様々な者を集めた殺し合い。――生存競争。
それは様々な世界で行われている。そしてこの男――橘朔也もまたそんな世界で戦ってきた者の1人だった。
それは様々な世界で行われている。そしてこの男――橘朔也もまたそんな世界で戦ってきた者の1人だった。
「まさかまたバトルファイトのようなものが始まるとはな……」
バトルファイト。アンデッドという異形達による殺し合い。最後まで生き残った者が勝者というルールまで、この殺し合いとそっくりだ。
ただしバトルファイトにはジョーカーアンデッドという例外的な存在も居た。彼が優勝することで世界はダークローチというゴキブリのような異形が無尽蔵に湧き、世界を滅ぼしてしまう。
ただしバトルファイトにはジョーカーアンデッドという例外的な存在も居た。彼が優勝することで世界はダークローチというゴキブリのような異形が無尽蔵に湧き、世界を滅ぼしてしまう。
そして人間の心を持つジョーカーアンデッド――相川始が優勝したことで、橘の世界にはダークローチが出現。世界は終焉へ向かう。
――剣崎さえ、いなければ。
橘の世界は仮面ライダーブレイド――剣崎一真に救われた。
親友を心から助けたいと願い、世界をも守りたいと思った剣崎はキングフォームを酷使することで自らがジョーカーとなった。
ジョーカーが一人だけ生き残れば、世界は滅ぶ。しかしジョーカーが二人存在したら、世界は滅ばない。ダークローチによる害は消え失せる。
親友を心から助けたいと願い、世界をも守りたいと思った剣崎はキングフォームを酷使することで自らがジョーカーとなった。
ジョーカーが一人だけ生き残れば、世界は滅ぶ。しかしジョーカーが二人存在したら、世界は滅ばない。ダークローチによる害は消え失せる。
――そして剣崎一真は永遠の切り札となった。
かつての仲間とは二度と再会出来ない。何故なら相川始がジョーカーで、自分もジョーカーになってしまったから。彼らが近くにいるだけで、闘争本能を刺激されて戦わなければならなくなってしまったから。
それでも剣崎は自分の選択を後悔していない。それが剣崎一真という男で、彼のそういう性格は橘もよく知っている。
かつての仲間とは二度と再会出来ない。何故なら相川始がジョーカーで、自分もジョーカーになってしまったから。彼らが近くにいるだけで、闘争本能を刺激されて戦わなければならなくなってしまったから。
それでも剣崎は自分の選択を後悔していない。それが剣崎一真という男で、彼のそういう性格は橘もよく知っている。
仮面ライダー剣の世界の青空は剣崎が守った。仮面ライダーブレイドが、世界を救ったのだ。
それは紛れもない自己犠牲。しかしヒーローの体現者ともいえる存在だった。
それは紛れもない自己犠牲。しかしヒーローの体現者ともいえる存在だった。
だが橘は剣崎の正義感溢れる優しい性格を理解しているが――それでも唐突な別れを惜しまないわけでもない。
ジョーカーになってしまった剣崎を救いたい。先輩として、仲間として……剣崎を人間に戻してやりたい。――そう考えてしまうのは、エゴだろうか?
ジョーカーになってしまった剣崎を救いたい。先輩として、仲間として……剣崎を人間に戻してやりたい。――そう考えてしまうのは、エゴだろうか?
