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«CDS放棄と長期金利7%の意味»
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cosmichistory
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(2011年11月26日現在)
CDSはcredit default swapの頭文字を取ったもので、債券発行体が債務不履行に陥った
際に、債権者にとって保険として機能する金融商品のことだ。ギリシア国債などについ
てもCDSが発行されており、国債と合わせて十分なCDSも買っておけば、ギリシア国債が
焦げ付いても損失は出ないはず――だった。
際に、債権者にとって保険として機能する金融商品のことだ。ギリシア国債などについ
てもCDSが発行されており、国債と合わせて十分なCDSも買っておけば、ギリシア国債が
焦げ付いても損失は出ないはず――だった。
ギリシア国債について、ヨーロッパ政界は債権者である金融機関に元本の半額の放棄を
強いる決定を行ったが、これは形式の上で金融機関の自主的な債権放棄として扱われ、
CDSが有効となるクレジットイベントとして認められないことになったらしい。
強いる決定を行ったが、これは形式の上で金融機関の自主的な債権放棄として扱われ、
CDSが有効となるクレジットイベントとして認められないことになったらしい。
CDSは無意味になった。
CDSを売っていたのは主に投資銀行、買っていたのは主に市中銀行と思われる。投資銀
行はCDSがらみの義務から解放され、市中銀行は丸損を被る結果となった。
行はCDSがらみの義務から解放され、市中銀行は丸損を被る結果となった。
CDSが無意味になり、元本の半分を損する危険性を回避する手段が失われたため、その
危険性は金利そのものに織り込まれなければならない。計算してみよう。
危険性は金利そのものに織り込まれなければならない。計算してみよう。
1 / (1 - 1/2) ^ (1/10) - 1 = 約0.0718
半額が失われる危険性のある債券への投資を最悪でもトントンで終えるには、約7.18%
の金利が必要になる。ギリシアもそしておそらくイタリアも、今後の財政で資金調達に
苦労することになるだろう。
の金利が必要になる。ギリシアもそしておそらくイタリアも、今後の財政で資金調達に
苦労することになるだろう。
ヨーロッパはギリシア国債危機への対応で大きく誤ったと私は考える。CDSは履行され
るべきであったし、投資銀行を救済する必要があるのならば、それは投資銀行への融資
という形を取るべきであった。
るべきであったし、投資銀行を救済する必要があるのならば、それは投資銀行への融資
という形を取るべきであった。