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«日本共産党について»
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2010.10.21
――マルクス主義とレーニン主義――
マルクスの「労働」は就労時間のことではなく、就労を通して生み出した価値のことであり、リカードの「投下労働」とだいたい同じ意味を持っています。マルクス主義の「労働に応じて受け取る」という成果主義的な部分は、日本でもアメリカでも、経済の基本的な原則になっています。
一方、レーニン時代からスターリン時代まで、ソビエト連邦は成果主義に対してむしろ抑制的な態度を取っていましたから、マルクス主義とレーニン主義はこの点では相容れない。
マルクス主義には「能力に応じて支払い、必要に応じて受け取る」という社会福祉的な部分が含まれています。
一方、キリスト教の聖典にある「働かざる者食うべからず」をレーニンは社会主義の第1原則とし、イギリスは北アメリカにおける植民地運営の基本理念としました。ここでも、マルクス主義とレーニン主義は相容れない。実装における妥協が違いを不明瞭にしてきただけです。
レーニン主義に基づいていたソビエト連邦が崩壊するに至りました。
日本共産党はレーニン主義を棄却すべきではないでしょうか?
――「能力に応じて……」――
マルクスの当時の状況認識は今ではその意味の大半を失っています。理想は永遠ですが、状況は変化するからです。
マルクスの状況認識は正しかったが、その状況を今の時代に無理やりあてはめようとする人々は正しくない。
中世において、経済における強者は貴族たちでした。(近代になっても、イギリスの下級貴族は約3万エーカーの土地を所有し、平民の成功者のなお10倍の富を有していました。)
マルクスの時代、経済における強者は会社の所有者たる資本家、つまり株主でした。
その後、会社の従業員たちは力を増し、現在、広い意味での従業員の頂点にあるCEOその他の執行役が受け取る報酬は、平均的な株主が受け取る配当をはるかに凌駕します。また従業員全体が会社から受け取る報酬額は、株主全体が受け取る配当の10倍を超えています。受け取った配当を全て加算しても、バブル崩壊以降の全ての株主の収支を足せばまだまだマイナスとなるはずです。
日本経済の現在の強者はもはや株主ではないため、株主の負担となる可能性が高い法人税率引き上げはマルクス主義に反しています。また、業種によっては同じことが消費税についてもいえるでしょう。
引き上げるべきなのは、所得税率です。
――もう1つのマルクス主義政党――
` · 原則として全ての労働者(非正規を含む)に雇用保険を適用。
` · 同一労働同一待遇(賃金等)や正規・非正規社員間の流動性を確保。
` · 雇用保険と生活保護の隙間を埋める新たなセーフティーネットを構築。雇用保険が切
` れた長期失業者、非正規労働者等を対象に職業訓練を実施。その間の生活支援手当の
` 給付、医療保険の負担軽減策、住宅確保支援を実施。
` · 同一労働同一待遇(賃金等)や正規・非正規社員間の流動性を確保。
` · 雇用保険と生活保護の隙間を埋める新たなセーフティーネットを構築。雇用保険が切
` れた長期失業者、非正規労働者等を対象に職業訓練を実施。その間の生活支援手当の
` 給付、医療保険の負担軽減策、住宅確保支援を実施。
「能力に応じて支払い、労働に応じて受け取る」という言葉は、働きぶりに応じて報酬が上がることも下がることも暗示しています。
働きの良い非正規従業員が働きの悪い正規従業員より大きな報酬を受け取ること(同一労働同一待遇)、そして、働きの良い非正規と働きの悪い正規が入れ替えられること(正規・非正規社員間の流動性)も、マルクス主義と矛盾しない。むしろそれはマルクス主義の現在における実践の極めて重要な部分になりえます。
マルクス主義のもう1つの柱である社会福祉政策についても、みんなの党の政策案に手抜かりはない。
つまり、みんなの党は日本共産党よりさらに純粋なマルクス主義を説いて支持を集めたことになります。