚悟があるのか!?本当に守りたいものが、失ってしまうかもしれない恐ろしさを感じながら…それでも戦う覚悟が…!!それもないくせに…「殺す」だとか…「戦争」だとか…そんな、そんな重い言葉を軽々しく口にするなよ…!(先程のクラウスをはじめ、目の前に広がる両勢力が口にした物騒な発言に、並々ならぬ感情を爆発させる)」

ヒロ「それにな……お前たち、人生で一番大事な青春時代を…そんなことに費やすなよ…っ…(感情的に叫び続けたためか、声が枯れ始めていく) 俺は……そんな大事なひと時ですら、失っちまったんだ… でも、お前たちなら…まだ間に合う…友達や、家族や、恋人や…もっと、いろんな人たちを楽しい時間を過ごしてくれよ…っ……?」

ヒロ「…どうか…俺みたいにはならないでくれ… 「あの時」からずっと、身も心も止まってしまったままの俺みたいな人間には… お前たちには、まだ、"先"があるんだから、さ……?(気が付いたら、涙ぐむような声を震わせていた)」

あなた「………(きっと、ここの生徒や自分には知り得ない壮絶な過去があるのだとヒロを見て思い知り、その言葉の重みに、"想い"に、「あなた」の心に届くのだった)」

ノリアキ会長&マサシ『…………(ヒロの切言が深く突き刺さったのか、互いに顔を見合わせた時には既に二人には戦意が消えていた。それは他の生徒たちも同様であり、誰も、これ以上の戦いを望むものなどいなかった)』

ベール「……――――― ニ ッ (ヒロの"想い"を静かに耳にしていたが、そんな彼を一瞥して。「それでこそ」と言いたげそうに、確信づいたように不敵な笑みを浮かべるのだった)」

ヒロ「…ぅ……ぁ…――――(張り詰めていた緊張の糸がぷつッと切れたように、がくりと膝から崩れ落ちる)」

メディ「……!(崩れそうになるヒロを咄嗟に支えにかかった)」

ヒロ「……はぁ……はぁ……メディちゃん……君は、俺のことを『ヒーロー』って言ってくれたよな…?(彼女に支えられながら、呟く語りかける)嬉しかったよ……でも、本当は、俺は…そんな大それた男じゃないんだ… 本当は、解ってたんだ…俺は、俺の人生で大事なものは何も守れなかったんだって… だから、次はそうならないように、今度こそ…今度こそ…って、自分を正当化して慰めるような弱さもあった… 俺…やっぱり…ダメ、なのかな……?(自嘲気味に、乾いた声でせせら笑う)」

メディ「いいえ。そんなことは決してありません。私は、ヒロ様の身に何があったのか存じません。それでも、璃奈様や主様、ホムラ様、それに私でさえも…仲間である皆様をこれまで必死に守り通そうとしてきた強い意志を通じて、私は感じました。功績なんて、関係ありません。"守ろうとしてきたこと"―――その"想い"があるだけで、とても素晴らしいことなのだと、私は思います。

天王寺璃奈「うん。メディの言う通り。私も、みんなも…ヒロさんの優しさに守られている。みんな、知ってるんだよ…?だからヒロさん、どうか俯かないで。もう、抱え込まなくても、いいから。今度は、私たちも、ヒロさんを守ってみせるから。

ホムラ「ええ。誰がなんて言おうと、私たちを守ってきてくれたヒロ君は紛れもない『ヒーロー』です。それに、ほら…こうして、戦わずに戦いを止めてくれた… 私たちにできないことを、ヒロ君は成し遂げたんです。それは、とてもすごいことなんですよ…♪(母性的な笑みを送る)」

あなた「……♪」(ヒロの両肩にぽんっと手を添え、傍に近寄る。「もうひとりじゃない」と、訴えかけるように)

ニシキノ「やれやれ…両手に花なヒーローには、流石の私も敵わないな…!だが、それでこそ、「ナポレオン」君だ…!(静かに、小さな拍手をそっと送った)」

ヒロ「みんな…(励ましてくれる仲間たちの温かさに包まれ、ずっと引きずっていた重りのような悔恨が薄れかけ、気持ちがすっと軽くなっていくのを感じ取る)」


ヒロ「…………ありがとう… (涙と共に、微笑みを一つ零すのだった)」




恣慰ヶ丘学園・芽生えの庭 ―




学園での起きた事件が収束して翌日、学園祭最終日。
その日の学園祭は中止され、校舎への立ち入りは禁じられてしまった。
しかし、生徒やそこに参加していた一般客たちは再び学園へと赴いた。
庭に作られた二つの墓を囲むように、多くの参列者が陳列していたのだった。


天王寺璃奈メディ『……(そのお墓に向かって両手を合わせ、静かに黙祷を捧げていた)』


たくさんの花が咲き乱れるその庭には、新任女教師と、「エレン・ベーカー」の墓が二つ建てられていた。


ニシキノ「……魂は死せず また彷徨うこともなく受け継がれるのみ 幸いなるかな 命の結束 世は全て輪環のことわりの中に…(いつになく真剣な表情で、その墓標に祈りを捧げていた) 」

あなた&ホムラ『……(二人並んで手を合わせ、その墓へ祈りを捧げる)』

ベール「……(庭に立つ木の一本に凭れかかりながら腕を組んで静かに佇んでいる) 」

ホムラ「……(黙祷を終え、名残惜しむように墓から立ち退いていく)…彼女たちも、"天命"を成し遂げたのでしょうか…(誰かに尋ねるわけではなく、独り言のように呟いた) 」

ヒカリ「 "天命"なんていうのは都合のいい文言よ。たとえ、それが本当だとしても…貴女が気にすることじゃないわ。…皮肉なものだけど…これは定められたものだったのだから。(精神世界よりホムラに) 」

ホムラ「……だとしたら…私はその定めを断ち切りたい。「あの時」みたいな苦しみを味わうのは…もう……(色褪せた遠い記憶の中を巡らそうとするが、まるでそれから目をそらすように俯くのだった) 」

あなた「……?(俯くホムラに傾げる) 」

ホムラ「……!……ごめんなさい。…私はもう、大丈夫。(「あなた」の視線を感じ俯いた顔を上げ、平気そうに弱弱しい笑顔を浮かべてみせた)……場所を、変えましょうか… 」

ヒロ「…………(墓を見て、グッと拳を握りしめる)……(そっと目を閉じる) 」


そして一行は、人気のない「光の森」の並木道へと移動した…


ホムラ「……(今は緑が生い茂るその並木道を仰ぎ見る)……この木…春には桜が芽吹き、とても美しく咲き誇るのでしょうね。メディちゃんから聞きました。春は出会いと別れの季節だと。もう、春は過ぎちゃったけれど…この並木道のように、私たちの人生も、出会いと別れを繰り返していくのでしょうね。

天王寺璃奈「……うん。私も、経験した。仲の良かった友達と別れるのは寂しかったけれど…また別の場所で違う人と出会って、新しい友達ができていく。これから先、何度もそうしていく。どんな人だって、どんな時だって。(ホムラと同じようにその並木道の果てを見据えながら) 」

ニシキノ「……まさしく、青春だね。くぅ~…泣けるじゃないか。「ヨシダ」君もそう思うだろう?(ふざけているのかまじめなのか分からないが、ホムラたちの言葉に共感するように強かに頷いた) 」

吉田優子「どうして私の名前を知ってるんですか…どうして… 」

ヒロ「…………吉田正尚ちゎうわ。…まぁ、青春…だな(思いふけるように考え込むような表情で! 」

秀太院「…おっ、いたいた!お~~~い!きみたち~~!(「あなた」たちのもとへ駆け寄ってくる)…こんなところにいたか。いや~~…我々科学部から君たちに一つ謝罪しておきたいことがあってだなぁ…(参ったなあと頭を掻きながら) 」

秀太院「実は採血をした時に分かったことがあって…二人に撃ち込まれたのは人間を猫に変える「にゃんちゃって君」という薬だった。あれはその昔、我が尊敬する偉大な顧問・ワンナップリン博士がを作ったものだったことが、あのラボの実験室でその資料を見つけて判明したんだ。 」

秀太院「今回の様に、科学の力が悪用されてしまうのは世の理…だが!不可能を可能に変えてこそ、科学が存在する意味がある!科学が誤った道へ進まないように、それをまた正すのも科学!私は今回の事件を通じてそう肝に銘じたよ。 」

サトミ「部長~~~!(遠くから秀太院を呼び出しながら手を振っている) 」

秀太院「……おっと失礼!私たちはこれから学園祭の撤去をしなければならないのでね!……ああそうだ。そっちの用が終わったらでいいからあとで科学部の部室へきたまえ!君たちを巻き込んでしまったお詫びじゃないが…ちょっとしたいいものを渡そう!ではまた後で!(サトミのもとへ走っていった) 」

天王寺璃奈「そ、そうだったんだ……猫は、可愛いけれど…やっぱり私は人間のままでいたいな…〖=・ω・=;〗(秀太院を見送りながら) 」

メディ「…そういえば、一つ疑問だったことがあります。結局のところ、あの「学園七不思議」とは何だったのでしょう?今回の事件の黒幕が潜んでいた26Fのラボ…何故その場所を知らせるような暗号があったのか、そして誰がその暗号を残したのか… 」

ベール「―――ああ、七不思議?あれ、犯人あたし。(いつの間にかしれッと一行の中へ溶け込んでおり、けろっとした顔でメディの疑問に答えた)…ここへ来る一週間前くらいかなー。知り合いの占い師に予言されたのよ。この学園祭に、「私の待ち人」が必ず現れるって。」

ベール「で、前もってここへ来たものの…今回のきな臭い事情を知った。でも、これはあたしには関係ないこと。
なら、君たちの実力を図り知ることに利用してやろうって、いろいろ準備して様子見してたってわけ。(後頭部に手を回し口笛を吹きながら周辺を歩き回る) 」

