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ネバーランドは未だ遠く

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「ううう……っ。」

夜の世界に、少女がポツンと一人。
梅花園所属、春原ココナは未だ先の分からぬ空間で、一人ただ震えていた。

「シュン姉さん……先生……どこぉ……?」

乃亜とか言う少年から殺し合いをしろと言われ。
気がつけば乾燥し荒れた岩山だけが続く殺風景に置いてけぼり。
無為な赤茶色に、何処までも続く暗い闇。
齢11の彼女とって、そんな場所に孤独に放置されるなどというのは、十分な恐怖となり得るのだ。

「……ううん! こんな所で縮こまってちゃダメです! このままではみんなにかっこが付きませんし、一人前のレディになるためには……ってええ!?」

だが、これでも梅花園の教官の一人。子どもを教え導く立場として、こんなところで怯えている訳にはいかない。
頬を叩いて自らを奮い立たせようとした途端にココナの眼前、暗闇の影の中で妖しく光る二つの赤い何か。
ゆっくりと近づいてくるそれは野獣の眼光にも似通っており、少しばかり後退ってしまう。

「……だ、誰ですか!?」

即座にデイバッグの中にあった武器を構える。
猛獣の類か、それとも殺し合いに乗った別の参加者か。
梅花園、と言うよりもキウォトスという世界における住民たちにとって銃を構え戦うことになるのは凡そ日常茶飯事。梅花園の教官でもあるココナも、当然のことながら荒事への対応には他所の心得はある。

「て、敵じゃないのなら出てきてください!」

足を震わせながらも声を上げる。敵なのか、味方なのか、それとも本当にただの動物の類なのか。
孤独という恐怖を抑え込み、赤い輝きへと銃口を向ける。

「………!」

息を呑みこみ、相手の動きを待つ。襲ってくるようであるならば、不本意であるが引き金を引かざる得ない。だが、ここはキヴォトスではない。世界そのものが違う、自分の知らない世界の誰かである可能性。
それだけでも、引き金が著しく元の世界よりも重く感じたのは決して幻覚ではないのであろう。
赤い輝きが闇を抜けてこちらへと近づき、徐々にその輪郭が露わとなっていく。

「……はえ……?」
「………?」

猛獣の類だと警戒していたココナは、呆気にとられて銃を下ろしてしまった。
それは小さい女の子。オレンジ色の髪を巨大な洗濯バサミのようなものでツインテールに結んだ、自分よりも年下の、そんな少女の姿。
その少女が、怪訝そうな顔でココナを見つめて、少しばかり考え込んでからこう切り出る。

「物騒なやつだと思ったら、妾と対して変わらないではないか」
「初対面のレディに対してそれはどうかと思います、あとちょっと夜の中で赤い瞳はちょっと怖かったです」
「……そう言われると少し凹むぞ妾」

◯ ◯ ◯


お互いの警戒は無事解け、少しばかり移動して岩山の荒野から少し距離のある年甲斐の一軒家の中にてひとまず休憩を取ることとした二人の少女。
ココナがこの場所で出会った、自分よりも小さい少女の名は藍原延珠。キヴォトス出身であるココナからすれば、キヴォトス以外の世界の人間と言えばシャーレの先生ぐらいであり、それ以外の外部の人間との対面と言うのはこれが実質的な初めてとなっている。
お互いの情報交換も兼ねた自己紹介や事情説明を経て、ココナが延珠に抱いた感情というのが。

「え、ええと。その、なんだか、スケールが大きくて……。」
「ふふ。まあ色々苦労はしたが、蓮太郎のお眼鏡に叶う立派なフィアンセになるため日々精進しているのだ!」

困惑、だった。延珠が話してくれた情報は彼女のいた世界の基本的な常識や、あと蓮太郎なるパートナーへの惚気話。
しかもフィアンセになるため、と言い出したものだから結婚を前提としたお付き合いということを考えてるとはこの少女外見に似合わずあざといとはココナの心象。
ココナもココナでその言葉に反応してか先生のことが一瞬頭に浮かぶも、すぐにその邪念を霧散させる。

「しかしココナも十分凄いぞ思うぞ。妾と対して年が変わらぬというのに、子供たちの先生をやっているのか。」
「い、いえ、そのくらいレディーとして当然です! これでも梅花園の教官なんですから!」

相槌を入れるような延珠の言葉に、多少照れ隠しながらもココナは上機嫌。
藍原延珠は10歳、それに対し春原ココナは一応11歳。優秀な成績から学園を飛び級し教官に選ばれた実績は伊達ではない。ただし成績は優秀でも心は子どもなのでそこらへんはご愁傷。

「だ、だから、こんな殺し合いとかに絶対に負けません! 絶対にみんなの所へ帰るんです!」

それでも、教官としての矜持と、待っているみんなの為、例え恐怖に襲われようとも、こんな所で縮こまってる訳でには行かないのだ。

「……なら、妾にも協力させてくれないか?」
「えっ? いいんですか!?」

そんなココナの思いを汲んだのか延珠が発した一言に思わず呆気とられる。

「妾とて、戻らなければならぬ居場所がある。まあ蓮太郎の元へさっさと戻りたいのは確かだ。早く戻らないとあの泥棒猫もとい泥棒梟に蓮太郎を横取りされかねないからな!」

などと意気揚々に声を上げる延珠、信頼とも焦りとも似た雰囲気に安心しながらも、「蓮太郎さんって人、もしかして苦労しているのでは」だどと内心思うココナではあった。


【春原ココナ@ブルーアーカイブ-Blue Archive-】
[状態]:健康、不安(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない、早くみんなの所へ戻りたい
1:梅花園の教官として、レディーとしてなるべく恥をかかないように
2:延珠ちゃんって、なんだか変わった人ですね


【藍原延珠@ブラック・ブレット】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:乃亜とかいう不届きものを倒して元の世界へ戻る
1:ココナの事を手伝う。
2:ティナ、妾がいない間に蓮太郎を誘惑しているのではないのか……だったら尚更早く戻らなければ!
[備考]
※参戦時期は最低でもティナが仲間になった後
※ガストレアウイルスの侵蝕率に関しては後述の書き手にお任せします。

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