罰ゲームSS
キャラクター指定:霖之助+諏訪子+大妖精
内容指定:脱衣トランプ
キャラクター指定:霖之助+諏訪子+大妖精
内容指定:脱衣トランプ
目の前には大きな目玉の装飾がついた奇妙な帽子と、下穿きだけを身に着けた童女(少なくとも外見だけは)がいる。
その隣には下半身に何も身に着けておらず、上半身もブラウスだけの妖精。その内側の下着は上下ともそこの童女の帽子の中だ。
かく言う僕も上着はすべてひん剥かれており、残っているのは下着と、あとブーツだけだ。
何故屋内でブーツなのかといえば「全裸にブーツって萌えるよね。今回は脱ぐのは勘弁してあげるからかわりにこれ履いて」などと腐れたことを目の前の祟り神がほざいたからだが……
この状況、他人に踏み込まれたら確定で肉体的にも社会的にも終了だ。無論僕だけが。
かくして僕は頭を抱える。どうしてこうなったのだろうか、と。
その隣には下半身に何も身に着けておらず、上半身もブラウスだけの妖精。その内側の下着は上下ともそこの童女の帽子の中だ。
かく言う僕も上着はすべてひん剥かれており、残っているのは下着と、あとブーツだけだ。
何故屋内でブーツなのかといえば「全裸にブーツって萌えるよね。今回は脱ぐのは勘弁してあげるからかわりにこれ履いて」などと腐れたことを目の前の祟り神がほざいたからだが……
この状況、他人に踏み込まれたら確定で肉体的にも社会的にも終了だ。無論僕だけが。
かくして僕は頭を抱える。どうしてこうなったのだろうか、と。
ことの起こりは1時間ほど前。僕は普段のように客を待ちながら読書に勤しんでいた。
おっと失礼、申し遅れた。僕の名前は森近霖之助。魔法の森の入り口で香霖堂という古道具屋を営んでいる。
幻想の品物も普通の品も、あまつさえ外の世界の道具までも取り扱う幻想郷でも唯一の店と自負している。
おっと失礼、申し遅れた。僕の名前は森近霖之助。魔法の森の入り口で香霖堂という古道具屋を営んでいる。
幻想の品物も普通の品も、あまつさえ外の世界の道具までも取り扱う幻想郷でも唯一の店と自負している。
それはさておき、その僕の店の扉が目の前の童女によって開かれたところから話は始まる。
扉のベルが鳴ってもどうせ魔理沙か霊夢だろうと思い、深く注意を向けることもなかったのだが
「ふーん、ここか。随分とゴチャゴチャした店だね」
という甲高いが落ち着いた声は今まで耳にしたことのないものだった。
手元の本から視線を上げて眺めるとそこにいたのは何だかやたらに大きな袋を背負っている、見たことのない子供だった。
頭に被った妙な帽子が真っ先に目を引いたが、奇天烈な格好をした人妖などこの幻想郷では珍しくもない。
それよりもむしろ問題なのは目の前の人物の知能の程度だった。人も妖怪も、だいたいは見た目相応の精神年齢をしている。
しかし紅魔館の吸血鬼や、結界の大妖、神社に居着いた鬼のように外見はどう見ても子供でしかないのに恐ろしい能力の持ち主である者もここには少なくない。
面倒なことに、そういった連中は総じてプライドが高いので子供扱いなどしようものならただでは済まない。さて、この客はどちらなのだろうか。
扉のベルが鳴ってもどうせ魔理沙か霊夢だろうと思い、深く注意を向けることもなかったのだが
「ふーん、ここか。随分とゴチャゴチャした店だね」
という甲高いが落ち着いた声は今まで耳にしたことのないものだった。
手元の本から視線を上げて眺めるとそこにいたのは何だかやたらに大きな袋を背負っている、見たことのない子供だった。
頭に被った妙な帽子が真っ先に目を引いたが、奇天烈な格好をした人妖などこの幻想郷では珍しくもない。
それよりもむしろ問題なのは目の前の人物の知能の程度だった。人も妖怪も、だいたいは見た目相応の精神年齢をしている。
しかし紅魔館の吸血鬼や、結界の大妖、神社に居着いた鬼のように外見はどう見ても子供でしかないのに恐ろしい能力の持ち主である者もここには少なくない。
面倒なことに、そういった連中は総じてプライドが高いので子供扱いなどしようものならただでは済まない。さて、この客はどちらなのだろうか。
……と考えたが判断は保留して、面倒なことにならない道を選ぶことにした。