ベール「でも君たちはものの見事にあたしの予想を超える早さで真相に辿り着いた。100点満点を上げたいところだね。まあ…満点を上げられない理由は……不謹慎になっちゃうからやめとくけど(お墓のことを思い出して被り直した帽子で目元を覆った) 」

ヒロ「…………いや、君だったのか(ベールを見て)…………(ベールの様子を見て俯く) 」

古手梨花「…? …璃奈…?頭にお耳が生えてますですよ…?(璃奈のヘッドホンの猫耳を指差して) 」

メディ「なんと…!そうだったのですね……これはやられてしまいました。(意外そうに驚きながらもふふっと噴き出す)……あ、まだお名前を窺っていなかったですね。(ベールに) 」

ベール「あたし?通りすがりの魔法使いよ。「魔法」、買う?今なら1割引きで売ってあげるよ。まだ不満ならブラックサンダー付けたげるよ。……え?ブラックサンダー"が"欲しい…?そ、そんなぁ……orz  」

ベール「……(ヒロの視線を感じて「よっこらせ」と起き上がる)……どうよ。ちょっとは目ぇ覚めた?まだまだ君には「ヒーロー」なんて荷が重すぎたかもしれないねぇ~。……でもさ、正義の『 ヒーロー 』なんて、たいがいがそんなものよ。給料(かね)も出ねー、安寧も来ねー、夢の無(ね)ー話だぜ。(ヒロの横を通り過ぎ、彼の背後で立ち止まる)…けれど、それで誰かがちょっとでも救われたんなら、今夜はいい夢見て眠れるかもしんないよ。(ふっ、と和らな笑みをこぼした) 」

天王寺璃奈「……(こ、コスプレイヤー…?)(ベールの容姿を不思議そうに見つめている)あ、ちがう…こ、これはライブ用の璃奈ちゃんボードで、本物じゃない、よ…??〖* >▵< *〗(あぅあぅと梨花に) 」

スネーク「戦場に英雄(ヒーロー)はいない。あるのは殺戮者だけだ。だが、そこな魔女の言う通り『わずかな生きる支え』になれたのなら、それはきっとその誰かのヒーローなのだろう。ありふれた日常にこそヒーローは存在するのかもしれない(ダンボールがくぐもった声をあげる)\待たせたな(待ってない)/ 猫化ウィルスの件では世話になった。 返礼をしたいころだが此方は時間が惜しい。(ヒロ、ホムラに一瞥をやり、メディに礼をするように会釈をする。そして最後に、ベールへ視線を移し)—————なんの根拠もないカンだが、事情通な気配があるのでな。聞きたいことがある 」

古手梨花「みぃ…!本当に猫になってしまったのかと思いましたです…! 」

ニシキノ「なるほなるほど…これでこの学園の事件の謎はすべて解決したということだな。…っと!そういえば自分も今回の事件でもろもろ壊してしまったものがあったな…今からバレないようにしれっと元に戻してこよう… 璃奈ちゃん、「カツマタ」君!またあとで会おう!(一度その場から離れていく) 」

ベール「なーにー?あたしゃただの魔法使いですよ~っと♪(へへへと小馬鹿にしたような笑みをこぼしながらスネークに) 」

ヒロ「………あぁ、そうだな。…誰かのヒーローになっただけ幸せなのかな(目を閉じる)…………… 勝俣翔貴じゃねーし…(ニシキノを見送り) 」

天王寺璃奈「…でも、猫の気持ちになれたのは…ちょっとしたいい体験だった、かも…璃奈ちゃんボード〖=・ω・=〗にゃー  あ、うん…また後でね、ニシキノさん。 」

ホムラ「……でも、私はかっこよかったと思いますよ。今回のヒロ君は、私には『ヒーロー』に見えました。(ヒロへ母性的な微笑みを送る)……あれ…?こんなところにもう一つお墓なんてありましたか…?いったいどなたのでしょうか…(庭には存在しなかった、その並木道の脇にあった墓標を見やる) 」

スネーク「ホームグラウンドではないからな。ただの『何か知ってそう』という漠然とした何かに頼るしかない、笑ってくれ(肩をすくめ苦笑する)そうだな、自己紹介もしてこう。俺はソリッド・スネーク、この星の『防衛本能』が『何か起きるかもしれない』という予感めいたもので勝手に召喚された『サーヴァント』だ。まあ生身の人間に異世界転生?のような付加能力を加えた何かだが……いや話がずれたな。先に言った通りこの星、この世界が『何か世界規模の事件』を予感し、それを解決すべくして俺のような者が不本意ながら数人召喚されている。 ————心当たりはないか、世界の崩壊に繋がる何か。その予兆めいたものに


その墓誌には故人の名ではなく、あの「混沌文字」による文が書き記されていた―――


ヒロ「……ありがとう。…そういう言葉が、人の心を救うんだな(そっと呟く) 」

ベール「……『 訪問者 』か……(目を伏せながらそう呟いた。そして、横から聞こえたホムラの声にちらりとその墓の方へ一瞥を与える)……(その墓誌に刻まれた文字に思い当たる節があるのか、帽子の内側で少女は目を鋭く細めるのだった)……さぁ、ねえ?あたしには何のことだか。でも、おっさんにも借りがある。だから一つだけあたしから答えてあげる。 」

ベール「あたしは本来、この世界にいるべき存在ではないってこと。何故なら既に「先客」がいるから。世界に空席は一つしかない。あたしはいつだって除け者にされながら…いや、これだと語弊があるわね…自ら世界を除け者にしてあらゆる壁を跨いでいった。だから留まる理由はない。そんなあたしが、ここに留まっている理由があるとするならば…(遠目にヒロの背を見つめる)……その席が崩れないように見守ること。最悪の場合、世界の均衡は崩れるからね…

天王寺璃奈「……?(ベールの『訪問者』にぴくりと反応する。まるでその言葉を一度聞いたことがあるように。そう、ゲームショウでアグネスタキオンがDIOに対して言ったそれだと、脳裏を巡らせ判断するが…それが何を意味するのかは、ただの女子高生の少女には当然理解する由もなかった)…どうしたの……―――!(ホムラの後ろから墓を見つめ、そこにあった文字に「あっ…」と驚嘆する) 」

スネーク「『特異点』か。……。招かれざる客人、招かれたくなかった来訪者……皮肉な邂逅だ(おもむろにタバコを取り出すが、ふと周囲の面々を見やり懐にしまいなおす)————充分有意義な情報だった、ありがとう(言葉に偽りなく感謝の意をベールへ伝える) —————。(見慣れない文字だ。ヘプライ語?違うな……この世界特有の古代文字か……) 」

あなた「……(今までその存在に気づかなかった三つ目の墓標、そこに刻まれた混沌文字を見つめると、メモ帳とペンを取り出しその切れ端に解読文を記していく)……(その切れ端に書いた文字を代わりに読んでほしいと促すようにメディへと渡した) 」

メディ「………読み上げますね。(「あなた」から手渡された切れ端、そこに書かれた文字を口にする…) 」








――― 「 悔恨の砂を噛み締めて歩み行く荒野に、旅人は想いを迷わす   Alan Smithee 」 ―――







「あなた」が解読した文字をメディが読み終えたその瞬間、空間が音もなく光に包まれた。




― 空白の劇場 ―







光が途絶えた後、一行は、かつて目にしたことのある、あの「劇場」に再び誘われていた。
劇場の幕が上がっていくと、その舞台上には灰色に染まった廃校の校舎が奥に建っているグラウンドが広がっていた。


あなた「……!(これで三度目となる劇場への入場…舞台上に広がる光景を見渡しはじめる) 」

メディ「……『空白の箱庭』…よもや、また…(まるでそれが運命の再開であるかのように、三度目にした劇場に警戒心を抱く) 」


コ ツ ン ――― コ ツ ン ――― コ ツ ン――― (そして、劇場に誰かの靴音が反響する。その音を聞きつけた一行は、誰もがあの「桜坂しずく」をすぐに想起したが…)


天王寺璃奈「……ここって…――――!(誘われる劇場、そして響き渡る足音へ振り返る)しずくちゃん――――!(その音の主の名前を呼ぼうとするが…) 」

黒い人「 ―――― コ ツ ン … (だが、そこに現れたのは桜坂しずくではなく、「黒いスーツを着こなした男性らしき人影」だった。何故、そんな曖昧な表現をしたのか?それは、その男の首から上が文字通り"なかった"から。あるいは、深淵の如き黒い何かに覆われて視えない、とでも表現できる。即ち、素顔が存在しないのだ) 」


「黒い人」を目にした誰もが直感的に感じるのは様々だ ――
ある人は「戦慄」を、ある人は「憤懣」を、ある人は「疑念」を、ある人は「懐古」を、ある人は「無関心」を、
ある人は「悲歎」を、ある人は「不思議」を、ある人は「滑稽」を、ある人は「憧憬」を…
そんな形容し難い存在に、目にする者はただただ唖然と見つめるだけだろう。


ホムラ「……(舞台上に現れた「黒い人」に目を奪われる。その時、様々な感情が千里を巡る様に自らの中で飛び交い、ある種の催眠にでも陥ったかのような不可思議な感覚に陥りかける)……!(はっと我に返るように首を何度も左右に振り、湧き起る感情を払拭するように前へ一歩強く踏み出した) 」

ヒロ「…………??????(黒い人を見て目を見開く)…? 」

ベール「……(「あなた」たちに巻き込まれるかのように誘われた中、傍から見れば初見の身である彼女だったが…どことなく、その劇場に場慣れしたような態度で佇んでいた)……(だが、舞台上に現れた「黒い人」に眉を顰めるあたり、自分でも未だ感じ得たことのない存在に嫌でも視線を釘付けにされてしまう) 」