きっと剣崎は今もどこかで運命と戦っている。あいつはそういう男だから。
「剣崎……」
支給されたギャレンバックルを片手に取り、今はもう会えない仲間の名を呼ぶ。
橘朔也は剣崎一真をジョーカーから人間に戻してやりたい。――そしてこの殺し合いに優勝したら、どんな願いでも叶えられる。
橘朔也は剣崎一真をジョーカーから人間に戻してやりたい。――そしてこの殺し合いに優勝したら、どんな願いでも叶えられる。
胡散臭い存在を信じるのもどうかとは思うが、あの悪魔からはそんなことを可能にする説得力が感じられた。凄み――とでも言うのだろうか。そんなものが橘には伝わってきた。それに冥界の魔王という肩書きが本当なら、ジョーカーを人間に戻すくらい容易いかもしれない。魔の王ならば、それくらい出来ても不思議じゃない。
だが――。
「きっとお前なら、こんな運命にも立ち向かうんだろうな……」
――橘朔也は剣崎一真のことを信じている。
今は遠く離れた場所にいるが――それでも彼らの心は固い絆で結ばれている。
だから剣崎がこの場でどんな行動を取るかなんて、わかっている。戦えない人々のために自らが戦い、その命を守るはずだ。――そして己が命を犠牲にしてでも主催の魔王を倒す。
今は遠く離れた場所にいるが――それでも彼らの心は固い絆で結ばれている。
だから剣崎がこの場でどんな行動を取るかなんて、わかっている。戦えない人々のために自らが戦い、その命を守るはずだ。――そして己が命を犠牲にしてでも主催の魔王を倒す。
橘の知る剣崎一真とはそういう男だ。
もしも橘が殺し合いで最後の一人まで生き残り、願いによって剣崎を人間に戻し、始を人間にしてもきっと彼は喜ばないだろう。
何故なら自分が優勝するということは、他の人々を殺す事に他ならないから。そんなことをあの剣崎が許すはずもない。きっと悲しむに違いない。
もしも橘が殺し合いで最後の一人まで生き残り、願いによって剣崎を人間に戻し、始を人間にしてもきっと彼は喜ばないだろう。
何故なら自分が優勝するということは、他の人々を殺す事に他ならないから。そんなことをあの剣崎が許すはずもない。きっと悲しむに違いない。
「剣崎……。俺もお前みたいに運命と戦うことに決めた」
ならばやることは決まっている。
橘朔也――仮面ライダーギャレンは剣崎の分まで人々を守る。もちろん魔王も倒す。
それが今の自分に出来ることだ。剣崎を人間に戻す方法については殺し合いが終わった後に考え、研究したら良い。
橘朔也――仮面ライダーギャレンは剣崎の分まで人々を守る。もちろん魔王も倒す。
それが今の自分に出来ることだ。剣崎を人間に戻す方法については殺し合いが終わった後に考え、研究したら良い。
相手は冥界の魔王。その肩書きに偽りがないことなんて、一目見ればわかる。あいつは今まで戦ってきたどのアンデッドよりも強い。おそらくカテゴリーキングよりも……。あの風格は――圧倒的な強者感は、生まれて初めて見るものだった。
怖くないと言えば嘘になる。不安じゃないと言えば嘘になる。あんな化け物を見て、恐ろしいと思わないわけがない。
だが剣崎なら――あいつなら絶対に立ち向かうだろう。それが剣崎一真。それこそが仮面ライダーブレイド。
だから信じられる仲間の代わりに今度は自分が人々を守る。
だが剣崎なら――あいつなら絶対に立ち向かうだろう。それが剣崎一真。それこそが仮面ライダーブレイド。
だから信じられる仲間の代わりに今度は自分が人々を守る。
敵が冥府の世界に君臨する魔王だろうが関係ない。最後に残ったものだけは――剣崎がジョーカーになってでも救おうとしたこの世界だけは守り抜く。
――何故なら橘朔也は仮面ライダーだから。
〇
日常を謳歌していた少女が居た。言動こそ軍人気質だが、実は可愛いものが好きなちょっと変わった少女。モデルガンやコンバットナイフを携帯しているという常識的に考えて色々と危うい面もあるが、なんだかんだで平和な日常を過ごしている。
「殺し合いだと……!?あいつは本気で言ってるのか!?」
