人間、生きていれば嘔吐を覚える程気持ちの悪い光景に出くわす事は多々ある。
乗用車に轢かれて、内臓をぶち撒けた猫の死骸だとか。
生きたまま大量の蟻に群がられ、捕食される哀れな蚯蚓だとか。
やけに凝った特殊メイクでグロテスクさを演出する、スプラッター映画の一場面だとか。
顔を顰め、消化前の飲食物がせり上がってしまう。
そういった経験は誰にでもあるだろうし、かくいうみかげだって覚えがないとは言わない。
乗用車に轢かれて、内臓をぶち撒けた猫の死骸だとか。
生きたまま大量の蟻に群がられ、捕食される哀れな蚯蚓だとか。
やけに凝った特殊メイクでグロテスクさを演出する、スプラッター映画の一場面だとか。
顔を顰め、消化前の飲食物がせり上がってしまう。
そういった経験は誰にでもあるだろうし、かくいうみかげだって覚えがないとは言わない。
では今感じているのもそれらと同じ、日常生活で味わう不快感の一種だろうか。
そんな訳が無い。
『普通』じゃない事情を内心抱えていても、こんな『異常』に出くわすなんて有り得ない。
そんな訳が無い。
『普通』じゃない事情を内心抱えていても、こんな『異常』に出くわすなんて有り得ない。
「ンンン、お初にお目にかかります。突然の無礼な訪問は寛大な心でご許し頂きたい。拙僧この通り重体の身故に、落ち着ける場所を探し歩き辿り着いただけでして」
鳥肌が立つ程気持ち悪く、喉が潰れる痛みを錯覚するくらいに恐ろしい男だった。
数千数万数億の毒虫が集まったが如き醜悪さ。
異様な長身も、奇抜な衣装も、端正な甘い顔立ちも。
全て人のソレから逸脱していない。
星狩りや上弦の壱、一度見た怪物達と違い異形の特徴はどこにも見当たらない。
なのにこの男を人の枠に当て嵌める事へ、尋常ならざる抵抗感を抱く。
数千数万数億の毒虫が集まったが如き醜悪さ。
異様な長身も、奇抜な衣装も、端正な甘い顔立ちも。
全て人のソレから逸脱していない。
星狩りや上弦の壱、一度見た怪物達と違い異形の特徴はどこにも見当たらない。
なのにこの男を人の枠に当て嵌める事へ、尋常ならざる抵抗感を抱く。
「うぁ……ひっ……」
後退り、目を逸らそうと努めるも出来ない。
脳が、或いは本能が強く訴えている。
コレから目を離したら最後、捕食され骨の髄まで溶かされるだけ。
無慈悲に噛み砕くのではない、時間を掛けてゆっくりと腐り果てる。
死へ希望を見出す程に凄惨な未来が待ち受けていると、みかげ自身の声がそう叫んでいた。
脳が、或いは本能が強く訴えている。
コレから目を離したら最後、捕食され骨の髄まで溶かされるだけ。
無慈悲に噛み砕くのではない、時間を掛けてゆっくりと腐り果てる。
死へ希望を見出す程に凄惨な未来が待ち受けていると、みかげ自身の声がそう叫んでいた。
「無礼だって自覚してるなら、さっさと回れ右するべきじゃないかしらね?」
みかげ単独であれば棒立ちで怯えるままだったろうが、生憎そうはならない。
男の存在で蝕まれる空気を断ち切り、冷たく睨み返すは覇瞳皇帝。
ランドソルでの決戦において、王手を掛ける手前まで行った魔人。
得体の知れない侵入者だろうと、たじろぐ軟弱者に非ず。
男の存在で蝕まれる空気を断ち切り、冷たく睨み返すは覇瞳皇帝。
ランドソルでの決戦において、王手を掛ける手前まで行った魔人。
得体の知れない侵入者だろうと、たじろぐ軟弱者に非ず。
見えぬ火花が散り、フェントホープの一室は緊張感の高まりを見せる。
言葉一つ、仕草一つで怒りを煽ればその時は。
夜空色の聖剣が電光石火の速さで以て、首を刎ねるに違いないと確信を抱かせた。
言葉一つ、仕草一つで怒りを煽ればその時は。
夜空色の聖剣が電光石火の速さで以て、首を刎ねるに違いないと確信を抱かせた。
「これは手厳しい。ええ、ええ、確かに確かに最もな御言葉」
なれど、相対する男が浮かべる貌に恐怖は存在せず。
瞳を細め、口の端が弧を描く。
まるで自身の命が危ぶまれるこの状況すら、楽しんでいるかのように。
瞳を細め、口の端が弧を描く。
まるで自身の命が危ぶまれるこの状況すら、楽しんでいるかのように。
「ここへは単に一休みで訪れただけのつもりでしたが――やめました」
「やめたのね」
「はい、あなた方を見て。単刀直入に伺いますが、ンン、拙僧を使ってみる気はありませぬか?」
「やめたのね」
「はい、あなた方を見て。単刀直入に伺いますが、ンン、拙僧を使ってみる気はありませぬか?」
ピクリと、片眉が動いたのを男は見逃さない。
あえて指摘はせず、誌を詠むようにスラスラ続ける。
あえて指摘はせず、誌を詠むようにスラスラ続ける。
「佇まいを見れば、無能な猿でも分かりましょうや。使われるのでなく使う側、従うのでなく従える側、見上げるのでなく見下ろす側。
であるならば対等な同盟などとんでもない!この身を王の駒として捧げるのは、至極当然のこと」
「…そう、流石にそれくらいは理解してるのね」
であるならば対等な同盟などとんでもない!この身を王の駒として捧げるのは、至極当然のこと」
「…そう、流石にそれくらいは理解してるのね」
長ったらしく芝居がかった内容はさておき。
掻い摘んで言えば、部下として己を売り込んでいる。
対等な同盟を持ち掛けて来るだとか、こちらを隷属させようだとか。
そう言い出すのであれば、返答は剣か魔法だった。
だが自ら首を垂れ従うのなら、一旦は耳を傾けるのも吝かではない。
どうせ建前に過ぎないとは分かっている、それを踏まえて見極めるのだ。
利用、静観、排除。
三つの内どれを選ぶかを。
掻い摘んで言えば、部下として己を売り込んでいる。
対等な同盟を持ち掛けて来るだとか、こちらを隷属させようだとか。
そう言い出すのであれば、返答は剣か魔法だった。
だが自ら首を垂れ従うのなら、一旦は耳を傾けるのも吝かではない。
どうせ建前に過ぎないとは分かっている、それを踏まえて見極めるのだ。
利用、静観、排除。
三つの内どれを選ぶかを。
「ではまず簡単に、拙僧の仕事ぶりをお見せすると致しましょう」
笑みを崩さぬまま、視線は皇帝から傍らに転がる獣へ。
プリンセスナイトの力で召喚・使役した魔獣。
侵入者の男を見付けるや襲い掛かったのが数分前。
引き裂く爪は掠めさせてももらえず、指先一つで躾けられ今や置物同然。
魔獣の額へ指先が当てられ、すぐさま異変は起きた。
山の如く盛り上がる四肢、より鋭利で研ぎ澄まされる爪と牙。
倍にまで膨れた体躯は巌を思わせる、強靭なモノへ変貌を遂げる。
プリンセスナイトの力で召喚・使役した魔獣。
侵入者の男を見付けるや襲い掛かったのが数分前。
引き裂く爪は掠めさせてももらえず、指先一つで躾けられ今や置物同然。
魔獣の額へ指先が当てられ、すぐさま異変は起きた。
山の如く盛り上がる四肢、より鋭利で研ぎ澄まされる爪と牙。
倍にまで膨れた体躯は巌を思わせる、強靭なモノへ変貌を遂げる。
「とまあこのように、少しばかり栄養を与えてやりました。貧相な飢え細った駄犬に、番犬は務まりますまい」
簡単に言ってのけた男が何をやったかは、皇帝にも即座に分かった。
魔力を流し込んだ強化、文字にするならそれだけで済む。
魔法に覚えのある者であれば、誰でも可能。
などと今の光景を見て言葉に出す人間がいたら、皇帝は無能と断じるだろう。
魔力を流し込んだ強化、文字にするならそれだけで済む。
魔法に覚えのある者であれば、誰でも可能。
などと今の光景を見て言葉に出す人間がいたら、皇帝は無能と断じるだろう。
籠められた魔力の何たる邪悪さ、何たるおぞましさ。
栄養だなんてどの口が言える、呪いを掛けたに等しい。
魔獣を蝕み、尚且つ消滅しないギリギリを一瞬で見極めた上での術の行使。