天王寺璃奈「…えっ……?(そこにいたのが期待していた彼女ではないと知ると、唖然とした顔で「黒い人」を見つめていた)……誰、なの……? 」

あなた「……?(「誰?」と尋ねる様に黒い人へ疑問の眼差しを向けた) 」

黒い人「 俺かい?俺は…―――― 」






― 雨の路 ―


桜坂しずく「 ピ チ ャ … … ピ チ ャ … … (降りしきる雨の中を傘もささず一人歩き出す少女。その行く先は分からず、雨霧で霞んだ景色をただ呆然と歩き続けている) 」

黒い人「―――― ピ チ ャ … … (白く霞んだ景色の中より黒い影が出でる。人の形をしたその者の手には黒い傘が握られていた) 」

桜坂しずく「 ピ チ ャ … ――――(直線状に現れた「黒い人」に歩みを止めた少女は、その濡れた雫色の瞳で影を見やる)………あなたは…?(まるで、はじめて恋に落ちたかのような蕩けた瞳で、あるいは、幾年の時を超えた果てに成し得た再会に胸が熱くなるような感動を秘めた瞳で、初めて目にしたその男を見つめた) 」

黒い人「 俺かい?俺は…―――― 」






― 人里離れた古い小屋 ―


アコール「………(ボロボロで軋んだ屋根。その僅かな隙間から零れる日差しによって、電気の通っていない小屋に明かりが満ちている。大気中を漂うホコリは光を纏いて蛍火の様に幻想的な輝きを放っている。その中で女性は、優雅にアフタヌーンティーに洒落込んでいた) 」

DJサガラ「………珍しいこともあるもんだな…   「来客」だ   (時々砂嵐が走るブラウン管テレビの中で、男は愉悦に頬を緩めた) 」

黒い人「……失礼するよ。ドアがなかったもので、ノックできずに入ってしまったよ。(ギシギシと軋む床を歩きながら女性とテレビの中の男に片手を上げてご挨拶するのは、人の形をした黒い影――) 」

アコール「…… コ ト …(まだほんのりと温かみの残るティーカップをアタッシュケースへと置き、人の形を成した影へと振り返る)…お待ちしておりました。 一応お尋ねしておきましょうか。……あなたのお名前は? 」

黒い人「 俺かい?俺は…―――― 」







黒い人「 現実と空想の狭間にあるもの ―― 何処にでも居るけれど 何処にも居ない ―― 君の友達  」















――― 〝 無名の作者《 アラン・スミシー 》 〟 ―――










アラン・スミシー「――――― さぁさ、話をしよう この混沌とした物語について ――――― 」









天王寺璃奈「……!(聞き覚えのあるその名前に瞳孔が開く)―――― 『 アラン・スミシー』… 前に、歯車島でロビンさんが言っていた…あの文字を、書き残した人… 」

メディ「…実在するけど存在しない…架空の人物…まさか、この目でお目にかかれるとは…… 」

ホムラ「この人が……混沌文字を残したという…(…怪しくもあり、不思議でもあり、でもなぜだか親近感が湧く様な、この得体の知れない感じ……いったい、何者なのでしょう…?)(アラン・スミシーの相貌を凝視している) 」

ヒロ「…………あっ!アラン・スミシー!思い出したぞ! 」

ベール「……(ただ黙して「無名の作者」と名乗るその男を睨みつけるように見つめる。そこに敵意はないが、好意もなかった) 」

アラン・スミシー「……まず最初に、"驚いた"よ。まだ、存命の鐘の音が鳴りやんでいなかったことに、さ… (面々の視線を浴びながらしばらく黙り込んでいたが、ここで言葉を発する) 」

アラン・スミシー「生まればかりの雛鳥はいつも何かを欲しがる。それで親鳥はついつい与えてしまうが、「箱庭」は過ぎたるものだったかな。

アラン・スミシー「朝日が昇り、巣立ちを迎え、そして地平線の彼方へと飛び去っていく可愛い息子たち。願わくば戻ってこないでほしいと、旅立ったその先でまた新たな命を育んでほしいと親鳥は願う。

アラン・スミシー「けれども、戻ってきてしまった。神の怒りで流されて「空白」になった世界に、留まるところがなくて仕方なく帰ってきたのだろう。呆れたもので再び突き放したが、それでも同じように戻ってきた。だから朝を5度迎えた日に、もう一度解き放った。すると今度はオリーブの葉を咥えて戻ってきた。更に朝を5度迎えた日に放つと、もう戻ってこなかったとさ。

アラン・スミシー「ここまでで12度の朝日を拝んだものさ。長いようで短い、永遠にして瞬間… そんな刻(とき)の中で何を期待していたのだろう?何を求めていたのだろう?何を想いたかったのだろう?

アラン・スミシー「……早かれ遅かれ、いつかその日を迎えることは分かっていたけれど、なんだか名残惜しくなってしまったよ。わかるだろ?身から出た「錆」が独り歩きしているんだ。過ぎたものだとアパシーを繕っても、それでも呪われたように振り返りたくなる時が来るのさ。

アラン・スミシー「…とはいえ、その選択を尊重する妨げをするつもりはないよ、俺は。ただ問いかけたいんだ。  「 これで満足? 」  と。

アラン・スミシー「遺言はあるかな?ならば念仏を唱えよう。それとも十字を切ろうか。 さぁさ話そうよ、忌憚無く。いつか来る滅びに憂いないように。

天王寺璃奈「……何の、話をしているの…?(アラン・スミシーの言葉にずっと耳を傾けていたが、何一つぴんと来なかったのかただ漠然とした表情を浮かべるしかできなかった) 」

門矢士「……(いつの間にか劇場へと通りすがり、「あなた」たちに紛れて無名の作者語る言葉に耳を傾けていた)……なるほどな。だいたい分からん。(ぇ  」

アラン・スミシー「……なんだい。君たちは、俺からのメッセージを何度もその目にしてきただろう?それとも、まだ"足りなかった"?欲張りだねぇ…だけどこうも言い換えられる。きっと育ちの良い雛鳥なんだろうねと。 」

アラン・スミシー「君たちのことなら何でも知っている。この世界にまつわるすべての真実も総じて。聴きたいことがあれば何でも答えてあげよう。 」

あなた「……!?(「それは本当なのか」と、まるで喉から手が出る様な衝動に駆られた「あなた」は一歩出る) 」


… … ズ … ッ … … ズ ズ ン ッ … … ズ ズ ッ、 ズ ッ … … ! ! ! (大地が揺れ動く―――)


アラン・スミシー「   た だ し    」


ズ ッ、 ズ ッ、 ズ ッ … … ズ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ォ ッ … ! ! !(大きな地響きと共に廃校のグラウンド…灰色の大地が盛り上がっていく。そして…―――)


天の虫「―――― ボ ッ ギ ャ ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (地を裂くように現れ出でし巨大な影。それは、大きな蚕が幾つも繋がり合って大蛇のような相貌を成した怪物) ギ ュ パ ァ ッ … ! (頭部と思わしき部位に幾つもの裂け目が出来上がると、それは複数の眼(まなこ)となって開眼された)」

アラン・スミシー「さっきからずっと腹を空かせているこの子の相手をしてあげてくれないか?……え?この子は何者かって?鎮めてくれたら、お礼にその疑問も含めたあらゆる質問の中からひとつだけ答えてあげよう。 」


アラン・スミシー「――――― さぁさ、語り合いたまえ ――――― 」


そして、「あなた」たちは対峙する。未だかつてない大いなる存在の、その一端―――「 迷想 」の名を象った化身と。




天の虫「 ヒ ョ ォ ォ オ オ ガ ア ア ア ア ア ア ア ア ッ ! ! ! (頭部中央に刻まれた切れ込みが開くと無数の獰猛な牙を剥きだす。眼前の獲物を、その物語も巻き込むかのように、ただ本能の赴くままに呑み込もうと襲い掛かるのだった―――)」




――― Vs. 【 空白の箱庭 】 迷想の劇団員《 天の虫 》 〖 Section 1 〗―――






あなた / ホムラ『……!(アラン・スミシーに詰め寄りかけたその時、突如地中から現れた巨大な怪物の出現を察してホムラがその手で遮る様に前へと立つ)……「あなた」が知りたいことは、きっと私たちも同じはずです。行きましょう、その答えを掴むために…! / ……!!(そして「あなた」の手に聖杯の剣が握られる)』 」

メディ「璃奈様、後方へ避難を!(璃奈を安全な場所へと非難させつつ、アタッシュカリバーを手に身構える) 」

ベール「 グ ル ン グ ル ン グ ル ン … ―――― ド ッ ! (異空間から手繰り寄せた箒を片手で華麗に振り回し、その先端を地につけかまえた)ん~…乗り掛かった舟って奴ね。いいじゃん、やってやろうじゃん。ベールちゃんは今心なしかテンションは高い寄りの平常なのだー!(そう言って箒へと跨り宙へ浮遊する) 」

ヒロ「……知りたいこと、か(土刀を構える) 」

天の虫「 ブ ル ブ ル ブ ル ッ … ! ! (巨大な蚕の化け物はその身を捩じる様に震わせると、継ぎ目の溝から同様の小さな蚕をまき散らしていく) ヒ ュ ガ ア ア ア ァ ァ ア ア ア ア ッ ! ! ! (その後、巨大な口を広げて丸の見せん勢いでその巨体が迫った) 」

スネーク「カチャ—————(アラン・スミシー本人へベレッタの銃口を向けるが)—————見えない壁がある。この世界では見飽きた光景だな(すぐに無駄を悟り、手榴弾に持ち替え身構える) 」

羊の君『 シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル … ! (灰色の大地へと撒き散らされた蚕から次々と灰色の身体をした二足歩行の幼虫の如き怪物が湧きだし、一同へ襲い掛かる)』

