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切り札達の憂鬱 第3話 前編
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ストーリー
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ぜぇ……ぜぇ…… |
| スペル・デル・フィン | |
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大変そうですわねぇ スペル・デル・フィン |
| ネロ・グリフィス | |
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そんなにお堅くて 疲れませんこと？ |
| ネロ・グリフィス | |
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あなた方が身勝手な行動を しなければこんな苦労は 不要なんですがね！ |
| スペル・デル・フィン | |
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そこに俺を含んでくれるなよ |
| ゼロ・フェニックス | |
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【プレイヤー】！ 貴方も悪ノリしすぎです！ |
| スペル・デル・フィン | |
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そう責めてやるな |
| バルガライゾウ | |
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ここは人のための世界なのだろう ならば楽しみたくなるのも 当然といえる |
| バルガライゾウ | |
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何せ、姿は違えど我々のような クリーチャ―と戯れることが できるのはまたとない機会 |
| バルガライゾウ | |
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武人として、じっとしては おられぬのだろう 【プレイヤー】 |
| バルガライゾウ | |
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ま、まぁ、そういうことであれば 仕方ないのかもしれないが…… それとこれとは…… |
| スペル・デル・フィン | |
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あら、キリコ 戻りましたのね |
| ネロ・グリフィス | |
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また闘った？ 危険があると伝えたはず |
| キリコ | |
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すまない 我も止めたのですが…… |
| スペル・デル・フィン | |
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謝ることはないわ 闘えないようプログラム していないキリコの落ち度 |
| ネロ・グリフィス | |
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それとも、何か意図があって 闘えるようにしているのかしら |
| ネロ・グリフィス | |
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それもキリコ達が 意図しない状況の一つ |
| キリコ | |
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本来あった多くの 制限プログラムが めちゃくちゃになっている |
| キリコ | |
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修復したり、新たに制限を 課そうとしても 貴方達には通用しない |
| キリコ | |
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恐らくクリーチャ―の力のせい マスターもキリコも この状況は予想していない |
| キリコ | |
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……早く何とかしてくれ こっちもつきまとわれて 迷惑している |
| ゼロ・フェニックス | |
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かのエンペラー・キリコも 案外ポンコツですのね |
| ネロ・グリフィス | |
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ルカ様と私であれば、 このような状況の一つや二つ 一瞬で解決致しますのに |
| ネロ・グリフィス | |
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であれば、今すぐに 解決してもらえると 助かるんだがな…… |
| スペル・デル・フィン | |
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嫌ですわよ 私はルカ様のためにしか 動きませんので |
| ネロ・グリフィス | |
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何だ、随分と自分の主に 入れ込んでいるのだな |
| バルガライゾウ | |
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闇の守護者は お前の友ですらないのでは なかったのか？ |
| バルガライゾウ | |
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確か……闇の守護者の 祖父が見つけたカード その程度の関係性なのだろう |
| バルガライゾウ | |
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違いますわ 私がルカ様を選んだのです |
| ネロ・グリフィス | |
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人間の世になってから 人間の運命を魔法で手繰り ルカ様にたどり着いた |
| ネロ・グリフィス | |
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あなた方には今のルカ様しか 見えていないのでしょうが…… |
| ネロ・グリフィス | |
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私は魔法で、我が君の 全てを視ているの ルカ様の生まれる遥か以前から |
| ネロ・グリフィス | |
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か細く、吹けば飛びそうな自身を 必死に押さえつけ、どのような 闇の中でも決して諦めない |
| ネロ・グリフィス | |
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絶対に届かない星に 届かないと分かりながらも 手を伸ばし続けたか弱い人間 |
| ネロ・グリフィス | |
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人間だからこそ放つあの輝き 誰よりも高潔で誰よりも 崇高な輝きを持つ我が主…… |
| ネロ・グリフィス | |
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その輝きを守るためならば 自分の命すらいとわない 尊いお方 |
| ネロ・グリフィス | |
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私だけの、私のための 私の主ですわ これまでも、これからも |
| ネロ・グリフィス | |
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私を使ってよいのは 我が君だけ |
| ネロ・グリフィス | |
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偶然主と出会ったあなた方と 一緒にしないで下さいまし |
| ネロ・グリフィス | |
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偶然を馬鹿にしてはいかん 偶然とはすなわち天命だ |
| バルガライゾウ | |
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我々はなるべくして 守護者らの手に渡ったのだ そこに上も下もなかろう |
| バルガライゾウ | |
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皆、自らの主に 何かしらの思い入れもある ことからも明らかだ |
| バルガライゾウ | |
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私達は手に渡った相手を 何の理由もなく慕っている わけでもあるまい |
| バルガライゾウ | |
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中途半端な相手であれば 逆に従えるくらいの気位の 者達ばかりだろう |
| バルガライゾウ | |
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慕ってなどいないが…… 一目置いているのは確かだ |
| ゼロ・フェニックス | |
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しかし、俺達がここに 一堂に会したのも意味がある とでも言いたげだな |
| ゼロ・フェニックス | |
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……偶然といえば 何の因果かそれぞれの主が 皆、注目している者がいますね |
| スペル・デル・フィン | |
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さらに偶然ながら、我々も 皆【プレイヤー】に 興味がある |
| バルガライゾウ | |
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これでじっとしていろ と言う方が無理があるだろう |
| バルガライゾウ | |
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………… |
| ゼロ・フェニックス | |
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確かに、より興味が 沸いてきましたわ |
| ネロ・グリフィス | |
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ただの人間が なぜ我らの主を惹きつけて やまないのか |
| ネロ・グリフィス | |
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価値がある人間ならば 【プレイヤー】を インテリアにしてしまうのも…… |
| ネロ・グリフィス | |
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待て待て、それは困る 【プレイヤー】と まだまだ闘い足りないのだ |
| バルガライゾウ | |
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私はチュリンの友だが 友というものを知らない |
| バルガライゾウ | |
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同じチュリンの友である 【プレイヤー】を 通じて、友を知りたいのだ |
| バルガライゾウ | |
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そして、知るためには…… やはり闘いだな |
| バルガライゾウ | |
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…………んん？ |
| スペル・デル・フィン | |
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待て、お前達は十分 【プレイヤー】と 闘っただろう |
| ゼロ・フェニックス | |
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俺も、なぜグレンが コイツに入れ込むのかを知りたい |
| ゼロ・フェニックス | |
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次は俺が 【プレイヤー】と 闘う番だ |
| ゼロ・フェニックス | |
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あら、それで言うと 私も闘っていませんわよ？ |
| ネロ・グリフィス | |
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ちょ、ちょっと！ この流れはさっきの奴では！？ |
| スペル・デル・フィン | |
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待って 流石にこれ以上の戦闘行為は 推奨できない |
| キリコ | |
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いいや、待てない 俺達は所詮このシミュレーターの 不調により生まれたものだ |
| ゼロ・フェニックス | |
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ここまで都合のいい機会が また俺達に訪れる保証はない |
| ゼロ・フェニックス | |
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では、あまり 遠慮もしていられませんわね |
| ネロ・グリフィス | |
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誰が【プレイヤー】を 独占するか、という勝負だな |
| バルガライゾウ | |
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……スペル・デル・フィン もう一度戦闘を止める 手伝って |
| キリコ | |
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本当にもう…… この方達は自分勝手に！ ……やるぞ、キリコ！ |
| スペル・デル・フィン |