ツインテールの少女はいきなり殺し合いに巻き込まれて取り乱していた。彼女の名は天々座理世。普通の人に比べたらちょっと変わっているが、平和な世界に住んでいる少女だ。
「いきなり拉致されたと思ったら今度は殺し合いをしろって、めちゃくちゃ過ぎるだろ!」
当然だがリゼは何も自ら進んで殺し合いに参加したわけじゃない。いきなり目の前で真っ暗になって、目が覚めたらこんな事になっていた。
拉致をされたことについては自分の不注意だ。いつ誰に連れ去られたのかもわからないが、油断していた。――なんて、そんなふうに許せるはずがない。自分の不注意だとか以前に、これは立派な犯罪行為だ。
拉致をされたことについては自分の不注意だ。いつ誰に連れ去られたのかもわからないが、油断していた。――なんて、そんなふうに許せるはずがない。自分の不注意だとか以前に、これは立派な犯罪行為だ。
「あの冥界の魔王とかいうコスプレ野郎、ふざけやがって。警察に突き出してやる……!」
リゼは主催者のハデスに対して怒りを募らせる。コスプレ野郎とはハデスのことだ。
本人は冥界の魔王と名乗っていたが、リゼはそれをあまり真に受けていない。そもそも急に見たこともない異形が現れて魔王だなんて言われても、信じられるわけがない。リゼはハデスの正体は間違いなくコスプレした変人だと思っている。
本人は冥界の魔王と名乗っていたが、リゼはそれをあまり真に受けていない。そもそも急に見たこともない異形が現れて魔王だなんて言われても、信じられるわけがない。リゼはハデスの正体は間違いなくコスプレした変人だと思っている。
これは本田の死がどう見ても超常的な不可思議現象じゃないということも原因だ。本当に魔王なら不思議な力で殺害して力を誇示したら良いのに、そういう殺し方をしなかった。
問題はルール違反に対するペナルティだ。違反者はあのリーゼントのように死ぬらしいが、どうやら警察に突き出すという行為自体はルール違反に該当しないらしい。
もしもそれがルール違反ならとっくにリゼは殺されている。――まあ単純に自分の動向を観察されていない可能性もあるのだが。
もしもそれがルール違反ならとっくにリゼは殺されている。――まあ単純に自分の動向を観察されていない可能性もあるのだが。
(……つい口に出してしまったけど、結果的にルール違反じゃないことがわかったから収穫だな)
感情的になって出してしまった言葉だが、それによってルールについて多少は理解出来た。自分の首が未だに繋がっていることを確認して、リゼは胸を撫で下ろす。
「でも精神のブレは戦場だと命取りになる。気をつけなきゃな……」
心を落ち着かせるために、大きく深呼吸。
突然の出来事につい取り乱してしまったが、自分がこんな有り様でどうする。リゼには友達が存在するが、みんな普通に日常を過ごしていただけの一般人だ。もちろんリゼも一般人には変わりないのだが、多少ならば戦うことも出来る。もしもココアやチノが参加していたら、完全に無力な彼女達を守れるのは自分だけだろう。
だからリゼは冷静になろうと精神を落ち着かせる。
突然の出来事につい取り乱してしまったが、自分がこんな有り様でどうする。リゼには友達が存在するが、みんな普通に日常を過ごしていただけの一般人だ。もちろんリゼも一般人には変わりないのだが、多少ならば戦うことも出来る。もしもココアやチノが参加していたら、完全に無力な彼女達を守れるのは自分だけだろう。
だからリゼは冷静になろうと精神を落ち着かせる。
――自分がみんなを守らなければならないから。
あまりにも重い責任がリゼにのしかかる。それでも挫けず、連絡手段の有無を確認。
「やっぱり服以外は身ぐるみを剥がされてるか……」
連絡手段どころかモデルガンやコンバットナイフすらも無い。どうやらそれらは没収されたらしいとリゼは判断する。
「次の手段だ。犯人が用意した物を使うのは、あまり気が進まないけどな……」