あなた / ホムラ『……! / はっ…!(食らいつこうと襲い来る天の虫をすれすれまで引き付けて互いに高く跳び上がり、その体へ跳び移った)……! / やああぁッ!(激しい高熱を帯びた剣をその頭部へ突き刺し、そのまま背面を引き裂くように怪物の身体の上を駆け抜けていく)』

メディ「ッ―――!(砲弾の如く迫る天の虫を側転回避し反撃に武器を振ろうとするが…)――――! はっ! (すぐ傍まで近寄ってきた蚕の化け物たちに気が付き、アタッシュカリバーを振って蹴散らしていく) 」

ガイル「ソニックブーム!!ソニックブーム!!(二足歩行の怪物たちにソニックブームを連射する) 」




門矢士「 ……だいたい分かった。この世界を――― "破壊"する! \ ケータッチ21 ! / (「ケータッチ21」を取り出す)\ W / \ OOO / \ FOURZE / \ WIZARD / \ GAIM / \ DRIVE / \ GHOST / \ EX-AID / \ BUILD / \ ZI-O / \ ZERO-ONE / (その画面にあるダブル~ゼロワンまでのライダーズクレストをタッチしていく) 」

仮面ライダーディケイド(コンプリートフォーム21)(※以下:CF21)「 \ FINAL KAMEN RIDE / \ DECADE ! / \ COMPLETE 21 ! /   変 身  (バックルを取り外して右腰に装着した後、空いた中心にケータッチ21を装着する) カシャーンッ ! ! パラパラパラ…――― シ ャ キ ー ン ッ ! ! ! (平成ライダーと令和ライダーの力を取り込んだ新たなる形態「ディケイド・コンプリートフォーム21」へと変身する) 」

仮面ライダーディケイド(CF21)「――― ふんッ!!(次々と押し寄せてくる蚕の化け物たちをその身一つで薙ぎ払っていく) 」

ヒロ「………負けるわけにはいかん!(土刀をブーメラン状にして蚕に投げつける) 」

ベール「―――“固く禁ず星《 キープアウト 》”(宙を箒で飛びながら、地上にいる怪物たちに向けて掌を突きつける。すると地面から光の鎖が飛び出して大群の蚕たちの身体を瞬く間に拘束していく) 」

ブレロウ「………(付いていってたら、こんなところへ来てしまった…)(辺りを見て) 」

スネーク「(取り囲まれないよう立ち回りつつ) ピンッッ  シュボッッッ(手榴弾を置き逃げし『回避行動』のみで効率よく羊の君を処理していく) 」

羊の君『ギャッ、ギャギャギャッ……!!(蚕より生まれ出ずる化け物たちが次々とあっけなく蹂躙されていく)』

天の虫「シッ、ガッ、ガッ、 ガ ア ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ア … ッ … ! ! ! (「あなた」とホムラに背を切り裂かれていく痛みに悶えるように身を激しく捩って二人を地面へ振り落とす) グ ゥ ン ッ ――― ズ ッ ボ オ オ オ ォ ン ッ ! ! !(その後、グラウンドを突き破るようにその地中へと潜っていく)――― ボ ッ グ ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (小さな地響きが劇場に響く中、突発的に地中から姿を現わしたと思えばそこは彼らの真下であり、飛び出すと同時に食らい破ろうと襲い掛かる) 」

天の虫「 ズ ホ ゙ ン ッ ――― ボ グ ァ ア ア ァ ア ン ッ ! ! !  ズ ホ ゙ ン ッ ――― ボ グ ァ ア ア ァ ア ン ッ ! ! ! (再び地に潜り、そしてまた彼らを呑み込まんと飛び出す。その繰り返しを行いながら圧倒していく) 」




天の虫「 ボ ッ グ ア ア ア ァ ン ッ !!!(すると、怪物はブレロウの傍に出現し…) グ パ ァ ッ … ――― シ ュ ド ド ド ド ァ ッ ! ! ! (ぱっくりと開かれた頭部から剥きだした無数の牙がミサイルの如く発射され、ブレロウに襲い掛かった) 」

メディ「ピロリ、ピロリ…――― 地中(した)から来ます!全員警戒をッ!!(地中へ潜った天の虫の位置をスキャニング氏、次の行動パターンを予測して全員へ注意喚起する)  く ッ ! (真下から飛び出してきた怪物から飛び退くことで辛うじて難を逃れる) 」

あなた / ホムラ『……!? / ひゃんっ…!(切り裂き続けていたところを振り落とされてしまう)……!(地中へ潜り、そしてこちらへ襲い掛かってきた天の虫の動きを察してホムラを庇う様に抱き着いてその突撃をかわした)……あ、ありがとうごいます!助かりました…!(互いに起き上がり、次の攻撃に備える)』

ブレロウ「……!(怪物が出現したのを見て、飛び退く)くっ…!(拳銃を取り出し、牙を避けながら天の虫に向けて連射) 」

仮面ライダーディケイド(CF21)「相手の動きは…だいたい分かる。 ふっ…! (余裕な立ち振る舞いで地中からの突撃を跳び退くように回避する) 」

スネーク「命懸けのモグラ叩きだ(メディの忠告に従いDAのローリングで回避。) カチッ  カチッ  カチッ  (その後続けざまに再出現位置を予測し『C4爆弾』を設置しつつ移動し続ける) 」

天の虫「( ボッガアアアアァァアアンッ !!)――― ギ、ガギ、 ガ ア ア ァ ァ ア ア ッ … ! ! ! (地中から飛び出そうとしたところ、土と共に誤って口の中へ呑み込んだC4爆弾が体内で破裂。強烈なダメージを与えたのか、塩を塗られたなめくじの如くくねくねと気持ち悪い挙動で悶える)―――(当然のことながら、ブレロウの発射するただの銃弾ではその巨体に傷一つ付けることはできなかったが…)―――!? ヒギャギゴガァッ!!(そのうちの一発が複数目の一つに被弾し、その痛みから目が一つ閉ざされていく) 」

ヒロ「…!(メディの言葉を聞き)…地中は俺のホームグラウンドだ!!!…………(目を閉じる)そこ!!!(虫の出現位置をことごとく見抜くかのように土弾をダイレクトに当てていく) 」

ブレロウ「お、大人しくつけていたかったのに…!(銃を虫に向けて撃ちながらその場から離れる) 」

ヒロ「………ん(ブレロウの姿が目に入る)(ブレロウちゃん、だったか?…なにやってるんだ、あんなところで…?) 」

天の虫「ギッ、ガッ、ギッ、ゴギャアアァッ !!!(ヒロの予想射撃による土弾が目玉の一つに直撃。再び眼がまた一つ閉ざされていく)――― シ ュ バ ア ァ ッ ! (すると開けた咥内から長い舌を伸ばしてヒロを拘束) バ リ バ リ バ リ バ リ ィ ッ ! ! (舌を伝って高圧電流が流され、ヒロに強烈な電撃を浴びせる。そして痛手を与えた彼をそのまま呑み込もうと舌を縮めるが…) 」

スネーク「(目への被弾で怯んだ。突くならそこか……ここは火力が高い天の聖杯がやり易いよう地盤を固めるか) ピンッッ  ヒュンッッ  ヒュンッッ(閃光弾、スタングレネードを取り出し慣れた手つきで複数個のピンを外し天の虫の『眼』へ投げつける) 」

仮面ライダーディケイド(CF21)「 ……!させるか! \ W(ダブル) ! / \ KAMEN RIDE / \ CYCLONE JOKER XTREME (サイクロンジョーカー エクストリーム) ! /(ディケイドの横に仮面ライダーWの最強形態「エクストリーム」の分身体が出現)カ シ ャ ン ッ (カードを横のバックルへ装填) 」

仮面ライダーディケイド(CF21)「 \FINAL ATTACK RIDE/ ガ チ ャ ン ッ (バックルをタッチ) \ W W W W(ダ ダ ダ ダブル) !! / (プリズムソードを構えたWに合わせてライドブッカーの刃を振り回し、共に“プリズムブレイク”を炸裂させて天の虫の長い舌を両断し、ヒロを救出する)……ったく、世話をかけさせる…!(ヒロに) 」

ベール「…ふんふん…なるほどね…(ずっと安全な上空を飛んで戦況を俯瞰しつつ敵の動きを観測していたが、目が弱点だと気づき舌なめずりする)喰らってみるー!?(天から駆藍物の頭部へと目掛けて星型魔弾を降り注がせる) 」

あなた / ホムラ『……! / “フレイムノヴァ”!!(聖火の剣を回転をかけて勢いよく投げ飛ばし、ブーメランのように天の虫の頭部を引き裂いて再び手元へと足り寄せる)』

ヒロ「…………うわっ!?(舌に捕まり、飲み込まれそうになったところを助けられる)…す、すまない…! 」

天の虫「 ヒ ギ ャ ガ ガ ァ ゴ ォ ガ ア ア ア ァ ァ ァ ア アッ ! ! ! (目玉を潰され、舌を切断され、更に激痛に悶えて激しく身を捩らせる)……―――――  ギ ュ バ ア ァ ッ ! (だが、完全に潰されたはずのすべての目はその未知の再生力によってすぐに完治したのか、再び開眼を果たした) 」

天の虫「 ボ ゴ オ オ オ ォ ォ ン ッ ―――― ズ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ ッ ! ! ! (再び地中へ潜ると、今度はその姿を見せることはなかった。だが、硬い大地だったグラウンドがまるで砂漠の様に地殻が滅び、中央に巨大な蟻地獄が発生した)  グ パ ア ァ ッ ! ! (その渦の中心から頭部だけが顔を出し、吸い込む者たちをただ喰らうためだけに待ち構えていた) 」

