第16話~第20話

第16話「黒の翼──スカイファングの亡霊」


──新学園都市・上空 空戦宙域──

輸送機の周囲を取り囲む黒い機影――それは、かつて壊滅したはずのスカイファングの残党だった。

「ククク……まさかまた会えるとはなァ、ショウ少佐ァ!」

敵部隊の指揮を執るのは、スカイファングの副隊長だったガルスト。

「お前のせいで隊は壊滅したが、黒の色彩の力で"蘇った"ってワケだ!」

「チッ……黒の色彩が絡んでるってことか。」

ショウ少佐は輸送機のハッチを開けると、**飛行ユニット「アズールウィング」**を展開し、空へと飛び出した。

「だったら――俺がもう一度、キッチリ片付けてやるぜ!!」

🔷 スカイファングの異形部隊
敵機は以前のスカイファングとは異なり、黒の色彩に侵食された異形の戦闘機へと変貌していた。

機体の外装には黒いエネルギーの脈動が走り、まるで生きているかのように蠢いている。

「へへへ……こいつは"黒の色彩"の祝福を受けた新たな力よ!もうテメェの弾なんざ通じねぇぜ!!」

「そんなもん、試してみなきゃ分かんねぇだろ!!」

🔷 空中戦、開幕!

ショウ少佐はストームキャノンを構え、狙撃モードで敵機を捉える。

「狙い撃つぜ……!」

──ドゴォン!!

電磁レールガンの弾丸が空を裂き、一機の戦闘機を貫いた――だが。

「なっ……!?」

撃墜したはずの敵機が黒いエネルギーを纏い、瞬時に再生した。

「ククク……無駄だぜ!黒の色彩の加護を受けた俺たちは、そう簡単にやられねぇ!!」

「……めんどくせぇな。」

ショウ少佐は舌打ちしながら、敵機を避けつつ戦況を分析する。

🔷 戦場の状況

敵機は合計12機
黒の色彩による自己再生能力を持つ
単純な撃墜では倒せない
「だったら……"再生する前に一気に吹き飛ばす"しかねぇな!」

ショウ少佐は戦術を切り替え、ブリッツブレードを展開する。

「ロノ!援護しろ!」

「了解!」

ロノも飛行ユニットを起動し、真銀の槍を構える。

「黒の色彩なら……私の真銀で無効化できる!」

彼女は一気に加速し、敵機へと突進する。

「うおおおおおッ!!」

──バシュン!!

槍が敵機のコアを貫いた瞬間、黒の色彩が激しく弾け、再生能力が無効化された!

「なるほどな……"黒の色彩の核"を破壊すれば、こいつらも終わるってわけか!」

ショウ少佐はニヤリと笑い、ブリッツブレードを構える。

「だったら、一気に片付けるぜ!!」

🔷 空戦クライマックス──青き閃光、スカイファングを討つ!
ショウ少佐は高速機動で敵の間をすり抜けながら、次々とコアを斬り裂いていく。

「青空の彼方まで、俺の戦場だぜ!!」

「クソッ……こいつ、やっぱり強ぇ……!!」

次々と撃墜されていくスカイファングの機体。

そして、最後に残ったのは指揮官のガルスト。

「チッ……だが、"これ"がある限り、俺は負けねぇ!!」

彼はコクピットの奥から、黒いエネルギーを放つ結晶を取り出した。

「これは……黒城の"黒の色彩の結晶"!?」

ガルストの機体が異形へと変化し、巨大な黒き怪鳥へと姿を変えた。

「ククク……これが俺の"究極形態"よ!!」

「ハッ、そんなもんで勝てると思ってんのか?」

ショウ少佐は最後の一撃に向け、ストームキャノンのフルチャージモードを起動する。

「ロノ!真銀の槍を"最大出力"にしろ!」

「……了解!!」

ロノが真銀の槍を振りかざし、黒い怪鳥の核に向かって突撃する。

「終わりだ――"ブリッツ・ストーム"!!」

ショウ少佐のストームキャノンの一撃と、ロノの真銀の槍が同時に炸裂!!