「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」
とりあえず下手に出ることにした。これなら角は立たないし、相手がそれに値しない相手だとわかったら態度を変えれば良いだけのことだ。
「いやまあ、店に用事というか……あなたが店主でいいのかな?」
帽子のものと合わせて、都合四つの目から見上げられて僕は頷いた。
「ええ。僕がこの香霖堂の店主、森近霖之助です。本日はどのようなご用件でしょうか?」
にこやかに応えた僕だったが、目の前の童女は何だか複雑な表情になった。
「……何だか麓の神社の巫女にきいたのと違うなあ。本当に本物?」
その名を聞いて、今度は僕の表情から笑みが消えた。なんということだ、彼女も霊夢の知り合いか。ということはどちらにしろ碌な者ではないだろう。
こうなったら一刻も早く追い返す算段をしなければなるまい。下手に居つかれて、これ以上代金を払わない常連が増えてはたまらない。
「いきなり失礼だな。僕は間違いなく本物の森近霖之助だよ。用件はそれだけかい、ならとっとと帰ってくれ」
渋面を作り、意図的に低い声で「帰れ」の部分を強調してそう返したのだが、何故か童女は逆にぱっとにこやかになった。
「良かった、霊夢に聞いてたとおりだ。あんまり猫被ってるから何事かと思ったよ」
あの巫女は人のことをどのように吹聴しているのだろうか。若干気にはなったが聞かないほうがよさそうな予感が働いたので、気にしないことにした。
「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」
とりあえず下手に出ることにした。これなら角は立たないし、相手がそれに値しない相手だとわかったら態度を変えれば良いだけのことだ。
「いやまあ、店に用事というか……あなたが店主でいいのかな?」
帽子のものと合わせて、都合四つの目から見上げられて僕は頷いた。
「ええ。僕がこの香霖堂の店主、森近霖之助です。本日はどのようなご用件でしょうか?」
にこやかに応えた僕だったが、目の前の童女は何だか複雑な表情になった。
「……何だか麓の神社の巫女にきいたのと違うなあ。本当に本物?」
その名を聞いて、今度は僕の表情から笑みが消えた。なんということだ、彼女も霊夢の知り合いか。ということはどちらにしろ碌な者ではないだろう。
こうなったら一刻も早く追い返す算段をしなければなるまい。下手に居つかれて、これ以上代金を払わない常連が増えてはたまらない。
「いきなり失礼だな。僕は間違いなく本物の森近霖之助だよ。用件はそれだけかい、ならとっとと帰ってくれ」
渋面を作り、意図的に低い声で「帰れ」の部分を強調してそう返したのだが、何故か童女は逆にぱっとにこやかになった。
「良かった、霊夢に聞いてたとおりだ。あんまり猫被ってるから何事かと思ったよ」
あの巫女は人のことをどのように吹聴しているのだろうか。若干気にはなったが聞かないほうがよさそうな予感が働いたので、気にしないことにした。
「えっとさ、麓の巫女の腋服は霖之助が作ってるんだよね」
早くも呼び捨てになった。どうやらこいつはただのガキの方にカテゴリー分類して問題はなさそうだ。
「ああ、そうだが」
「あんなのをさ、一つ作ってもらいたいんだ」
「貰えるものさえ貰えるなら別にかまわないが、君にか?」
「ああ、いやいや。私じゃなくってね」
目の前の娘はそう言ってさっきから背負っていた大きな袋をひっくり返した。
早くも呼び捨てになった。どうやらこいつはただのガキの方にカテゴリー分類して問題はなさそうだ。
「ああ、そうだが」
「あんなのをさ、一つ作ってもらいたいんだ」
「貰えるものさえ貰えるなら別にかまわないが、君にか?」
「ああ、いやいや。私じゃなくってね」
目の前の娘はそう言ってさっきから背負っていた大きな袋をひっくり返した。
その中から出てきたのはロープで縛られた妖精だった。時々湖でチルノ姉さんと遊んでいるのを見かけたことがある、たしか大ちゃんと呼ばれていた子だったろうか。
「な…… なんなんですか? ここ、どこですか? なんで私連れてこられたんですかぁ?」