所持品を没収されているなら、このKCという不思議なロゴが入ったデイパックに頼るしかない。リゼは磯野やハデスのことを信用していないし、出来ればこれに頼りたくはなかった。
だが何も武器がない状態は非常に危うく、殺し合いに積極的な者に見つかったら殺されてしまう。それにもしかしたら警察に連絡を取るために使えそうな道具が入っているかもしれない。
わざわざ警察への連絡手段を用意するほどお人好しな主催者だとは思えないからあまり期待してないが……とりあえず確認してみなきゃわからない。なにより武器だけでも確保しておきたかった。
だが何も武器がない状態は非常に危うく、殺し合いに積極的な者に見つかったら殺されてしまう。それにもしかしたら警察に連絡を取るために使えそうな道具が入っているかもしれない。
わざわざ警察への連絡手段を用意するほどお人好しな主催者だとは思えないからあまり期待してないが……とりあえず確認してみなきゃわからない。なにより武器だけでも確保しておきたかった。
「これは……槍か!?」
幸いにも武器はすぐに見つかった。デイパックに入ってた槍を手に取り、まじまじと眺める。実物としてはあまり見慣れないものだが、それは間違いなく槍だった。
「出来れば銃が良かったけど、何もないよりはマシかな……」
リゼが得意とする武器はどちらかと言えば槍よりも銃だ。もしも銃が入ってたら大当たりだったが、素手よりは幾分かマシなので槍でも良しとする。
「おい、ハデス。こんな武器を配られても、私は殺し合いなんて絶対にしないからな!」
おそらく武器の配布は殺し合いを活性化させるためだ。人間を殺すためには武器が必要だ――それをリゼはよく理解している。
だから自分は絶対に殺し合いなんてしないとハデスに言うと、槍の説明書を読み始めた。
だから自分は絶対に殺し合いなんてしないとハデスに言うと、槍の説明書を読み始めた。
これは殺し合いを円滑に進めるためにばらまかれた武器だ。ハデスを信じる気はないが、ここに書いてあることに偽りはないと憶測する。殺し合いの武器として配られたから性能や説明に信用が出来るというのは、なんとも皮肉な話ではあるが……。
「リゼ専用スピアー?……見間違いか?」
説明書に記された名前を見て、困惑する。そこには自分の名前が書いてある上に専用だなんて名付けられていたからだ。
何か変な見間違いでもしたのだろうかと、目をゴシゴシと擦ってもう一度読む。――何も変わらない。
何か変な見間違いでもしたのだろうかと、目をゴシゴシと擦ってもう一度読む。――何も変わらない。
「読み間違いとかじゃなくて、本当にこんな名前だったのか。……私っていつから槍に自分の名前を付けられるような有名人になったんだ?」
意味不明な武器名に困惑しながら、説明書を読み進める。
名前こそふざけてるとしか思えないものだが、その形状は立派な槍だ。どんな変な名前でも武器として扱えることは変わらない。
名前こそふざけてるとしか思えないものだが、その形状は立派な槍だ。どんな変な名前でも武器として扱えることは変わらない。
「変身って……ふざけてるのか……?」
説明書を読んで再度困惑――というか呆れ果てる。
並行世界で手にした秘められた力を解放するとか、本人の意志に応じて変身するとか。そんなことを書かれても悪ふざけとしか思えない。
これはとんでもないハズレ武器を引きたのかもしれない――そう思って槍を眺めるが、やっぱり槍は槍だ。その精巧なクオリティはよくある特撮の玩具には見えない。
ちなみに変身することで盾まで現れるらしい。本当に意味不明だ。デタラメを書いて困惑させる目的だろうか?
並行世界で手にした秘められた力を解放するとか、本人の意志に応じて変身するとか。そんなことを書かれても悪ふざけとしか思えない。
これはとんでもないハズレ武器を引きたのかもしれない――そう思って槍を眺めるが、やっぱり槍は槍だ。その精巧なクオリティはよくある特撮の玩具には見えない。
ちなみに変身することで盾まで現れるらしい。本当に意味不明だ。デタラメを書いて困惑させる目的だろうか?