並のギルドの者十数人を、これ一匹で10秒も掛けず餌に変えられる。
複雑な術式も長ったらしい呪文も必要としない、男にとっては会話の片手間で行えるのだ。
栄養だなんてどの口が言える、呪いを掛けたに等しい。
魔獣を蝕み、尚且つ消滅しないギリギリを一瞬で見極めた上での術の行使。
並のギルドの者十数人を、これ一匹で10秒も掛けず餌に変えられる。
複雑な術式も長ったらしい呪文も必要としない、男にとっては会話の片手間で行えるのだ。
「成程ねぇ……」
少なくとも術師として、男の実力は非常に高い。
感心と、それ以上の警戒を密かに宿す。
感心と、それ以上の警戒を密かに宿す。
「ンンンン、我ながら良き仕事ぶり。如何ですかな?貴殿が望むのであれば、足元へ眠らせた檻の中の獣達にも同様の活力を与えられますが」
「あら、気付いてたのね。いつの間にコソコソ嗅ぎ回ったのかしら」
「少々鼻が利くものでして。どうかお気を悪くせず、拙僧の優れた面の一つと受け入れて頂ければ何より」
「あら、気付いてたのね。いつの間にコソコソ嗅ぎ回ったのかしら」
「少々鼻が利くものでして。どうかお気を悪くせず、拙僧の優れた面の一つと受け入れて頂ければ何より」
一体何を指しての提案か、聞き返す必要も無い。
地下で飼育された複数の異形、魔法少女の成れの果て。
魔女の存在をいつ知ったのかという疑問も、男が秘めた力を考えれば不思議じゃない。
文字通り、感じ取ったのだろう。
分厚い床を幾枚重ねたとて無意味、漏れだす魔力を意図も容易く察知した。
地下で飼育された複数の異形、魔法少女の成れの果て。
魔女の存在をいつ知ったのかという疑問も、男が秘めた力を考えれば不思議じゃない。
文字通り、感じ取ったのだろう。
分厚い床を幾枚重ねたとて無意味、漏れだす魔力を意図も容易く察知した。
「…一つ聞いても良いかしら。あなた、このゲームで何を望んでるの?」
男が本心から自分に忠誠を誓う気が無いのは、最初から分かり切っている。
それは別に構わない、自分だって信頼だ絆だのという類は求めてない。
こちらを利用し尽くす算段なら、逆に利用し使い潰す。
とはいえ最低限、ゲームにおける基本的なスタンスは把握しておきたい。
生存優先か、自称神の持つ力が望みか、優勝を目指し最終的には自分も手に掛ける気か。
それは別に構わない、自分だって信頼だ絆だのという類は求めてない。
こちらを利用し尽くす算段なら、逆に利用し使い潰す。
とはいえ最低限、ゲームにおける基本的なスタンスは把握しておきたい。
生存優先か、自称神の持つ力が望みか、優勝を目指し最終的には自分も手に掛ける気か。
「悪意の赴くまま気の向くまま、衝動に逆らわず欲望に身を委ね、この地で産声を上げる地獄を見届けたい。ただそれだけでございます」
「…………」
「…………」
猫のように細めた瞳、その奥へ爛々と輝く愉びを秘め。
口遊んだ内容に、皇帝は言葉無く理解した。
この男にとって意味があるのはゲームの結果に非ず、過程だ。
生きて帰る、或いは願いを叶えるというゴールを男は見ていない。
結末へ向けて伸びた道、そこでどれだけ悪を為すか。
産み落とした地獄がどこまで広がるか、それこそが望み。
利害で繋がった星狩りとは別の意味で、警戒を抱かざるを得ない男を――
口遊んだ内容に、皇帝は言葉無く理解した。
この男にとって意味があるのはゲームの結果に非ず、過程だ。
生きて帰る、或いは願いを叶えるというゴールを男は見ていない。
結末へ向けて伸びた道、そこでどれだけ悪を為すか。
産み落とした地獄がどこまで広がるか、それこそが望み。
利害で繋がった星狩りとは別の意味で、警戒を抱かざるを得ない男を――
「……良いわ。使われたいなら望み通り、仕事を幾つかあげる。但し、あなたの『お遊び』で思い通りに動かせると考えてるんだったら――言わなくても理解できるわよね?」
「肝に銘じておきましょう。なに、損はさせませぬ。どうぞ大船に乗ったつもりで、ご期待くだされ」
「肝に銘じておきましょう。なに、損はさせませぬ。どうぞ大船に乗ったつもりで、ご期待くだされ」
提示された選択肢の内、選んだのは手を組むこと。
最もハイリスクハイリターンであり、付き纏う危険性を考えなかった訳ではない。
己の腸に毒虫を飼う、いつ中から腐らせられてもおかしくない。
最もハイリスクハイリターンであり、付き纏う危険性を考えなかった訳ではない。
己の腸に毒虫を飼う、いつ中から腐らせられてもおかしくない。
だがそれを踏まえても、得られる旨みは少なくないだろう。
自分を以てして一筋縄でいかないと言える、術師の腕前。
人手不足が否めない現状を鑑みれば、引き入れるのは全くの悪手とも言い切れまい。
使えるものは使う。
心砕かれた人形でも、『普通』になり切れなかった少女でも。
星を喰らう地球外の種族や、辺獄を名乗る悪しき陰陽師だろうと。
自分を以てして一筋縄でいかないと言える、術師の腕前。
人手不足が否めない現状を鑑みれば、引き入れるのは全くの悪手とも言い切れまい。
使えるものは使う。
心砕かれた人形でも、『普通』になり切れなかった少女でも。
星を喰らう地球外の種族や、辺獄を名乗る悪しき陰陽師だろうと。
食らえると思い込んでいるならば、高を括っていればいい。
愉悦を満たす肴に過ぎないと見下すならば、必ずや後悔を抱く事となる。
懐へ入れた毒虫すらも使い潰し、望みを叶えるまでだ。
愉悦を満たす肴に過ぎないと見下すならば、必ずや後悔を抱く事となる。
懐へ入れた毒虫すらも使い潰し、望みを叶えるまでだ。
○
大丈夫なのだろうか。
リンボと名乗った男との協力を決定し、粗方の情報を開示し終えた後。
今は別室へいる異様な風体の術師を思い浮かべ、同じ言葉が幾度も頭を掠める。
リンボと名乗った男との協力を決定し、粗方の情報を開示し終えた後。
今は別室へいる異様な風体の術師を思い浮かべ、同じ言葉が幾度も頭を掠める。
陛下の判断が間違いだとは思わない。
自分よりもずっと強く、頭も良い。
それでいてこちらを気遣い、『普通』じゃない事情を知っても寄り添ってくれる。
殺し合いで最も信頼を向ける『彼女』が決めたことへ、反対する気は起きない。
下手に異を唱え、落胆や失望を向けられたくないとの思いもあるが。
自分よりもずっと強く、頭も良い。
それでいてこちらを気遣い、『普通』じゃない事情を知っても寄り添ってくれる。
殺し合いで最も信頼を向ける『彼女』が決めたことへ、反対する気は起きない。
下手に異を唱え、落胆や失望を向けられたくないとの思いもあるが。
だとしても、リンボと手を組んで本当に良かったのかとの不安は尽きない。
エボルトの時と同じだ。
我が身で人ならざる存在感を感じ取り、根本的な相容れなさを心の内に抱いた故。
薄っぺらな関係だろうと、繋がりを得てしまったのは。
果たして正しいと言えるのかどうか、みかげは素直に頷けなかった。
エボルトの時と同じだ。
我が身で人ならざる存在感を感じ取り、根本的な相容れなさを心の内に抱いた故。
薄っぺらな関係だろうと、繋がりを得てしまったのは。
果たして正しいと言えるのかどうか、みかげは素直に頷けなかった。
(それにあいつ……)
情報開示が済み、去り際に放った一言がいやにへばり付く。
細めた瞳で、墨汁が溜まったように真っ黒な目で射抜き言った。
若人への助言と嘯き、心底楽し気に。
細めた瞳で、墨汁が溜まったように真っ黒な目で射抜き言った。
若人への助言と嘯き、心底楽し気に。
――『何一つ得る事の無い生還を望むなら、それも良いでしょう。ですが取り戻した上で帰還したいのであれば、餓狼の如き飢えを抱きなされ。為さずに帰った先があなたの救い、というなら別ですが』
