「大変だば!大変だば!支持率がとうとうマイナスになっちゃっただば!」
常貧の国タピオカの国王、媚魔仙一は玉座に座りながら短い手足をジタバタさせて焦っていた。
「ワシは国の為に頑張ってきたのに、何でこうなっただばー?」
「お父様が効率的と言って住宅と発電所と石油精製所と汚水処理場を徒歩圏内に乱立させたからです」
「お父様が効率的と言って住宅と発電所と石油精製所と汚水処理場を徒歩圏内に乱立させたからです」
仙一に真っ当なツッコミを入れるのは今回の主役くり子姫。幸いにも亡き王妃に似た優秀な姫だった。
「私何度も言いましたよね?考えて建てろって」
「考えてこうなっただば。勤務地が近ければ渋滞も事故も起こらないし、生活排水と工業排水を同時に少ない水で処理するから環境にも優しいだば」
「住む人間の気持ち考えてください!」
「ま、建ててしまったのは仕方ないだば。大事なのはこれから。と言うわけでこうなったら一発逆転の秘策だば!くり子も力貸すだば」
「考えてこうなっただば。勤務地が近ければ渋滞も事故も起こらないし、生活排水と工業排水を同時に少ない水で処理するから環境にも優しいだば」
「住む人間の気持ち考えてください!」
「ま、建ててしまったのは仕方ないだば。大事なのはこれから。と言うわけでこうなったら一発逆転の秘策だば!くり子も力貸すだば」
仙一は玉座からびょんと飛び降りると、短い足で床を踏み壊し隠し階段を出現させ地下へと向かった。
「レッツゴーだばー」
「ああもー!また勝手に一人で走り出して!権力持ったバカは本当にやっかい!」
「ああもー!また勝手に一人で走り出して!権力持ったバカは本当にやっかい!」
くり子も慌てて後を追う。
その地下室はタピオカ王家のものしか知らない秘密の場所。部屋の中心まで来た仙一は短い足を止め、服を脱ぎながら一発逆転の策の説明を始めた。
「ついこないだ、リーさんと言う人が魔人の大会の誘いが来ただば。これ手紙」
「拝見します」
「拝見します」
くり子が受け取った手紙にはこう書いてあった。
『ようっ!俺謎の主催者H・リー!実は俺知り合いのつえー奴集めて魔人バトルしたいんだけど、サンドバッグ集めてるんだわ。なんかさー、おたくの国ピンチっぽいじゃん?んで王家秘伝の技とかあるらしいじゃん?勝ったら賞金出すからちょっと姫様貸してちょんまげ!このキャンペーンはキラキラと違って絶対死なないからさ!死ぬより酷い目に逢うかもしんねーけど!』
手紙を読み終わったくり子は、ズラを被って化粧をしている仙一の顔面に手紙を叩きつけた。
「ぬわー!何をするだば!」
「こんな怪しい大会に私を参加させる気だったんですか?私、こんなの出ません、というか戦闘経験ないから勝てる訳ないです。後、何で女装しているんですか?」
「オッケーマイ娘。一つずつ説明するからワシの腹肉を絞るのをやめるだば」
「こんな怪しい大会に私を参加させる気だったんですか?私、こんなの出ません、というか戦闘経験ないから勝てる訳ないです。後、何で女装しているんですか?」
「オッケーマイ娘。一つずつ説明するからワシの腹肉を絞るのをやめるだば」
仙一はくり子の手を振りほどき手早く女装を完了する。そこに立っていたのは...。
髪型はウェーブのかかった金髪ロング(ズラ)、目の色は青(カラコン)、巨乳(詰め物)、ミニスカートからは下着が簡単に見え薄手の生地越しに割れ目が透けて見える(チンチンを股に挟み込んで皮膚で包み接着剤で偽物の処女膜を作って押さえ込んでいる)。
地の喋り丸出しで悶絶するくり子だったが、父親が何をしたいのかは理解できた。
「さあ、私の動きを見て覚えるのです」
