「デュエル……けっとー、ねえ。ただでさえ忙しい時だってのに。俺はビッグ・ファイアの命で大作を護らなきゃいけねえのになあ」
BF団十傑集、素晴らしきヒィッツカラルドはのんきにしていたが、その実内心ではかなり焦っていた。このような催しに誘われたことではない。護衛対象から遠く引き離されたことである。
主であるビッグ・ファイアによって怨敵「黄帝」ライセさえ倒してくれれば世界に手出しはしないとの宣言、その過程において草間大作を死守するよう十傑集は言われた。その任務を全うできないとなれば、傍若無人なヒィッツと言えどそれは困る事態である。
どうすっかねと考えこんでいると、なにやら聞き覚えのある悲鳴があがった。遠くの声だが、人知を超えた身体能力と感覚を持った十傑集の彼は、あっさりとその声色と方向を聞き分ける。
「……なんだよ、いるじゃねえか」
ヒィッツカラルドはにやりと笑うと、その声がした方向へと走っていった。
BF団十傑集、素晴らしきヒィッツカラルドはのんきにしていたが、その実内心ではかなり焦っていた。このような催しに誘われたことではない。護衛対象から遠く引き離されたことである。
主であるビッグ・ファイアによって怨敵「黄帝」ライセさえ倒してくれれば世界に手出しはしないとの宣言、その過程において草間大作を死守するよう十傑集は言われた。その任務を全うできないとなれば、傍若無人なヒィッツと言えどそれは困る事態である。
どうすっかねと考えこんでいると、なにやら聞き覚えのある悲鳴があがった。遠くの声だが、人知を超えた身体能力と感覚を持った十傑集の彼は、あっさりとその声色と方向を聞き分ける。
「……なんだよ、いるじゃねえか」
ヒィッツカラルドはにやりと笑うと、その声がした方向へと走っていった。
●
「な、なんだお前!? くるな、くるな!」
人型の猫ともいうべき存在。怪人協会の幹部、ニャーンはふたりの男女を見て舌なめずりをしていた。
猫が変異した怪物である彼には、それこそ動物的な獲物をいたぶる本能があった。
「くくく。こんな戦いに閉じ込められた時はビックリしたけど。ただの女子供がいるとなれば割と楽勝なのかもね。精々オモチャになってもらうよ、君たち」
「……ロボがあれば!」
ジャイアントロボを操る少年、草間大作は悔やむ。あのような戦いを潜り抜けて、終わりが奇怪な猫に襲われ死ぬ。そんなにもあっけないのか。せめてそこに居る女性だけでも逃がすべきかと、ニャーンを睨みつけるが、怪猫はニヤニヤと笑っている。
人型の猫ともいうべき存在。怪人協会の幹部、ニャーンはふたりの男女を見て舌なめずりをしていた。
猫が変異した怪物である彼には、それこそ動物的な獲物をいたぶる本能があった。
「くくく。こんな戦いに閉じ込められた時はビックリしたけど。ただの女子供がいるとなれば割と楽勝なのかもね。精々オモチャになってもらうよ、君たち」
「……ロボがあれば!」
ジャイアントロボを操る少年、草間大作は悔やむ。あのような戦いを潜り抜けて、終わりが奇怪な猫に襲われ死ぬ。そんなにもあっけないのか。せめてそこに居る女性だけでも逃がすべきかと、ニャーンを睨みつけるが、怪猫はニヤニヤと笑っている。
一方居合わせた眼鏡の女性……サイコスは迷っていた。目の前の少年の生死などはどうでもよかった。元々人類に敵対する自分にとって、死のうとなんだろうと。
問題は目の前にいる怪人ニャーンが自分の知り合いだったことである。ただし、自分はギョロギョロという名の肉のダミー、超能力での操り人形越しに接していたため、ニャーンの方はサイコスをただの一般人女性だと思い込んでいるようだった。
この場合、今サイコスがとるべき選択肢は大別してふたつ。
怪人協会の幹部であるニャーンに協会の影のボスとしての己の正体を明かし、協力を望むか。
それとも黙ってニャーンを始末するなり逃げるなり、だった。
(まず自分がニャーンに怪人協会サブリーダーのギョロギョロだと信じてもらえるかも怪しい。いっそのことニャーンも目撃者のこの子供も纏めて消すか? いや、序盤から幹部級の手駒と敵対するのは避けたい。しかし……)
どうするか考えあぐね、サイコスが少しの間固まっていたが。気が付くと。
いつの間にか三者の間にスーツ姿の男性が降り立っていた。瞳が無く白目だけの目に、頬に線。蟹の足のような逆立った髪型をした男が。
「よお、大作! 猫にでも遊んでもらってたのか?」
男は少年の知り合いらしく、再会を喜ぶように能天気に手をあげた。
「お、お前は十傑集の!?」
(こいつ……今、いつの間にここに来た?)
