「生憎、そこまでしてそうしたい訳じゃない。」
「へぇ。」
「へぇ。」
月下の夜、満天の星の下、二人の少年が語り合う。
片や、蛇の如き瞳をギラつかせる少年。――ケルブレム
片や、アクアマリンの瞳、その右目に星状のハイライトを宿した少年。――星野愛久愛海(アクアマリン)
片や、蛇の如き瞳をギラつかせる少年。――ケルブレム
片や、アクアマリンの瞳、その右目に星状のハイライトを宿した少年。――星野愛久愛海(アクアマリン)
「でもいいのかい? 死んだ母親を蘇らせるチャンスかもしれないんだよ?」
「瞳通り楽園の蛇気取りか? だったら俺じゃなくてルビーの方をおすすめしておく。と言ってもあいつもお前の言葉になんか乗らないだろうがな。」
「瞳通り楽園の蛇気取りか? だったら俺じゃなくてルビーの方をおすすめしておく。と言ってもあいつもお前の言葉になんか乗らないだろうがな。」
ケルブレムの言葉、相手を禁忌へと誘うその手口はまるで創世記でイヴをたぶらかして禁断の果実を食わせたサタンの如き手口だ。
だが、相手はイヴのような純粋な誰かではなく、かつて一度殺され、二度目の生を得た転生者である。
だが、相手はイヴのような純粋な誰かではなく、かつて一度殺され、二度目の生を得た転生者である。
産科医・雨宮吾郎。それが星野愛久愛海の前世。
推しであるアイドル、星野アイが世間に隠れて妊娠の為に彼が努めている病院にやってきた。
アイドルとはリスキーな世界だ、しかも当時の星野アイは16歳。16歳のアイドルが出産だなんて大騒ぎにも程があるし、スキャンダルの格好の的だ。
だが、彼女はアイドルも出産もどっちもやり遂げるといった。
そんなワガママで一番星な彼女に、雨宮吾郎は共感し、最大限協力した。
――だがある日の夜、アイを追いかけていたであろうストーカーらしき人物を追いかけ、崖の下に突き落とされて、命を落とし――。
目を覚ましたら、彼は星野アイの出産した双子の兄、星野愛久愛海に転生した。
同じく転生者だった妹、星野瑠美衣(ルビー)と共に、推しのアイドルの子供として、ある意味天国ともいうべき時間を過ごすも、アイがドームライブを目前にしてストーカーに刺されて死んだ。
推しであるアイドル、星野アイが世間に隠れて妊娠の為に彼が努めている病院にやってきた。
アイドルとはリスキーな世界だ、しかも当時の星野アイは16歳。16歳のアイドルが出産だなんて大騒ぎにも程があるし、スキャンダルの格好の的だ。
だが、彼女はアイドルも出産もどっちもやり遂げるといった。
そんなワガママで一番星な彼女に、雨宮吾郎は共感し、最大限協力した。
――だがある日の夜、アイを追いかけていたであろうストーカーらしき人物を追いかけ、崖の下に突き落とされて、命を落とし――。
目を覚ましたら、彼は星野アイの出産した双子の兄、星野愛久愛海に転生した。
同じく転生者だった妹、星野瑠美衣(ルビー)と共に、推しのアイドルの子供として、ある意味天国ともいうべき時間を過ごすも、アイがドームライブを目前にしてストーカーに刺されて死んだ。
その時から、二人の運命は分かたれたのだろう。
妹はアイと同じアイドルとなる道を選択した。
そして彼は、星野愛久愛海は復讐の道を選択した。
あのストーカーが何のヒントもなしにアイのいるマンションを探し当てるなんてありえない。
少なくとも、父親が一番怪しく、その父親の行方を探すため、彼は芸能界へと入り込んだ。
妹はアイと同じアイドルとなる道を選択した。
そして彼は、星野愛久愛海は復讐の道を選択した。
あのストーカーが何のヒントもなしにアイのいるマンションを探し当てるなんてありえない。
少なくとも、父親が一番怪しく、その父親の行方を探すため、彼は芸能界へと入り込んだ。
「そりゃアイを蘇らせる事が出来るのならそれに越した事は無いのは同意だ。」
「だったら何故だい?」
「俺が復讐する相手はあくまで正体不明の父親だ。巻き込みさえすれど、やつ以外を殺すつもりはない。」
「だったら何故だい?」
「俺が復讐する相手はあくまで正体不明の父親だ。巻き込みさえすれど、やつ以外を殺すつもりはない。」
仮に手段を選ばないで蘇らせたとして、あいつが笑顔は二度と戻ってこないかもしれないか。そう付け加えようとして、心の奥にしまった。
蘇らせる事ではなく、あくまで父親への復讐だけを誓った。一度死んだ身で、それ以上望むものはないからだ。
ケルブレムの視線はいつまでも蛇のようで、面白そうな玩具を見つめるように眺めている。
その輝ける星の中に潜む、どす黒い復讐心の炎を愉快そうにしている。
蘇らせる事ではなく、あくまで父親への復讐だけを誓った。一度死んだ身で、それ以上望むものはないからだ。
ケルブレムの視線はいつまでも蛇のようで、面白そうな玩具を見つめるように眺めている。