可哀相に、すっかり混乱している。それはまあ、袋詰めにされて気がついたら見も知らぬ店内だ。こうもなるだろう。
「この娘よ、この娘。この娘にあう大きさで作ってほしいのよ。ああ、色は紅白じゃなくて緑と白でよろしくね」
あまりの衝撃的な光景に一瞬その存在が頭から飛びかけていたが、横から目玉帽子に声をかけられて僕は我に返った。
「この娘にか……? えーと、失礼だが誘拐とかじゃないよな?」
僕の言葉に目の前のカエル帽子はぷくーっと頬を膨らませて言った。
「失礼だなあ、この娘は早苗の妹になるんだから家族みたいなもんだよ」
それを聞いて妖精の子は「ふええ!?」とか「どうしてぇ!?」とか騒いでいるようだが、話が進まなくなるのでとりあえず後回しにする。
「な…… なんなんですか? ここ、どこですか? なんで私連れてこられたんですかぁ?」
可哀相に、すっかり混乱している。それはまあ、袋詰めにされて気がついたら見も知らぬ店内だ。こうもなるだろう。
「この娘よ、この娘。この娘にあう大きさで作ってほしいのよ。ああ、色は紅白じゃなくて緑と白でよろしくね」
あまりの衝撃的な光景に一瞬その存在が頭から飛びかけていたが、横から目玉帽子に声をかけられて僕は我に返った。
「この娘にか……? えーと、失礼だが誘拐とかじゃないよな?」
僕の言葉に目の前のカエル帽子はぷくーっと頬を膨らませて言った。
「失礼だなあ、この娘は早苗の妹になるんだから家族みたいなもんだよ」
それを聞いて妖精の子は「ふええ!?」とか「どうしてぇ!?」とか騒いでいるようだが、話が進まなくなるのでとりあえず後回しにする。
早苗、という名前にはどこか聞き覚えがあった。たしか魔理沙か霊夢がその名を口にしていたような……ああ、思い出した。
「早苗さん、というとたしか最近山に出来た神社の巫女だったな。口ぶりからして君はその関係者か?」
「おっと、そう言えばまだ名乗ってなかったね。私は守矢神社の神、洩矢諏訪子だよ。よろしくね」
童女はすっくと立ち上がり、まっ平らな胸を張って朗々と名乗った。悲しいくらいに威厳がなかった。
だがまあ、威厳があろうとなかろうと予想を遥かに超えた大物なのには違いがない。……わけだが、今までの様子を見るに変に畏まる必要もない気がする。
「早苗さん、というとたしか最近山に出来た神社の巫女だったな。口ぶりからして君はその関係者か?」
「おっと、そう言えばまだ名乗ってなかったね。私は守矢神社の神、洩矢諏訪子だよ。よろしくね」
童女はすっくと立ち上がり、まっ平らな胸を張って朗々と名乗った。悲しいくらいに威厳がなかった。
だがまあ、威厳があろうとなかろうと予想を遥かに超えた大物なのには違いがない。……わけだが、今までの様子を見るに変に畏まる必要もない気がする。
「聞いた話だと、早苗さんとやらは普通の人間だった筈なんだが……妹って妖精だよな、この子?」
「いや、だってさあ。見てよこれ!」
諏訪子が帽子の中から取り出した写真には、博麗神社とは別の神社を背景にして、緑色の腋が開いた巫女装束を着た一人の少女が写っていた。
着ている衣服から判断するとおそらくこの少女が早苗さんであろう。しかしこれがどうしたと言うのだろうか……
そこでふと気づいて縛られていた妖精を見る。なるほど、確かになんとなく写真の少女と似ている。弄られやすそうな雰囲気などそっくりそのままと言ってもいい。ついでにどこか周囲の人間のせいで不幸そうなところも。
「早苗は一人っ子でかわいそうだからね。こっちの世界に来て知り合いもまだ少ないし、妹でもいれば楽しいんじゃないかなあ、ってね」
これも子を思う親心、と言うやつだろうか。色々と間違ってはいるが。
「いや、だってさあ。見てよこれ!」
諏訪子が帽子の中から取り出した写真には、博麗神社とは別の神社を背景にして、緑色の腋が開いた巫女装束を着た一人の少女が写っていた。
着ている衣服から判断するとおそらくこの少女が早苗さんであろう。しかしこれがどうしたと言うのだろうか……
そこでふと気づいて縛られていた妖精を見る。なるほど、確かになんとなく写真の少女と似ている。弄られやすそうな雰囲気などそっくりそのままと言ってもいい。ついでにどこか周囲の人間のせいで不幸そうなところも。