ブレロウ「………!(確か、あの人もさっきの…!)(逃げる時に璃奈の姿が目に入る) 」

メディ「……!なんという再生力なのでしょう…!あれだけ目玉を潰されても、まるで何事もなかったかのように――――!?(驚く間もなく発生した蟻地獄に驚愕し、不覚にも足を取られてしまう)…かくなるうえは…! \チャージライズ !/ (アタッシュカリバーを一度折り畳んでチャージし、再び展開)―――はあぁッ!!(チャージによって強力化された刃を蟻地獄の側面へと叩きつけることでその吸引から逃れる) 」

天王寺璃奈「あぅ…っ……(できるだけ安全な後方へと避難し、戦う「あなた」を静かに見守っていた) 」

スネーク「ジェダイの帰還にこんなシーンがあったな……!くッ————(咄嗟にフック付きのワイヤーロープを校舎脇の木に括り付け命綱を確保しつつ、砂地獄に徐々に引きずり込まれる)メイリンの言葉にこんなものがあった『虎穴に入らずんば虎子を得ず』という奴だ(だが渦の中枢に標的がいるのをいいことに所持する爆弾全てを解錠し、砂の渦へ一斉にばらまく) 」

ベール「―――― 掴まって!(箒に跨ったまま急降下し、蟻地獄へ吸い込まれそうになるヒロへ手を伸ばして掴み、その背後へ乗らせる) 女(※ブレロウのこと)に目を奪われてるようじゃ先が思いやられるわよ~?(ヒロへイタズラな笑みを浮かべつつ上昇する)―――でかいのぶちかましてやりなッ!(そう言うとなんとヒロを高所から突きとばす。その落下先は、天の虫の真上だった) 」

ヒロ「…蟻地獄なんざに…!(ベールの背後に乗り)……そ、そんなこたぁ……うわっ!?(ベールに突き落とされる)……おらぁぁ!!!!(真上から天の虫に土を纏った腕で強烈な一撃を喰らわせる) 」

あなた / ホムラ『……!!? / ひゃ、ひゃああああぁ~~~…!!(二人とも蟻地獄に足を持っていかれ呑み込まれそうになる)』

ホムラ→ヒカリ「(―――変わって!!)(窮地に陥ったホムラを見かね、ヒカリが飛び出すように彼女と交代する)―――「セイレーン」ッ!!(天へ腕を掲げると、遥か上空から巨大な光の閃光が解き放たれ、天の虫へと炸裂する) 」

天の虫「ズボボボッボッボボボッガアアアアァァアアアンッ!!!(スネークが放ったすべての爆弾を呑み込んだことで再び体内で爆発が弾け、同時に目玉が吹き飛びそうになるほどギョロリと狂う様に動きだした) ド オ ォ ゥ ン ッ ! ! ~~~~~~~~ッ゛ ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛(そこに落下してきたヒロの一撃が炸裂して大人しくなると、天から降り注いだ閃光が開かれた咥内を真っすぐに貫き、声にもならない叫びをあげだした) 」

天の虫「 ヒ ョ ゴ ガ ギ ガ ギ ゴ ガ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ッ ! ! ! ! (巨大な蚕の怪物の雄叫びが灰色の空に響き渡る。すると、目一杯開かれた口が、咲き誇る彼岸花の如く左右へと別れて伸びていく) 」

天の虫 → 羊の羽「――― ズ ル リ … ッ … ! (巨大な蚕の咥内より、体液を纏ったこれまた相当な巨体を誇る「蛾」が孵った)  ブ ワ サ ァ ッ ! ! !  (羊頭の巨大な蛾はその艶めかしい羽を広げる。片方にそれぞれある四つの目玉がひとりでにギョロギョロと鳴動し、「あなた」たちを睨みつけた)」




――― Vs. 【 空白の箱庭 】 迷想の劇団員《 羊の羽 》 〖 Section 2 〗―――





羊の羽「 ブ ワ サ ァ ッ ! ! (蛾は滅んだ大地から旅立つように空へと舞い上がる)――― キ ィ ィ ィ イ イ イ イ イ イ ン ッ ! ! ! (滞空した状態から、羊角を彷彿させる鋭い触角を揺らしてそこから超音波を放つ) 」


巨蛾より放たれた耳を劈く様な強烈な超音波。その波に乗って、彼らの脳に歪んだ声が木霊する…


独善の過失、乖離の自失、邂逅の散失、郷愁の焼失、創造の消失… 何度も何度も迷走に明け暮れた日々にただ願うは深淵からの解脱


あなた / ヒカリ『……! / あれが本体…!(蚕から舞い上がった巨蛾を見上げて迎え撃とうと光り輝く聖杯の剣を構えるが…)―――!!?(空中より放たれた超音波に耳を塞ぐも、隙間から流れ込む騒音に聴覚をやられ身動きを封じられてしまう)』

メディ「……!(過去の戦闘にも例がある様に音に関する攻撃の一切はモジュールによって遮断されるため、肥前と地に足を付けている)…いけません! \ ウィング ! / \ Progrisekey confirmed. Ready to utilize. / (フライングファルコンプログライズキーをアタッシュアローへと装填し、レバーを引いてエネルギーを溜め込んでいく) \ フライングカバンストラッシュ ! ! / (武器を振り抜くと、鷲型の斬撃波がそこから飛び出して宙を舞う巨蛾へ攻撃を仕掛けた) 」

ヒロ「…………くっ、うるせぇ…!(超音波に足を止める) 」

ベール「 っ゛…!? な、なぁろぉ~…ッ…!!(超音波に思わず両耳を塞いでしまったことで飛行バランスが失いかけるが、辛うじて理性を保ち滞空を維持する。だが…)…ぎゃぃん…!(たまらず地に落下してしまう)…~~~っ…!にゃろう…許さねえ…!(起き上がる最中に帽子を被り直し、宙を舞う巨蛾を睨み上げる) 」

羊の羽「 ズ シ ャ ア ア ァ ァ ッ ! ! (メディが放った鷲型斬撃に羽を斬り裂かれ、そこにあった目玉の一つから鮮血が噴き出した) ブ ワ ァ ッ ――― サ ラ サ ラ サ ラ … ! (両羽を羽搏かせると、黄金色の鱗粉を大気中へ散布させる。それは吸った者の身体を麻痺させる効果を孕んでいた) 」


しかしてその手は未だ空に届くことなく暮明の大海にてその水泡にかつての道標(どうひょう)を重ね藁にも縋る思いで泡を掴む


あなた / ヒカリ『はぁ…はぁ……おさまったみたいね… / ……!(超音波から解放されたのも束の間、次に迫る鱗粉を吸い込んでしまう)けほっ、けほっ…!なに、これ…ッ…!? / ……!!?(吸い込んでしまった二人とも一瞬でその体が麻痺してしまい、その場に崩れ落ちてしまう)』

メディ「―――!(あれは…鱗粉…!)(ヒューマギアであるため鱗粉の効果を受け付けないが、自身よりも仲間への懸念がより一層強まり…) ダメです、急いで避難を―――!(しかしその叫びも空しく、鱗粉はすぐにこちらへと届いてしまう)……!(すぐに「あなた」たちのもとへと向かう) 」

ベール「がっ…は…っ……!?(鱗粉を吸い込んだことで全身に痺れが発生。辛うじて意識を保つも、立っているのもやっとである)……洗い、流してやるわよ……!“透り滴る星《 ドロップアウト 》”…!!(天より雨を降らせる魔法を発動し、鱗粉を洗い落としつつ羊の羽の弱体化を図ろうとする) 」

羊の羽「 ブ ワ ア ァ ッ … ブ ワ ァ ァ ッ … ! (ベールの呼び起こした魔法の雨をその身に受けながらも、依然変わらず両羽を羽搏かせて鱗粉をまき散らし続けている) 」

仮面ライダーディケイド(CF21)「…チッ…厄介なことをしてくれる…!(鱗粉の麻痺によってしり込みする) 」

ベール「ッ…!?効かない…!?けっほ、けほっ……!(雨を受け付けない巨蛾に驚くも、更に麻痺が体を侵食していく) 」

メディ「…蛾が放つ鱗粉には四つの役割があります。翅を彩る役割、香りを放ちメスを惹きよせる役割、温度調節をする役割、そして…水を弾く役割です!雨を起こしても効果がないのはその為です…! ……ですが、鱗粉というのは風に弱いものなのですが、どうやらこの空間は無風みたいで、鱗粉を退けるには手が…… 」

ベール「ちっきしょー……ん?「風」…?( ピ コ ー ン 💡 )(なるほどと合点し、両手を前方へ突きつけた)――――“疾く走る星《 ブローアウト 》”ッ!! 」


――― ビ ュ オ ワ ア ア ア ァ ァ ァ ア ア … ッ … ! ! ! (ベールが呼び起こした突風によって、大気中に漂って鱗粉が遥か彼方へと吹き飛ばされていく)


ヒロ「うげっ、ほ…!くそっ…こんなものがなけりゃ……!?(鱗粉に苦しめられていたところ、突然吹き付ける突風に驚いた)すげぇ…風が、吹き付けてくる…!これなら…! 」

ベール「…っし…!(してやったりとガッツポーズ)――― でもまだよ!(掴んだ箒を前方へ突きつける)揺籃の胎児は墓場の髑髏(されこうべ)へ還り、輪廻点鐘の音に真白な布に包(くる)み孵れ―――― ”白く糾す星《 ホワイトアウト 》”ッ!!!(鱗粉によって麻痺してしまった者たちの身体が光り包まれ、その体から痺れが嘘のように吹き飛んでいく)…ぜぇー、はぁー……ぜぇー、はぁー……ったく…この魔法は扱いが難しいから、使ったらしばらく何もできねえからよぉ…あとは任せたわよ…!(ぐてーと大の字に倒れ込む) 」

あなた / ヒカリ『……! / 痺れが…!……あの魔法使いに一杯食わされたわね…(倒れ込んだベールを遠目に皮肉を呟きながらも、再び剣を構え直す)行くわよ…!“セイクリッドアロー”!!(共に剣を天高く掲げると、上空より光の矢の如き閃光が次々と羊の羽へ降り注がれる)』

