探し人
ブロンドの短い髪。化粧っ気のない顔。男っぽく引き締まった表情。警察官シビル・ベネットは行ってしまった2人の来訪者に溜め息をつく
「何故こんなことに・・・・」
二度と近寄らないと決めたのに・・・・またあの町に戻る羽目になってしまった。
誰か居たら愚痴の1つでも聞いてもらいたいくらい、
あぁもちろんあの二人以外に―――ー
あの悪魔を倒してから早数年
私は今もブラマで警察官を続けている。
近年は特に異常も無く、いつも通りの忙しい毎日を送っていたんだけど。
今日は違った。
前に経験した隣町の怪異のようにブラマには深い霧が立ち込めていた。
幸いにも、イヌやトリの化け物はいないし、人も消えてない。
でも何か違和感がある。
胸騒ぎがする。
それにまさかとは思ったが案の定あの街の警察署からは応答が無い。
霧に包まれた街――――サイレントヒル
きっと、いや確実にあの街が関わっているに違いない。
またいつかのように
哀れな観光客や町の市民達が何も知らずにあの街に入らないよう、
街の境目にバリケードを作りに行くことにした
今でもここまでは正しかったと思う。
だってそうでしょ?
困っている市民を守るのが警察官の役目だもの。
問題だったのは一通の手紙を持った少女と
サイレントヒルから来たにも関わらず
サイレントヒルに行こうとする奇妙な男を
止められなかったこと・・・・
「すいません、サイレントヒルはどこですか?」
たどたどしい英語で長谷川ユカリはバリケードを作っている婦人警官に訊ねる
彼女の友人、ミカやチサトがいなくなってから一年の時が流れ、
何故だかはわからないけど消えてしまったはずのチサトから手紙が来た。
あの日ミカがいつものように持ち込んできた噂話、
サイレントヒルで待っているという内容だった
お金を貯めて、場所を調べて、
ここまでどれだけの労力を費やしたか・・・・
ブラマの隣町だっていうから多分ここだろうけど、
もしいなかったら戻ってきた時叱りつけてやる。
「サイレントヒルはこの先だけど・・・・・危険な街よ、
通行を許可する事はできないわね」
そういわれてもここまで来たら引き下がるわけには行かない。
共に何度も危機を乗り越えた仲間だから。
.・・・・・その危機は大半の場合ミカが持ってくるのだが。
「友達が待っているかもしれないんです、なんとかなりませんか?」
手紙を見せてみる。
警官にはやはり通用しなかった。
「ダメなものはダメよ、早く家に帰りなさい。大丈夫、霧が晴れたら捜索してあげるから――――」
ガシャン!!
バリケードの崩れる音と共に一台の車が現れた
ヨレヨレのYシャツに、ボサボサの髪。
タバコをふかしながらゆっくりと揺れるように車から出てきた東洋人の男は
大層疲れた表情で、やはりあの街の名前を口にした。
「バリケードを壊してしまってすまない。
ちょっと訊ねたいんだが、サイレントヒルって噂話を知ってるか?」
またサイレントヒル・・・・
警官は困惑と呆れの混ざった表情で突然の乱入者・・・・あるいは不審者に問い返す。
「ふざけた男ね、この道路を使用したらサイレントヒルを通るはずでしょ?」
「なんだと・・・・?」
男は一瞬目を見開き考え込み始めた。
元々疲れきった顔は更に険しくなり、おかしな物でも見るように警官を見ている
その様子はまるでパラレルワールドに迷い込んだ人のようであった。
「おじさん、サイレントヒルに行きたいの?」
こっそりと警官の横を通り抜け男に話かける。
警官はしまったという顔をしているがそんなの関係ない。
「・・・・・サイレントヒルに行く方法、もしかしたら判るかもしれない」
「・・・・本当か?」
「前に一度似たような場所に行ったこと、あるから・・・・だから私も連れてってください!」
あるべき場所に街が無いなら、きっと街の裏側に行く方法で行けるはず
得体の知れない男だが二人を連れ戻すためなら付いていくしかない。
「無謀だわ、待ちなさい!」
「大切な人を探さなくちゃいけないんです!おじさん!早く!」
車のドアが閉まり、警官は霧の中に置き去りにされた。
しばらくして男が口を開いた。
「・・・・・アンタも誰かを探しに来たんだな、俺も似たようなもんだ・・・・」
どうやらおじさんも大切な人をあの街に奪われてしまったらしい。
「で、サイレントヒルに行くにはどうすればいい?」
「サイレントヒルがあるはずの場所を往復すればいいんです、多分3回くらい・・・・」
私が答えるとちょっと嬉しそうな声でおじさんは言った。
「なるほど、一部地域で流行していた『トイレの花子さん』の派生系、
『犬と少女』や『公園の神隠し』、『合わせ鏡の悪魔』等
ループに関わる都市伝説は数多く存在する。
また連続して何かを繰り返すという行為は
輪廻転生に深い関わりがあるとする説もある。
特に『公園の神隠し』は今回のケースのように
別の世界へ紛れ込む話だったな。
そして、それらの都市伝説における別の世界とはなんなのか、
未だに解明されてはいない。
異界説、平行世界説、タイムトラベル説、誘拐説等々多くの説が存在するが
サイレントヒルへ連れていかれるというのも面白い解釈だ、
試してみる価値はあるな。そういえば
似た場所に行ったことがあると言ったな。
俺の名は霧崎水明。
もしよかったら聞かせてくれ。アンタが体験した都市伝説を」
バックミラーに写る彼の瞳は
さっきまでと違って心なしかキラキラと輝いている
何だかミカに似た何かを感じざるを得ないこの男に
ついていった事は、はたして正解だっただろうか?
私は今更ながら自分の愚行を後悔し始めた。
(・・・・ヤバい臭いがプンプンする
大丈夫なの?このおっさん・・・・)
【E-1付近郊外】
【長谷川ユカリ@トワイライトシンドローム】
[状態]健康?
[装備]無し
[道具]ショルダーバッグ(パスポート、チサトからの手紙?、
オカルト雑誌@トワイライトシンドローム、食料等、他不明)
[思考・状況]
基本行動方針:チサトとミカを連れて雛城へ帰る
1:サイレントヒルに着くまでおっさんと話をする
2:着いたらすぐにでもミカとチサトを探し出す
※チサトからの手紙は本物かどうかわかりません
【霧崎水明@流行り神】
[状態]精神疲労(中)、睡眠不足
[装備]無し
[道具]謎の土偶、紙に書かれたメトラトンの印章、
自動車修理の工具、食料等、他不明
[思考・状況]
基本行動方針:純也と人見を探し出し
サイレントヒルを解明する
1:この小娘はただ者じゃない気がする・・・・話を聞いてみたい
2:そもそもサイレントヒルは実在するのか?
3:もし実在して、そこに人見や純也がいるなら共に
『都市伝説:サイレントヒル』を解明する
※ユカリやシビルが異世界の人間なのではないかと感ずきました
※異世界に『サイレントヒルがあるはずの場所』を通り過ぎた際
『サイレントヒルは都市伝説としてしか存在しない世界』から
『サイレントヒルが実在する世界』へ飛ばされました。
※何故サイレントヒルに入れなかったのかはわかりません。
※あと2回同じ事を繰り返すつもりなので
サイレントヒルに着く頃には夜になっている可能性があります
【謎の土偶@SIREN?】
霧崎水明のコレクションのひとつ、
盾を持った土偶、
宇理炎によく似ているが
魔力があるかどうかはわからない。
【メトラトンの印章@サイレントヒルシリーズ】
サイレントヒルにおける退魔の印とされているが
これだけではなんの効力もないらしい
サマエルの印章と呼ばれる印でこれを形作ると
邪神の呪縛を滅ぼす事ができるらしい
まったく・・・・どうして、こう
あの街には行方不明者とそれを探しに行く人が多いのかしら・・・・
シビルは肩をすくめて思った。
悪夢の街に挑む彼女のバッグの中には
サイレントヒルから帰った後
こんなこともあろうかと揃えておいた
これまた悪夢の様な武器が、まだかまだかと出番を待っている。
【シビル・ベネット@サイレントヒル】
[状態]健康
[装備]10連装変則式マグナム@サイレントヒル210/10
[道具]バイク、旅行者用バック(武器、食料など他不明)、警察手帳、
サイレントヒルの観光パンフレット(地図付き)
[思考・状況]
基本行動方針:サイレントヒルにいる要救助者及び行方不明者の捜索
1:さて、まずはあの二人ね
2:前回の原因である病院に行ってみる
※サイレントヒル本編で病院のある場所には
現在研究所があります
【十連装変則式マグナム@サイレントヒル2】
マリア編の主人公マリアが使っていた銃
弾丸が10発入る事以外は普通のマグナム銃と変わらない
【サイレントヒルの観光パンフレット@サイレントヒルシリーズ】
地図等が載っているが、サイレントヒル原作出展の地図であるため、
ロワ内の地図とはまるで別のもの。
なお以下の紹介文がついている
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湖をのぞむ静かなリゾートタウン、サイレントヒル。
皆様のこの町への来訪を歓迎します。騒がしく忙しい日々は忘れて、
ゆっくりと休暇をお楽しみください。
落ち着きある素朴な町並み。
自然あふれる山々の景観。
そして早朝、昼間、夕暮れと時間の変化と共に、
幾つもの美しさを見せる湖。
サイレントヒルは、きっと皆様に深い感動と、安らぎを与えることでしょう。
この町での滞在が楽しく充実したものになることを、最高に思い出深いものになることを願っております。
編集者:ロジャー・ウィドマーク
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