「グアアアアアアア!!!」

黒の色彩が弾け、ガルストの機体が崩壊していく。

「ク……そ……また、負ける……のか……!」

ガルストは最後の言葉を残し、爆散した。

「……これで終わりだな。」

ショウ少佐は空を見上げ、ストームキャノンを下ろした。

🔷 戦いの後

ショウ少佐たちは新学園都市へと帰還した。

「しかし……黒城の"黒の色彩"、本格的に厄介になってきたな。」

「ええ……これから、もっと手強くなるかもしれない。」

「だからこそ、こっちも手を打たねぇとな……ベルトランの研究、急がせた方がいいかもしれねぇ。」

ショウ少佐は夜空を見上げ、次の戦いに思いを馳せる。

──だが、そんな彼らの前に、また新たな影が迫っていた。

「青空のショウ少佐……次は、お前の番だ。」

暗闇の中で、不敵に笑う謎の男の姿があった――。

第17話「影の策士──暗黒のシド動く」


──アズール連邦・最高機密会議室──

ショウ少佐は、アズール連邦の中枢メンバーが集う最高機密会議室に足を踏み入れた。

「よく来たな、ショウ少佐。」

中央に座るのは、アストレア・フィオーレブルースカイ副司令。ショウ少佐の直属の上官であり、連邦軍の重鎮でもある。

彼の視線は鋭く、机の上には黒城の色彩兵器に関する機密書類が並べられていた。

「状況は聞いている。黒城俊光の"黒の色彩"、そしてそれを操る"暗黒のシド"……」

「……ああ。ヤツは相当ヤバい存在だぜ。」

ショウ少佐は腕を組み、壁際に立つ。

「黒の色彩に侵食された兵器や兵士……スカイファングの残党まで復活させるとはな。」

「奴らの戦力は想定以上に拡大している。」

そう言ったのは、ヴァレンティナ・ローズレッドフレア作戦司令。彼女は戦術の天才と名高く、冷静な目で作戦図を見つめている。

「暗黒のシドが、黒城死瞳とどういう関係なのかはまだ不明。ただ、彼が色彩エネルギーを完全支配しようとしているのは確実ね。」

🔷 「連邦最強の布陣」──中枢メンバーの集結
会議室には、連邦の最重要人物たちが勢ぞろいしていた。

ロイド・ヴェクター:「アズール・テンペスト」艦長。戦況を静かに見守る。
エミリア・シュトラール:HARP主任研究員セレスティアの助手で、色彩兵器の開発者。
カシウス・グリード:情報統制局長。全てを見通す冷徹な謀略家。
リリス・ファントム:諜報部「ゴースト・ウィスパー」隊長。潜入と変装のスペシャリスト。
ガレット・ストーム:治安部隊長。元傭兵で、最前線の指揮官。
フェルナンド・ヴァルキュール:エネルギー管理部長。色彩エネルギーの制御を担当。
ニーナ・オーベルシュタイン:中央評議会秘書官。政治運営の実務を担う。
クロエ・ルナリア:外交戦略部門長。対外交渉のエキスパート。
ゼファー・ヴォルティス:機動空挺部隊「ストームワード」隊長。戦場の疾風。
ユージン・クロムウェル:兵器開発局長。最新兵器の開発を指揮。
オルフェ・レムナント:対異能特殊戦闘部隊「シルバーナイツ」隊長。超常的な敵と戦うエキスパート。
ルシア・アークライト:医療技術部門長。戦場医療と再生医療の権威。
イザベル・エクレール:特殊工作部隊「レイヴン」指揮官。破壊工作と暗殺のスペシャリスト。
「錚々たるメンツだな……。」