ヒロ「…!君のお陰か…何から何まで、すまねえ…!(ベールの魔法によって体調を取り戻す) お返しだァッ!!(盛り上げた大地の坂を駆けあがり、振りかぶった刀で斬りかかった) 」

羊の羽「 ズ ガ ガ ガ ガ ッ (上空から降り注ぐ光矢に目玉が次々と潰されていく) ザ キ ィ ン ッ ! (その間隙を突かれるようにヒロの斬撃が胴体に一閃を刻んだ) ギ ュ ン ッ ――――!!(刹那、光を纏ったその巨体はすさまじい速度で空間を飛び交う)――― グ ゥ ン ッ !(そして、狙いを定めた「あなた」に鋭い触角で串刺しにせんと迫った) 」

あなた / ヒカリ『――― “因果率予測” ―――(光の速度で駆け巡る巨蛾の軌道を予測し、それを「あなた」と共有する)――――!!(こちらへ迫る巨蛾をすれすれまで引き寄せた後に、回避と同時にその胴体を剣で切り裂いた)』

仮面ライダーディケイド(CF21)「 \ WIZARD(ウィザード) ! / \ KAMEN RIDE / \ INFINITY STYLE (インフィニティスタイル) ! /(ディケイドの横に仮面ライダーウィザードの最強形態「インフィニティ」の分身体が出現) 」

仮面ライダーディケイド(CF21)「 \ FINAL ATTACK RIDE / \ WI WI WI WIZARD(ウィ ウィ ウィ ウィザード) !! / (FARカード装填後、巨大化したアックスカリバーを構えたウィザードに対し、こちらも巨大化したライドブッカーを振りかぶり、共に大きな斬撃を叩き込む“ドラゴンシャイニング”を炸裂させる) 」

羊の羽「 ザ ッ ギ イ イ イ ィ ィ ン ッ ! ! ! (「あなた」とディケイドの同時攻撃が胴体に鋭い爪痕を残し、そのまま地に倒れ伏す)……グ グ ッ … グ ォ ン ッ … ! (だが両羽を地につけてその身を起こし、再び宙へと舞い上がる)  グ ギ ュ バ ァ ッ ! ! (潰された目玉が再び再生される) バ シ ュ ゥ ゥ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ン ッ ! ! ! (その後、光を収束した八つの目玉から破滅の閃光が飛び出し、全方位へと解き放たれ大地を抉り、空を裂かん勢いですべてを破壊し尽くす) 」


朽ち果て行く銘記から零れ落ちていく錆 紡がれたものは海底へ沈み塵に積もる そして道標(どうひょう)は墓標となりて永遠に光差さぬ明日へ誘われる


すべては混迷のままに積み木遊びを繰り返していたが故の罪科 これを「呪い」以外に形容できようか


羊の羽「 グ ゥ ォ ン ッ ――――― シ ュ バ バ バ バ バ ア ア ア ァ ァ ッ ! ! ! (閃光を放ち続けたまま天高く浮遊し、そこから垂直降下しつつ回転しながら閃光を打ち続ける。全方位に無慈悲の閃光が飛び交い、回避はほぼ不可能といえる) 」


投げ入れられた言の葉に頷いたことを悔やむ 促された首肯を受け入れたことを嘆く


ならば縋ろう唯一(ひとつ)の解に 迷いの波に流されようとも肌身離さず それをもうひとつの自分と宥める様に


迷える子羊たちよ 牧師の吹笛に耳を塞げよ 東日から昇る暁から遁(のが)れよ 隣の芝生を踏みつけよ 西日が差したら孔(あな)へ隠れよ 月の光から目を背けよ 群狼に食い殺されないように 迷いに苛まれないように


あなた / ヒカリ『くッ…うぅ…ッ……!!(光の幕を張って閃光を防ぎつつ、反撃の機会を伺う)……―――!!(「あなた」の瞳が、輝きを帯び始める)』

DIO「――――(「あなた」の傍に、かの男が再び顕現する。男は不敵に笑みを浮かべると、パチンとその指を鳴らし、時間の流れを止めた―――)」

ザビーダ「――――(続いて、もう一人の男が「あなた」に導かれるように現れる。自らに銃を突きつけてその力を覚醒させると、広域に凄まじい強風を放ち、「あなた」たちに迫る閃光を瞬く間にかき消していく―――) 」

天王寺璃奈「…迷ったって、いいんじゃないかな。自分のことで迷ったり、誰かと衝突して迷うこともあるけれど…たくさん迷って見つけ出した答えは、自分がほんとに欲しいと思ったものだから。

天王寺璃奈「それに、迷っていたらきっと誰かが手を差し伸べてくれる。誰もがみんな、傷ついて、転んで、悩んで…そうして迷いの中で出会うから、強いつながりの絆が生まれるんだよ。私もいっぱい迷った…だから、同じように迷う人たちとたくさんのつながりができた。それが私のほんとに欲しかったもの…「迷い」を受け止めてよかったと心から思うよ。(自らの迷いさえも抱きしめるように、胸に両手を添える) 」

メディ「…「迷う」ということは、あらゆる選択が、その可能性があるということです。ひとつのことに縛られることもなく、無限に広がるものがあるからこそ、何にもおいて大きく広く見渡すことができる。「迷う」ことは、呪いではありません―――人類(ひと)にとって大切な道標となるのです…! \ ライジングカバンストラッシュ ! ! /(キーを装填した刀身にエネルギーが収束し、上空へと跳躍。停止した羊の羽へ強烈な一撃を見舞った) 」




仮面ライダーディケイド(CF21)「 人は誰でも、数ある道の中から正しいものを選んで進みたがる。選ぶのは人の勝手だ。だが俺は、最初から正しい道を選ぼうとはしない。自分が選んだ道を正しいと信じ、通りすがるだけだ!! カ シ ャ ン ッ (カード装填)\ FINAL ATTACK RIDE / \ DE DE DE DECADE(ディ ディ ディ ディケイド) ! ! /  はあああああぁぁぁーーーッ!!!(複数の円を描くように並んだエネルギーカードの中心をくぐり抜けるように飛び蹴りを放つ“強化ディメンションキック21”を炸裂させた) 」

スネーク「誰も己が何者かなど迷いなく答えられはしないさ。それでも、信じるものは自分で探せ。そして次の世代へ伝えるんだ(サイボーグ忍者を屠った現代の魔槍、スティンガーの一射を放つ) 」

あなた / ヒカリ『私だって、常に迷いも不安もあるわ…当然よ。何かを決断するときはいつだって、振り子は必ず振れるもの…だから、それが止まる時 ―― この命が終わるその時 ―― まで、私は振れ続けて生きていく!はあああぁぁーーーッ!! / ………!!!(動きを止めた巨蛾に向かって飛び上がり、何処までも長く伸びる光剣を互いに振りかぶり、一刀両断した)』

ヒロ「たくさん迷ったよ…数え出したらキリがないくらいにな。(過去の記憶が脳裏を次々と駆け抜けていく。だが、もう躊躇いの眼差しを向けることはない―――)―――だがな、後悔も未練も罪悪も、今となっちゃかけがえのない「思い出」になった!そいつは、明日の俺をつくるために絶対捨てちゃダメなんだって!だから俺は受け入れる!!俺が俺であるために…俺が誰かの『 ヒーロー 』であるためにッ!!!(握ったキーブレードを手に全力で駆け抜け、勢いをつけた突撃でトドメをさす) 」

羊の羽「――――――(停止された巨蛾に、迷いを貫いた「あなた」たちの最後の一撃が炸裂し、その身が朽ち果てていく―――)」






迷想(めいそう)

迷っている考え







迷想の化身を退けた次の瞬間、世界は白い光に包まれる―――






― 空白の劇場 ―




一度包まれた光が鎮まると、そこには幕を閉じた劇場が広がっていた。
いつの間にか観客席側に立っていた「あなた」…仲間たちの姿もない。すると、再び幕が上がる。
そこにはあの廃校やグラウンドもない、ただ真っ暗な無が広がっていた。
その中心にかの「黒い人」―――アラン・スミシーのスーツがぼんやりと浮かび上がった。


アラン・スミシー「 ♪~ (得体の知れない化身を退けた一行へ激励の口笛を吹く)……やるねえ。恐れ入ったよ。曲がりなりにも万物を超越した存在を象った化身を、ねぇ… 」

アラン・スミシー「そういえば君たちはこれまで三度(みたび)も「彼ら」と語り合ったんだろう?ああ、知ってるとも。この「劇場」で観てたからね。楽しかったかい?それともつまらなかったかい?感想は受け取る人それぞれさ。 」

アラン・スミシー「君は感情を失ったのだったな。だがどうかな。劇場を観て、そこで何かを感じたことによって、君自身の中で新たな感情が芽生えている実感はあるかい?誰しもそうさ。感情の起伏が激しい人でも、何にもおいて無関心な人でさえも、見て聞いて触れて感じたあらゆるものに必ず突き動かされるものがある。貴重な時間を過ごして手に入れたものだ、今度は無くさないように大事にとっておきたまえ。 」

アラン・スミシー「さて、約束の時間だ。知りたいこと、何でも教えてあげよう。君は何を問う?何を聞く?何を尋ねる?何を知りたい?答えてあげよう余すことなく… 」

アラン・スミシー「ただし、俺と出会ったら最後…――― "この出会いの記憶は失ってしまう"がね。

アラン・スミシー「何でかって?そのことを不都合だと思うものがいるからだよ。生憎俺は自分の仕事に私情は挟まない。何故なら俺は個にして全なる者。故に平等な付き合いをしていかなくちゃいけないからね。与えるものも奪うものも等しく…だから、ここで知ったことは全て忘れてしまう。それでもいいのなら…対話してみるかい?俺と。 」