その輝ける星の中に潜む、どす黒い復讐心の炎を愉快そうにしている。
「……ふーん。ちょっと残念だな。君の復讐心が大切な人を取り戻す方向で転んでくれたら面白いとは思ったんだけれど。」
「何度も言わせるな。やつを俺のやり方で追い詰めて、この手で殺す。」
「何度も言わせるな。やつを俺のやり方で追い詰めて、この手で殺す。」
誂うような投げかけに、思わず苛立ち混じりの言葉が返される。
どこまでも蛇みたいな男、嘘で塗りつぶしたアイドル見たく、掴みどころがない少年だ。
どこまでも蛇みたいな男、嘘で塗りつぶしたアイドル見たく、掴みどころがない少年だ。
「だったらいいよ、無理強いはしないさ。じゃあ餞別代わりっと。」
「……は?」
「……は?」
そう軽く呟いたケルブレムが愛久愛海に対して投げつけたのは、一枚のカード。
一枚の絵と、その下に「The Star」と書かれたカード。
一枚の絵と、その下に「The Star」と書かれたカード。
「おい、一体何の真似――」
「君の復讐に幸あらん事を。あと――」
「君の復讐に幸あらん事を。あと――」
投げつけられたカードの意味を問い掛けようとするも、煙に巻いたようにケルブレムの姿が不明確になり、そして。
「君の復讐は、本当に君自身のものなのかい?」
そう言い残して、『蛇』の消え去った。
◯
「……彼、ちょっと面白そうだったかな?」
蛇は――ケルブレムはほくそ笑む。
自分への対話、余りにも理知的というよりも、年齢に似合わない聡明さ。
まるで大人と喋っているような、そういう感覚だ。
自分への対話、余りにも理知的というよりも、年齢に似合わない聡明さ。
まるで大人と喋っているような、そういう感覚だ。
「本当に何者だろうね? ……まあそんな事なんてどうでもいいけれど。」
面白そう、ただそれ以上でもそれ以下でもない。
彼に渡したディアボロスタロットが開花するのもよし。
彼の復讐の道程を末路を観客席で嘲笑するのもよし。
彼に渡したディアボロスタロットが開花するのもよし。
彼の復讐の道程を末路を観客席で嘲笑するのもよし。
「この殺し合いも含めて。どう転んでも面白くなりそうだ。フフッ。」
殺し合いという舞台の中で、悪魔のタロットの担い手たる彼は、静かに微笑んでいた。
アルカナタロットNo.17 『星』
逆位置―――河川の氾濫。大雨。洪水。厭世観。頑固。物事が過度になる。水に流される。働きすぎによる疲労。美貌の衰え。邪推。良くない航海。
逆位置―――河川の氾濫。大雨。洪水。厭世観。頑固。物事が過度になる。水に流される。働きすぎによる疲労。美貌の衰え。邪推。良くない航海。
【星野愛久愛海@【推しの子】】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3、ディアボロスタロット@幻影ヲ駆ける太陽
[方針]
基本.早急に元の世界に帰る
1.もし俺たちの父親がいるのなら、どんな手を使ってでも復讐する
2.あの蛇みたいな男、気持ち悪いやつだ
[備考]
※参戦時期は5歳児時代のアイ死亡後
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3、ディアボロスタロット@幻影ヲ駆ける太陽
[方針]
基本.早急に元の世界に帰る
1.もし俺たちの父親がいるのなら、どんな手を使ってでも復讐する
2.あの蛇みたいな男、気持ち悪いやつだ
[備考]
※参戦時期は5歳児時代のアイ死亡後
【ケルブレム@幻影ヲ駆ケル太陽】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[方針]
基本.せっかくなので自由にやらせてもらう
1.彼(愛久愛海)の今後には期待
※参戦時期は第5話以降
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[方針]
基本.せっかくなので自由にやらせてもらう
1.彼(愛久愛海)の今後には期待
※参戦時期は第5話以降
- 支給品紹介
【ディアボロスタロット@幻影ヲ駆ケル太陽】
ケルブレムに支給、現在は星野愛久愛海が所持。人の運命を弄る目的で作られた、不幸を招くタロットカード。
人間の欲望や心の弱さにつけ込み、人間をダエモニアという化物へと変える。
大タロット22枚分が存在するが、今回はこの一枚しか存在せず、指定されるタロットはランダム。
ケルブレムに支給、現在は星野愛久愛海が所持。人の運命を弄る目的で作られた、不幸を招くタロットカード。
人間の欲望や心の弱さにつけ込み、人間をダエモニアという化物へと変える。
大タロット22枚分が存在するが、今回はこの一枚しか存在せず、指定されるタロットはランダム。