暗中模索/臨戦態勢/カンニング



いつの頃からだったろう、僕達兄妹に不思議な物が見えるようになったのは・・・・


僕、雛咲真冬は数日前氷室邸で消息を絶った高峰先生を追うために家を出た。

妹の深紅は「何か嫌な予感がする」
と僕を引き留めたが、それは僕だって同じだ。

だがこのまま高峰先生達を放って置く事は出来ない、
自分意外に心を開けないでいる妹も心配だったが、
それでも僕は電車に乗り込む事を選んだ。
綺麗なネオンを眺めながら都会の景色もこれで暫くは見納めか、
気休めにそんな事を思いながら。








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いつの間にか眠っていたらしい。
乗り過ごしていないか確認しなければ!慌てて車内を見渡す。

しかし、今乗っているのは眠りに落ちる前の
綺麗な車内ではなかった。
そこかしこにビンや新聞紙が落ちている、
それに遠くから空襲警報のような音が聞こえる。
一体何が?
放置された雑誌に目を遣ると英語でこう書かれていた。


自殺や事故死によって死んだ霊魂は、自分の死を認識できず、
その場にとどまり自縛霊になる事がある。
自縛霊は人としての意識や記憶を失い何度も何度も---

そこまで読んで本を閉じた。
こういうゴシップ記事は霊を引き寄せる。
ただでさえ得体の知れない場所で
軽はずみに読むものではない。
経験上それは確かだ。

ただ何か違和感がある、別に英語が読めない訳じゃないが、
この感覚は読めるのとは違う気がする。

確かめるため手を退け、雑誌の表紙を見る。
口から血を流したウサギのイラストにもそうだが
何より特集内容に戦慄した。







サイレントヒル特集!!
1、サイレントヒルでは殺人が大流行!
皆殺して最後の一人になりましょう! 最後の一人にはご褒美が・・・・

2、観光のポイントはなんといってもサイレン!聞き逃さないこと!

3、子供達は鬼ごっこが大好き!
鬼の種類をご紹介!一緒に遊びましょう?





殺人が大流行?サイレントヒル?
この電車は何線で、何処に向かっているのか。

何一つ解らない・・・・
少なくとも駅に着くまでに
電車内の事だけでも解っておくべきかもしれない。

タイトルを見ただけでは内容の掴めない
『鬼特集』という記事を読みながら隣の車両に移る。

その車両は真っ暗闇だった、電灯の消えた車内は
明かりのある車内とのコントラストで、そこだけが別の空間に見える。

その漆黒の中に足を一歩踏み出すと
向こうから奇怪な呻き声と湿った足音が聞こえた。


母の形見である射影機を使い迎え撃とうと構えるが、
トンネルの明かりでそれが一瞬見え、無駄だとわかった。


霊の憑依した人形等ならともかく、実体のある相手に射影機は効かない。
後退りながら足元に落ちていた鈍器のような吊り革を持ち、
冷静に考えを巡らせる。


一瞬見えたあの影は
今見ているページに描いてある
(一見落書きのようにも見える)
挿し絵と同じように見えた。

本によるとアレの名前は



「バブルヘッドナースというのか・・・・・」



【?ー?電車内/夜】
【雛咲真冬@零~zero~】
[状態]未知の世界への戸惑い、驚き、冷や汗
[装備]長い吊り革@サイレントヒル3
[道具]メモ帳、射影機@零~zero~、
    クリーチャー詳細付き雑誌@オリジナル
    ショルダーバッグ(中身不明)

[思考・状況]
基本行動方針:高峰先生を助けに氷室邸に行く
1:目の前の敵をなんとかする。
2:駅に降りて雑誌を熟読する。
3:氷室邸に行く。

※何処の駅に向かっているのかはわかりません
※バブルヘッドナースは拳銃を持っています


【クリーチャー詳細付き雑誌@オリジナル】

クリーチャーの容姿(サイレントヒル1or3のアレッサ作程度の画力)、
攻撃方法、
そして超大まかな撃退方法(ヒント程度)が書いてある
ようは対クリーチャー用攻略本である

他の2つ(サイレン、ルール説明)に関しては
ほとんど書いてません。

元はサイレントヒル3の駅の階段に落ちてた雑誌です

【長い吊り革@サイレントヒル3】
サイレントヒル3電車の中によく落ちている
実際には拾うことが出来ない武器(として使えそうな物体)。
見た目は鉄パイプより長く、重量感もあるため
使いたいと思った人は多いはず。


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最終更新:2012年06月21日 21:08