Devastation Ark 第6回 2026/5/5
バントリッドたちに見送られ、ステラリスの乗り込んだプライモラータはヒッブからアブサロム・ステーションへ向かう。スチュアードのリン・カミュラン長官より、報告の要請があったためだ。プライモラータのシグナル・ケイオス・エンジンならば、瞬く間に到着できてしまう。アブサロム・ステーションに到着すると、早速長官から通信が入った。どうやら、すぐ会えるわけではないらしい。切迫した事態が起こったため、その対応をしているようなのだ。慌ただしいやり取りの後、何が起こっているのか早速確認してみると、所属不明の船がパクト・ワールド星系に侵入してきているというニュースが。その船の周辺では、救難信号を出した後にシグナルが消失した船も出ている。破壊されてしまったのだろうか。
情報が錯綜し、デマめいた噂話も飛び交っている。なんとなく嫌な予感に囚われるステラリスの面々。まさか、あの船が…? そこへ、今度はジェダラットで会ったアーバダー・コープのエイサイフィナ・ノットから通信が入った。彼女もまた報告のためにアブサロム・ステーションに来ているらしい。彼女の話では、ステラリスに会いたいとコンタクトを取ってきた人物がいるとのこと。エロリトゥの僧侶だというのだが、ステラリスには(エイサイフィナにも)面識はない。しかし、エロリトゥといえばシヴで発見したシンボルに含まれていた神格である。偶然とは思えないため、会ってみることにした一行はアーバダー・コープの拠点、ゴールデン・ヴォールトへと向かう。
ゴールデン・ヴォールトは神殿であり金融機関でもある。アーバダー・コープの影響力を感じながら中に入り、エイサイフィナ・ノットと再会すると、彼女からエロリトゥの僧カンブリーサを紹介される。カンブリーサはホバーチェアに乗ったヒューマンの女性であり、エロリトゥの啓示を受けてステラリスに手を貸すためにやってきたのだと言う。真面目そうでちょっと取っつきにくい印象だが、助力はありがたい限りだ。そうこうしているうちに評議会からの迎えが到着する。カンブリーサも同行するというので、一行は揃って向かう。
会場にはクマラ主任執政官を始め、様々な派閥や政府、勢力の高官が集まっていた。アルカナミリウムの代表として来ていたネヴァラリクの第三法則の傍らには、初見の人物が。シヴの宿敵であるキシャリー文明の専門家、ヴァーミリオン-04氏だ。同じ研究者同士ということもあってイズギルとは話が合うらしく、議会が始まるまでの間はお互いに情報交換をして有意義な時間だったようだ。
やがて議会が開会。まずはエイサイフィナ・ノットが主に業務の報告を行い、次の議題としてステラリスによるヒッブでの出来事が報告される。この深刻な事態を前に、各勢力の意志を統合してまとめ上げる必要があるのだ。ステラリスはバンドだが、高い影響力を持つ英雄でもある。これもまた、乗り越えるべき試練、社交的遭遇だ。弁舌巧みなイヴ船長を先頭に、相手の性格を見極めたアプローチを行っていく。調子のよい態度の裏に謀略家が潜んでいそうなゲヴァラリスクや、理性を重んじる現実主義者のロシファーラン。知的クリーチャーの生命を重んじ情に厚いクレンダリク…。限られた時間のなかでうまく立ち回ったステラリスの説得が奏功し、彼らを味方につけることができた。
「長官、現状報告を」ジア・コーに促され、リン・カミュラン長官が話し始める。所属不明の艦船(ステラリスは、それこそがシヴのアーク・プライムではないかと睨んでいる)はその進路をアブサロム・ステーションに向けており、いずれ到達してしまうだろう。そしてその航路上にはイダーリも存在するのだ。また、イオクスの艦隊はすでに交戦しているらしく、主力艦の一部が破壊されたとの報も入っている。
イダーリには敵を撃退できる力はないだろう。戦闘を避けるために、長年起動していないイダーリのメインエンジンを動かす話も出ているとか。当然、最終的にはアブサロム・ステーションが標的となるだろう。パクト・ワールド星系の重要拠点というだけではない。アブサロム・ステーションには、銀河系で最も強力なドリフトビーコン、スターストーンがあるのだ。失うわけにはいかない。ステラリスを中心に、保持している総戦力の確認と割り振り先を検討していく。
- イオクス艦隊の救出:パクト・ワールド星系でも最も高い戦力を持つ艦隊を失うわけにはいかない。
- イダーリの防衛:移動させるためにスラスターを噴射すると敵対行為と判断される可能性がある。また、長年使っていないスラスターがすぐに使えるのか? 護衛や囮が必要だろう。
