咆哮




視界が混濁し意識が朦朧とする・・・・ここはどこだろう?

「あれ」で終わったんじゃないのか?

じゃあなぜこんなにくるしいんだ?


何故だろう・・・何故だろう・・・ナゼダロウ・・・そうか


(マダオワッテイナイ)カラダ・・・ジャアオワラソウ・・・スベテヲ・・・


自衛官、永井頼人だった[それ]はこの呪われた街の一角で目が覚めた、それの容姿はもはや
人間では無かった。体中が血だらけで眼から真っ赤な血を流しながら…しかしそれは他の屍人とは
何かが違う、そうその眼の色が、まるで今いるこの場所が全て敵と言いたげなほどの憤怒の形相
彼は・・・全てを殺すことによって全てを終わらせることにした。

そしてまず準備を始めた、迷彩服のポーチから迷彩用のドーランの黒い墨を顔に塗る
次にしっかりとした手つきで持っていた装備を整備する・・・そして

『うおおおおおおおおおおおおオオォ』

そしてこの場所、雛城高校のグラウンドで雄たけびを上げる、闘いの始まりを告げるかのように



ぼやけていた視界をチェックしながら要領よく校内を跋扈する
異形の化け物たちをかわしながら道具を探索していた奈保子はこの声をまともに
聞いた。

「何なのよ・・・こいつ」

視界ジャックで手に入ったぼやけた視覚を見ながら
奈保子はとてつもない光景を目の当たりにしていた。



化け物が化け物を殺しまくっている


あの黒人の死亡を確認しようと視界ジャックを再び使用していた
所、突然校庭のほうから大音量の怒声が聞こえたのだった。
そしてその元凶を確認した奈保子は余計に焦り出した。銃声が響き渡り
あの黒い化け物も蜂の巣にされて次々と倒されていく。

当然倒した相手も人間じゃないに決まっている。今の武器だけでは到底太刀打ち
できるわけが無い、第一他の生存者を殺すことを優先目的にしている奈保子にとっては
化け物の相手など一番避けるべき事なのだから、そんな事を考えてるうちに[そいつ]は
校舎内に入ってきた。
しかも奈保子がいる廊下に程近い場所

見ていた[そいつ]の視界はまるで憤怒しているかのように真っ赤に染まっている。

そしてまるで軍人のような慎重な動き

奈保子は視界ジャックを中断して身近な教室の影に身を潜めた
このままやり過ごせることを微塵も疑わずに・・・



すべて無くせば・・・それでこの悪夢も終わる・・・
だから殺し尽くすコロシツクスころしつくす。

そんな思考しか今では思い浮かばなくなってしまった陸士長は腰だめ
に構えた分隊支援火器・・・MINIMILMG(軽機関銃)を用心深くかつ大胆に向けながら
この校舎内を探索していく。

背中には一昔前の猟師のように自動小銃を二丁タスキ掛けで背負いそれに
加えて大量の弾薬類をいれた迷彩色のザックを背負っている。
その時、突然横の通路からなにかが陸士長の前に飛び出してきた・・・こいつらは[あの島]
で見た・・・闇人

その闇人は片手に大振りの鉈のような物を持っていてそれで切り付けてきた。
陸士長はそれをMINIMIで受けとめそのままてこの原理で闇人を押し倒した。そして容赦無く・・・

ダララララララララ・・・

派手に撃ち込んだ、そこらに黒っぽい血が飛び散り飛散する。
その銃撃の際ある不幸が起きた、陸士長が掃射したMINIMIの弾丸が教室の
内に何発か飛び込み隠れていた奈保子の頭を貫いた。

そんな事には気も留めず陸士長は校舎の外の方へ歩いていってしまった。
新しい目標を求めて・・・










【A-3/雛城高校/一日目夜】

【クリーチャー】
【屍人(永井頼人)】
[状態]
[装備]迷彩服2型、MINIMI軽機関銃(150/200)、ライト
[道具]89式小銃(30/30)、89式小銃(30/30)、MINIMI箱型弾帯(200×4)、89式小銃用弾倉×12
   TNT高性能炸薬×4本、9mm機関拳銃(25/25)06式小銃用てき弾×5、89式小銃用銃剣×2
   9mm機関拳銃用弾倉×6、TNT用着火信管
[思考・状況]
基本行動指針:眼に入るもの全てを殲滅
1:この建物から出て新たな目標(呼ばれし者及びクリーチャー)を探し殲滅する。

【備考】屍人(永井頼人)の攻撃対象は無差別です



「・・・・・・・・・・・」

視界ジャックを使ってあの化け物がこの校舎から出て行くのを確認している人物・・・

………頭が痛い・・・どうやら・・生きてるみたいね・・・あの化け物・・・

校舎のある一室で頭に包帯を巻き忌々しげにそう呟きながら

頭を撃ち抜かれ死んだはずの女性・・・美浜奈保子は化粧をしていた。

血で染まった顔、それでもやはり自分は美しい・・・そんな考えに酔いしれながら

鏡に写っている自分の顔・・・血だらけでとても正視できるような状態じゃない

顔を眺めている。

一通り(化粧)が終わったあと

そしてこれからどうしようか・・・そんな事を考えながらあの忌々しい
化け物への復讐と残る生存者たちを殺すことを夢見ながら外へ飛び出した・・・
考えることは一つ


早く願いを叶える事・・・ただそれだけ


【A-3/雛城高校/一日目夜】

【美浜奈保子@SIREN】
[状態]:心身共に強い疲労、頭に重症(簡易治療済み)、軽い興奮状態
[装備]:26年式拳銃(装弾数6/6 予備弾4発) 懐中電灯
[道具]:志村晃の狩猟免許証 羽生田トライアングル 救急救命袋、応急手当セット(ガーゼ、包帯
、消毒薬、常備薬など)
[思考・状況]
基本行動指針:どんな手段を使っても、最後の一人となり褒美を手に入れる
1:他に生存者が居そうな場所を探し出して殺害する。(なるべく弱者を)


※屍人化の進行が進んでいます、死亡すると屍人化します、また時間経過で屍人に近くなっていきます




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最終更新:2012年06月22日 23:26