澄んだ水へ毒が垂らされるみたいに。
気味が悪いと感じる程、リンボの言葉が体中へ染みこむ。
気味が悪いと感じる程、リンボの言葉が体中へ染みこむ。
このまま陛下に協力して、殺し合いも全部終わり自分の家に帰る。
それから何事も無かったように学校へ行って、退屈な授業を受けて。
新しくアタックしてくる男子と、付き合ってみたりだとか。
悪趣味なゲームなんていずれは忘れるような、変わらない日々を過ごす。
それから何事も無かったように学校へ行って、退屈な授業を受けて。
新しくアタックしてくる男子と、付き合ってみたりだとか。
悪趣味なゲームなんていずれは忘れるような、変わらない日々を過ごす。
出来る訳がない、何食わぬ顔で日常に戻れるなんて有り得ない。
自分だけ帰って来て、司がいないのを撫子にどう説明すればいい。
神様が始めた殺し合いに巻き込まれ、運悪く死にました。
そんな説明で納得するか否か、どう考えたって後者だろう。
二度と司が戻らないのを知りながら、彼女の弟が必死に探し回るのを後ろめたい気持ちで見続けるのか。
三人組が最悪の形で壊れ、仕方ないで済ますのか。
自分だけ帰って来て、司がいないのを撫子にどう説明すればいい。
神様が始めた殺し合いに巻き込まれ、運悪く死にました。
そんな説明で納得するか否か、どう考えたって後者だろう。
二度と司が戻らないのを知りながら、彼女の弟が必死に探し回るのを後ろめたい気持ちで見続けるのか。
三人組が最悪の形で壊れ、仕方ないで済ますのか。
司の死を背負って生きていく?
まだ死んでいない人達や、元の世界の家族と友人の事も考えろ?
間違った方法で司が戻って来ても、悲しませるだけ?
まだ死んでいない人達や、元の世界の家族と友人の事も考えろ?
間違った方法で司が戻って来ても、悲しませるだけ?
「……っ」
若しかしたら、そういうありきたりな説得を受け入れる者もいるのかもしれない。
けどみかげには無理だ、分かりましたとあっさり頷けない。
誰かを殺したり自分が殺されそうにならないだけで、生きて帰った場所も結局は地獄だ。
腹立たしい正論を翳し、永遠に一人が欠けた世界へ帰れと促され。
言った奴は正しさを貫いた気になって満足だろうが、自分にとっては堪ったもんじゃない。
けどみかげには無理だ、分かりましたとあっさり頷けない。
誰かを殺したり自分が殺されそうにならないだけで、生きて帰った場所も結局は地獄だ。
腹立たしい正論を翳し、永遠に一人が欠けた世界へ帰れと促され。
言った奴は正しさを貫いた気になって満足だろうが、自分にとっては堪ったもんじゃない。
未だ覚悟は決まらない。
騎士の少女と同じ迷いのない言葉など、言えそうもないがしかし。
騎士の少女と同じ迷いのない言葉など、言えそうもないがしかし。
壊れる前の三人組がずっと続く光景が、先程以上に胸を焦がしていた。
「……」
顔を歪ませるみかげを、光の宿らない瞳でココアは見つめる。
心配する素振りはない、声を掛けようとも思わない。
砕かれた心へ暗示を受けた彼女は、人形も同然。
カイザーインサイトの意のままに動く、都合の良い道具に過ぎない。
心配する素振りはない、声を掛けようとも思わない。
砕かれた心へ暗示を受けた彼女は、人形も同然。
カイザーインサイトの意のままに動く、都合の良い道具に過ぎない。
しかしほんの僅かに、壊れた心へ異物が触れた。
先の放送で告げられた、二人の友の名前。
暗示の影響下にある以上、特別大きな反応も見せない筈のソレらに瞳が微かに揺れ動いた。
意識を再び取り戻す効果はない、破片となった心を組み立て直すなど以ての外。
なれど大切な友達が自分の知らぬ所で命を落とした事実は、確かにココアへ届けられた。
先の放送で告げられた、二人の友の名前。
暗示の影響下にある以上、特別大きな反応も見せない筈のソレらに瞳が微かに揺れ動いた。
意識を再び取り戻す効果はない、破片となった心を組み立て直すなど以ての外。
なれど大切な友達が自分の知らぬ所で命を落とした事実は、確かにココアへ届けられた。
これが彼女にとって、再起の切っ掛けになるのか。
或いは、同じく耳に残った悪しき陰陽師の言葉が更に彼女を堕とすのか。
太陽の如き煌めきを失った少女自身に、知る術はない。
或いは、同じく耳に残った悪しき陰陽師の言葉が更に彼女を堕とすのか。
太陽の如き煌めきを失った少女自身に、知る術はない。
○
「ンンン、禍を転じて福と為すとは正にこのこと。いやはや、ここまで運んだミカン殿には感謝してもし切れませぬなあ」
感謝の二文字が微塵も宿らない声色で、くつくつと笑う。
ミカンの呪いが予想以上の効果を発揮し、先のエリアからは大きく離された。
Phoは勿論、最上達との合流もすぐには叶うまい。
とはいえ結果的には良かったと言えるだろう。
また一つ、殺戮遊戯での楽しみが増えたのだから。
ミカンの呪いが予想以上の効果を発揮し、先のエリアからは大きく離された。
Phoは勿論、最上達との合流もすぐには叶うまい。
とはいえ結果的には良かったと言えるだろう。
また一つ、殺戮遊戯での楽しみが増えたのだから。
カイザーインサイトと手を組んだのに、深い理由はない。
ただ言葉を交わし、立ち振る舞いをこの目で見て。
何よりも、自我らしい自我を奪われ従わされる傀儡で確信を抱いた。
殺し合いに乗っておらずとも、善意で動く者とは程遠い。
欲する物を手中に収め、自身にとっての望む未来を実現する為の犠牲を厭わない。
通り過ぎた道に無数の屍を転がし、地獄を生み出す者なのだろうと。
ただ言葉を交わし、立ち振る舞いをこの目で見て。
何よりも、自我らしい自我を奪われ従わされる傀儡で確信を抱いた。
殺し合いに乗っておらずとも、善意で動く者とは程遠い。
欲する物を手中に収め、自身にとっての望む未来を実現する為の犠牲を厭わない。
通り過ぎた道に無数の屍を転がし、地獄を生み出す者なのだろうと。
それは紛れもない、リンボが求める光景に他ならない。
故に協力を申し出たのだ。
同時にあの手の輩は対等な同盟ではなく、傘下に下った方が話がスムーズにいくと身に染みて理解してある。
下総国や異聞帯で、表向き妖術師や王に仕えた経験が活きた。
故に協力を申し出たのだ。
同時にあの手の輩は対等な同盟ではなく、傘下に下った方が話がスムーズにいくと身に染みて理解してある。
下総国や異聞帯で、表向き妖術師や王に仕えた経験が活きた。
尤もカイザーインサイトと繋がりを持ったからといって、最上との関係を白紙に戻すつもりもない。
あの男の『世直し』の行く末はもとより、まぞくの少女が如何なる形で孵化したか。
己が目で見届ける方針は変わらず、頃合いを見て合流に動く気でいる。
あの男の『世直し』の行く末はもとより、まぞくの少女が如何なる形で孵化したか。
己が目で見届ける方針は変わらず、頃合いを見て合流に動く気でいる。
「ですが拙僧と言えども、即座の合流はちと難しい。ここは次に備え、身を休めるのが吉と見ました。貴殿もそう思うでしょう?」
にこやかに話しかけられ、相手は無言。
怪しく輝く瞳をぶつけるのみで、一言どころか一文字も口にしない。
仮に口を開いたとて、会話になろう筈もないが。
リンボと同室にいるのは、ココアが召喚した魔獣。
別室にリンボを一人きりにし、よからぬ真似をされるのを防ぐための監視役。
無論、たかが魔獣一匹では足止めにすらならない。
カイザーインサイトも承知の上でここに置いた。
異変が起きれば即、召喚者であるココアが魔獣とリンクしている為に気付けるのだから。