「早苗は一人っ子でかわいそうだからね。こっちの世界に来て知り合いもまだ少ないし、妹でもいれば楽しいんじゃないかなあ、ってね」
これも子を思う親心、と言うやつだろうか。色々と間違ってはいるが。
「ふむ……まあそこら辺の話は当事者間でやってもらうとして。作るのはかまわないが料金はちゃんといただくよ、これくらい」
「げ、結構高いね。んー、あんまり持ち合わせないんだけどなあ。早苗の財布の紐けっこう固いし。あ、そーだ」
そう言って帽子の中からトランプを取り出した。
「知ってるかもしれないけど、うちの神社は外の世界から来たのよ。当然、家の中には外の世界の道具なんかも結構ある。そこでだ」
続いて諏訪子は帽子から徳利と枡を取り出した。何に使うのかと思ったが、特に工夫も泣く枡に酒を注いで一気にあおった。単に口を湿らせるためだったようだ。
「こいつで一勝負といこうじゃないか。私が勝ったら代金代わりに家にある道具をいくつか持ってっていい。ただし私が買ったらタダで服を作ってもらう。どう?」
トランプの箱を弄びながら外見に似合わぬ不敵な笑みを浮かべる諏訪子を前に、僕は少し迷った。
普通に考えればそんな話に乗らず、普通に料金を払ってもらうべきだろう。商売人が余計なリスクを追うものではない。
だが外の世界の道具には大いに興味がある。そもそも食事も睡眠もそれほど必要としない僕にとって、金銭とはそれほど重要ではないのだ。
「いいだろう、乗った!」
「げ、結構高いね。んー、あんまり持ち合わせないんだけどなあ。早苗の財布の紐けっこう固いし。あ、そーだ」
そう言って帽子の中からトランプを取り出した。
「知ってるかもしれないけど、うちの神社は外の世界から来たのよ。当然、家の中には外の世界の道具なんかも結構ある。そこでだ」
続いて諏訪子は帽子から徳利と枡を取り出した。何に使うのかと思ったが、特に工夫も泣く枡に酒を注いで一気にあおった。単に口を湿らせるためだったようだ。
「こいつで一勝負といこうじゃないか。私が勝ったら代金代わりに家にある道具をいくつか持ってっていい。ただし私が買ったらタダで服を作ってもらう。どう?」
トランプの箱を弄びながら外見に似合わぬ不敵な笑みを浮かべる諏訪子を前に、僕は少し迷った。
普通に考えればそんな話に乗らず、普通に料金を払ってもらうべきだろう。商売人が余計なリスクを追うものではない。
だが外の世界の道具には大いに興味がある。そもそも食事も睡眠もそれほど必要としない僕にとって、金銭とはそれほど重要ではないのだ。
「いいだろう、乗った!」
「ま、待ってくださいよぉ……」
そこへか細い声が割って入る。縛られたままの妖精の発したものだ。
「そろそろ私帰りたいんですけど……」
おずおずと声を発した妖精に、諏訪子はにんまりと笑って言った。
「ちょっと待ってなさいね、プチ早苗。もうちょっとしたら衣装仕立てて貰えるから、それ着て一緒に神社に帰ろうね」
「わ、私の家は山じゃないんですけど……それにプチ早苗って……」
「やれやれ。我儘だなあ、小早苗は」
どう考えてもこの場合横暴なのは目の前のカエル神だと思うが、下手に口を挟んで「じゃあ服いらない」なんてことになっては久方ぶりの商談がパアだ。
そこへか細い声が割って入る。縛られたままの妖精の発したものだ。
「そろそろ私帰りたいんですけど……」
おずおずと声を発した妖精に、諏訪子はにんまりと笑って言った。
「ちょっと待ってなさいね、プチ早苗。もうちょっとしたら衣装仕立てて貰えるから、それ着て一緒に神社に帰ろうね」
「わ、私の家は山じゃないんですけど……それにプチ早苗って……」
「やれやれ。我儘だなあ、小早苗は」
どう考えてもこの場合横暴なのは目の前のカエル神だと思うが、下手に口を挟んで「じゃあ服いらない」なんてことになっては久方ぶりの商談がパアだ。
「そ、それじゃあ私も勝負します! 私が勝ったら帰らせてもらいますからね!」
妖精は縛られたままそんなことを叫んだが、やはり妖精は妖精だ。頭が足りていない。
力ずくで妖精が神に逆らえるわけがない以上、諏訪子が勝負に乗るメリットは何もない。
「良いよ。んじゃ3人で遊ぼうか!」
……あれ?