アラン・スミシー「――――― さぁさ、話をしよう ―――――」

あなた「…… …… ……(黒い人の言葉にずっと耳を傾けていた「あなた」は静かに瞳を閉ざす。瞑目の中で思い返すのは、すべてを失った「あの朝」の日のこと。そこから出会った仲間たち、今日までの日々…まだ始まって間もない自分の物語…) 」

あなた「――――(知りたいことはたくさんある。それでも、「あなた」は気づきはじめようとしている。全ての答えを知るべきか否か…) 」

あなた「――――………(迷走の末に結論を導き出したのか、目を開ける)………(そして「あなた」は黒い人に対し、首を振った) 」

アラン・スミシー「………いいのかい? それとも、すぐに忘れてしまうのなら、知ったところで意味はないと判断したのかな? 」

あなた「………(「そうじゃない」と、再び首を振って応える。その瞳には、何か、他の理由が孕んでいるように思えた) 」

アラン・スミシー「…………そうかい。(暗闇の中で男はフッとほくそ笑む)…初めてだよ。俺を忘れないでいてくれる奴がいるなんてさ。 」

アラン・スミシー「君はとても愉快な奴だ。だからこそまた話がしたい。忘れた頃にまたやって来るよ。…それじゃあ、ごきげんよう――――(男は闇の中へと消えていく) 」




オスカー「 コ ツ … コ ツ … (黒い人と入れ違う様に劇場へと現れる)……思い返せば私も、迷うことばかりありました。だからこそ人生はとても豊かなものになりました。 」

オスカー「迷いがあるからこそ、人は考えることができる。考えながら生きていくことは大変かもしれませんが、何も想うことなくただのうのうと生きていくより、とても充実した日々となるでしょう。迷うこともまた、想うこと…―――― それが、「 迷想 」というものなのです。 」

あなた「……!(消え行く黒い人、そして突然現れた金髪の青年に目を見開いた) 」

オスカー「……「黒い人」に会ったのですね。「彼」と出会った人はいずれその記憶が消える。誰の記憶にも残らない。だからこそ、架空の人物となり得るのです。ですが…どうやら「あなた」は覚えているみたいですね。 」

オスカー「…気づいたのですね。今はまだ、すべての答えを知るその時ではないと。「あなた」が知りたいことのすべては、旅の中にあり、そしてその終着点でようやく知り得る。そう、焦ることはなにひとつとしてないのです。今はまだ、「あなた」の旅を続けてください。 」

オスカー「 本当の答えを掴む、その時まで…―――――」


金髪の青年が指を鳴らしたその時、舞台はホワイトアウトする――――


そして光が消え、「あなた」たちは元居た世界へと戻る。
何事もなかったかのように佇む仲間たちに、「あなた」は尋ねた。「黒い人」のことを。
しかし、誰も覚えてはいなかった。
疑問符を浮かべる仲間たちに、「あなた」はそれ以上聞くことはなかった。




恣慰ヶ丘学園・16F・科学部ラボ ―




秀太院「……おっ!よく来たな諸君!(撤去作業に勤しんでいたところ、ラボへやってきた「あなた」たちに気づく)我々の活躍により、長きに渡る征徒会と革命部の戦いについに終止符が打たれた。あの後、生徒会長と革命部部長は縁を取り戻したそうだ。革命部は解散され、行方を眩ませたクラウス教授により築かれた徹底的秩序の理念を掲げていた征徒会もその考えを改め、一生徒として学園の為により良いことをしようと手を取り合っているそうだ。」

秀太院「それにしても、今回は本当にいろんなことがあった…!それでも、我々科学部は君たちとの出会いに感謝している。おかげで科学に不可能なことはないと実証できたし、新たなアイデアを閃くこともできた!本当に、ありがとう!サトミ君、例のあれを! 」

サトミ「はいっ! …こちらです、どうぞ!(そう言うと璃奈に一枚の封筒を差し出す。その中には列車のチケットが数枚入っていた) 」

天王寺璃奈「……?これ、列車の…しかもこんなに……いいの? 」

秀太院「我々科学部と芸術爆発部の共同核実験成功を祝ってみんなで温泉旅行へ行く予定だったが、急遽「世界科学コンクール」なるものが来月突発的に開催されることになってな…その参加と準備の為に旅行を断念したのだ!せっかくだから貰ってくれ!ついでにお土産用のビーカー茶もあるんだけど欲しい? 」

ホムラ「わぁ…いいんですか?ありがとうごいます♪ ……お茶は…結構です……(※未だにトラウマのようだ) 」

ヒロ「……ありがとうな(チケットをもらい)…俺は遠慮しとく(お茶と聞いて) 」

秀太院「私は願っているよ。いつか科学の力があらゆるすべての不幸の救いになることを。 」

サトミ「部長……!(感動的なフレーズに目を輝かせる) 」

秀太院「そうと決まればさっそくコンクールに向けて実験準備だ!今度のお題は「たけ〇この里をすり潰してき〇この山を大量生産したったwwwww」 これで決まりだ!! 」

サトミ「早速不幸が生まれてるうううううううう!!!! 」



恣慰ヶ丘学園・校門前 ―


ニシキノ「――― お~~~い…!(これから校門を出ていこうとする「あなた」たちを呼びとめる) いや~、間に合って何より…!……もう、行っちゃうみたいだな。 」

ニシキノ「ちょうどさっき、愛ちゃんと電話しててね…話を聞いたよ。なんでも、旅をしているんだってな?ははっ、いいねぇ~!僕も仕事柄、浮草の様にゆらりくらりと流離いながらいろんなところへ回っているんだけども、旅はいいものさ!まさに青春って感じがするよなー!ということで、これ。僕から君たちへ餞別。旅のお供に召し上がれ。お菓子大好きニシキーのスペシャルセレクションだ!(「あなた」にお菓子の盛り合わせが入った大袋をプレゼントする) 」

ニシキノ「……今回の件は、君たちにとっては忘れられない衝撃的な思い出になったかもしれないね。それでも、どうか悲観しないでくれ。生きていればいろんなことがあるもんだ。人生という旅は、まさにそんな出会いと別れの繰り返しで紡がれていく。だからこそ、君たちの旅はきっと有意義なものになる。明日はきっと明るいぞ✨(夕日に向かって指差す) 」

あなた「……!……♪(ニシキノから貰ったお菓子の盛り合わせに大喜びするように小躍りする) 」

ヒロ「…………へぇ、愛ちゃんがねぇ。…どっかでまた会えるかもしれないかな(フフッと笑いながら)…お、ありがとう!(お菓子を見て) 」

天王寺璃奈「愛さんと…?そうなんだ…(ふと愛の笑顔が脳裏を過り、その嬉しさからほんのりと頬が紅潮する) ありがとう、ニシキノさん。また、いろんなこと、教えてもらった。…うん、俯きそうになること、あるかもしれないけれど…それでも、頑張って歩き続けるよ。みんなと、一緒に。 」

ニシキノ「うんうん、みんないい顔をしている。(年上のお兄さんらしい快活な笑みを浮かべる)…さて、日が暮れる前に僕も帰ろうかな。今回の事件のスクープもまとめなくちゃいけないし。 ……「ライゾウ」君、両手に花で正直君が羨ましいよ。男として、親友(とも)として、お節介ながら言っておこう…――――「女湯は覗くんじゃないぞ」。(それは、遠回しに「彼女たちを頼んだ」という意味にも聞こえた) 」

ニシキノ「では、さらばだ…!(夕日に向かって歩き去っていった) 」

メディニシキノ様、本当にありがとうございました。(去っていくニシキノに深々とお辞儀する) 」

ヒロ「…(ジム)ライトルじゃねーし…あぁ、わかってる(ニシキノのメッセージを受けたのか、手をあげる) 」

ブレロウ「…………(腕を組みながら、俯いた表情で木の影で面々を見ている) 」

メディ「……?(そんな時、ブレロウの視線に気が付いてはっと目を見開く)……ヒロ様…(そして、何故かそこでヒロだけを呼び、彼女に向かうようさり気なく促した) 」

ヒロ「………ん?どうした?(メディに呼ばれ) 」

ブレロウ「…!(メディの様子を見て)……(逃げるように踵を返し立ち去ろうとする) 」

門矢士「―――(逃げ去ろうとするブレロウの前へ立ちはだかる様に通りすがる)…おっと、俺はただの通りすがりの赤の他人だ。気にすることなくどこへなりとでも行くといい。……だが、もう二度と「奴」に会える保証はないぞ?とだけ言っておこう。(ふっと鼻で笑いながら、ヒロの方へ向かせるよう顎で促す) 」

ブレロウ「………あ…っ…!うっ…(体を震わせながら拳を握りしめる)………(ゆっくりと、体を震わせながらヒロの方へ歩き出す) 」

古手梨花「もしも心配事があるなら……ぼくが一緒に、ついていってあげますですよ?(ブレロウに歩み寄ってくる) 」

ヒロ「……?(自身に向けて歩いてくるブレロウの姿を見て)…ブレロウ、ちゃん? 」

ブレロウ「…………だ、大丈夫です。ありがとうございます…(梨花にペコリと頭を下げ、ヒロと対峙する)……… 」

古手梨花「そう……(ヒロと対峙するのを見届け)じゃあ………あなたがどういう選択をするのか、陰ながら見守らせてもらうわ。(離れたところへ移り) 」

ヒロ「…俺に、何か話でもあるのかい……? 」

ブレロウ「…あなたに話したい…いや、話すべきことがあるんです。ヒロさん…いや……… 」

ブレロウ「………大友君……! 」

ヒロ「………!!!(その"名"を聞き、目を見開く)……俺のことを…知っていたというのか…!…だが、俺は、君のことは… 」

ブレロウ「………あの日のこともあって…ずっと隠していた。世間に対しても…あなたにも………(グッと拳を握りしめ) 」

ブレロウ「ブレロウ・サムソン。この名前もこの姿も……… "全て偽りなのだから" 」

ブレロウ「……あなたが知らないのは当然。むしろ…私が知らないようにしてきたのだから。 」

ヒロ「偽の名前、偽の姿……そうか、どうりで………じゃあ、君の本当の名前は……? 」

ブレロウ「聞いたら驚くでしょう……あなたには、"死んだことになっている"ように振る舞ったから。 」

ブレロウ「私の本当の名前は……………… ───「 山村マミ 」─── 」

ヒロ「!!!!!(彼女から聞いたその名前を聞き、驚いた顔を見せる)な………な、な……なんだって………!!!???き、きみは…生きていたのか……! 」

ブレロウ→マミ「……私も…ここまで生きてるとは思わなかった。………あなたへの電話の後、自ら命を断つつもりで、用意していた毒を飲んだんだけど…どうやら、死ななかったみたい。 」

マミ「そして、気がついたら…この世界にいた。それで、"ブレロウ・サムソン"として…また人生をやり直すことにしたの。まさか…あなたがいるとは思わなかったけどね。 」

メディ「……(ヒロとマミのやり取りを陰ながら静観している) 」

ヒロ「そうか…君も、いろいろあったんだな…………なぜ、俺をそこまでして避けようと思った? 」

ヒロ「…………自責?…君が…? 」

マミ「ええ。………あの時…あなたの代わりに、あなたの妹を死なせた犯人の命を奪うと言ったのはあなたを死なせないためだけじゃない。…あなたへの"償い"、だった。 」

ヒロ「………償い………? 」

マミ「………(グッと拳を握りしめる)………実は、あなたの妹さんの命を奪った事件…その人の他に、黒幕がいた。それは………私の父だったんです……… 」

ヒロ「…………!!!君の、オヤジが………!? 」

マミ「…父は、私を自分のものにしようとしていた。だから、あなたが邪魔になった。それで……その男に話を持ちかけた。 」

マミ「………"大友一美をエサにして、大友浩之を殺害する計画"………をね。(体を震わせながら、一つ一つ、必死に言葉を絞り出すように) 」

ヒロ「………!!!!!!(マミから出た衝撃の事実を聞き、思わず近くにあった木を思いっきり叩く)じ、じゃあ……犯人の本当の目的って………!! 」

古手梨花「………気になるかしら?(メディの傍らで同じく静観しながら) 」

マミ「…そう、あなたを殺害することだった……恐らく、あなたの妹を誘拐させ…それを餌にあなたを誘いだしてそこで…あなたを2人がかりで殺害する計画だった… 」

ヒロ「…………じゃあ、あそこでカズミが殺されたのは…… 」

マミ「…それは、誘拐の失敗による殺人で計算外だったと思う。それでも、父は諦めなかった。そこで、次の手に出た。 」

マミ「………"あなたへ復讐を促し…犯人を殺害させる"。あるいは、"犯人にあなたを殺害させる"…… 」

マミ「だからそのために父は…あなたに、犯人の情報を流した。 」

ヒロ「…………!!!!(マミの言葉を聞き、全てを察する)ま、まさか…あの時、俺に犯人の情報を渡した警察関係者が…! 」

マミ「…あの人は警察関係者じゃなかった。まぁ…警察とかに対して強い権力を持っていたのは間違いなかったけど…… 」

メディ「……二人の間に因果関係があることの可能性は推測通りでした。…ですが、それだけです。そこから先は当人たちの問題。私情を挟まないのが、我々ヒューマギアです。ただ…張り詰めていた想いを告白することなく留めること、その「迷い」は人の心を閉ざす危険性となり得る。故に私は、その一歩を踏み出すための支えになるだけです。(二人を遠目に見つめながら) 」

古手梨花「……そうね……まあ、今さら真実を知ったところで、どうしようもないのだけど………少なくともこれで、彼の心に漂っていた霧は、少しは晴れてゆくことでしょうね。 」

マミ「………だから、私はあなたを止めなければいけなかった。父の思惑がわかっていたから…そして、それは同時に…………私が原因であなたの妹を死なせてしまったことに対する償いでもあった。 」

ヒロ「……犯人を殺して、自分が死ぬ…それが………君の"償い"だったと言うのか…! 」

マミ「ええ、そうよ。……後はあなたも知っての通り。私があなたを先回りして、犯人を殺した…………恐らく…あの男も私があいつを殺すなんて予想外だったでしょうね… 」

ヒロ「…(マミから"真実"を聞き、驚いた表情を隠せないでいる) 」

マミ「……私のことが、許せなくなったでしょう?(目から涙が溢れ出す)私は実質あなたの妹を死なせたようなもの…私がいなかったら、あなたの妹が亡くなる事も…あなたがずっとこうして悩み続けることもなかった…! 」

ヒロ「マミ、ちゃん……… 」

マミ「…私はもう行くわ。… さようなら、大友くん。(踵を返して、歩き出そうとする) 」

ヒロ「………マミちゃん!!!(咄嗟に駆け出し、彼女を後ろから抱きしめる) 」

マミ「………!!!!(ヒロに後ろから抱きしめられ)大友…くん……? 」

ヒロ「…そうして、また俺の前からいなくなるつもりか?………君を恨んではいない。…初めて会った時、君は自ら命を絶とうとしていた。そして今の父親の話……君が自殺しようとしていた原因…君の父親なのではないのか? 」

マミ「………!………(肯定もせず、否定もせず…ただ口を噤み、目を閉じる) 」

ヒロ「……!すまない、それ以上応えなくても… 」

ヒロ「………ただ、もしそうだとしたら………君を恨むのは間違いだ。君もまた…被害者なんだからな… 」

マミ「…………(彼の言葉に体を震わせる) 」

ヒロ「………本当に許せないのは、君の父親だ。だから君は…もう泣かなくていい。この世界で、父のしがらみを捨て…笑って生きててくれれば…それでいい…(抱き締める力を強くする) 」

マミ「う…うっ………ああああああああああ!!!!!(長年のしがらみから解放された少女は、声が枯れるまでひたすら泣き続けた………) 」

黒ウォズ「……と、次々と明かされていく新事実。それらはヒロ、いや……〝大友浩之〟の中にある謎を一気に氷解させることとなった。はたして……それが『吉』と出るか、はたまた『凶』と出るか…… 」






過去のしがらみから解放されたマミ…そんな彼女と別れた一同は並び立って、茜色に染まる学園を眺めていた。
ある日を境に普通の学園生活を送れなくなった彼らにとって、
忘れかけていた青春を取り戻せた…そんな気持ちを抱きながら…


あなた「………!(そして「あなた」たちは学園を後にする。次の目的地へと向かうその道中で、「あなた」はその路線上である人物を発見する) 」

ベール「―――― やっほ。(夕日に照らされ影を伸ばす電柱に背凭れながら、魔法使いの少女が「あなた」たちを出迎える) 」

ホムラ「……あ…!(ばったり出くわしたベールに驚きの眼差しを向けながらも、夕焼け空によってほんのり赤く染めた顔で彼女と見つめ合う)…ヒカリちゃんから聞きました。「ベール」ちゃん…っていうんですね。いろいろ助けてくれて、ありがとう。 」

ヒカリ「べ、別に私は感謝なんかしていないんだから…っ…!(ホムラの精神世界でそっぽを向いている) 」

メディ「ベール様というのですね。はじめまして、わたくしはメディと申します。魔法使い…とおっしゃっていたみたいですが、実は魔法をこの目でちゃんと見たことがなくて、なかなか興味深いデータをいただきました。助け舟を出してくれたことについても感謝を申し上げます。(お辞儀する) 」

天王寺璃奈「魔法使い…本当にいたんだ…(ただのコスプレイヤーだと今の今まで勘違いしていた) 」

ベール「やめろって~、あたしゃそーゆーの苦手なんだよ~…(照れくさそうに頬をポリポリと掻く)……続けるんでしょ?旅を。 迷いの目がないのを見ると聞くまでもなかったわね。まっ、せいぜい頑張りなさんな。 」

天王寺璃奈「…うん。君は、どうするの?これから。 」

ベール「さーね~…風の吹くまま気ままに流離うだけよ。なんたってあたしはニーt…永遠の魔法使いだからね。(キリッ)君たちとはこれでお別れかもしれないし、また何処かで会うのかもしれないし。ま、そん時はよろしくね。サービスで「魔法」安く売ってあげるから。 」

ベール「………それじゃっ。(帽子の鍔に手を当てながらにかっと見せた歯を輝かせると、魔法使いは踵を返して影の差す方へと歩いて行った)」

天王寺璃奈「……きっと、すぐにまた会える… そんな気が、する…(夕焼け空に照らされながら歩いていく魔法使いを見届けながら、小さく呟いた) 」

ヒロ「ああ、そうだな…きっと、どこかで…(ベールの背を静かに見送りながら)」

あなた「……!(立ち去るベールに大手を振って別れを告げる) 」

メディ「……さあ、わたくしたちも日が暮れる前に駅へ向かいましょうか。次の目的、隣国「レフストル」へ―――」

門矢士「――― カ シ ャ ッ (旅立つ「あなた」たちの背をそのカメラに収める)二つの『特異点』が導く先は何処か…『来るべき迎え』が、それを教えてくれるだろう。 俺も、また新たな旅を始めるとするか…(フッと不敵な笑みを残し、彼らとは正反対の方角へと歩き去っていくのだった) 」


時に悩み、時に苦しみ、そんな拭い去れない「迷想」だけれども…
不安な明日を生きる彼らにとって、それを乗り越える力を芽生えさせる救いとなるのだろう―――


























 第3章 " ヒーロー " 

















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最終更新:2023年03月11日 22:16