怪しく輝く瞳をぶつけるのみで、一言どころか一文字も口にしない。
仮に口を開いたとて、会話になろう筈もないが。
リンボと同室にいるのは、ココアが召喚した魔獣。
別室にリンボを一人きりにし、よからぬ真似をされるのを防ぐための監視役。
無論、たかが魔獣一匹では足止めにすらならない。
カイザーインサイトも承知の上でここに置いた。
異変が起きれば即、召喚者であるココアが魔獣とリンクしている為に気付けるのだから。
魔獣との一方的な会話は早々に打ち切り、床へ手早く陣を描き座り込む。
フェントホープを訪れたのは興味本位だけでなく、傷を癒すのに最適な場所と見たのも理由の一つ。
施設そのものが一つの巨大なウワサな性質上、ホテル内部へ漂う魔力は少なくない。
加えて地下に飼育された魔女の存在もまた、非常に都合が良い。
ケージ越しに垂れ流す嘗て魔法少女だった者達の怨嗟、苦痛、絶望。
負の感情を煮詰めた瘴気とも言う力は、健常な感性を持つ人間からすれば毒。
しかし外法を以て悪を為す、辺獄を名乗る陰陽師には実に相性が良い。
陣が起動し瘴気を吸収、自らの魔力に変え消費した分を回復。
更には治癒の術式を己へ施し、深く裂かれた箇所を塞ぐ。
フェントホープを訪れたのは興味本位だけでなく、傷を癒すのに最適な場所と見たのも理由の一つ。
施設そのものが一つの巨大なウワサな性質上、ホテル内部へ漂う魔力は少なくない。
加えて地下に飼育された魔女の存在もまた、非常に都合が良い。
ケージ越しに垂れ流す嘗て魔法少女だった者達の怨嗟、苦痛、絶望。
負の感情を煮詰めた瘴気とも言う力は、健常な感性を持つ人間からすれば毒。
しかし外法を以て悪を為す、辺獄を名乗る陰陽師には実に相性が良い。
陣が起動し瘴気を吸収、自らの魔力に変え消費した分を回復。
更には治癒の術式を己へ施し、深く裂かれた箇所を塞ぐ。
傷と魔力、両方を纏めて回復出来るのだから一石二鳥だ。
魔女を始め内部の仕組みも中々どうして悪くない、先に見付けていれば恰好の拠点になった。
魔女を始め内部の仕組みも中々どうして悪くない、先に見付けていれば恰好の拠点になった。
「……ま、流石に何もかもとんとん拍子とはいきませんか」
傷を癒しながら自身の異変に肩を竦める。
治ってはいるがやけに遅い、本来に比べ術の効きが微妙に悪い。
ついでに言うと、消費される魔力が普段より幾分多いのも気のせいではあるまい。
異星の神との接続が断たれたと言っても、リンボは三体の悪神を喰らったハイサーヴァント。
内へ秘めた魔力の総量は、並のサーヴァントと一線を画す程に膨大。
複数の術の行使に宝具解放を加えたとて、十分余裕があったろうに。
治ってはいるがやけに遅い、本来に比べ術の効きが微妙に悪い。
ついでに言うと、消費される魔力が普段より幾分多いのも気のせいではあるまい。
異星の神との接続が断たれたと言っても、リンボは三体の悪神を喰らったハイサーヴァント。
内へ秘めた魔力の総量は、並のサーヴァントと一線を画す程に膨大。
複数の術の行使に宝具解放を加えたとて、十分余裕があったろうに。
難しく頭を捻るまでもない。
式神に大きく制限を施されたのと同じ、いらぬ枷を付けられたということか。
余計な真似をと思わないでもないが、長々と引き摺っても仕方ない。
今は次なる舞台が始まるまでの準備期間、待ちに入り回復に専念すべきだろう。
式神に大きく制限を施されたのと同じ、いらぬ枷を付けられたということか。
余計な真似をと思わないでもないが、長々と引き摺っても仕方ない。
今は次なる舞台が始まるまでの準備期間、待ちに入り回復に専念すべきだろう。
ゲームにおいて、リンボは上位に食い込む強者であるが唯一無二の最強に非ず。
例えば、傀儡と成り果てた日輪。
例えば、人の身ながらオーバーロードへ進化した強者。
例えば、可能性を引き寄せ盤面を大きく覆す決闘者。
例えば、創世の剣士の力を得た覇瞳皇帝。
例えば、新たな絆を得て、守りたい者を守らんとする少年。
例えば、傀儡と成り果てた日輪。
例えば、人の身ながらオーバーロードへ進化した強者。
例えば、可能性を引き寄せ盤面を大きく覆す決闘者。
例えば、創世の剣士の力を得た覇瞳皇帝。
例えば、新たな絆を得て、守りたい者を守らんとする少年。
リンボであっても相応に手を焼き、二度目の敗北を刻み付けられる者が複数存在する。
しかし、だ。
そういった者達ならリンボを容易く倒せると断言するのは、否と言わざるを得ない。
アルターエゴ・リンボ…蘆屋道満を甘く見過ぎた、無知蒙昧の戯言に他ならない。
そういった者達ならリンボを容易く倒せると断言するのは、否と言わざるを得ない。
アルターエゴ・リンボ…蘆屋道満を甘く見過ぎた、無知蒙昧の戯言に他ならない。
誇りを穢し、
信念を砕き、
慈愛を嗤い、
絆を陵辱し、
魂を堕とす。
信念を砕き、
慈愛を嗤い、
絆を陵辱し、
魂を堕とす。
下総国に血の河を流し、剣鬼荒ぶる地獄へ変えたのは誰か。
創世と滅亡の担い手を唆し、インド異聞帯を正しさを突き詰めたディストピアに変えたのは誰か。
創世と滅亡の担い手を唆し、インド異聞帯を正しさを突き詰めたディストピアに変えたのは誰か。
事、内より蝕み腐らせるのにかけてリンボは随一。
逸る衝動を抑え、静かにその時を待つ。
新たな地獄が顕現する、遠くない昏き未来を。
逸る衝動を抑え、静かにその時を待つ。
新たな地獄が顕現する、遠くない昏き未来を。
【C-1 ホテルフェントホープ/一日目/昼】
【カイザーインサイト@プリンセスコネクトRe:Dive!】
[状態]:健康
[装備]:聖剣ソードライバー&刃王剣十聖刃&ブレイブドラゴンワンダーライドブック@仮面ライダーセイバー
[道具]:基本支給品一式×2、シュークリームケーキ(少量消費)@ななしのアステリズム、キノコカンセット(キノコカン、スーパー、ウルトラ)@スーパーペーパーマリオ、ランダム支給品×0~3
[思考]
基本:あの神を名乗る男は気に入らない、出し抜く手段を考える
1:壊れたこの子(保登心愛)は使い物にならなくなるまで利用する。
2:みかげも駒として利用。どこまで使い物になるかしらね。
3:なるべく使える駒を集める。
4:あの子(キャル)も連れ戻すべきか。
5:この忌々しい首輪もなんとかしたい。エボルトの同行者には期待し過ぎず、こっちでも解除方法を調べる。
6:エボルトを利用。2回目の放送後に桜ノ館中学校で合流。
7:リンボを利用。害になると判断したら排除。
8:美遊・エーデルフェルトを知る参加者を探してみるか否か。
9:フェントホープの地下にあったモノの使い道も考えておく。
[備考]
※参戦時期は第一部第13章第三話以降
※覇瞳天星に関する制限は後続の書き手にお任せします
[状態]:健康
[装備]:聖剣ソードライバー&刃王剣十聖刃&ブレイブドラゴンワンダーライドブック@仮面ライダーセイバー
[道具]:基本支給品一式×2、シュークリームケーキ(少量消費)@ななしのアステリズム、キノコカンセット(キノコカン、スーパー、ウルトラ)@スーパーペーパーマリオ、ランダム支給品×0~3
[思考]
基本:あの神を名乗る男は気に入らない、出し抜く手段を考える
1:壊れたこの子(保登心愛)は使い物にならなくなるまで利用する。
2:みかげも駒として利用。どこまで使い物になるかしらね。
3:なるべく使える駒を集める。
4:あの子(キャル)も連れ戻すべきか。
5:この忌々しい首輪もなんとかしたい。エボルトの同行者には期待し過ぎず、こっちでも解除方法を調べる。
6:エボルトを利用。2回目の放送後に桜ノ館中学校で合流。
7:リンボを利用。害になると判断したら排除。