「...わかりましたよ。大会に参加するかは別として、取りあえずその秘伝とやらを教えて下さい」
「ええ。では行きますよ。とおっ!」
「...わかりましたよ。大会に参加するかは別として、取りあえずその秘伝とやらを教えて下さい」
「ええ。では行きますよ。とおっ!」
くり子の目の前でもう一人のくり子は腕を振り足を広げる。
「いちに、いちに」
くり子はくり子の動きが何であるかに気づく。
「これはっ、ラジオ体操!」
そう、くり子が行っているのは紛れもなくラジオ体操。だが、こんなものが奥義なのか。
そう思いながらも何か秘密があるに違いないとくり子はくり子を注意深く観察する。
そう思いながらも何か秘密があるに違いないとくり子はくり子を注意深く観察する。
「いっにーさんしー」
腕の動きに合わせバインバインと揺れる胸。
「にーにさんしー」
足を開くごとに見うる下着。
「さんにーさんしー」
上体そらしをして下着に包まれた割れ目がくっきりと写る。ここに秘密があるかもと思いくり子はくり子の股間をガン見する。
多少モリマン気味だが、下着の上から見るかぎりでは女性の股間そのものだった。くり子はくり子の完成度に感心したその時だった。
多少モリマン気味だが、下着の上から見るかぎりでは女性の股間そのものだった。くり子はくり子の完成度に感心したその時だった。
「ジロジロ見てるんしゃねえよ童貞」
「えっ」
「ほあたー!」
「えっ」
「ほあたー!」
ビーン
くり子のハイキックがくり子の顔面に綺麗に決まった。その威力自体は大した事は無かったが、童貞と罵られた瞬間くり子の頭は真っ白になり回避も防御もままならなかった。
「これこそがタピオカ王家秘技、『童貞絶対殺すガール』です。さっき見せたのは基本の型の一つラジオ体操の型...おーい聞いてます?」
「無理...」
「無理...」
くり子完全KO。魔人に生まれだけで、今まで普通のプリンセスライフしてきたくり子に立ち上がれと言うのは無理ゲーだった。
「軽めに蹴ったのですが、娘がここまで弱いとは。しゃーない、この格好でワシが出るだば」
「それは嫌ー!国を救う策も思い付かんし頑張るからー!」
「その意気だば」
「それは嫌ー!国を救う策も思い付かんし頑張るからー!」
「その意気だば」
大会まで後六日。
「わ、私もこの格好しないといけないんですか?」
「当然、それから下の毛も剃りましょうね」
「ひーん!でもこれを乗り越えないとお父様が私のふりして世界に恥を晒すからちくしょう!」
「当然、それから下の毛も剃りましょうね」
「ひーん!でもこれを乗り越えないとお父様が私のふりして世界に恥を晒すからちくしょう!」
大会まで後五日。
「基本の型・縄跳び始め!」
「ほっ、ほっ、ほっ、嫌らしい目で見るな童貞!」
「だめ、縄跳びしてる顔が既に怖い。攻撃への切り替えも遅い、やり直し!」
「ほっ、ほっ、ほっ、嫌らしい目で見るな童貞!」
「だめ、縄跳びしてる顔が既に怖い。攻撃への切り替えも遅い、やり直し!」
大会まで後四日。
「お父様」
「くり子さん十六歳と呼びなさい」
「さん十六歳様、この技って童貞以外には効かない気がするのですが」
「貴女に通用したでしょ?例え童貞で無くとも隙は生まれます。童貞に一番効果がありますがね」
「くり子さん十六歳と呼びなさい」
「さん十六歳様、この技って童貞以外には効かない気がするのですが」
「貴女に通用したでしょ?例え童貞で無くとも隙は生まれます。童貞に一番効果がありますがね」
大会まで後三日。
「応用の型は相手との距離が近く、そしてエロかわいさが要求されます。ではブラホックの型始め!」
「あーん、激しい運動でブラが外れちゃったぁ、誰かホック留めるの手伝ってくれないかなぁ、おめえはすっこんでろ童貞!」
