dunpoo @Wiki
32
最終更新:
匿名ユーザー
-
view
市長を広報するための延岡市の「広報」活動 -- のべおか太郎 2010-12-31 14:36:25
宮崎県内の自治体で、「広報」活動に最も力を入れているのは延岡市である。この4月には組織改編まで行い「広報・公聴」の機能を強化している。 さて、その延岡市が、この夏の口蹄疫問題では最も消毒活動に力を入れた。県内で設置された消毒マットの1/3を発生地域から遠く離れた延岡市が設置し、市長が陣頭指揮を執り、副市長、議員たち、ボランティア会長が、募られた多くのボランティアたちと一緒に消毒マットの交通整理に当たった。市長以下の幹部たちにとって、これが最優先の仕事なのかという疑問はあるが、防疫活動に一生懸命になること自体は決して悪いことではない。
違和感を覚えるのは、その消毒活動の頑張りを、異常なまでに「広報」する延岡市の姿勢である。 市長や議員、ボランティア会長、そして市の広報紙が、内外に向けて異口同音・一斉に消毒活動・頑張りの様子を「広報」する。自分たちの「頑張りを広報するために消毒活動を展開した」のではないかと、本末転倒の思いに駆られるような「広報」ぶりである。(注: マスコミはこの広報にほとんど加担していない)
そして、口蹄疫復興に向けた延岡市長の頑張りも、自身のコラムやマスコミ報道を通じて「広報」された。 その一方で、口蹄疫発生地域で感染拡大防止や復興支援に必死に取り組む他の首長たちの真の頑張りは、 ほとんど報道されなかった。 被災地に比べ畜産業の規模も小さく、口蹄疫も発生しなかった延岡市の市長の頑張りだけが、内外に報道・広報されるという奇妙な現象が見られたのである。
念のために、非常事態宣言が発令された5/18から8/31までの間、3都(延岡市、都城市、宮崎市)の市長たちが、新聞紙上で取り上げられた写真付き記事の報道(広報)頻度を調査した。
違和感を覚えるのは、その消毒活動の頑張りを、異常なまでに「広報」する延岡市の姿勢である。 市長や議員、ボランティア会長、そして市の広報紙が、内外に向けて異口同音・一斉に消毒活動・頑張りの様子を「広報」する。自分たちの「頑張りを広報するために消毒活動を展開した」のではないかと、本末転倒の思いに駆られるような「広報」ぶりである。(注: マスコミはこの広報にほとんど加担していない)
そして、口蹄疫復興に向けた延岡市長の頑張りも、自身のコラムやマスコミ報道を通じて「広報」された。 その一方で、口蹄疫発生地域で感染拡大防止や復興支援に必死に取り組む他の首長たちの真の頑張りは、 ほとんど報道されなかった。 被災地に比べ畜産業の規模も小さく、口蹄疫も発生しなかった延岡市の市長の頑張りだけが、内外に報道・広報されるという奇妙な現象が見られたのである。
念のために、非常事態宣言が発令された5/18から8/31までの間、3都(延岡市、都城市、宮崎市)の市長たちが、新聞紙上で取り上げられた写真付き記事の報道(広報)頻度を調査した。
宮崎日日新聞 読売新聞 朝日新聞 毎日新聞 合計
延岡市長 20回 3回 5回 5回 33回
都城市長 2 〃 3 4 12
宮崎市長 8 〃 1 6 18
都城市長 2 〃 3 4 12
宮崎市長 8 〃 1 6 18
延岡市長のマスコミ露出頻度が突出しているが、表敬訪問や表彰など重要性や公益性が薄いものが多い。
延岡市の広報重視・広報強化の結果だろうか。テレビ画面の露出頻度も同様の傾向ではないかと思う。
次に、今年1/24に行われた3都の同時市長選・直前までの1年間(H21.1月号からH22.1月号)に発行された、各広報紙の市長に関する写真付き記事の掲載頻度を調査した。(宮崎市は前市長が調査対象)
延岡市の広報重視・広報強化の結果だろうか。テレビ画面の露出頻度も同様の傾向ではないかと思う。
次に、今年1/24に行われた3都の同時市長選・直前までの1年間(H21.1月号からH22.1月号)に発行された、各広報紙の市長に関する写真付き記事の掲載頻度を調査した。(宮崎市は前市長が調査対象)
写真枚数
延岡市長 32