8:美遊・エーデルフェルトを知る参加者を探してみるか否か。
9:フェントホープの地下にあったモノの使い道も考えておく。
[備考]
※参戦時期は第一部第13章第三話以降
※覇瞳天星に関する制限は後続の書き手にお任せします
【保登心愛@きららファンタジア】
[状態]:操り人形、忠誠(カイザーインサイト)、プリンセスナイト(カイザーインサイト)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~1、ラーの翼神竜@遊戯王デュエルモンスターズ
[思考]
基本:陛下に従う
1:―――
[備考]
※参戦時期は第二部五章第20節から
※カイザーインサイトによりプリンセスナイトとなりました。魔物の操作能力も使用可能です。
[状態]:操り人形、忠誠(カイザーインサイト)、プリンセスナイト(カイザーインサイト)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~1、ラーの翼神竜@遊戯王デュエルモンスターズ
[思考]
基本:陛下に従う
1:―――
[備考]
※参戦時期は第二部五章第20節から
※カイザーインサイトによりプリンセスナイトとなりました。魔物の操作能力も使用可能です。
【琴岡みかげ@ななしのアステリズム】
[状態]:疲労(中)、精神的疲労(大・暗示の効果である程度緩和)、焦燥、暗示の効果継続中、ニノンの死へ動揺
[装備]:聖剣ソードライバー&雷鳴剣黄雷&ランブドアランジーナワンダーライドブック@仮面ライダーセイバー
[道具]:
[思考]
基本:早く帰りたかったけど、でも……
1:司を生き返らせる……?。
2:陛下を手伝う。陛下に付いて行けば大丈夫、だよね…?
3:ニノン、本当に死んじゃったんだ……
4:このまま生きて帰ったって……
[備考]
※参戦時期は第五巻、鷲尾と喧嘩別れした後
[状態]:疲労(中)、精神的疲労(大・暗示の効果である程度緩和)、焦燥、暗示の効果継続中、ニノンの死へ動揺
[装備]:聖剣ソードライバー&雷鳴剣黄雷&ランブドアランジーナワンダーライドブック@仮面ライダーセイバー
[道具]:
[思考]
基本:早く帰りたかったけど、でも……
1:司を生き返らせる……?。
2:陛下を手伝う。陛下に付いて行けば大丈夫、だよね…?
3:ニノン、本当に死んじゃったんだ……
4:このまま生きて帰ったって……
[備考]
※参戦時期は第五巻、鷲尾と喧嘩別れした後
【キャスター・リンボ@Fate/Grand Order】
[状態]:ダメージ(大・回復中)、疲労(中)、魔力消費(大・回復中)、上機嫌
[装備]:
[道具]:基本支給品一式×1、ランダム支給品×0~2(シャミ子の分含む)、光の護封剣(ゴールドシリーズ)@遊戯王OCG、空飛ぶじゅうたん@ドラえもん、小倉しおんの首輪、フグ田タラオの首輪
[思考]
基本:ただ、己の衝動と欲望の赴くままに
1:最上啓示、悪霊の集合体であろうかの御方の行く末、見届けて差し上げましょう。
2:吉田良子、どう利用してやりましょうか……ンンンンン。
3:里見灯花、まあそちらは式神の方に任せておきましょう。
それはそれとしてでゅえるもんすたーずの情報はありがたや。
4:吉田優子、こちらで目覚めを促してやるのもまた一興。
5:覇瞳皇帝、はてさて如何程の地獄を生み出すか。
6:ええ、ええ。真に最高にて。
7:果報は寝て待てと言います故、暫し休息に入らせて頂きます。
[備考]
※参戦時期は地獄界曼荼羅、退場後。
[状態]:ダメージ(大・回復中)、疲労(中)、魔力消費(大・回復中)、上機嫌
[装備]:
[道具]:基本支給品一式×1、ランダム支給品×0~2(シャミ子の分含む)、光の護封剣(ゴールドシリーズ)@遊戯王OCG、空飛ぶじゅうたん@ドラえもん、小倉しおんの首輪、フグ田タラオの首輪
[思考]
基本:ただ、己の衝動と欲望の赴くままに
1:最上啓示、悪霊の集合体であろうかの御方の行く末、見届けて差し上げましょう。
2:吉田良子、どう利用してやりましょうか……ンンンンン。
3:里見灯花、まあそちらは式神の方に任せておきましょう。
それはそれとしてでゅえるもんすたーずの情報はありがたや。
4:吉田優子、こちらで目覚めを促してやるのもまた一興。
5:覇瞳皇帝、はてさて如何程の地獄を生み出すか。
6:ええ、ええ。真に最高にて。
7:果報は寝て待てと言います故、暫し休息に入らせて頂きます。
[備考]
※参戦時期は地獄界曼荼羅、退場後。
◆◆◆
死体一つと散乱した鉄屑。
支給品も首輪も回収済、生きてる参加者は自分達以外に見当たらない。
逃げた連中が戻って来る気配もなく、騒ぎを聞き付けやって来る者も同様。
待っていればその内現れるかもしれないが、限られた時間を浪費してまでやる意味がどこにあるのか。
留まり続ける理由より、さっさと移動する理由の方が遥かに多い。
支給品も首輪も回収済、生きてる参加者は自分達以外に見当たらない。
逃げた連中が戻って来る気配もなく、騒ぎを聞き付けやって来る者も同様。
待っていればその内現れるかもしれないが、限られた時間を浪費してまでやる意味がどこにあるのか。
留まり続ける理由より、さっさと移動する理由の方が遥かに多い。
一度は言葉を交わし、情報交換を行った青年。
自らの手でスクラップへ変えた機械生命体。
そのどちらも、灯花の中では既に気に掛ける価値のない存在。
路傍の小石同然に、視界の端に映ったとて何の反応も見せない。
あってもなくてもどうでもいい、その程度のモノとして背を向ける。
自らの手でスクラップへ変えた機械生命体。
そのどちらも、灯花の中では既に気に掛ける価値のない存在。
路傍の小石同然に、視界の端に映ったとて何の反応も見せない。
あってもなくてもどうでもいい、その程度のモノとして背を向ける。
「お待ち下され灯花殿。そちらへ向かうのは控えた方がよろしいかと」
「なーに急に?」
「なーに急に?」
移動開始の寸前で出鼻を挫かれた。
小首を傾げ振り返ると、見上げる程の長躯を持つ怪人物が一人。
リンボの瞳は自身の腰よりも低い灯花ではない、遠く離れた何処かへ向けられたまま。
笑みは崩さず、しかし思案を重ねるように顎を擦っている。
いらぬ軽口や揶揄いの類であれば切って捨てるも、様子を見るに違うらしい。
耳を傾ける姿勢になったのを察し、移動を止めた理由を口にする。
小首を傾げ振り返ると、見上げる程の長躯を持つ怪人物が一人。
リンボの瞳は自身の腰よりも低い灯花ではない、遠く離れた何処かへ向けられたまま。
笑みは崩さず、しかし思案を重ねるように顎を擦っている。
いらぬ軽口や揶揄いの類であれば切って捨てるも、様子を見るに違うらしい。
耳を傾ける姿勢になったのを察し、移動を止めた理由を口にする。
「ここより北上した場所は現在、大災害もかくやの天候となっておりまする。迂闊に近付こうものなら、行き先不明の空の旅を味わう羽目になるでしょう」
「何でそんなことが……あーそっか、『あなた』が直接見たのかにゃー?」
「何でそんなことが……あーそっか、『あなた』が直接見たのかにゃー?」
一つ離れたエリアの状況を何故知っているのか。
抱いた疑問は即座に解消され、リンボからも肯定が返って来る。
今この場にいるリンボではない、式神を操る本体のリンボがその大災害とやらに巻き込まれたのだろう。
式神が見聞きした情報は本体に伝わり、逆もまた然り。
こういった面で非常に便利だと改めて思いつつ、より詳しく事情を聞く。
抱いた疑問は即座に解消され、リンボからも肯定が返って来る。