「ぶりっ子と変顔の切り替えは上手くなりましたね。しかしまだ攻撃に無駄があります」
「あーん、激しい運動でブラが外れちゃったぁ、誰かホック留めるの手伝ってくれないかなぁ、おめえはすっこんでろ童貞!」
「ぶりっ子と変顔の切り替えは上手くなりましたね。しかしまだ攻撃に無駄があります」
大会まで後二日。
「くり子、一般人並みだった貴女はこの短期間でとても強くなりました」
「さん十六歳様のおかげです」
「しかしリー社長の呼ぶ魔人は精鋭揃いと聞きます。勝つためには奥義の型が必要になるでしょう」
「どんとこいちょうじょうげんしょう!」
「ではまずは座薬の型とオシッコ我慢の型を教えます」
「イヤイヤイヤ待った待った待った」
「さん十六歳様のおかげです」
「しかしリー社長の呼ぶ魔人は精鋭揃いと聞きます。勝つためには奥義の型が必要になるでしょう」
「どんとこいちょうじょうげんしょう!」
「ではまずは座薬の型とオシッコ我慢の型を教えます」
「イヤイヤイヤ待った待った待った」
大会前日。
くり子とくり子は正面から抱き合いおっぱいを押し付けあっていた。相撲やプロレスで言う四つの状態、剣道ならつば競り合いの状態である。
「さあ卒業試験です。この状態から私を倒してみなさい」
「はい!」
「はい!」
ここからの攻め方は主に三種類。
後ろに倒れ込み相手の顔を胸に沈めるアクティブスケベ。
組み合った状態を維持しパイ圧を高めていくパッシブスケベ。
相手を押し倒して顔面に股間を押し付けるカウンタースケベ。
後ろに倒れ込み相手の顔を胸に沈めるアクティブスケベ。
組み合った状態を維持しパイ圧を高めていくパッシブスケベ。
相手を押し倒して顔面に股間を押し付けるカウンタースケベ。
アクティブスケベはパッシブスケベに強い。
パッシブスケベはカウンタースケベに強い。
カウンタースケベはアクティブスケベに強い。
くり子とくり子の実力は拮抗しており、三竦みを制した方が勝つのは間違い無い。
こんな時じゃんけんに絶対勝つ能力があればなあと思うくり子だったが、そんな都合の良い能力はこの世に存在しないのでペパーストン。
パッシブスケベはカウンタースケベに強い。
カウンタースケベはアクティブスケベに強い。
くり子とくり子の実力は拮抗しており、三竦みを制した方が勝つのは間違い無い。
こんな時じゃんけんに絶対勝つ能力があればなあと思うくり子だったが、そんな都合の良い能力はこの世に存在しないのでペパーストン。
「「じゃんけんぽん!!」」
二人は同時に仕掛ける。くり子が選んだのはその場に留まるパッシブスケベ。対してくり子は...、
「消えた!?」
くり子の姿はくり子の目の前から消えていた。直後、くり子は両肩にくり子一人分の重みを感じる。
「私の勝ちです!」
それはグーでもチョキでもパーでもない、正に今この瞬間に生まれた新しい型。
くり子はくり子の肩に手を置き倒立していた。そこから両足を開き股間をさらけ出す。
くり子はくり子の肩に手を置き倒立していた。そこから両足を開き股間をさらけ出す。
「やぁん恥ずかしい。バランスが取れなくてオマタ開いちゃう」
「見事っ!」
「感心してんな童貞がぁー!」
「見事っ!」
「感心してんな童貞がぁー!」
くり子の脱力に合わせくり子は素早く身体の上下を逆転させ技を仕上げる。
「新奥義・キン肉バスター返しの型!」
ビーン
「ぐはっ」
完璧に決まった一撃によりくり子は力尽きその場に崩れ落ちる。
「今までありがとうございます。おかげで私は戦士として完成する事が出来ました。必ず賞金を持ち帰りますので待っていて下さい」
くり子は振り返る事なく地下室を出ていった。