「……ん、あれ? お前九大天王の守りと力はどうし」
問題は目の前にいる怪人ニャーンが自分の知り合いだったことである。ただし、自分はギョロギョロという名の肉のダミー、超能力での操り人形越しに接していたため、ニャーンの方はサイコスをただの一般人女性だと思い込んでいるようだった。
この場合、今サイコスがとるべき選択肢は大別してふたつ。
怪人協会の幹部であるニャーンに協会の影のボスとしての己の正体を明かし、協力を望むか。
それとも黙ってニャーンを始末するなり逃げるなり、だった。
(まず自分がニャーンに怪人協会サブリーダーのギョロギョロだと信じてもらえるかも怪しい。いっそのことニャーンも目撃者のこの子供も纏めて消すか? いや、序盤から幹部級の手駒と敵対するのは避けたい。しかし……)
どうするか考えあぐね、サイコスが少しの間固まっていたが。気が付くと。
いつの間にか三者の間にスーツ姿の男性が降り立っていた。瞳が無く白目だけの目に、頬に線。蟹の足のような逆立った髪型をした男が。
「よお、大作! 猫にでも遊んでもらってたのか?」
男は少年の知り合いらしく、再会を喜ぶように能天気に手をあげた。
「お、お前は十傑集の!?」
(こいつ……今、いつの間にここに来た?)
「……ん、あれ? お前九大天王の守りと力はどうし」
「激・猫罰!!」
いきなり割り込んで来た不審な男に対し不意打ち気味に放たれた、建築物をも抵抗もなくバラバラにするニャーンの交差する爪の一撃。いや二撃に、ヒィッツのスーツと皮が裂ける。だが。
「っってぇな! 人にじゃれるのも加減しろよな!」
が、それこそ子猫に引っかかれたかのような反応で、ぷんぷんと怒りながらヒィッツカラルドがニャーンの方を向いていた。
(あっ。こいつ、ヤバ)
直後、ヒィッツの指が弾かれ、ニャーンが吹き飛ばされる。
「空気弾!」
(超能力者だったのか! しかもフィジカルまでS級ヒーロー並とか聞いてないぞ!?)
指パッチンをすると相手を吹き飛ばすようで、発動に脈絡がなく回避もしにくい。あらゆる攻撃を避ける、ミリ単位で薄くできる軽い肉体も風は相性が悪い。そうニャーンは慌てた。
が、それこそ子猫に引っかかれたかのような反応で、ぷんぷんと怒りながらヒィッツカラルドがニャーンの方を向いていた。
(あっ。こいつ、ヤバ)
直後、ヒィッツの指が弾かれ、ニャーンが吹き飛ばされる。
「空気弾!」
(超能力者だったのか! しかもフィジカルまでS級ヒーロー並とか聞いてないぞ!?)
