猛る死と書いて『タケシ』 ◆lYiZg.uHFE
気が付いた時、タケシは海へ向かって落下していた。
最初は現状を理解できずに混乱していたが、すぐにノアの説明を思い出す。
すなわち―――殺し合い。
最初は現状を理解できずに混乱していたが、すぐにノアの説明を思い出す。
すなわち―――殺し合い。
「殺し合いって言ってたくせにいきなり海の上とは……あいつ人間じゃねぇ!」
そう言いながら、確かにあいつは人間じゃなかったなと、俺は苦笑する。
このまま海の中に落ちれば、まず確実に溺死するだろう。
そんな状況なのに笑っていられるのは、死を覚悟したからだろうか。
いや、違う。
あの最初の説明の部屋の中、確かに俺はレッドとグリーンの姿を見た。
僅かにだったがあれは見間違いなんかじゃねぇ。
あいつらなら、きっとこんな殺し合いをなんとかできるんじゃないか。
そう思ったからこそ、死の恐怖を感じていても笑っていられるんだろう。
「でも、このまま黙って死ぬのはゴメンだ!」
確かノアは、殺しあう為の道具も支給するといっていた。
このまま何もせずにいたら、俺に配られたその支給品も海の藻屑と成り果てるだろう。
せめてこれだけでも、あの遠くに見える岸へ!
俺は海へ叩きつけられる瞬間、デイパックから取り出した支給品を岸へと向かって全力で放り投げた。
ザブンッ!という音と共に俺の体は海の中へと沈んでいく。
そう言いながら、確かにあいつは人間じゃなかったなと、俺は苦笑する。
このまま海の中に落ちれば、まず確実に溺死するだろう。
そんな状況なのに笑っていられるのは、死を覚悟したからだろうか。
いや、違う。
あの最初の説明の部屋の中、確かに俺はレッドとグリーンの姿を見た。
僅かにだったがあれは見間違いなんかじゃねぇ。
あいつらなら、きっとこんな殺し合いをなんとかできるんじゃないか。
そう思ったからこそ、死の恐怖を感じていても笑っていられるんだろう。
「でも、このまま黙って死ぬのはゴメンだ!」
確かノアは、殺しあう為の道具も支給するといっていた。
このまま何もせずにいたら、俺に配られたその支給品も海の藻屑と成り果てるだろう。
せめてこれだけでも、あの遠くに見える岸へ!
俺は海へ叩きつけられる瞬間、デイパックから取り出した支給品を岸へと向かって全力で放り投げた。
ザブンッ!という音と共に俺の体は海の中へと沈んでいく。
俺の魂、無事に岸へと届いただろうか。
支給品一つで何かが変わるとは思えないが、それでも何もしないよりはマシだ。
あれが善良な参加者を救う事を祈って―――俺の意識は闇へと消えていった。
支給品一つで何かが変わるとは思えないが、それでも何もしないよりはマシだ。
あれが善良な参加者を救う事を祈って―――俺の意識は闇へと消えていった。
【タケシ@ポケットモンスター金銀 死亡】
※「*うみのなかにいる*」の補完SSです。
※初期位置がA-1の海だった為、タケシは溺死しました。
※タケシの所持していたデイパックは海底に沈みましたが、支給品はどこかの岸へと飛んでいきました。
届いているかは不明です。
※初期位置がA-1の海だった為、タケシは溺死しました。
※タケシの所持していたデイパックは海底に沈みましたが、支給品はどこかの岸へと飛んでいきました。
届いているかは不明です。
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