- アブサロム・ステーションの防衛:ステーション単体で迎撃するのは難しい。周辺宙域に救援を呼ぶにしても、到着するには時間がかかる。
- 情報が広まるにつれ、アブサロム・ステーションでは市民のパニックや暴徒化、テロリストの活動活発化が予測される。
どれも無視できるものではないが、割ける戦力には限りがある。また実際に指揮権を持っているのは理事たちであり、彼らを説得して動かしてもらうことになる。これまでの経験と知識から、最適な案を提示していく。
イオクス艦隊の救出については、敵艦と戦い損害を受けている艦隊を救出するため、敵を欺く欺瞞作戦を実行する。艦隊指揮官の説得は、同じイオクス人のゲヴァラリグに依頼する。
続くイダーリの防衛だが、イダーリを脱出させる間、支援を行うアルマダ艦隊が敵艦を牽制しイダーリの脱出後に撤退。その後本隊に合流を試みる流れだ。イダーリへの働きかけは、ミスティックでありイダーリの代表を務めるミルガンに任せることになった。アブサロム・ステーションの治安維持については、イヴ船長がクマラ執政官の演説文を起草。これを発表することで市民のパニック抑制を図る。
艦隊戦力の配分と配置、作戦の伝達を行う実務会議は長くかかり、一行はかなり精神的に疲労する。結果がどう出るか…それはすぐにはわからない。ぐったりしている一行に対しヴェルセス代表のクレンダリクが声をかけてくる。今回の軍事顧問(アドバイザー)他としての報酬として「100万クレジットを支払う」というのだ。動きの止まるステラリス。膨大な人命が懸かっている事態でもあり、ステラリスの能力や評判を加味した結果なのかもしれないが、非常にインパクトのある数字に挙動不審になってしまうのも無理はない。無駄遣いを避けるため、レクナーに言わない方がいいのではと提案するイヴ船長。
その後、リン長官からは待機を指示される。ステラリスと彼らの船プライモラータは切り札になり得る戦力のため、アブサロム・ステーションの治安維持に携わりつつ緊急時に働けるよう備えておく必要があるのだ。カンブリーサもテレパシック・ボンドによる協力を行ってくれる。
その後2日間、ステラリスが出動するほどの事件もなく待機が続いた。3日目の朝、イヴ船長はある予兆を感じ取る。どうやらカンブリーサも同様らしい。すなわち「長い一日ななりそうだ」という予感である。そして、ニュース速報が。所属不明の艦船がアブサロム・ステーションのすぐ側に現れたのだ。一体何が起こったのか…? 既にSNSは憶測や噂で大荒れである。窓の外を見ると、奇妙なオーラをまとう船が。どこからやってきたのか…そして、あれがアーク・プライムなのか? 一隻だけ、と思いきや目を離した隙に小型艦が何隻も出現している。この状況に、SNSだけでなく街中にも混乱が広がっている様子だ。
謎の船からビームが放たれ、アブサロム・ステーションのシールドを直撃する! シールドが消え、ステーションの外壁にビームが当たった直後照明が消える。どうやらステーション全体が停電したようだ。それだけではない。重力制御やシールドも機能しなくなっている。非常電源がある場所以外は暗闇に包まれた街。どうするべきか…? しかし、様子を見ている余裕は与えられなかった。ステラリスのいる建物を凄まじい衝撃が襲ったのである。岩だろうか。巨大な質量を持つ硬い何かがぶつかったようだ。外を見ると、どうやら眼下に広がるジャテンベパークから飛んできたことがわかる。公園を逃げ惑う人々。そして土や植物を纏わりつかせた大きな金属製の何かが地中から姿を現し、暴れているからだ。
「伝説は本当だったのか」呟くイズギル。ジャテンベパークには霊的な存在、噂では強力な「カミ(チンジュガミ)」が宿っており、どうやら何らかの理由で怒って暴れだしてしまったようだ。アブサロム・ステーションの安寧が脅かされ、人々の心理状態が悪化したからだろうか。ともあれ放っておくわけにはいかない、あれほどの存在がオニと化せばもはや災害である。出発しようとするステラリスに、カンブリーサがルーンの刻まれた円錐形の石をいくつか渡してくる。彼女の話では、これを使うことで狂えるカミを戻せるかもしれない、という。
ジャテンベパークに到着すると、チンジュガミは見上げるような巨体だった。これだけ大きければ、高層ビルに岩を投げつけるのもたやすいだろう。その傍らには、桜の木に宿るカミ「トシガミ」が控えており、「怒り...不安...おお、大気に邪気が漂っておる...」と呟く。荒ぶるカミを抑えることはできるのか…?