今この場にいるリンボではない、式神を操る本体のリンボがその大災害とやらに巻き込まれたのだろう。
式神が見聞きした情報は本体に伝わり、逆もまた然り。
こういった面で非常に便利だと改めて思いつつ、より詳しく事情を聞く。
「幸か不幸か、灯花殿の知己の者はおりませぬ。今現在あの場に留まっているのは、暴風雨を巻き起こした娘が一人。
ンンンンン!何とも恐ろしい!只人の身には有り余る呪いを秘め、災厄を吐き散らす様の何たる痛ましいことか!このリンボをして、憐憫の念を抱く他ありませぬぞ!」
「どうせあなたが原因なんでしょ?」
「まあそれは、はい」
ンンンンン!何とも恐ろしい!只人の身には有り余る呪いを秘め、災厄を吐き散らす様の何たる痛ましいことか!このリンボをして、憐憫の念を抱く他ありませぬぞ!」
「どうせあなたが原因なんでしょ?」
「まあそれは、はい」
オーバーなリアクションを取っているが、口元には明らかに弧を描いてあった。
聞いてみれば案の定、あっさりと頷いたではないか。
予想できた答えとはいえ呆れ顔を作り、件の娘にご愁傷様とだけ胸中で伝えておく。
灯花も灯花で、心の底から気の毒に思っている訳ではないが。
聞いてみれば案の定、あっさりと頷いたではないか。
予想できた答えとはいえ呆れ顔を作り、件の娘にご愁傷様とだけ胸中で伝えておく。
灯花も灯花で、心の底から気の毒に思っている訳ではないが。
「で?そのかわいそーな人以外は、あなたの言ったようにお空の旅の真っ最中ってこと?」
「そうなります。生者も死者も関係無く、はてさてどこまで飛ばされたのやら。こればかりは拙僧にも予想が付きませぬので。
ああ、因みに良子殿と最上殿は一時的に別行動中故、心配は不要かと」
「ふーん……」
「そうなります。生者も死者も関係無く、はてさてどこまで飛ばされたのやら。こればかりは拙僧にも予想が付きませぬので。
ああ、因みに良子殿と最上殿は一時的に別行動中故、心配は不要かと」
「ふーん……」
素っ気ない態度を取るも、内心では良子の無事に安堵が浮かぶ。
流石にいろはやねむとは比べるまでもないが、出来れば死んで欲しくないと思ってるのも本当。
今頃どうなってるか分からないけど、姉との再会が叶っていれば良子にとっても何よりだろう。
流石にいろはやねむとは比べるまでもないが、出来れば死んで欲しくないと思ってるのも本当。
今頃どうなってるか分からないけど、姉との再会が叶っていれば良子にとっても何よりだろう。
肝心の姉との再会が如何なるものか。
既に役目を終えたと見なしている事を、馬鹿正直に術師は教えない。
吉田優子の開花を促す贄に選ばれたなどと、知る由もなく。
わざわざ台風の被害地へ突っ込む物好きでない以上、ここはリンボの警告を素直に受け取る。
式神がこうして存在するのだから、どうせ本体もどこかでピンピンしてるに違いない。
既に役目を終えたと見なしている事を、馬鹿正直に術師は教えない。
吉田優子の開花を促す贄に選ばれたなどと、知る由もなく。
わざわざ台風の被害地へ突っ込む物好きでない以上、ここはリンボの警告を素直に受け取る。
式神がこうして存在するのだから、どうせ本体もどこかでピンピンしてるに違いない。
回れ右して南下、E-5内の住宅地へ移動。
先程は戦闘で気を回す余裕も無かったが、現在位置は放送で未回収の支給品があると伝えられたエリア。
時間を考えると持ち去られた可能性が高いとはいえ、念の為調べても損はない筈。
先程は戦闘で気を回す余裕も無かったが、現在位置は放送で未回収の支給品があると伝えられたエリア。
時間を考えると持ち去られた可能性が高いとはいえ、念の為調べても損はない筈。
「まーそこまで都合良くはいかないよねー」
収穫があったかどうかで言えば、つまらなそうに言う灯花の反応が答え。
年季の入ったアパートの前に転がる、首と胴体が泣き別れした死体。
支給品も首輪も見当たらず、先を越されたのは明らか。
殺された青年がどこの誰かとか、そういった情報には一切興味がない。
得る物が何一つ無いなら、留まる理由も皆無。
年季の入ったアパートの前に転がる、首と胴体が泣き別れした死体。
支給品も首輪も見当たらず、先を越されたのは明らか。
殺された青年がどこの誰かとか、そういった情報には一切興味がない。
得る物が何一つ無いなら、留まる理由も皆無。
尤も、もう一人には違うようだった。
「ふぅむ……無駄足と肩を落とすには些か早計やもしれませぬ。この者の亡骸は、我々で有効に使って差し上げましょうぞ」
「えー?もしかしてあなた、死体さんで遊ぶ趣味でもあるのー?」
「えー?もしかしてあなた、死体さんで遊ぶ趣味でもあるのー?」
眉を顰める灯花へ気を悪くした風もなく、何をする気かを説明。
訝し気な顔をされたが、反対は口にしない。
成功すれば自身の役に立つのが事実故、リンボの好きにさせる。
訝し気な顔をされたが、反対は口にしない。
成功すれば自身の役に立つのが事実故、リンボの好きにさせる。
異を唱える者がいないのであれば、躊躇を抱く必要も無し。
指先で五芒星を描き、青年の死体に術式を施す。
更には自身の術のみならず、二つの呪物を使用。
三つを掛け合わせ、死体を泥の孔の如き暗黒へ沈み込ませた。
指先で五芒星を描き、青年の死体に術式を施す。
更には自身の術のみならず、二つの呪物を使用。
三つを掛け合わせ、死体を泥の孔の如き暗黒へ沈み込ませた。
ややあって闇が晴れ、横たわった死体に即座の変化が起きる。
とうに命が抜け落ち、抜け殻と果てた筈が何という事か。
掌を地に付け起き上がり、自らの両足で冷えたアスファルトを踏みしめた。
とうに命が抜け落ち、抜け殻と果てた筈が何という事か。
掌を地に付け起き上がり、自らの両足で冷えたアスファルトを踏みしめた。
独りでに動いただけでなく、つい数秒前までとは外見も異なっている。
青白い死人の肌はくすんだ灰色へ。
生前に失った左腕が生えるも、人のソレとは到底言い難い。
肉の突起が幾重にも絡み合った、正しく異形の部位。
端正な顔立ちは変わらずとも、空洞の如き瞳に光は永遠に宿らない。
青白い死人の肌はくすんだ灰色へ。
生前に失った左腕が生えるも、人のソレとは到底言い難い。
肉の突起が幾重にも絡み合った、正しく異形の部位。
端正な顔立ちは変わらずとも、空洞の如き瞳に光は永遠に宿らない。
「ンンンン、もう少し手を加えたかったのですが…今の拙僧ではこれが限界ですか」
「でもわたくし達の言う通りに動くんでしょー?とりあえず、使い物になるなら良いんじゃないの?」
「でもわたくし達の言う通りに動くんでしょー?とりあえず、使い物になるなら良いんじゃないの?」
仕上がりへ不満を零すリンボへ言葉を交わし、物言わぬソレを見上げる。
嘗て櫻井戒と呼ばれた青年は、今や忠実な屍兵と化し沈黙を保っていた。
嘗て櫻井戒と呼ばれた青年は、今や忠実な屍兵と化し沈黙を保っていた。
そも、蘆屋道満とは平安の世にて名を知らしめた陰陽師。
多岐に渡り呪術や妖術を使いこなし、その悪辣さでカルデアとも決して浅くない因縁を生み出した。
死者の使役程度朝飯前、欠伸交じりにやってのける。
多岐に渡り呪術や妖術を使いこなし、その悪辣さでカルデアとも決して浅くない因縁を生み出した。
死者の使役程度朝飯前、欠伸交じりにやってのける。
とは言うものの、異界の殺戮遊戯においては勝手も異なる。
膨大な魔力総量及び、術の出力への制限。
本体でさえこれ程の枷を付けられたなら、式神は更に弱体化が著しい。
死体に術を掛けた所で無意味だったろうが、当然リンボも分からない筈がない。
自分一人の術で足りないのであれば、補強可能な呪物を使えば良いだけのこと。