「いや……まあ試しもせずに否定から入るのも、良くないよな……」
どう考えてもデタラメとしか思えないし、ハデスとかいうコスプレ男が悪ふざけの産物でよこしてきとしか思えないが……。それでも何も試さないよりは、試してみた方が良いのかもしれない。なにせこれはココアやチノ達を守るための武器だ。戦うための手段だ。
それに相手はいつの間にか自分を連れ去るという謎の技術もあったわけで、もしかしたら本当にこの槍にも何か力が秘められているのかもしれない。
「えーと……こうでいいのか……?」
槍を握り、力を込める。瞳を閉じて神経を集中――。誰か居たら恥ずかしいが周りには誰もいないはずだから、とりあえず形から入る。
「――変ッ身!!」
そして力強く魔法の言葉を口にすると――盾が現れ、リゼの服装が変化した。全身に力が漲り、戦士としてより高みへ至ったことを実感する。
「本当に出来た!あの説明書、嘘じゃなかったのか!!」
ダメ元で試しにやってみたら、まさかの変身成功でビックリする。槍や盾も身軽に感じるし、身体能力の向上というのも嘘じゃないらしい。
「……よし。これならココア達を守ることが出来るな!」
戦う術を得たことでリゼは喜ぶ。
警察に連絡する手段が見つからなかったことは残念だが、予想外の力を手に入れた。コスプレ男ハデスは殺し合いを促進させるために投入した武器だろうが、そんな悪用はしない。これは友達を守るための力だ。
警察に連絡する手段が見つからなかったことは残念だが、予想外の力を手に入れた。コスプレ男ハデスは殺し合いを促進させるために投入した武器だろうが、そんな悪用はしない。これは友達を守るための力だ。
「待ってろよ、みんな。ハデスは私が倒す!」
リゼは主催者を倒して殺し合いを終わらせることをココア達に誓う。
もしもみんなを見付けたら、もちろん助けるつもりだ。それが身内の中で唯一戦える、今の自分の役割だから。
もしもみんなを見付けたら、もちろん助けるつもりだ。それが身内の中で唯一戦える、今の自分の役割だから。
〇
それは橘が剣崎の代わりに運命と戦うことを決意して、少し時間が経った時のこと。
「――変ッ身!!」
聞き覚えのある――というか自分がよく口にするフレーズが聞こえた。
変身――それは仮面ライダーならば誰しもが口にする言葉だ。
仮面ライダーギャレンこと橘朔也がそれを聞き逃すわけもなく、聞き間違えるわけもなく――少女が気合いを入れて変身する声が耳に入った。
女性の仮面ライダーに心当たりはないが、こんなイレギュラーな状況だ。もしかしたらハデスが独自に研究、開発して新たなライダーシステムを生み出したのかもしれない。
変身――それは仮面ライダーならば誰しもが口にする言葉だ。
仮面ライダーギャレンこと橘朔也がそれを聞き逃すわけもなく、聞き間違えるわけもなく――少女が気合いを入れて変身する声が耳に入った。
女性の仮面ライダーに心当たりはないが、こんなイレギュラーな状況だ。もしかしたらハデスが独自に研究、開発して新たなライダーシステムを生み出したのかもしれない。
「状況は未だに掴めないが、とりあえず確認しに行くしかなさそうだな」
そして橘は少女の声が聞こえた方角へ向かう。声の大きさからして位置はあまり離れていないという確信があった。
そしてその予想は的中し「変身」と口にしたと思われる少女の姿はすぐに見つかった。槍と盾を手にした、少し気が強そうな少女だった。
そしてその予想は的中し「変身」と口にしたと思われる少女の姿はすぐに見つかった。槍と盾を手にした、少し気が強そうな少女だった。
「さっき変身したのは君か?」
「ああ。たしかに私だけど……誰だ、あんた」
「ああ。たしかに私だけど……誰だ、あんた」
いきなり見知らぬ男に声を掛けられてリゼが警戒する。普段ならともかく、ここは殺し合いという場だ。初対面の相手には多少なりとも警戒心を持ってしまう。
「俺は橘。仮面ライダーギャレンだ」
「私の名前はリゼだ。……仮面ライダー?それって何かの称号か?」
「私の名前はリゼだ。……仮面ライダー?それって何かの称号か?」
仮面ライダーという単語を交えつつリゼに挨拶するが、相手の様子からしてどうやらその意味を理解していないらしい。
橘が読んだギャレンバックルの説明書には仮面ライダーという文字がしっかりと記載されており、この少女がライダーシステムを支給されたのなら仮面ライダーという言葉の意味が理解出来るはずだ。
すっとぼけているだけの可能性もあるが――橘は彼女の服装や槍と盾の形状に着目する。
橘が読んだギャレンバックルの説明書には仮面ライダーという文字がしっかりと記載されており、この少女がライダーシステムを支給されたのなら仮面ライダーという言葉の意味が理解出来るはずだ。
すっとぼけているだけの可能性もあるが――橘は彼女の服装や槍と盾の形状に着目する。
「その槍や盾はどうやって手に入れた?」
「さっき言っただろ。変身だよ、橘さん。この槍を握って気合を入れると変身出来たんだ。盾はその副産物だな」
「なに?ライダーシステム以外にもそんなシステムがあるのか……!?」
「さっき言っただろ。変身だよ、橘さん。この槍を握って気合を入れると変身出来たんだ。盾はその副産物だな」
「なに?ライダーシステム以外にもそんなシステムがあるのか……!?」
未知のシステムの存在に橘が驚く。彼の世界には仮面ライダーやアンデッドが存在するが、こういうタイプのシステムは見たことがない。――この瞬間、互いの世界が違うことを橘が察した。
『この世には無数の世界がある。カードの種類だけデッキがあるように、だ。このデュエルでも様々な世界から決闘者を呼び寄せてある。楽しむが良い』
橘はハデスの言葉を思い返す。
(ハデスのあの言葉は本当だったというわけか)
無数の世界。いきなりそんなことを言われてもピンと来なかったが、こうして他の世界の技術を目にしたことで実感する。どうやらハデスの言う通り、この世には無数の世界が存在するらしい。
「私もよくわからないから、詳しくは説明書を読んでくれ」
そう言って橘にリゼ専用スピアーの説明書を渡す。そこに記された並行世界という単語を見て、ハデスの言葉の説得力が更に増した。しかしこの説明書に記された並行世界のリゼという言葉から考えるに、今自分と話しているリゼは本来、何の力も持たない一般市民なのだろうか?
