突然こんな場所に連れて来られて殺し合いを強要される。
まるで、夢か幻かでも見ているようだ。
だけどこれはれっきとした現実、目から背ける事は出来ない。
まるで、夢か幻かでも見ているようだ。
だけどこれはれっきとした現実、目から背ける事は出来ない。
「優子、良……」
二人の愛娘の名前を呟く白い割烹着を着た女性の名は吉田清子。
とても若々しい姿をした美女であるが、これでも二人の子持ちである。
とても若々しい姿をした美女であるが、これでも二人の子持ちである。
(二人がここに来ていなければいいのだけれど……)
もし二人も殺し合いに巻き込まれているとしたら無事でいてほしい。
その為なら自分の命を捧げても構わない。
そんな娘達を想う母の愛情が引き寄せたのか。
その為なら自分の命を捧げても構わない。
そんな娘達を想う母の愛情が引き寄せたのか。
「……母さん?母さん!」
清子を「母さん」と呼ぶ声が聞こえた。
母の想いが娘達に通じて再会させた……訳では無かった。
母の想いが娘達に通じて再会させた……訳では無かった。
「貴方は……誰かしら?」
自分を母さんと呼ぶその声は成人男性の者だった。
子供は娘が二人で、息子なんていない。
明らかに赤の他人であった。
子供は娘が二人で、息子なんていない。
明らかに赤の他人であった。
「いやだな母さん。僕だよ」
「あのー……人違いかとー……」
「あのー……人違いかとー……」
見知らぬ男に母親扱いされ、困惑する清子。
それを気にせず男は真っ黒に濁った瞳で清子に迫り来る。
それを気にせず男は真っ黒に濁った瞳で清子に迫り来る。
「かわいい一人息子を忘れたなんて言わせないよ。母さん」
「いやっ!離してくださいっ!」
「いやっ!離してくださいっ!」
男に腕を掴まれた清子は振りほどくために男の体を突き飛ばす。
すると男はプルプルと体を震わせながら立ち上がり……。
すると男はプルプルと体を震わせながら立ち上がり……。
「ひっ……」
男の顔を見た清子は短い悲鳴を上げながら後ずさる。
「ひどいよぉ、母さん……ボクは……ボクはいつだって、母さんの事を愛して……」
男は怒りと悲しみをドロドロに混ぜ込んだような不気味な表情で清子を睨みつける。
大粒の涙がポロポロと零れて、くしゃくしゃに濡れた顔は酷く歪み。
清子に向かって叫びながら飛びかかった。
大粒の涙がポロポロと零れて、くしゃくしゃに濡れた顔は酷く歪み。
清子に向かって叫びながら飛びかかった。
「愛してるのにぃぃぃぃ!!」
「いい加減に……しなさい!」
「いい加減に……しなさい!」
清子は支給品であるスタンガンを取り出して男の体に押し付け、スイッチを入れた。
「がぁぁっ!か、母さん……」
「私は貴方のお母さんじゃありません!もう近寄らないでください!」
「私は貴方のお母さんじゃありません!もう近寄らないでください!」
そう言うと清子は男から逃げる為に全速力で駆け出した。
あの男は普通では無い、狂人だ。
まともに話が通じる相手ではない。
スタンガンで動けなくなっている内に出来るだけ遠くまで逃げないと。
あの男は普通では無い、狂人だ。
まともに話が通じる相手ではない。
スタンガンで動けなくなっている内に出来るだけ遠くまで逃げないと。
そう思考しながら走る清子の肩が何者かによって、がしっと捕まれた。
息を切らしながら肩を掴んだ者の方へゆっくりと振り返ると。
息を切らしながら肩を掴んだ者の方へゆっくりと振り返ると。
「痛いじゃないかぁ。母さん」
異形の怪物の姿へと変貌していた男が立っていた。
「い、いやぁぁぁぁああああああああ!!!!」
悲鳴を上げながら逃げようとする清子の体を異形の男はがっちりと捕まえる。
スタンガンを出して抵抗しようとするも、それも掴まれて奪われると
地面に落としてスタンガンを踏み潰して破壊した。
スタンガンを出して抵抗しようとするも、それも掴まれて奪われると
地面に落としてスタンガンを踏み潰して破壊した。
「離して、離してぇぇ!!」
「どうして分かってくれないの!?僕は母さんのためにやっているのにっ!!」
「どうして分かってくれないの!?僕は母さんのためにやっているのにっ!!」
暴れる清子を逃がさないように抑えつけ、男は泣き叫ぶ。