Devastation Ark 第7回 2026/5/24
「この地に穢れを持ち込むことまかりならぬ!」立ちはだかるチンジュガミ。話を聞いてほしいところだが、まず大人しくなってもらうことが先決だ。
謎の攻撃による停電の影響以外にも、重力制御がおかしくなっているせいで移動もままならないが、イヴ船長は涼しい顔で移動している。パートラである彼女は不安定化の影響を受けないのだ。
カンブリーサから受け取ったルーンを持って移動するイズギル、スマイル、カラーナ。チンジュガミとトシガミを囲むような配置を狙う。攻撃をかいくぐりながら大回りで移動し、それぞれの位置でルーンをセット。ルーンは光を放ち始める。準備が整ったことを確認したイヴ船長は、巨大なチンジュガミを前にして口を開く。「偉大なる精霊よ、この地は悪しき者に脅かされているわけではありません…鎮まりたまえええぇ~」やたら胡散臭い濁声だ。これ、大丈夫なの…? 顔を見合わせる船長以外の三人。チンジュガミの動きが止まる。そして…。
「やめるのだヤチヨ!!!」異変を察知し、攻撃しようとするトシガミをチンジュガミが制止した。どうやら鎮静は成功したらしい。イワレワと名乗るチンジュガミは、その力でトシガミ(ヤチヨ)を正気に戻してくれた。現状を説明するステラリス。未曽有の災害で酸素の供給が滞っていることを知ったイワレワは、空調システムの安定化に助力してくれることになった。そのことをカンブリーサに報告すると、連絡将校のつなぎを受ける。名前はドゥリン大尉。スチュアードの艦隊、オーバーウォッチに所属する軍人だ。
話してみると、会話に無駄が無い実務的な人物のようだ。簡単に報告したあと、ルーンはイワレワに託していったんホテルに戻ることになった。
先ほど通話したドゥリン大尉とカンブリーサが出迎えてくれる。やはりドゥリン大尉は堅苦しい印象だが、実直で真面目なのは間違いなさそうだ。休憩を取っていると、どこかと交信していたドゥリン大尉から「グランド・ガーデニア区に悪魔が出たらしい」と伝えられる。悪魔は建物を破壊したり、なぜか壁を建設したりしているらしい。悪魔に対処した経験があるなら適任だろうと判断したらしい大尉だが、散々追い回されて酷い目にあったステラリスは歯切れの悪い返事。しかし、このまま放っておくわけにもいかない。準備を整え、出発する。
道中は何事もなく、目的地に到着。災害の爪痕とは明らかに異なる異様な光景が目の前に現れた。棘の生えた壁が、建物を貫通して建っているのだ。なんだこれは? 建物の住人らしきシレンが呆然と佇んでいる。壁の側には、確かに悪魔(デヴィル)がいた。スマイルによると、コントラクター・デヴィル(チョールゴン)のようだ。土木作業が得意なデヴィルらしい。地獄語で話しかけるスマイルだが無視されてしまう。デヴィルにしては珍しいことだが、こちらに目もくれず作業をしている。人を襲う意志はないのだろうか。
周囲を見回してみると、この一帯は先ほどの災害でかなりの被害が出たようで地面には亀裂が走り崩れた建物も目立つ。しかし、溝は金属で埋められ壁に貫通された建物はそのままでは倒壊の危険があっただろうが、壁のお陰で崩壊を免れている。そう考えると、デヴィルたちがやっているのは破壊行為ではなく修復工事なのだろうか…? だが、溝を埋めた金属からは黒い棘が生えているし、倒壊を免れた建物もそのまま住めるとは思えない。つまり、修復が修復になっていないのだ。スマイルがビールを持って話しかけるも、邪魔すると殺すぞと凄んでくる。ビールも払い落とされて一触即発のスマイルとデヴィル。
