明日なき男 ◆NIKUcB1AGw
(こりゃまた、初っぱなからずいぶんと死者が出たもんだ。
まあ、俺にはあまり関係が無いがな)
まあ、俺にはあまり関係が無いがな)
放送を聞いた桃鉄DXは、そんな感想を抱いていた。
嫌がらせが目的である彼にとってバトルロワイアルの進行具合など、どうでもいい。
読み上げられた死者の名前の中に、特別気になる名前もなかった。
強いて感じたことを挙げるなら、今のターゲットであるドラクエVがこだわっているグルグル2の名前がなかったことに喜んだくらいか。
彼女が死んでしまっていては、桃鉄DXの計画は大いに狂うことになる。
もっとも、その時はその時でまた新たな悪巧みをするだけなのだが。
嫌がらせが目的である彼にとってバトルロワイアルの進行具合など、どうでもいい。
読み上げられた死者の名前の中に、特別気になる名前もなかった。
強いて感じたことを挙げるなら、今のターゲットであるドラクエVがこだわっているグルグル2の名前がなかったことに喜んだくらいか。
彼女が死んでしまっていては、桃鉄DXの計画は大いに狂うことになる。
もっとも、その時はその時でまた新たな悪巧みをするだけなのだが。
(禁止エリアも、現状では特に問題のある位置ではない。
頭の片隅にだけ置いておけばいいだろう。
では改めて、ドラクエVの尾行を……何っ!)
頭の片隅にだけ置いておけばいいだろう。
では改めて、ドラクエVの尾行を……何っ!)
薄ら笑いを浮かべていた桃鉄DXの目が、ふいに見開かれる。
次の瞬間、彼は口から血を吐いて地に伏していた。
次の瞬間、彼は口から血を吐いて地に伏していた。
いったい彼の身に、何が起きたのか。
ここで、ガイアセイバーのことを思い出していただきたい。
彼はなぜ死んだのか。
それは現実世界でヒーロー戦記がリメイクされることを知って、ショックを受けたからだ。
つまり、このバトルロワイアルと現実はある程度リンクしているのである。
放送を受信した際、桃鉄DXは現実の情報をも受信していたのだ。
ここまで言えば、見当のついた読者もいるだろう。
彼が受信した情報……それは桃鉄の生みの親であるさくまあきら氏による、「桃鉄完全終了宣言」であった。
ここで、ガイアセイバーのことを思い出していただきたい。
彼はなぜ死んだのか。
それは現実世界でヒーロー戦記がリメイクされることを知って、ショックを受けたからだ。
つまり、このバトルロワイアルと現実はある程度リンクしているのである。
放送を受信した際、桃鉄DXは現実の情報をも受信していたのだ。
ここまで言えば、見当のついた読者もいるだろう。
彼が受信した情報……それは桃鉄の生みの親であるさくまあきら氏による、「桃鉄完全終了宣言」であった。
(今ここにいる俺には関係のない話だとしても……血脈が断たれるというのは、さすがにショックだな……)
苦悶の表情を浮かべる桃鉄DXだが、まだダメージは浅い方であった。
もし彼が優勝しての移植&リメイクを目標としていたのなら、ガイアセイバーのように一発で昇天していたことであろう。
もし彼が優勝しての移植&リメイクを目標としていたのなら、ガイアセイバーのように一発で昇天していたことであろう。
(もはや後継者が生まれないというのであれば……。せめてこの場所で大暴れして、桃鉄の存在を知らしめようではないかー!)
おのれを鼓舞し、桃鉄DXは再び立ち上がろうとする。
だがその瞬間、光の弾丸が彼を捉えた。
だがその瞬間、光の弾丸が彼を捉えた。
◆ ◆ ◆
スーパーゲームボーイは、焦っていた。
先ほどの放送によれば、すでに30人を超える死者が出ているらしい。
殺し合いが活発に行われているのは、望むところ。
だが問題は、そんな状況でありながら自分はまだ一人も殺せていないということだ。
主催者直々に送り込まれた刺客でありながら、この体たらく。
このまま結果を出せないようでは、3DSに見切りをつけられ処分されてしまう可能性も否定できない。
先ほどの放送によれば、すでに30人を超える死者が出ているらしい。
殺し合いが活発に行われているのは、望むところ。
だが問題は、そんな状況でありながら自分はまだ一人も殺せていないということだ。
主催者直々に送り込まれた刺客でありながら、この体たらく。
このまま結果を出せないようでは、3DSに見切りをつけられ処分されてしまう可能性も否定できない。
(まああくまで可能性の話で、よほどの醜態をさらさねばそんなことにはならないとは思うが……。
勝ち残ったとしても、十分な結果が伴わなければ報酬を渋られるかもしれん。
ある程度の成果は必要だ)
勝ち残ったとしても、十分な結果が伴わなければ報酬を渋られるかもしれん。
ある程度の成果は必要だ)
そんなことを考えながら、森の中を進むスーパーゲームボーイ。
やがて彼の視界に、地に伏せる肥満体の男が現れた。
最初は死体かと思ったが、体が規則的に揺れているのを見るとまだ息があるらしい。
やがて彼の視界に、地に伏せる肥満体の男が現れた。
最初は死体かと思ったが、体が規則的に揺れているのを見るとまだ息があるらしい。
(誰かにやられて、逃げてきたのか……?