その醜悪な姿に清子は恐怖した。
その醜悪な姿に清子は恐怖した。
「僕が……僕だけが母さんを救えるんだ。だから大人しくしてよ」
「嫌です!!お願いします!離してください!!……ぐっ!?」
「嫌です!!お願いします!離してください!!……ぐっ!?」
恐怖に怯え懇願する清子の細首を男は強い力で締め上げる。
「僕を拒絶するなんて酷いよ……母さん……」
「ぐ……げぐ……」
「ぐ……げぐ……」
男は首がへし折れない程度の力で絞め続けた。
清子の手足はバタバタと揺れて抵抗するも次第に動きが弱くなる。
清子の手足はバタバタと揺れて抵抗するも次第に動きが弱くなる。
(優子、良……私はもう、ごめんなさ……)
薄れゆく意識の中、最期まで娘達の身を案じながら
清子の命は、男の身勝手な欲望により蹂躙されて理不尽に奪われた。
清子の命は、男の身勝手な欲望により蹂躙されて理不尽に奪われた。
【吉田清子@まちカドまぞく 死亡】
「ハァ……ハァ……母さん、母さん!」
清子を殺害した男の名前は片桐章馬。
彼は連続殺人犯として刑務所に収容されていたが
そこで異形の存在になれるアギトの力を手に入れた彼は現在も殺人を繰り返していた。
彼は連続殺人犯として刑務所に収容されていたが
そこで異形の存在になれるアギトの力を手に入れた彼は現在も殺人を繰り返していた。
章馬は清子の衣類を全て脱がせると、経産婦とは思えない程に美しく綺麗な裸体を晒させた。
息を荒くしながら支給品であるギターケースを開けると
中には大量のメイク道具が入っている。
息を荒くしながら支給品であるギターケースを開けると
中には大量のメイク道具が入っている。
「キレイにメイクしようね。母さん」
楽しそうに笑いながら清子の死体に化粧を施し続け
元々高かった美貌にますます磨きがかかっていく。
元々高かった美貌にますます磨きがかかっていく。
「さぁ母さん、いいよ。キレイになったよ。母さん……」
化粧を終えた章馬は清子の顔を見て、頬を紅潮させながら笑みを浮かべていた。
「そして母さんは!天使になるんだ……!」
♦
とあるエリアの巨木にて
高い場所で吊るされている女性の遺体があった。
高い場所で吊るされている女性の遺体があった。
女性は全裸に花で作られたアクセサリーを身に着け
白い羽根に見立てた布を纏わせた恰好をしていた。
表情は微笑むように安らかで、それはまるで天使を想わせる姿であった。
白い羽根に見立てた布を纏わせた恰好をしていた。
表情は微笑むように安らかで、それはまるで天使を想わせる姿であった。
「これでまた一人、母さんを天使にしてあげた」
これが片桐章馬の天使殺人である。
彼の歪んだ愛情表現によって母親が次々と殺されて行った。
アギトの力を手に入れた片桐章馬の狂気は警察にも止める事は出来ない。
彼の歪んだ愛情表現によって母親が次々と殺されて行った。
アギトの力を手に入れた片桐章馬の狂気は警察にも止める事は出来ない。
【片桐章馬@仮面ライダークウガ (漫画版)】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品0~4、風間大介のギターケース@仮面ライダーカブト
[思考・状況]
基本方針:このゲゲル(デュエル)で勝ち残る。
1:母さん達を天使にしてあげる
2:母さん以外の参加者は始末する。
[備考]
※ゴ・ガメゴ・レに敗れる前からの参戦です。
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品0~4、風間大介のギターケース@仮面ライダーカブト
[思考・状況]
基本方針:このゲゲル(デュエル)で勝ち残る。
1:母さん達を天使にしてあげる
2:母さん以外の参加者は始末する。
[備考]
※ゴ・ガメゴ・レに敗れる前からの参戦です。
【スタンガン@現実】
護身用の武器であり殺傷力は無い。
護身用の武器であり殺傷力は無い。
【風間大介のギターケース@仮面ライダーカブト】
メイクアップアーティストである風間大介が所有しているギターケース。
中には大量のメイク道具が入っている。
メイクアップアーティストである風間大介が所有しているギターケース。
中には大量のメイク道具が入っている。