ショウ少佐は肩をすくめながら、全員の顔を見渡した。

🔷 「暗黒のシド」──影の策士の脅威
「"暗黒のシド"について、情報統制局で入手した資料がある。」

カシウス・グリードが静かに話し、ホログラム映像を投影した。

映像には、黒炎を纏う不気味な男が映し出されていた。

「本名、シド・ヴァルザーガ。古代文明"アル・ヴァーレ帝国"の元最高司祭にして、"黒の預言者"。」

「帝国を裏切り滅ぼし、不死の力を手に入れた。」

「現在、黒城の配下として活動しているが、真の目的は"色彩エネルギーの完全支配"と推測される。」

ショウ少佐は映像を睨みつけた。

「つまり……ヤツは黒城を利用して、もっとヤバいことを企んでるってワケか。」

「その可能性は高い。」

エミリア・シュトラールが補足する。

「シドは黒の色彩を最大限活用するために、"色彩兵器"を取り込もうとしているわ。」

「となると、狙われるのは――」

「HARPか?」

ショウ少佐の言葉に、場の空気が凍る。

「……ええ。HARPには色彩エネルギーの核となる技術が眠っている。もしシドがそれを奪えば……」

「ヤツは"完全なる色彩の支配者"になる……ってことか。」

「最悪、世界そのものが"黒の色彩"に侵食される可能性もあるわ。」

重苦しい沈黙が会議室を包む。

だが、ショウ少佐はふっと笑った。

「……だったら、潰すしかねぇな。」

🔷 作戦決行へ
「作戦名、"ナイトフォール・ストーム"。」

ヴァレンティナ・ローズレッドフレアが指示を出す。

「暗黒のシドがHARPを狙う前に、我々が先手を打つ。」

「ショウ少佐、あなたは機動部隊を率いて、HARPの防衛にあたって。」

「了解だぜ。」

「ゼファー、ガレット、オルフェ。あなた達の部隊も同行するわ。」

「了解。」
「任せろ。」
「シルバーナイツの力、見せてやる。」

「イザベル、リリス。諜報部隊はHARP内部の潜入調査を。」

「フッ、面白くなりそうね。」
「ゴースト・ウィスパー、影のごとく動くわ。」

「ロイドとフェルナンドは艦隊で支援。」

「アズール・テンペスト、待機する。」
「色彩エネルギーの調整は万全にする。」

「カシウス、ユージン、ニーナ、クロエは情報と兵器開発、外交を統括。」

「……総力戦というわけか。」

「ショウ少佐、HARPの防衛を頼むわよ。」

「ハッ、青空の彼方まで――俺の戦場だぜ!!」

──かくして、"暗黒のシド"との戦いが、幕を開ける――。

第18話「HARP防衛戦──暗黒の炎、迫る」


──HARP研究施設・最前線──

HARP防衛部隊とショウ少佐率いるアズール機動部隊は、暗黒のシドの襲撃を迎え撃っていた。

「来やがったな……!」

ショウ少佐は、ストームキャノンを構え、宙を舞う暗黒の炎を睨みつける。

「フハハ……貴様らに"色彩の真理"を理解する資格はない。」

暗黒のシドが冷徹に笑い、**黒炎の剣「エクリプス・デバウアー」**を振るう。黒い炎が地を焼き、HARPの最深部へと伸びる。

「色彩エネルギーを取り込み、私は完全なる存在となるのだ……!」

「させるかよ!」

ゼファー・ヴォルティス率いる機動空挺部隊「ストームワード」が、高速で突撃。オルフェ・レムナント率いる「シルバーナイツ」も、異能特化の戦闘でシドを追い詰める。

「"青空の彼方まで"ってのは、俺の戦場だぜ……!」

ショウ少佐は、高速機動で暗黒のシドに肉薄し、ブリッツブレードを振り下ろす!!

