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生まれ落ちた王権 第2話 後編
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dmps_fun
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ストーリー
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何だ、この光は!? |
影の者 | |
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何も見えん! これはどういう状況だ!? |
影の者 | |
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適合値 臨界点を突破しています! 制御限界値をはるかに……! |
研究者 | |
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何をやっている! 肉体が崩壊するぞ! |
影の者 | |
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拘束術式をもっと重ねろ! 何としてもこの体に留めるのだ! |
影の者 | |
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どうだ!? どうなった!? |
影の者 | |
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数値……全て正常範囲です |
研究者 | |
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被検体の生存は確認 適合には成功…… しているはずですが |
研究者 | |
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………… |
9号(ノイン) | |
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……変化がないではないか! |
影の者 | |
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今回も失敗ですか…… 惜しいところまでいけたのですが |
研究者 | |
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……いや、適合しているはずだ |
影の者 | |
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魔凰は間違いなく あの者の中で眠っておる でなければ生きてはいない |
影の者 | |
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ですが、その割には 数値が普通過ぎます |
研究者 | |
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既に無月の門と繋がっている のならば、より過酷な状況に 身を置かせればよい |
影の者 | |
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これまでで最も成功に近い個体だ コイツの目が覚めたら 訓練を再開しろ |
影の者 | |
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そうすればコイツは命を代価に 魔凰の力を使うはずだ |
影の者 | |
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その時、コイツは魔導具を操る 選ばれし者となる |
影の者 | |
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そうすれば……ハハハ! 魔凰の力を意のままに操る 傀儡の完成だ! |
影の者 | |
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そのために育てたのだ ああ、選ばれし者の 覚醒が待ち遠しい! |
影の者 | |
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コイツは 私が闇の王になるための王権 |
影の者 | |
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我が手で完全なる 闇の王国を築く! その日は目前だぞ! |
影の者 | |
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………… |
9号(ノイン) | |
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小娘、起きろ 奴らはもう行ったぞ |
??? | |
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誰か……いるの? |
9号(ノイン) | |
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この声……聞いたことのない声だ 一体誰? |
9号(ノイン) | |
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この私に何の用なの? ……放っておいてよ |
9号(ノイン) | |
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これで我が姿が見えるだろう 小娘よ、偉大なる魔凰を 畏れ敬うがよい! |
??? | |
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何、この……鳥? |
9号(ノイン) | |
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鳥だと!? 無礼な! 我が名はデ…… |
??? | |
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……いや 好きに呼ぶがよい |
??? | |
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わかったよ、鳥さん |
9号(ノイン) | |
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鳥はやめろ |
鳥さん | |
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じゃあ、デっちゃん |
9号(ノイン) | |
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なっ…… 貴様、少しは敬意を! |
デっちゃん | |
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それで、デっちゃん 何の用なの? |
9号(ノイン) | |
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……体の調子はどうだ? もう痛みはないだろう |
デっちゃん | |
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私が救ってやったのだ 感謝するがよい |
デっちゃん | |
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そんな事頼んでない |
9号(ノイン) | |
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……なんだ、嬉しくないのか? 定命の者にとって 苦痛は忌むべき物ではないのか |
デっちゃん | |
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あのまま放っておいて くれれば終わりにできたのに 何でこんなことをしたの? |
9号(ノイン) | |
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不可解なことを言うな |
デっちゃん | |
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お前は英雄になるのだろう 影の者達を憎んでいる 見返したいのだろう |
デっちゃん | |
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……それはアハトの目的だ 私のじゃない 私は何もしたくない |
9号(ノイン) | |
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ああそうか 「未来はない」 「何をしても意味はない」とか 泣き言を言っていたのは貴様か |
デっちゃん | |
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フン、その挙句 影の者の傀儡を選ぶとは 愚かな小娘だ |
デっちゃん | |
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だったら何 嫌味を言いに来たの? |
9号(ノイン) | |
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私がお前に未来を与えてやる |
デっちゃん | |
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……え? |
9号(ノイン) | |
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お前がその命をいらぬと言うなら 私が使ってやると言っている |
デっちゃん | |
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なんだ、影の者達と 同じじゃない |
9号(ノイン) | |
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まったく違うな 私に協力すれば いいものが見れる |
デっちゃん | |