指パッチンをすると相手を吹き飛ばすようで、発動に脈絡がなく回避もしにくい。あらゆる攻撃を避ける、ミリ単位で薄くできる軽い肉体も風は相性が悪い。そうニャーンは慌てた。
……実際は、ヒィッツカラルドの攻撃は「空気弾」ではなく「真空波」である。
彼が「地上最強のユビ」を弾いた時、あらゆるものは切り裂かれる。今回は、ただでっかい猫のバケモノがちょっかいをかけてきたから、それこそ叱り飛ばすように峰打ちで放ったに過ぎない。
指パッチンで放つ真空の刃を更に峰打ち……というあまりにも奇怪な挙動による読めない攻撃だからこそ、ニャーンも一切避けられなかったのである。
ヒィッツがその気になれば、フィンガースナップ一発で無数の斬撃「一指全断」を放つことも、人体や山を木っ端みじんにすることも容易である。
指パッチンで放つ真空の刃を更に峰打ち……というあまりにも奇怪な挙動による読めない攻撃だからこそ、ニャーンも一切避けられなかったのである。
ヒィッツがその気になれば、フィンガースナップ一発で無数の斬撃「一指全断」を放つことも、人体や山を木っ端みじんにすることも容易である。
「お前なんかの相手してられるかっ! 私はもうちょっと楽な相手をいたぶらせてもらう!!」
そう吐き捨てながらもニャーンは迷うことなく必死で体を薄くくねらせ、逃走した。地面や壁などの隙間を縫うように去るその姿を見てヒィッツはすっとぼけた声を出した。
「ありゃ? 赤影みたいに影になって「実体」を消せるのか? うーん、でも俺の攻撃は普通に当たってたな。ただの体捌きかな?」
「言ってる場合じゃないよ! アイツ、いたぶるとか言ってたぞ!?」
大作のツッコミに、あーそうだったそうだったとヒィッツカラルドは大作と、あとついでにサイコスの手を引くと、ニャーンの行く先を追いかけていく。
十傑集や九大天王が使う、矢のような空中飛行する移動を開始する。
「ありゃ? 赤影みたいに影になって「実体」を消せるのか? うーん、でも俺の攻撃は普通に当たってたな。ただの体捌きかな?」
「言ってる場合じゃないよ! アイツ、いたぶるとか言ってたぞ!?」
大作のツッコミに、あーそうだったそうだったとヒィッツカラルドは大作と、あとついでにサイコスの手を引くと、ニャーンの行く先を追いかけていく。
十傑集や九大天王が使う、矢のような空中飛行する移動を開始する。
「ここまでくれば……うわぁ!?」
地形の隙間を縫うように高速で逃げても、それでも追いかけてくる先ほどのカニ頭と思わしき光の矢に、ニャーンは驚いて地上に飛び出しながら走る。こうなれば地上をひたすら全速力で逃げるしかない。
すると、走っていく先には陰気な男がぼーっと立ち尽くしている。
「なんだお前は……なんの用だ。放っておけ」
恐れるでもなく避けるでもなく、ただ陰気な覇気のない死んだ目を向ける男に、ニャーンは苛立ち紛れに爪を構えた。
「どけっ人間!」
急いでいるため、嗜虐心もなにもなく乱暴に殺しにかかる。だがその人間……いや、ファンガイアの「キング」はその爪をあっさりと片手で掴んで止めた。
そして瞬時にキングはコウモリのような姿へと変貌し、
「か、怪人……いや、待っ……仲ッ……」
赤色の破壊光線を全身より放つ。ニャーンは、回避し得ぬバットファンガイアの怪光によって焼け、消えていった。
地形の隙間を縫うように高速で逃げても、それでも追いかけてくる先ほどのカニ頭と思わしき光の矢に、ニャーンは驚いて地上に飛び出しながら走る。こうなれば地上をひたすら全速力で逃げるしかない。
すると、走っていく先には陰気な男がぼーっと立ち尽くしている。
「なんだお前は……なんの用だ。放っておけ」
恐れるでもなく避けるでもなく、ただ陰気な覇気のない死んだ目を向ける男に、ニャーンは苛立ち紛れに爪を構えた。
「どけっ人間!」
急いでいるため、嗜虐心もなにもなく乱暴に殺しにかかる。だがその人間……いや、ファンガイアの「キング」はその爪をあっさりと片手で掴んで止めた。
そして瞬時にキングはコウモリのような姿へと変貌し、
「か、怪人……いや、待っ……仲ッ……」
赤色の破壊光線を全身より放つ。ニャーンは、回避し得ぬバットファンガイアの怪光によって焼け、消えていった。
【ニャーン@ワンパンマン 死亡】