「グッ……!!」

黒炎と白銀の斬撃が激突し、戦場に轟音が響く。

「これで……終わりだ!」

ストームキャノンのフルチャージ砲撃がシドを貫いた瞬間――

暗黒のシドは崩れ落ちた。

🔷「だが、色彩エネルギー体のシドは不死身」
戦いが終わったかに見えた……。

だが、シドの身体は黒い霧となり、周囲に漂い始める。

「……ククク、貴様らには"色彩の真理"は見えていない。」

「なに……!?」

「私は色彩エネルギーそのもの……"黒の色彩"と一体化している限り、私は決して滅びぬ。」

黒炎が再び渦を巻く。

「消滅したと思ったか?フフ……貴様らの努力は、ただの足掻きに過ぎぬ。」

「チッ……不死身ってわけかよ。」

ショウ少佐は舌打ちしながら、構えを解かない。

「フフ……だが、この戦いは無駄ではないぞ。」

そこに現れたのは、HARPの主任研究員――セレスティア・アルバス。

彼女は静かに語る。

「……ショウ少佐。あなたに"ORDO"のことを伝える時が来たわ。」

第19話「ORDO──禁忌の真理」


──HARP・第七研究区画──

ショウ少佐とセレスティアは、HARPの最深部へと向かっていた。

「"ORDO"……?初耳だぜ。」

「当然よ。これは、連邦内でも極秘中の極秘情報……。」

セレスティアは、白銀の装置を起動し、機密データを映し出した。

そこに記されていたのは――

「ORDO(オルド)」──色彩エネルギーの起源に関わる最古の組織

「この世界の"色彩"は、ただのエネルギーではない。ある意思を持っているのよ。」

ショウ少佐の表情が険しくなる。

「……"色彩"に意思があるだと?」

「ええ……そして"ORDO"は、その意思を知るために、色彩エネルギーの研究を続けてきた組織。」

「"ORDO"の存在が示すのは……"黒の色彩"を超越する何か。」

「それが……"エクリプス・コア"。」

ショウ少佐は驚愕する。

「エクリプス・コア……!?」

「エクリプス・コアは、黒の色彩に対抗できる唯一の力。でも、未だにその正体は不明。」

「……"ORDO"は、エクリプス・コアの力を解明し、黒の色彩を抑えようとしているのね。」

ショウ少佐は、しばし沈黙し、拳を握る。

「つまり、"ORDO"を探れば、"暗黒のシド"を完全に消す方法が見つかる……ってワケか。」

「その通りよ。……でも、"ORDO"は簡単には姿を現さない。」

セレスティアの言葉に、ショウ少佐は静かに頷いた。

「……なら、探し出すまでだ。」

青い瞳が、強い決意を宿す。

「俺が"ORDO"も、"黒の色彩"も打ち砕く!」

第20話「ORDOの鍵──白耀の使徒」


──HARP・第七研究区画──

「……"ORDO"の存在は、今までの常識を根底から覆すわ。」

セレスティア・アルバスは、端末のホログラムを操作しながら、ショウ少佐に向き直る。

「奴らは色彩エネルギーにも、HARPの技術にも従わない。"強者が支配する世界"を目指している。」

「……随分と時代錯誤な連中だな。」

ショウ少佐は腕を組み、険しい表情を浮かべた。

「だが、今まで姿を現さなかった連中が、なぜ今になって動き出した?」

「エクリプス・コアよ。」

セレスティアが映し出したデータには、未知のエネルギー反応が記録されていた。

「これは……!」

「エクリプス・コア……色彩エネルギーや真銀を無力化する、究極のエネルギー。」

「もしORDOがこれを完成させたら、黒城もHARPもただの無力な組織になる。」

「つまり、今のままじゃ俺たちは奴らに勝てねぇってことか。」

「ええ……。でも、エクリプス・コアの完成はまだ途中。まだ間に合うわ。」

セレスティアの声に、ショウ少佐はニヤリと笑った。

「なら、叩き潰すなら今ってワケだな。」

「でも、ORDOは簡単には見つけられないわ。彼らはすでに影で動いている。」

セレスティアは端末を操作し、新たなデータを表示させる。

そこには、ORDOの主要メンバーの情報が映し出されていた。

🔷 ORDの支配者──「レイブリック」
「ORDOの総帥、レイブリック……"エクリプス・エネルギー"の力で世界を支配しようとしている男。」

「"青と黒の配色、ドラゴンのような翼と槍"……ずいぶん派手な野郎だな。」

ショウ少佐は苦笑しながら、映像を眺める。

「狡猾な策略家よ。黒城やあなたですら手駒にできるほどのカリスマと知略を持つ。」

「そいつがORDOのトップ……か。」

⚔ 最強の剣士──「ヴォルフガング・カイザー」
「こいつはORDOのNo.2、軍事指導者ヴォルフガング・カイザー。」

「"力無き者は生きる価値なし"……か。」

「かつて黒城に仕えていたけど、彼の"弱者救済"の考えに失望して離反したわ。」

「黒城の元部下ってのが厄介だな。」

ショウ少佐は不機嫌そうに呟く。

🔬 科学部門の天才──「E・S・ノヴァ」
「ORDOの技術部門を統括する天才科学者。"HARPも黒城も臆病者の集まり"だと考えてるわ。」

「エクリプス・コアを作ったのはこいつか?」

「そうよ。ノヴァは"エクリプス・コア"を開発し、完成すれば色彩エネルギーも真銀も無力化できると信じている。」

「HARPをバカにするだけならともかく、エクリプス・コアを完成させたら厄介だな。」

👤 青空の影を狙う暗殺者──「ドゥーガル」
「最後に……暗殺者ドゥーガル。ORDOの影の支配者。」

「"青空のショウを墜とすのは俺だ"……?」

「あなたと過去に戦ったことがあるらしいわね。」

ショウ少佐は記憶を辿るように目を細める。

「……なるほどな。どこかで見た名前だと思ったぜ。」

「ヤツは、ORDOの暗殺部隊"ヴァイスクロイツ"を率いて、要人暗殺や戦争工作を担当している。」

「そいつが俺を狙ってくるってわけか。」

ショウ少佐は腕を組み、静かに息を吐いた。

🔷 ORDOの目的──黒城の計画を阻止し、HARPを破壊する

「ORDOは黒城の色彩支配計画を阻止しようとしている。」

「黒城が色彩で世界を作り直そうとすること自体、ヤツらにとっては"甘い"考えなんだろうな。」

「HARPの科学技術による人類管理も否定している。制御ではなく、強者による支配こそが真の秩序だと考えているのよ。」

「……で、最終的な狙いは?」

「"エクリプス・コア"の完成。そして、それを使った世界の覇権確立。」

セレスティアが静かに答えた。

「もしエクリプス・コアが完成したら、色彩エネルギーも真銀も無力化される……。」

「つまり、俺たちは戦えなくなるってことか。」

「ええ。でも、まだエクリプス・コアは未完成。今のうちにORDOを止めなければならない。」

ショウ少佐は小さく笑い、帽子を被り直した。

「そいつは面白ぇ。ORDOってのがどんな連中か、直接会いに行くのも悪くねぇな。」

「……何をするつもり?」

「決まってるだろ。」

青い瞳が鋭く輝く。

「俺がORDOの心臓をぶち抜いて、"強者の支配"なんざぶっ壊す!」
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最終更新:2025年02月28日 20:31