おこぼれをかっさらうようであまり気分はよくないが、今の俺に必要なのはキルカウントだ。
とどめを刺させてもらうぞ)
おこぼれをかっさらうようであまり気分はよくないが、今の俺に必要なのはキルカウントだ。
とどめを刺させてもらうぞ)
支給品を無傷で手に入れたいという思惑がある以上、破壊力の高すぎる攻撃は避けねばならない。
スーパーゲームボーイは慎重にカセットを選び、それを左手のブレスレットにセットする。
スーパーゲームボーイは慎重にカセットを選び、それを左手のブレスレットにセットする。
『ロックマンワールド!』
音声と共に、スーパーゲームボーイの右手が鋼の銃口・ロックバスターへと変化する。
彼は狙いを定め、今まさに起き上がろうとする男に光の銃弾を放った。
彼は狙いを定め、今まさに起き上がろうとする男に光の銃弾を放った。
◆ ◆ ◆
「貴様か、不意打ちをかましてくれたのは!」
「充分殺せると思ったのだが……。思ったより頑丈だな」
「充分殺せると思ったのだが……。思ったより頑丈だな」
怒気を孕んだ声で、桃鉄DXは叫ぶ。
だがそれを受けても、スーパーゲームボーイは平然としていた。
だがそれを受けても、スーパーゲームボーイは平然としていた。
「次は殺す」
「殺す? 殺すと言ったか、貴様。
面白い! 貴様ごときにこの桃鉄DXの首が取れるか、試してみるがいい!」
「殺す? 殺すと言ったか、貴様。
面白い! 貴様ごときにこの桃鉄DXの首が取れるか、試してみるがいい!」
応戦の構えを取る桃鉄DX。
取り憑く相手を目の前の男に変更すれば、彼からの攻撃でダメージを受けることはなくなる。
しかし、桃鉄DXはそれをよしとしなかった。
取り憑き先を変更してしまうと、ドラクエVを追えなくなるというのもある。
だがそれ以上に、人がへこんでいる時に不意打ちをかましてきやがった無礼者を実力でぶっ飛ばしてやりたいという気持ちが強かった。
取り憑く相手を目の前の男に変更すれば、彼からの攻撃でダメージを受けることはなくなる。
しかし、桃鉄DXはそれをよしとしなかった。
取り憑き先を変更してしまうと、ドラクエVを追えなくなるというのもある。
だがそれ以上に、人がへこんでいる時に不意打ちをかましてきやがった無礼者を実力でぶっ飛ばしてやりたいという気持ちが強かった。
「私こそが、桃鉄こそが至高のスーファミソフトだ! 思い知るがいいー!」
こうして、手負いのお邪魔虫と無貌のジョーカーの戦いが始まった。
【D-6 森】
【スーパー桃太郎電鉄DX】
【状態】ダメージ(中)、ドラクエVに取り憑いている
【装備】サイコロ×10
【道具】支給品一式、ピッピにんぎょう@ポケットモンスター緑、不明支給品
【思考】
1:殺し合いには乗らない
2:スーパーゲームボーイをぶちのめす
3:ドラクエVの後をつけ、彼の目の前でグルグル2を不幸にする
※外見はキングボンビーの格好をした小太りのおっさんです。
※取り憑いた相手からの攻撃を無効化できます
対象は原則として一人です
【状態】ダメージ(中)、ドラクエVに取り憑いている
【装備】サイコロ×10
【道具】支給品一式、ピッピにんぎょう@ポケットモンスター緑、不明支給品
【思考】
1:殺し合いには乗らない
2:スーパーゲームボーイをぶちのめす
3:ドラクエVの後をつけ、彼の目の前でグルグル2を不幸にする
※外見はキングボンビーの格好をした小太りのおっさんです。
※取り憑いた相手からの攻撃を無効化できます
対象は原則として一人です
【スーパーゲームボーイ】
【状態】健康、「ロックマンワールド」使用中
【装備】なし
【道具】支給品一式、大量のゲームボーイカセット
【思考】
1:この殺し合いのジョーカーとして他のゲームを倒す。
2:桃鉄DXを殺す。
2:FFIVとヒーロー戦記は必ず殺す。
3:他の参加者を殺して、武器を調達する。
4:ニンテンドー3DSへの忠誠と人間への憎しみ。
※外見は等身大のデッサン人形のような、顔のない人間です。
※「左手のスーパーゲームボーイに装填したゲームボーイカセットの能力を使用できる」能力です。
【状態】健康、「ロックマンワールド」使用中
【装備】なし
【道具】支給品一式、大量のゲームボーイカセット
【思考】
1:この殺し合いのジョーカーとして他のゲームを倒す。
2:桃鉄DXを殺す。
2:FFIVとヒーロー戦記は必ず殺す。
3:他の参加者を殺して、武器を調達する。
4:ニンテンドー3DSへの忠誠と人間への憎しみ。
※外見は等身大のデッサン人形のような、顔のない人間です。
※「左手のスーパーゲームボーイに装填したゲームボーイカセットの能力を使用できる」能力です。