膨大な魔力総量及び、術の出力への制限。
本体でさえこれ程の枷を付けられたなら、式神は更に弱体化が著しい。
死体に術を掛けた所で無意味だったろうが、当然リンボも分からない筈がない。
自分一人の術で足りないのであれば、補強可能な呪物を使えば良いだけのこと。
一つはノロ。
荒魂の正体であり負の神聖を帯びた物質と、リンボの相性は言わずもがな。
もう一つは灯花から譲渡された支給品。
戒の右手に握られた巨大な戦斧、名を暗黒斬という。
闇に堕ちた魔戒騎士がホラーを喰う際に用いられる得物に、蓄積された陰我は並大抵の量に非ず。
人間にとっては致死相当の猛毒すら、むしろ好都合と術式へ組み込んだ。
荒魂の正体であり負の神聖を帯びた物質と、リンボの相性は言わずもがな。
もう一つは灯花から譲渡された支給品。
戒の右手に握られた巨大な戦斧、名を暗黒斬という。
闇に堕ちた魔戒騎士がホラーを喰う際に用いられる得物に、蓄積された陰我は並大抵の量に非ず。
人間にとっては致死相当の猛毒すら、むしろ好都合と術式へ組み込んだ。
結果生まれたのが目の前にいる屍人。
聖遺物に食われた、櫻井の血筋の成れ果て程の力はない。
まして自我なき骸故に、この地で日輪を相手取った戦闘技術も当然の如く劣化。
なれど不足した分はノロと暗黒斬、それぞれ異なる呪いを授け形となった。
デュエルモンスターズを使う灯花の前衛をこなすくらいなら、問題無いだろう。
聖遺物に食われた、櫻井の血筋の成れ果て程の力はない。
まして自我なき骸故に、この地で日輪を相手取った戦闘技術も当然の如く劣化。
なれど不足した分はノロと暗黒斬、それぞれ異なる呪いを授け形となった。
デュエルモンスターズを使う灯花の前衛をこなすくらいなら、問題無いだろう。
手に入れ損ねた支給品と首輪の代わりに、役立つ駒を一つ調達。
得られた成果は悪くない。
名も知らぬ青年の死体を道具同然に扱うのへ、今更罪悪感があろう筈もなし。
戒と殺し合いで縁を結んだ者が見れば何を思うかなど、心底どうでも良かった。
得られた成果は悪くない。
名も知らぬ青年の死体を道具同然に扱うのへ、今更罪悪感があろう筈もなし。
戒と殺し合いで縁を結んだ者が見れば何を思うかなど、心底どうでも良かった。
「ああ所で、ついさっき手に入れたばかりの情報なのですが」
ポンと掌を打ち、わざとらしく思い出したと言わんばかりの態度で告げる。
「いろは殿がどこへ行ったのか分かりました」
「――――――」
「――――――」
世間話でもするかの気軽さで、灯花が絶対に無視できない名前を口に出した。
弾かれたように振り向き、自身を見つめる幼子の瞳。
苛烈と言っても過言じゃあない執着が宿るのに、果たして本人は気付いているのか。
成人男性でも怯み兼ねない眼力を、涼しげな表情で受け流す。
自身の態度が灯花を無駄に焦らすと自覚した上で、ゆっくりと口を開いた。
弾かれたように振り向き、自身を見つめる幼子の瞳。
苛烈と言っても過言じゃあない執着が宿るのに、果たして本人は気付いているのか。
成人男性でも怯み兼ねない眼力を、涼しげな表情で受け流す。
自身の態度が灯花を無駄に焦らすと自覚した上で、ゆっくりと口を開いた。
灯花に語った内容は別のエリアにて、本体のリンボがカイザーインサイトから聞いた情報。
フェントホープでの争乱と、どうにか逃げ延びた者達。
内の一人の特徴は間違いなく、環いろはと合致する。
マギウスの翼の拠点が施設として再現されたのも驚きだが、それ以上にいろはの行方が灯花の思考を染め上げた。
時間を考えても、フェントホープ周辺のエリアから大きくは離れていない筈。
運が良ければ向かう道中で、ばったり会う可能性だって低くない。
遠のいた再会が再び近付く予感が生まれ、意識せずとも肌が熱を帯び、
フェントホープでの争乱と、どうにか逃げ延びた者達。
内の一人の特徴は間違いなく、環いろはと合致する。
マギウスの翼の拠点が施設として再現されたのも驚きだが、それ以上にいろはの行方が灯花の思考を染め上げた。
時間を考えても、フェントホープ周辺のエリアから大きくは離れていない筈。
運が良ければ向かう道中で、ばったり会う可能性だって低くない。
遠のいた再会が再び近付く予感が生まれ、意識せずとも肌が熱を帯び、
「それともう一つ。いろは殿のお傍には六眼の御仁……黒死牟殿もおられたと、そう聞きました」
忌々しい内容へ、自分のどこかが軋む音が聞こえた。
「何でも灯花殿の言う『ふぇんとほおぷ』なる建造物。そこから脱出する際、いろは殿の手を引き去って行ったと。何とも甲斐甲斐しいではありませぬか。灯花殿がご不在の間、かの者がいろは殿を――」
「誰もそこまで聞いてないんだけど」
「これは失礼」
「誰もそこまで聞いてないんだけど」
「これは失礼」
延々と垂れ流される戯言を、温度の失った声で黙らせる。
自分がどう反応するか、分かり切った上でほざいたのは疑う余地がない。
一々本気で捉えるのは無駄、適当に聞き流せばいい。
これまでだってリンボの軽口にはそうして来たし、対応はこの先も変わらない。
自分がどう反応するか、分かり切った上でほざいたのは疑う余地がない。
一々本気で捉えるのは無駄、適当に聞き流せばいい。
これまでだってリンボの軽口にはそうして来たし、対応はこの先も変わらない。
だけど、覆せないその事実は。
今尚いろはの隣に、あの異形の侍が我が物顔で居座るのには。
自分以外の、魔法少女ですらない化け物がそこへ存在するのは。
掻き出したくなる程の不快感が渦巻くのだ。
今尚いろはの隣に、あの異形の侍が我が物顔で居座るのには。
自分以外の、魔法少女ですらない化け物がそこへ存在するのは。
掻き出したくなる程の不快感が渦巻くのだ。
(早く離れてよ……お姉さまのお傍は――)
お前なんかがいていい場所じゃない。
声に出さずとも、何処かを見据える瞳が強く訴える。
表情の抜け落ちた顔の裏で、淀んだ妬みが炎となって勢いを増す。
ともすれば、灯花自身をも飲み込み兼ねない。
そう気付いているのは、傍らへ佇む術師一人。
声に出さずとも、何処かを見据える瞳が強く訴える。
表情の抜け落ちた顔の裏で、淀んだ妬みが炎となって勢いを増す。
ともすれば、灯花自身をも飲み込み兼ねない。
そう気付いているのは、傍らへ佇む術師一人。
嫉妬という名の火炎を鎮火させる気も無く、リンボはただ嗤う。
丹念に薪をくべ、油を注いだ影響は確実に表れている。
なればこのまま突き進ませ、灼熱地獄を実現させるのみ。
丹念に薪をくべ、油を注いだ影響は確実に表れている。
なればこのまま突き進ませ、灼熱地獄を実現させるのみ。
遠くない内に現実となるだろう地獄絵図を、今か今かと待ち侘び。
辺獄を名乗る男はただ、笑みを浮かべていた。
辺獄を名乗る男はただ、笑みを浮かべていた。
【E-5/一日目/昼】
【里見灯花@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)】
[状態]:疲労(中)、あり得ない思考に対する動揺(小)、リンボ(式神)による暗示の影響(中~大)、嫉妬と不快感(中~大)
[装備]:デュエルディスク+素良のデッキ@遊戯王ARC-V
[道具]:基本支給品一式×2、桜田ネネのランダム支給品×0~2、首輪(ネネ、承太郎、或人)
[思考・状況]
基本方針:ハ・デスの力を奪い、魔法少女の救済を果たす。
1:使える人材は生かしておく。
2:首輪を外す。取り敢えずどこかで調べたい。並行してドッペルに関しても調べる。
3:出来ることならねむと合流。もしねむがわたくしより先にお姉さまと会っていたら……?
4:七海やちよは邪魔をしてくるなら容赦しない。
5:私は、いろはお姉さま、を――?
6:この陰陽師(リンボ)、信用はできないは実力はあるから今のところは保留。
7:六眼の侍(黒死牟)が気に入らない。なんであんな奴がお姉さまのお傍に……。
[備考]
※参戦時期は死亡後。
※首輪が爆発した時、ソウルジェムも同時に破壊されると考えています。
※リンボによる暗示の影響で、リンボに危害を加えることは不可能となっております。
※タイムテレビを使い黎明、朝の時間帯にD-6の病院前で起きた戦闘を見ました。
[状態]:疲労(中)、あり得ない思考に対する動揺(小)、リンボ(式神)による暗示の影響(中~大)、嫉妬と不快感(中~大)
[装備]:デュエルディスク+素良のデッキ@遊戯王ARC-V
[道具]:基本支給品一式×2、桜田ネネのランダム支給品×0~2、首輪(ネネ、承太郎、或人)
[思考・状況]
基本方針:ハ・デスの力を奪い、魔法少女の救済を果たす。
1:使える人材は生かしておく。
2:首輪を外す。取り敢えずどこかで調べたい。並行してドッペルに関しても調べる。
3:出来ることならねむと合流。もしねむがわたくしより先にお姉さまと会っていたら……?
4:七海やちよは邪魔をしてくるなら容赦しない。
5:私は、いろはお姉さま、を――?
6:この陰陽師(リンボ)、信用はできないは実力はあるから今のところは保留。
7:六眼の侍(黒死牟)が気に入らない。なんであんな奴がお姉さまのお傍に……。
[備考]
※参戦時期は死亡後。
※首輪が爆発した時、ソウルジェムも同時に破壊されると考えています。
※リンボによる暗示の影響で、リンボに危害を加えることは不可能となっております。
※タイムテレビを使い黎明、朝の時間帯にD-6の病院前で起きた戦闘を見ました。
【キャスター・リンボ(式神)@Fate/Grand Order】
[状態]:健康(本体より弱体化)、魔力消費(中)
[装備]:
[道具]:小倉しおんの支給品袋及び支給品一式、タイムテレビ(残り使用回数3回)@ドラえもん、ノロの入ったアンプル×5@刀使ノ巫女(漫画版)、ポルターガイスト(4時間使用不可)@遊戯王OCG、オーソライズバスター@仮面ライダーゼロワン、アナザーゼロワンライドウォッチ@仮面ライダージオウ×ゼロワン 令和・ザ・ファーストジェネレーション
[思考]
基本:ただ、己の衝動と欲望の赴くままに
1:里見灯花に付き従う。何時彼女が爆発するか楽しみですぞ、ンンンンン―――。
2:あの侍達(黒死牟、縁壱)は……ンン。
3:飛電或人は少々期待外れでしたな。まあいいでしょう。
[備考]
『式神について』
※最大召喚数は1名
※他参加者から5メートル以上離れた場合自動的に消滅。
※性能は本体より著しく弱体化。
※自動消滅または撃破された場合、式神再召喚まで6時間のインターバルが必要。
※本体が撃破された場合、式神も同じく消滅する。
※式神が得た情報は本体に共有される。
[状態]:健康(本体より弱体化)、魔力消費(中)
[装備]:
[道具]:小倉しおんの支給品袋及び支給品一式、タイムテレビ(残り使用回数3回)@ドラえもん、ノロの入ったアンプル×5@刀使ノ巫女(漫画版)、ポルターガイスト(4時間使用不可)@遊戯王OCG、オーソライズバスター@仮面ライダーゼロワン、アナザーゼロワンライドウォッチ@仮面ライダージオウ×ゼロワン 令和・ザ・ファーストジェネレーション
[思考]
基本:ただ、己の衝動と欲望の赴くままに
1:里見灯花に付き従う。何時彼女が爆発するか楽しみですぞ、ンンンンン―――。
2:あの侍達(黒死牟、縁壱)は……ンン。
3:飛電或人は少々期待外れでしたな。まあいいでしょう。
[備考]
『式神について』
※最大召喚数は1名
※他参加者から5メートル以上離れた場合自動的に消滅。
※性能は本体より著しく弱体化。
※自動消滅または撃破された場合、式神再召喚まで6時間のインターバルが必要。
※本体が撃破された場合、式神も同じく消滅する。
※式神が得た情報は本体に共有される。
【櫻井戒@Dies irae Verfaulen segen】
[状態]:屍兵、ノロによる強化及び左腕修復
[装備]:暗黒斬@牙狼 -GARO-シリーズ
[道具]:
[思考・状況]基本方針:リンボに従う
1:……
[備考]
※キャスター・リンボ(式神)の術により屍兵として使役されています。
※生前より劣化した分の力を、ノロで補っています。
[状態]:屍兵、ノロによる強化及び左腕修復
[装備]:暗黒斬@牙狼 -GARO-シリーズ
[道具]:
[思考・状況]基本方針:リンボに従う
1:……
[備考]
※キャスター・リンボ(式神)の術により屍兵として使役されています。
※生前より劣化した分の力を、ノロで補っています。
『支給品解説』
【暗黒斬@牙狼 -GARO-シリーズ】
桜田ネネに支給。
暗黒騎士呀が使う長得物の戦斧。
ホラーを喰う儀式に用いられる。
桜田ネネに支給。
暗黒騎士呀が使う長得物の戦斧。
ホラーを喰う儀式に用いられる。
108:涙はみせない(前編) | 投下順 | 110:橘ギャレンの困惑 |
107:溺れるサカナ、水槽(みず)の中の悪夢(ゆめ) | 時系列順 | |
093:どうにもならないからよ | カイザーインサイト | |
保登心愛(きらファン) | ||
琴岡みかげ | ||
106:無情の抹殺 群雄割拠 | キャスター・リンボ | |
097:リローデッド ─禁じられた遊び─ | 里見灯花 | |
キャスター・リンボ(式神) |