都城市長 5
宮崎市長 10
延岡市長の写真掲載枚数がダントツに多い。しかも、多くの写真が 他の市長写真に比べて格段に大きい。 宮崎市長の写真は10枚だが すべて小さなスナップ写真。広報紙自体の頁数は延岡市が24、他の両市は28。したがって、広報紙に占める延岡市長の広報割合は極めて大きいと言える。「市長のための広報紙」の趣がある。
都城市長 5
宮崎市長 10
延岡市長の写真掲載枚数がダントツに多い。しかも、多くの写真が 他の市長写真に比べて格段に大きい。 宮崎市長の写真は10枚だが すべて小さなスナップ写真。広報紙自体の頁数は延岡市が24、他の両市は28。したがって、広報紙に占める延岡市長の広報割合は極めて大きいと言える。「市長のための広報紙」の趣がある。
市長たちの「広報」に対する考えや姿勢が如実に現れたのが、選挙直前に発行された今年の広報紙・新年号の市長に関する内容の違いである。宮崎市長は立候補しなかったで、延岡、都城の広報紙が対象になる。先ず延岡市長の場合、最初の頁をめくると、市議会議長とにこやかに握手し、「議会は私を支援している」とでも言いたげな大きな写真が目に飛び込んでくる。延岡市長はその新年挨拶の中で、選挙対策用として一年間宣伝し続けてきた偽装プロジェクト「新生のべおかプロジェクト」の偽装成果の説明をしている。驚くことに姉妹都市のいわき市、坂井市の両市長にも、「延岡市では『新生のべおかプロジェクト』が策定され、・・・」と新年の挨拶をさせている。他の頁にも数枚の市長の写真を掲載するなど、用意周到な「選挙広報」の内容になっている。 一方、都城市の新年号には市長の新年挨拶は掲載されていない。写真もまったくない。 この違いはどこから来るのだろうか。おそらく両市長の品格や度量などのパーソナリティと行政能力など自身のアビリティに対する自信の違いによるものだろう。さらには両都市の行政体質や行政風土の違いによるものだろう。いずれにしても、広報紙に見られるその違いが、都城市と延岡市の市勢格差をさらに拡大していくような気がする。
延岡市長はイメージや好感度指向の「広報」偏重の市政を止め、「実質」重視の市政へと改めるべきである。また、「広報」の実態も改めるべきである。現在の広報は ①市長自ら表に出て広報を行い②市長自身が広報の対象になっている。市HPから「市長室」に進み「移動市長室・こんにちは!市長です」をクリックする。広報されているのは、「優しい市長」を演じ撮影させた、選挙ポスターを髣髴とさせる笑顔の写真集である。
さて、延岡市の求人倍率は県内最低水準、地域医療も崩壊寸前のまま、人口減少にも歯止めがかからない。そんな中、市長は「自分の広報」と「市民との対話・交流」を重視し精力を注ぐ。これらは「手段」であり、「目的」ではないのだが、現状は「手段が自己目的化」しているように映る。現在の市民を巻き込んだ無目的な市政が、延岡市の現状改善に有効だとは思えないが、市長自身の次の選挙には極めて有効である。 延岡市長に求められるのは公僕心である。今一度、市長としてのレーゾンデートルを思い起こすべきである
延岡市長はイメージや好感度指向の「広報」偏重の市政を止め、「実質」重視の市政へと改めるべきである。また、「広報」の実態も改めるべきである。現在の広報は ①市長自ら表に出て広報を行い②市長自身が広報の対象になっている。市HPから「市長室」に進み「移動市長室・こんにちは!市長です」をクリックする。広報されているのは、「優しい市長」を演じ撮影させた、選挙ポスターを髣髴とさせる笑顔の写真集である。
さて、延岡市の求人倍率は県内最低水準、地域医療も崩壊寸前のまま、人口減少にも歯止めがかからない。そんな中、市長は「自分の広報」と「市民との対話・交流」を重視し精力を注ぐ。これらは「手段」であり、「目的」ではないのだが、現状は「手段が自己目的化」しているように映る。現在の市民を巻き込んだ無目的な市政が、延岡市の現状改善に有効だとは思えないが、市長自身の次の選挙には極めて有効である。 延岡市長に求められるのは公僕心である。今一度、市長としてのレーゾンデートルを思い起こすべきである