コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

疾風のストライカー

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「く、来んじゃねぇ!」

少年のような少女が野を駈ける。
迫る脅威から必死に逃げようとしている。
殺し合いの舞台、アイドルたちが踊る華やかな場所ではない。
少女――第三芸能課所属アイドルである結城晴は、狂気のえみを浮かべる青年から逃げていた。

「どれだけ逃げようと無駄なこと。」

対して、追いかける青年は悠々自適に追いついてくる。
別に晴が遅いわけではない。趣味のサッカーに勤しんでいた事もあり、足腰自体は強い。
なのに、こうも簡単に追いつかれそうになっているのは、青年が鍛え上げたものの結果である。
詰まるところ、根本の基礎能力が違いすぎる。

「それに、ガキと追いかけっこで遊ぶのも飽きた。」

青年の額、存在するはずのない第三の瞼が開かれ、青年の姿が消える。

「えっ……アガッ!? ……は、離しやがれぇっ!」

晴の正面に、いつの間にか青年の姿。
呆気にとられ、首根っこを掴まれる。
それでも藻掻く当たり心も体もタフなのだろう、と青年は笑み混じりに理解する。

「な、何するつもりなんだよ……お前っ……!」
「簡単な話さ。お前は今から俺の手駒にしてやるんだ。……これが正しく機能するかも兼ねて、な。」
「……っ」

青年が取り出したのは、一本の剣だ。つまりは刃物。
初めて見るであろう本物の『凶器』を前に、思わず晴も怖気づく。

「安心しろ、殺しはしない。この剣は妖毒石という鉱石で出来ていてな。……切られた相手は持ち主に従順に従う魔物に早変わりというやつだ。」
「……まてよ、じゃあオレを」
「そうだな。お前はこの殺し合いにおける、オレの部下第一号になるというわけだ。アーハッハッハッハ!」

高らかに笑う青年の姿は悪党そのもの。
つまるところ結城晴は青年の、魔界に名を馳せる盗賊団たる邪眼師・飛影の実益と享楽に巻き込まれてしまったのだ。

「はな、せ……!」
「素直に諦めろ、何があっても、お前じゃオレに勝てねぇんだからなぁ!」
「この、このぉ!」
「幾ら泣き叫ぼうと助けなんて来ねぇさ! 諦めて魔物となり俺の下僕となるがいい!」
「やめろ、やめてくれぇ――!!」

終わる。結城晴の人生と未来が無為に終わる時が迫る。

(なんで)

走馬灯、記憶のページがリフレインしていく。
フリフリの衣装が嫌で逃げようとしたこと。
上映会を見て、やってみても良いと思ったこと。
舞台の上で、できる限り踊ったこと。
先輩アイドルに「ここまで来たまえ」と言われた事。
そしていつか、みんなで、今度は自分たちの衣装で、意志で、ステージに上る事を誓ったのを。

(なんでだよ、ちくしょう)

全てが終わる。ただの一畜生の魔物として生まれ変わり、結城晴としての存在が終わりを迎える。

(そんなの、そんなの、嫌に決まってるだろ!)

そんなの嫌だ。アイドルなんて、始まりは望んだものでは無かったとしても、あの舞台の上の煌めきを否定なんて出来ない。
もう、みんなと遭えないまま、ただの魔物されて終わるなんて、真っ平御免だ。
その心の叫びは届かない。その願いは敵わない。飛影の言う通り、このまま魔物と成り果て人生が確定させられる。



――しかし、希望せよ。
願いは届かなくとも、助けの手を差し伸べる者はいる。










「どりゃぁぁぁぁ!!!」

飛影の姿が、晴の眼の前から消失した。
掴まれた手から離れ、首を押さえながら晴は唖然と何が起こったのかわからない様子だ。
そう、一陣の風が、飛影を吹き飛ばして、自分を助けたようで。
尻餅をついたまま、動けないままでその光景を見つめるしかなく。

「……誰かしらねぇけれど子供相手にひでェ事しやがって。」

結城晴の前に、同年代頃であろう少女がいる。
だが、自分と違う所があるとすれば、まるで狐のような耳と尻尾
いわゆる、獣人……この場合は、九尾であると言うべきか。
少なくとも、自分に対して敵意がないことだけが、理解できる。

「……えと、立てるか?」
「え、あ、ああ。」

九尾の少女の言葉につられて、手を取って立ち上がった。



「なンつーか、お互い災難だな。」
「……ああ。」

先程の場所より過ごしばかり移動した場所にある学校施設のいち教室内に二人はいた。

「オレだって、まず空の世界だとかそういうのだとかよく分かんねぇけどさ。……流石にみりあがそっちに来てたって聞いてねぇぞ!?」

手始めの自己紹介と情報交換の中で、少なからず晴が受けたカルチャーショックは大きい。というか同業の赤城みりあが空の世界に来ていたというのは吃驚仰天である。
ていうかいつ行ってたんだとかそういう事をここには居ないであろう当人に問い詰めたいところだがそういう余裕なんてこの先無いだろう。