「リゼ。君は決闘者という言葉に聞き覚えはあるか?」
「ハデスの言ってたことか?それなら私も初耳だ」
「ハデスの言ってたことか?それなら私も初耳だ」
リゼの言葉に偽りはない。それは彼女の態度からも伝わってきた。
「橘さんは知ってるのか?」
「俺も初めて聞いた言葉だ。ハデスはら様々な世界から決闘者を呼び寄せたと言っていたが、どういうことだ……?」
「俺も初めて聞いた言葉だ。ハデスはら様々な世界から決闘者を呼び寄せたと言っていたが、どういうことだ……?」
橘はハデスの言葉が引っ掛かっていた?
少なくともこの場にいる二人――橘とリゼは決闘者じゃない。それどころか言葉の意味すらも知らない。これはいったい、どういうことだろうか?
少なくともこの場にいる二人――橘とリゼは決闘者じゃない。それどころか言葉の意味すらも知らない。これはいったい、どういうことだろうか?
(情報が少ない今、そんなことを考えても仕方ないか。ハデスについては地道に手掛かりを探すしかない……)
橘はハデスについて考えることを一時的に中断した。色々と気になることはあるが、今は後回しだ。情報が出揃っていない状態で考察しても答えは出ないだろう。
「……そういえば橘さんは仮面ライダーギャレンって言ってたけど、結局仮面ライダーってなんなんだ?」
「簡単に説明するとアンデッドという化け物と戦って人々を守る存在だ。……大切な人は守れないことも多いけどな」
「簡単に説明するとアンデッドという化け物と戦って人々を守る存在だ。……大切な人は守れないことも多いけどな」
小夜子と剣崎。あの二人のことを救うことは出来なかった。
伊坂やカテゴリーキングを倒すことは出来ても――小夜子と剣崎を助けることは不可能だった。剣崎は自分で覚悟を決めて、自分で運命と戦う道を選んだ。だがそれでも――どうにかしてあいつを救える方法がなかったのかと、そう考えてしまう時がある。
伊坂やカテゴリーキングを倒すことは出来ても――小夜子と剣崎を助けることは不可能だった。剣崎は自分で覚悟を決めて、自分で運命と戦う道を選んだ。だがそれでも――どうにかしてあいつを救える方法がなかったのかと、そう考えてしまう時がある。
「そっか……」
リゼは橘の事情を深くは追求しない。……追求してはいけないと思ったから。
それでも一つだけ、どうしても頼みたいことがある。
それでも一つだけ、どうしても頼みたいことがある。
「橘さん。私もみんなを――友達を守りたいんだ。……だからもし良ければ、私を特訓してくれないか?」
リゼの頼みに橘は暫し思案する。
これまで戦いに無縁だった少女を鍛える。それは必然的にこちら側に引き込むことになるだろう。
普段ならばすぐに断っていたかもしれない。睦月のような特殊な状況ならともかく、一般人を巻き込むような行為には抵抗がある。
だが今は殺し合いという特殊な状況だ。本人が自分自身を守るためにも強くなって損は無い。もちろん橘もリゼのことを守るつもりだが、自分が助けに行けないような状況が訪れる可能性も否定出来ないから。
これまで戦いに無縁だった少女を鍛える。それは必然的にこちら側に引き込むことになるだろう。
普段ならばすぐに断っていたかもしれない。睦月のような特殊な状況ならともかく、一般人を巻き込むような行為には抵抗がある。
だが今は殺し合いという特殊な状況だ。本人が自分自身を守るためにも強くなって損は無い。もちろん橘もリゼのことを守るつもりだが、自分が助けに行けないような状況が訪れる可能性も否定出来ないから。
「わかった。リゼ、君には俺が戦い方を教えよう」
「それは助かる。ありがとな、橘さん!」
「それは助かる。ありがとな、橘さん!」
こうして橘朔也と天々座理世による師弟が結成された。
大切な仲間のため。友達のため。彼らは戦う道を選ぶ――
大切な仲間のため。友達のため。彼らは戦う道を選ぶ――
【天々座理世@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:健康
[装備]:リゼ専用スピアー@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:橘さんと一緒にハデスを倒してみんなを助ける!