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闇がこの世界全てを 塗り替える様を、だ |
デっちゃん | |
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影の者達だけでも 闇文明だけでもない この世界全てを変えるほどの力! |
デっちゃん | |
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お前に見せてやろう この世界の本当のあるべき姿を |
デっちゃん | |
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……ふぅん |
9号(ノイン) | |
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あ、おい! 聞こえなかったのか!? 私が見せてやると―― |
デっちゃん | |
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静かにして ……今日はもう疲れた |
9号(ノイン) | |
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また明日ね…… |
9号(ノイン) | |
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……フン |
デっちゃん | |
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明日のことを考える程度には 気力が出てきたか 手間のかかる小娘だ |
デっちゃん | |
それからというもの デっちゃんは事あるごとに 昔話をするようになった | |
正直、話の大半は よくわからなかった | |
……なんでも 大昔に大戦があって | |
戦に呼び出されたデっちゃんは そこで封じられてしまったらしい | |
自分をこんな風にした奴と 闇文明を恨んでいるようで よく恨み言をつぶやいている | |
以前の世界と 今のこの世界の有様は 全然違うらしくて | |
空も大地も 今みたいな景色じゃ なかったらしい | |
私はそこにとても 興味を惹かれた | |
今の世界とは違う 影の者に染められていない世界 | |
一体、どんな世界が 広がっていたのか 見てみたくなって…… | |
初めて自分に やりたいことができた気がした | |
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デっちゃん 貴方は魔凰なんだっけ |
9号(ノイン) | |
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そうだ |
デっちゃん | |
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……魔凰は 「魔導具」っていうものを 集めれば復活できるんだっけ |
9号(ノイン) | |
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そのとおりだ |
デっちゃん | |
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今でこそ この姿に身をやつしているが |
デっちゃん | |
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我が本体は無月の門の 向こうで眠っている |
デっちゃん | |
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無月の門……我が本体を 呼び出す道を出現させるには 魔導具が必要なのだ |
デっちゃん | |
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魔導具って 影の者達が探し回ってる ものなんだよね |
9号(ノイン) | |
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選ばれた存在にしか 魔導具は操れぬからな |
デっちゃん | |
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大方、小娘に魔導具を集めさせ 小娘を経由してこの魔凰を 操ろうという魂胆だろう |
デっちゃん | |
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浅はかだ 浅慮極まりない |
デっちゃん | |
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奴ら如きの計略にはまり 利用されるくらいなら このままの方がマシだ |
デっちゃん | |
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……お前は逃げろ 影の者の元から離れるべきだ |
デっちゃん | |
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奴らが天上と呼ぶ場所に 逃げ込めば、奴らの 思い通りになることはない |
デっちゃん | |
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でも、デっちゃんは 本来の姿に戻りたいんでしょ? |
9号(ノイン) | |
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当然だ 体を取り戻した暁には 影の者など全て葬ってくれるわ |
デっちゃん | |
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じゃあ、私 魔導具を集めるよ |
9号(ノイン) | |
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……話を聞いていたのか? |
デっちゃん | |
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奴らはお前を介して 私を操るつもりでいる 奴らの思うつぼだぞ |
デっちゃん | |
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影の者のためじゃない 貴方のために魔導具を集めるよ |
9号(ノイン) | |
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私を使って操ろうとしている ってことは |
9号(ノイン) | |
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貴方を私から完全に解放すれば 本当の姿になって 自由になれるんでしょ? |
9号(ノイン) | |
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魔導具を集めて 本当の姿を取り戻したら 私から解き放ってあげる |
9号(ノイン) | |
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……お前、それが 何をもたらすのか 分かって言っているのか? |
デっちゃん | |
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お前には私の触媒である 無月の門の欠片を埋め込まれている それが意味するところは…… |
デっちゃん | |
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そんなことだろうと思ったよ あれ以来、身体の調子が 最悪だしさ |
9号(ノイン) | |
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……いいんだ、私は どうせやりたいこともないし |
9号(ノイン) | |
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せっかくなら、デっちゃんの言う この世界のあるべき姿が見てみたい |
9号(ノイン) | |
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私達の存在意義を影の者なんかに 決めさせてやるもんか |
9号(ノイン) | |
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私にはあまり時間も残されてない デっちゃんと繋がってるから わかるんだ |
9号(ノイン) | |
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一瞬でもいい それだけでも私は満足だよ |
9号(ノイン) | |
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………… |
デっちゃん | |
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いいだろう |
デっちゃん | |
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私が力を取り戻した暁には 影の者に報いを受けさせ お前に世界を見せると約束する |
デっちゃん | |
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わかった、約束だ これからは運命共同体 ってヤツだね |
9号(ノイン) | |
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こうなったからには 私の事は「ノイン」って呼んでよ |
ノイン | |
それからは多くの歳月を デっちゃんと共に過ごした | |
今までより仲間の数は減ったが 不思議と寂しさを 感じることはなかった | |
デっちゃんのお陰で 目的ができたからだ | |
影の者から与えられる訓練も 任務も、私の目的達成のための 鍛錬と割り切ることができた | |
私にあるのは、影の者に 塗りつぶされた私の世界を 打ち壊すための衝動 | |
私の世界を打ち壊した先に 一体何があるのか…… それが知りたかった | |
そうすればきっと 影の者に支配されていない 本当の世界が見えるはずだ | |
――そして私は、天上の魔法学校 ホウエイルへと 忍び込むことになる |