この戦いに参加せしひとりの強者、その命を奪ったことになんの感慨も抱かぬ目を向けると、また何事も無かったかのようにキングは黙り立ち尽くした。
「猫と蝙蝠の喧嘩か? にしても危なかったな大作」
着地してその様を見ていたヒィッツは口笛を吹いていた。あの蝙蝠姿になった男が相当な腕前なのは明らかだった。
サイコスもまた、一部始終を観察して新たなチャンスと見ていた。
(素晴らしい怪人だ……レベル竜の幹部を瞬殺するとは引き込む価値がある。この男もそうだ。間違いなくS級賞金首と言える存在だが、一体どこにこんな逸材が……)
着地してその様を見ていたヒィッツは口笛を吹いていた。あの蝙蝠姿になった男が相当な腕前なのは明らかだった。
サイコスもまた、一部始終を観察して新たなチャンスと見ていた。
(素晴らしい怪人だ……レベル竜の幹部を瞬殺するとは引き込む価値がある。この男もそうだ。間違いなくS級賞金首と言える存在だが、一体どこにこんな逸材が……)
知り合いらしきふたりは会話を続けていたが、しばらくすると情報の齟齬に対し納得したようにヒィッツがぽん、と手を叩いた。
「あー。お前、俺の世界の大作じゃなくて並行世界の大作か。セルバンテスの舞台演劇で言ってた……そっちじゃ俺は敵のままと。BF団だから当たり前か。ハ・デスが多世界に干渉できるってのは本当みてえだな」
「セルバンテスのおじさん……並行世界?」
「おっ。十傑集のメンツは同じみたいだな。セルバンテスはパラレルワールドを巡る能力を持ってたんだ。そんでもって並行世界じゃお前はどこでも最後には地球が燃え尽きるのと一緒に死んでたらしいぜ」
「えっ……!?」
しれっとあらゆる並行世界で自分が世界滅亡と共に死んでいる、との情報を聞いて草間大作は愕然とした。
「お前が「どこ」の大作かは知らんが。地球が燃え尽きるような事件には気をつけるこったな。どうせだ、俺たちの世界を存続させるヒントになるかもしれねえし……大作、お前と俺は同行した方がいい。駄賃がわりについでに守ってやるよ」
「あー。お前、俺の世界の大作じゃなくて並行世界の大作か。セルバンテスの舞台演劇で言ってた……そっちじゃ俺は敵のままと。BF団だから当たり前か。ハ・デスが多世界に干渉できるってのは本当みてえだな」
「セルバンテスのおじさん……並行世界?」
「おっ。十傑集のメンツは同じみたいだな。セルバンテスはパラレルワールドを巡る能力を持ってたんだ。そんでもって並行世界じゃお前はどこでも最後には地球が燃え尽きるのと一緒に死んでたらしいぜ」
「えっ……!?」
しれっとあらゆる並行世界で自分が世界滅亡と共に死んでいる、との情報を聞いて草間大作は愕然とした。
「お前が「どこ」の大作かは知らんが。地球が燃え尽きるような事件には気をつけるこったな。どうせだ、俺たちの世界を存続させるヒントになるかもしれねえし……大作、お前と俺は同行した方がいい。駄賃がわりについでに守ってやるよ」
その申し出に、大作は露骨に嫌がった。元々「この大作」の世界でのヒィッツは、大作を襲ってきたこともある十傑集である。女子供でも平然と切り刻める気性そのものは、どうやらあまり変わらないように見えた。
……別に向こうの世界のヒィッツも大作のことをいいなり襲って「地上最強のユビ」による斬撃を放ったこと自体はあるので、ある意味それは誤解による不信とはいいがたいものであった。
……別に向こうの世界のヒィッツも大作のことをいいなり襲って「地上最強のユビ」による斬撃を放ったこと自体はあるので、ある意味それは誤解による不信とはいいがたいものであった。
だとしてもなにやら重大な戦局がために向こうの「大作」を護ろうとしていることは会話から判ったが、
この男と組むというのはどうにも忌避感がある。九大天王と同格の実力者なのだ、心強い味方のはずなのだが、
「BF団と協力するだなんて……」
やはり、大作からすると気が進まない。
「そのBF団の最高幹部、十傑集がこうしてなすすべも無く呼ばれてるんだ。俺らに匹敵するのは梁山泊、九大天王のみ……とは言えねえか。こりゃあのハ・デスって野郎が冥界の魔王を名乗るのもあながち嘘じゃねえ。呉越同舟と行こうじゃねえか……そっちの超能力者な眼鏡の姉ちゃんもな」
最後の言葉に、それまで蚊帳の外気味だったサイコスが一瞬表情をこわばらせた。
「っ……いつから気付いていたんですか?」
「最初から。同僚にも超能力者は居てね。ただ者じゃねえことくらいはすぐわかる」
この男と組むというのはどうにも忌避感がある。九大天王と同格の実力者なのだ、心強い味方のはずなのだが、
「BF団と協力するだなんて……」
やはり、大作からすると気が進まない。
「そのBF団の最高幹部、十傑集がこうしてなすすべも無く呼ばれてるんだ。俺らに匹敵するのは梁山泊、九大天王のみ……とは言えねえか。こりゃあのハ・デスって野郎が冥界の魔王を名乗るのもあながち嘘じゃねえ。呉越同舟と行こうじゃねえか……そっちの超能力者な眼鏡の姉ちゃんもな」
最後の言葉に、それまで蚊帳の外気味だったサイコスが一瞬表情をこわばらせた。
「っ……いつから気付いていたんですか?」
「最初から。同僚にも超能力者は居てね。ただ者じゃねえことくらいはすぐわかる」
(軽薄そうな言動に反してバカではないか。大方のヒーローと違いやりづらいな……ここは全面的に協力すべきか。名前から察するにこんな男があと9人。BF団とは相当強大な犯罪組織のようだな。しかし並行世界に地球が燃え尽きるだと? 冗談じゃない、それが本当なら……)
あるいは、自分が見据えていた惑星単位のビジョンそのものが前提から見直しになると、サイコスはひとり思案する。
「おい、そこの蝙蝠のアンちゃんはどうする?」
ヒィッツの問いかけに、キングは陰鬱な目を向けると、ひとりごとのようにボソボソとつぶやき始める。
「どうでもいい。俺は既に死んだ身だ。どのようになろうと……」
全てが決した後から呼ばれたファンガイアの王、真の名を「暁が眠る、素晴らしき物語の果て」は自身に絶望していた。
あるいは、自分が見据えていた惑星単位のビジョンそのものが前提から見直しになると、サイコスはひとり思案する。
「おい、そこの蝙蝠のアンちゃんはどうする?」
ヒィッツの問いかけに、キングは陰鬱な目を向けると、ひとりごとのようにボソボソとつぶやき始める。
「どうでもいい。俺は既に死んだ身だ。どのようになろうと……」
全てが決した後から呼ばれたファンガイアの王、真の名を「暁が眠る、素晴らしき物語の果て」は自身に絶望していた。
全てを失った。服も、城も、剣も、鎧も、妻も。
ビショップのファンガイア再生術により一度は不完全ながら自我を失い現世によみがえった。が、現代のキングとしてファンガイアを復興させるかと思った自らの息子は、己を紅音也の息子と共に打ち滅ぼした。
そして、この戦いで再度謎の復活をした自分は、その全てを克明に覚えていた。
なんのことはない、あらゆる魔族を凌駕し覇道を打ち立てた己はもう、新しい時代に不要な遺物と化していたのだ。
先ほどの猫は13魔族の亜種か何かか、それともその13魔族のひとつだったフランケン族のように人間が創り出した新しき魔族か。ハ・デスとやらはそれらを全て操る真に神と言える存在なのか。
ビショップのファンガイア再生術により一度は不完全ながら自我を失い現世によみがえった。が、現代のキングとしてファンガイアを復興させるかと思った自らの息子は、己を紅音也の息子と共に打ち滅ぼした。
そして、この戦いで再度謎の復活をした自分は、その全てを克明に覚えていた。
なんのことはない、あらゆる魔族を凌駕し覇道を打ち立てた己はもう、新しい時代に不要な遺物と化していたのだ。
先ほどの猫は13魔族の亜種か何かか、それともその13魔族のひとつだったフランケン族のように人間が創り出した新しき魔族か。ハ・デスとやらはそれらを全て操る真に神と言える存在なのか。
すべてがどうだっていいことだった。己は死せる身。王の亡霊なのだから。今さら復活させられたところで、なんだと言うのか。
既にファンガイアすら自分を必要とはせぬのだろう。禁忌のハーフたる音也の息子と、我が子が結びついているのだから。時代は変革した。変革してしまった。
ファンガイアの王は再度、あらぬ方向に目を向ける。
キングは、今現在の事態に一切の興味が無かった。ただ、空を眺め虚ろに立っているのみである。
襲われたことに反撃したのは、かつて魔族を統べ、惑星を覆うレジェンドルガを滅ぼし、世界の命運を賭け戦い抜いた王としての……本能にまで刷り込まれた戦闘意識が多少働いたに過ぎない。
