2013.08.24
基礎所得を気前よく政府が配りますと、人々は働かなくても生活できるようになります。
働かなくても生活できるならば、あまり貯金をする必要がありません。そのため、消費も活性化します。フリードマンの恒常所得説も、安定した所得が消費に回りやすいことを示唆しています。基礎所得は就労所得より安定していますから、さらに消費に回りやすい。
犯罪心理学などによれば、競争と犯罪には密接な関係があります。競争を強いない社会では犯罪が激減しますから、治安は大幅に良くなります。
労働意欲が弱い人は労働市場を去り、労働意欲が強い人は簡単に就職できるようになります。会社の従業員は労働意欲が強い人ばかりになりますから、事業は効率的になり、資本家も満足します。失業しても基礎所得で生活できますから、従業員はより冒険的になり、起業して労働市場の向こう側に回る人も増え、その他の人々にとって就職はさらに簡単になります。
中央政府から市民に配られる基礎所得は、地方自治体の税収を引き上げます。地方の財源は豊かになります。
もちろん、社会では物不足に陥りやすくなり、売る努力はさほど必要とされなくなり、作る努力がずっと重要になります。優秀な人材は営業部門ではなく製造部門に投入されるようになります。社会全体で技術水準が向上し、製品は国内だけでなく、海外でも楽に売れるようになります。
文明は作ったものの蓄積です。長きにわたって繁栄する文明は作る文明です。