「でも、みりあの仲間というのならグランの仲間も同義だ。安心しろ、晴の事は元の世界に戻れるように守ってやるよ!」

そう胸をポンとしながら野性味溢れそうな笑顔を向ける。赤い眼光が晴の顔を見つめる。
獣人特有の、それとも九尾特有の匂いなのか、もしくはこれは香水の匂いなのか。ツンと鼻に響く匂いには気にも留めず、結城晴は宣言する。

「ありがと。……まあオレだってガキだしさ。こんな所で自分なんて大した事ないんだって思ってさ。」

そう、先程飛影に殺されそうになった時も、まともな抵抗すら出来ず、ヨウが間に合わなければ魔物に成り果てていた。殺し合い、死は蔓延するステージ。

「でもさ、だからさ。オレだって――諦めたくねぇんだよ。」

『ここまで来たまえ』

そう、こんな所で燻っている訳にはいかない。あの時言われた言葉通り、自分たちの意志であの煌めくステージにみんなで登るために、一人だって欠けてはならない。
まだ、何も始まってなんていない。

「……だったらさ、もし元の世界に戻って、オレたちの世界に万が一来てしまった時にでも、そのステージっての、見せてもらってもいいか?」
「ああ。どうなるかわかんねぇけど、命の恩人を無下になんてしないさ!」

そう、まだ何も始まっては居ない。
結城晴の道は、未だ終わってなんて居ない。だから、止まるわけにはいかないのだ。

【ヨウ@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[方針]
基本.殺し合いには乗らない
1.今は晴の事を守る
2.コウ兄もいるのかな……?
[備考]
※殺し合いが破綻しない程度に制限されています
※参戦時期は最低でもコウと空っぽ影法師終了後、フェイトエピソード2経験済み

【結城晴@アイドルマスター シンデレラガールズ U149(アニメ版)】
[状態]:健康、首に手の跡
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[方針]
基本.あの場所にたどり着くまで、こんな所で止まってなんていられない。
1.助けてくれてありがとうな、コウ
[備考]
参戦時期はアニメ6話以降





「……俺様をふっ飛ばしたあのアマ、蔵馬と同じ匂いがした。」

何処からの瓦礫の上で、ぶっきらぼうに立ち上がり瓦礫を吹き飛ばすのは。
先程ヨウに吹き飛ばされた飛影その人。
姿は辛うじて確認できた、黒い毛並みだったが耳と9つの尾っぽ。
間違いなく、蔵馬と同じ九尾ということになる。

「けっ、降魔の剣があって、あのガキに構いすぎたのがダメだったか。」

そして振り返る。少なくとも降魔の剣で一つでも傷を与えれればどうにでもなった。
だが、傷を付ける前にやられたのだ、この有様だ。
それにガキを助けたであろう九尾、蔵馬と同格か、もしくはそれ以上か。

「――九尾がいるってわかった以上、もう油断はしねぇ。」

様子見は終わり。腑抜けた考えは振り切って、考え直す
降魔の剣は健在で、手駒はいつでも集めれる可能性はある。

「ははっ、見てろよ海馬乃亜! ただの人間の分際でふんぞり返ってる貴様に目にもの見せてやる! アーハッハッハッハ!」

盗賊は笑う。もう油断はしない。次にあの九尾にあった時は万全の準備を持って刈り取るか、もしくは己の手駒にするか。
小悪党ともとれる、醜悪な笑い声が荒野に響き渡った

【飛影@幽☆遊☆白書】
[状態]:健康、ヨウに対する苛立ちと危機感
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2、降魔の剣@幽☆遊☆白書
[方針]
基本.生き残る為になんでも利用する。
1.降魔の剣がここでも正常に利用できるか確認。利用できるのなら仲間を集める
2.あの九尾、今度は油断しねぇ
[備考]
参戦時期は23話、蛍子を誘拐する前

【降魔の剣@幽☆遊☆白書】
飛影に支給。霊界大秘宝館で飛影が盗んだ闇の三大秘法の一つ。
妖毒石という特殊な鉱石で作られており、切った者を魔物に変化させる力を持り、使い手の意志で様々な魔物を作り出せる。
ただし完全に魔物化する前ならば、柄の中にある解毒剤を飲ませればもとに戻すことが出来る。
この殺し合いにおいては魔物化出来る上限は2名までで、3人目を魔物化した場合一人目が強制的にもとに戻ってしまう

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー