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«「働かざる者、食うべからず」»
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「働かざる者、食うべからず」はキリスト教の聖書の中にある言葉です。
北アメリカ大陸におけるイギリスの最初の植民地であるジェームズタウンが作ら
れたころ、植民地の指導者であったジョン・スミスは「働かざる者、食うべから
ず」を植民地運営の基本理念としました。
れたころ、植民地の指導者であったジョン・スミスは「働かざる者、食うべから
ず」を植民地運営の基本理念としました。
ソビエト連邦を建国した指導者レーニンもまた、「働かざる者、食うべからず」
を採用し、社会主義の第1原則としています。
を採用し、社会主義の第1原則としています。
アメリカ合衆国もソビエト連邦も、実は同じ理念をもとに作られた国でした。
さて、カール・マルクスの『ゴータ要綱批判』には「能力に応じて支払い、労働
に応じて受け取る」という言葉があり、マルクスの「労働」は就労を成果を意味
していますから、内容そのものは「働かざる者、食うべからず」と似ています。
しかし、マルクスの社会主義においては、「能力に応じて支払い、労働に応じて
受け取る」は第1原則ではなく第1段階であり、第2段階としてマルクスは「能力
に応じて支払い、必要に応じて受け取る」を標榜しています。
に応じて受け取る」という言葉があり、マルクスの「労働」は就労を成果を意味
していますから、内容そのものは「働かざる者、食うべからず」と似ています。
しかし、マルクスの社会主義においては、「能力に応じて支払い、労働に応じて
受け取る」は第1原則ではなく第1段階であり、第2段階としてマルクスは「能力
に応じて支払い、必要に応じて受け取る」を標榜しています。
ロシア人だったレーニンは、ドイツ人だったマルクスが書いたものを正確には理
解しなかったのかもしれません。
解しなかったのかもしれません。
労働者が直面する現実は困難で、「働かざる者、食うべからず」だけではうまく
いきません。経済は刻々と変化し、様々な職種において労働市場には需給の変化
があります。ある程度の失業は必然的に起こります。
いきません。経済は刻々と変化し、様々な職種において労働市場には需給の変化
があります。ある程度の失業は必然的に起こります。
失業者に就労機会を提供するだけではうまくいきません。例えば、電気工事の需
要が減り、そのことで失業した労働者に対して即座に提供可能な職は、前の職よ
りも報酬が低いものになりがちです。労働者が電気工から宅地建物取引主任に転
職するには、ある程度の時間が必要です。その間の生活を支える仕組みがなけれ
ば、経済に目立った変化が起こるたびに、労働者の生活水準は低下していくこと
になります。
要が減り、そのことで失業した労働者に対して即座に提供可能な職は、前の職よ
りも報酬が低いものになりがちです。労働者が電気工から宅地建物取引主任に転
職するには、ある程度の時間が必要です。その間の生活を支える仕組みがなけれ
ば、経済に目立った変化が起こるたびに、労働者の生活水準は低下していくこと
になります。
政治的な主張を別にすれば、マルクスはリカードの後継であり、フリードマンの
先駆です。
先駆です。
フリードマンは一般に自由放任主義的な主張で知られていますが、恒常所得仮説
を唱え、負の所得税という制度を考え出しました。収入が平均より低い人に負の
所得税がかかる――つまり、現金が支給される――この制度案は、マルクスが標
榜した「必要に応じて受け取る」を実現するための具体案の1つです。
を唱え、負の所得税という制度を考え出しました。収入が平均より低い人に負の
所得税がかかる――つまり、現金が支給される――この制度案は、マルクスが標
榜した「必要に応じて受け取る」を実現するための具体案の1つです。
「必要に応じて受け取る」制度があって、ようやく、多くの労働者は経済の変化
に自らを適用させ、生活水準を維持向上する機会を得ることができます。
に自らを適用させ、生活水準を維持向上する機会を得ることができます。
マルクスはまだまだ古くありません。人類は今ようやくマルクスに追い付こうと
しています。
しています。