そこへ悠然と登場するイヴ船長。言葉巧みにデヴィルを懐柔し、彼らを呼び出した(?)依頼主と話すことになった。教えてもらった家のインターホンを鳴らすも応答なし。中には誰かいそうだが…? ドアを開けると目の前の床には魔法陣。その向こうには何やらぶつぶつ唱えている一人のコンテンプラティヴ。こちらを見るなり出ていけと怒鳴るコンテンプラティヴ。さらに何かを呼び出そうとしているのだろうか。刺激せずに話を聞き出すには苦労しそうだ。案の定、街の損害を食い止め修復するためにやっているのだと行為を正当化しようとするコンテンプラティヴと、むしろ被害が拡大するというステラリスのやり取りは平行線。契約の粗を突くのが得意なデヴィルに対し大まかな指示しかせず、外に出ていないのでその影響も分かっていない。
ここでも事態を動かしたのはイヴ船長だった。仲間の援護も受けて、強い態度で相手を糾していく。やっていることを止めさせるなら代案を出せというコンテンプラティヴ。そこでイズギルを中心に技術面からアイディアを出し、作業を行うデヴィルに指示していく。とりあえず、これ以上の被害拡大は防げそうだ。ついでに余分な修理も戻してもらう。
ようやく落ち着き、一息つくステラリス。そこへドゥリン大尉から連絡が。今度はドッキング・ベイで問題が起こっているらしい。謎の船の襲撃で非常事態となり、パニックに陥った民間人がアブサロム・ステーションから脱出しようと船を奪おうと押しかけて、船の持ち主とにらみ合いになっているようだ。そこへ、アブサロム・ステーションから派遣された捜査官(名前はフェッジ)が船を借りるために到着したため、さらに騒ぎが大きくなってしまっている、というのだ。
現地に到着すると、騒ぐ民衆、それを煽る船のオーナー、ジオトリス、途方に暮れるスチュアードたちで場は混乱していた。スチュアードの声も民衆には届いておらず、このままでは流血沙汰だろう。そんな中、ステラリスは群衆をなだめようとしている一人の人物に気づく。近隣のコミュニティで尊敬を集め、顔役となっている男性カパクだ。彼の協力を仰ぐのがよさそうだと判断した一行はカパクに接近する。どうやら、彼も手をこまねいているらしい。そこで、先に船に閉じこもるドラゴンキンのジオトリスを説得することにした。武装を起動して威圧している船に悠然と近づき、言葉巧みに自尊心をくすぐるイヴ船長。あっさりと乗せられたジオトリスは警戒を緩めておとなしくなる。
次は頭に血が上った民衆が相手だ。幸い、ステラリスにはこういう事態にぴったりの得意技がある。手早く準備を整え、スマイルのドラムビートを合図に演奏を開始。突如始まった演奏に戸惑っていた民衆だが、ステラリスの演奏に徐々に引き込まれていく。静かに始まった曲調は次第に盛り上がり、その熱狂は民衆へ伝播する。演奏の終了直後訪れる沈黙。一瞬の後、大歓声があがる。うまくいった! この機を逃さず、説得の言葉を投げかけるイヴ船長。すっかり夢中になった民衆は船長の言葉を受け入れ、気をよくしたジオトリスも喜んで船の貸与を申し出てきた。
最終更新:2026年06月11日 22:29