1:橘さんに特訓してもらう
2:みんなは私が助けなきゃな……
[備考]
[状態]:健康
[装備]:リゼ専用スピアー@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:橘さんと一緒にハデスを倒してみんなを助ける!
1:橘さんに特訓してもらう
2:みんなは私が助けなきゃな……
[備考]
【橘朔也@仮面ライダー剣】
[状態]:健康
[装備]:ギャレンバックル@仮面ライダー剣
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:剣崎の分まで人々を助ける。ハデスも倒す
1:リゼを守る
2:リゼに戦い方を教える
3:決闘者の意味すら知らない参加者まで集められてるのは、どういうことだ?
[備考]
最終回後からの参戦
[状態]:健康
[装備]:ギャレンバックル@仮面ライダー剣
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:剣崎の分まで人々を助ける。ハデスも倒す
1:リゼを守る
2:リゼに戦い方を教える
3:決闘者の意味すら知らない参加者まで集められてるのは、どういうことだ?
[備考]
最終回後からの参戦
『支給品紹介』
【リゼ専用スピアー@きららファンタジア@きららファンタジア】
天々座理世に支給。リゼが並行世界――きららファンタジアで手にした力を引き出すための槍。本人の意思で並行世界の力を解放した姿に『変身』が可能で変身中は身体能力が向上する他、専用の盾が現れる。変身中はきららファンタジアの『ナイト』のリゼの衣装に服装が変わる
【リゼ専用スピアー@きららファンタジア@きららファンタジア】
天々座理世に支給。リゼが並行世界――きららファンタジアで手にした力を引き出すための槍。本人の意思で並行世界の力を解放した姿に『変身』が可能で変身中は身体能力が向上する他、専用の盾が現れる。変身中はきららファンタジアの『ナイト』のリゼの衣装に服装が変わる
【ギャレンバックル@仮面ライダー剣】
橘朔也に支給。♦A「CHANGE」のラウズカードを差し込んでから腰に宛がう事で、自動的にベルトが伸びて腰に装着される。
「変身」の掛け声と共にターンアップハンドルを引く事で、「Turn Up」の電子音声と共にリーダーが回転し、
ギャレンアーマーを分解した等身大のカード型エネルギーフィールド「オリハルコンエレメント」が装着者の前面に放出され、エレメントを通過する事でギャレンに変身する。
橘朔也に支給。♦A「CHANGE」のラウズカードを差し込んでから腰に宛がう事で、自動的にベルトが伸びて腰に装着される。
「変身」の掛け声と共にターンアップハンドルを引く事で、「Turn Up」の電子音声と共にリーダーが回転し、
ギャレンアーマーを分解した等身大のカード型エネルギーフィールド「オリハルコンエレメント」が装着者の前面に放出され、エレメントを通過する事でギャレンに変身する。
適合者以外がゲートを通過する事は不可能で、適合者以外が触れたら弾き飛ばされる。その習性を利用することで攻撃にも防御にも応用できる。
ラウズカードはJ、Q、K以外が付属されている。
当然だが変身後はギャレンラウザーも現れる。ラウズアブゾーバーは付属されていない。
ラウズカードはJ、Q、K以外が付属されている。
当然だが変身後はギャレンラウザーも現れる。ラウズアブゾーバーは付属されていない。