「おいおい、このアンちゃん鬱病か? 参ったなァ……」
ヒィッツカラルドの言葉に返答できるものはその場に居なかった。
ファンガイアの王は再度、あらぬ方向に目を向ける。
キングは、今現在の事態に一切の興味が無かった。ただ、空を眺め虚ろに立っているのみである。
襲われたことに反撃したのは、かつて魔族を統べ、惑星を覆うレジェンドルガを滅ぼし、世界の命運を賭け戦い抜いた王としての……本能にまで刷り込まれた戦闘意識が多少働いたに過ぎない。
「おいおい、このアンちゃん鬱病か? 参ったなァ……」
ヒィッツカラルドの言葉に返答できるものはその場に居なかった。
【素晴らしきヒィッツカラルド@ジャイアントロボ バベルの籠城】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
1:へーパラレルワールドの大作ってこんなやつなんだ。俺の世界の大作もさらわれてんのかな?
2: メガネの姉ちゃんありゃ中々強い超能力の使い手と見た。
3:この蝙蝠のアンちゃん自殺でもするんじゃねえだろうな。
[備考]
参戦時期はバベルの籠城4巻で大作と再会する直前です。
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
1:へーパラレルワールドの大作ってこんなやつなんだ。俺の世界の大作もさらわれてんのかな?
2: メガネの姉ちゃんありゃ中々強い超能力の使い手と見た。
3:この蝙蝠のアンちゃん自殺でもするんじゃねえだろうな。
[備考]
参戦時期はバベルの籠城4巻で大作と再会する直前です。
【草間大作@ジャイアントロボ 地球が静止する日】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
1:僕がすべてのパラレルワールドで地球が燃え尽きると共に死んでいる……!?
2:ヒィッツカラルドが今一つ信用できない
3:なんだろうこの蝙蝠の人……すごく暗い……
[備考]
参戦時期はOVA最終話以後です。
あくまで出自が「地球が静止する日」の出展のため「地球が燃え尽きる日(バベルの籠城)」の世界からみたパラレルワールドの法則や死の運命が通じるかは実のところ不明です。
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
1:僕がすべてのパラレルワールドで地球が燃え尽きると共に死んでいる……!?
2:ヒィッツカラルドが今一つ信用できない
3:なんだろうこの蝙蝠の人……すごく暗い……
[備考]
参戦時期はOVA最終話以後です。
あくまで出自が「地球が静止する日」の出展のため「地球が燃え尽きる日(バベルの籠城)」の世界からみたパラレルワールドの法則や死の運命が通じるかは実のところ不明です。
【サイコス@ワンパンマン】
[状態]健康
[装備]眼鏡
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
1:なんとか周囲の強者を怪人協会の手駒として引き込みたい。
2:パラレルワールドの概念と地球が燃え尽きるレベルの脅威に困惑。
3:この蝙蝠怪人かなり言動が陰鬱だが、大丈夫なのか?
[備考]
参戦時期はオロチと融合する前です。
[状態]健康
[装備]眼鏡
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
1:なんとか周囲の強者を怪人協会の手駒として引き込みたい。
2:パラレルワールドの概念と地球が燃え尽きるレベルの脅威に困惑。
3:この蝙蝠怪人かなり言動が陰鬱だが、大丈夫なのか?
[備考]
参戦時期はオロチと融合する前です。
【暁が眠る、素晴らしき物語の果て@仮面ライダーキバ】
[状態]健康、無気力
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
どうでもいい。
[備考]
参戦時期は最終話の後です。
[状態]健康、無気力
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
どうでもいい。
[備考]
参戦時期は最終話の後です。