彼の描くのは「個人」とその歩んで行く「道」とである。
彼の努力の焦点は自己の永遠の生を築くことである。
それはただ愛によってのみなされる。
そうしてそこに人類の救済がある。
彼は悪を罵っているのみには堪えられない。
悪のゆえに人間を憐れみ、自ら苦しむ。
『転向』


カラマゾフ兄弟は我々の新しい聖書である。
そこには「人間」の心がすみからすみまで書き現わされている。
そして生の渦巻の内から一道の光明を我々に投げ掛ける。
『生きること作ること』

最終更新:2021年06月24日 20:26