「神遊びは賑やかな方が楽しいからね。人数は多いほうが良い」
楽しいからって、神が損得より感情で動くのか。それとも絶対に負けない自信でもあるのか……?
だがその読みは甘い。僕の「道具の名前と用途が判る程度の能力」の前ではたとえ裏向きの札であろうとその正体は明白。彼女らに勝ちの目は万一もないのだ。
さすがに卑怯で少々気が引けるが、これも外界の道具のためだ。悪いが彼女らには泣いてもらおう。
妖精は縛られたままそんなことを叫んだが、やはり妖精は妖精だ。頭が足りていない。
力ずくで妖精が神に逆らえるわけがない以上、諏訪子が勝負に乗るメリットは何もない。
「良いよ。んじゃ3人で遊ぼうか!」
……あれ?
「神遊びは賑やかな方が楽しいからね。人数は多いほうが良い」
楽しいからって、神が損得より感情で動くのか。それとも絶対に負けない自信でもあるのか……?
だがその読みは甘い。僕の「道具の名前と用途が判る程度の能力」の前ではたとえ裏向きの札であろうとその正体は明白。彼女らに勝ちの目は万一もないのだ。
さすがに卑怯で少々気が引けるが、これも外界の道具のためだ。悪いが彼女らには泣いてもらおう。
「それじゃ、3人で勝負だね。私が勝ったら霖之助はタダで衣装を提供して、ミニ早苗は私の慰み者になる。
霖之助が勝ったら私の家から道具を持ってってOK、ミクロ早苗は霖之助と私の慰み者になる。
ちい早苗が勝ったら湖でもどこでも帰って良いし、霖之助を慰み者にして良し、と。これで問題ないよね」
「……なんだか初めて聞く条文が追加されてる気がするんだが」
「ななななな、慰み者ってな、何をするんですか!?」
「何って、そりゃナニに決まってるじゃないの」
見た目に似合わぬ諏訪子のいやらしい笑みに、妖精は本気で怯えている。それはまあそうだろう。僕は負けるわけがないからどうでも良いが。
「や、ヤですっ! 拒否しますっ!! 断固拒否しますっ!!」
「ふうん、じゃあ弾幕ごっこで勝負する? こっちだと揉め事はこれで解決するんだよね」
「あうぅ……トランプでいいです……あとせめて呼び名は統一してくださいぃ……」
「はいはい。じゃあ早苗子にでもしとくね」
恐怖を振り払い猛烈に抗議した妖精だったが、諏訪子のほうが上手だった。そりゃまあ2面中ボスとEXボスじゃ結果は火を見るより明らかだよなあ。その場合最弱は間違いなく僕だが。
霖之助が勝ったら私の家から道具を持ってってOK、ミクロ早苗は霖之助と私の慰み者になる。
ちい早苗が勝ったら湖でもどこでも帰って良いし、霖之助を慰み者にして良し、と。これで問題ないよね」
「……なんだか初めて聞く条文が追加されてる気がするんだが」
「ななななな、慰み者ってな、何をするんですか!?」
「何って、そりゃナニに決まってるじゃないの」
見た目に似合わぬ諏訪子のいやらしい笑みに、妖精は本気で怯えている。それはまあそうだろう。僕は負けるわけがないからどうでも良いが。
「や、ヤですっ! 拒否しますっ!! 断固拒否しますっ!!」
「ふうん、じゃあ弾幕ごっこで勝負する? こっちだと揉め事はこれで解決するんだよね」
「あうぅ……トランプでいいです……あとせめて呼び名は統一してくださいぃ……」
「はいはい。じゃあ早苗子にでもしとくね」
恐怖を振り払い猛烈に抗議した妖精だったが、諏訪子のほうが上手だった。そりゃまあ2面中ボスとEXボスじゃ結果は火を見るより明らかだよなあ。その場合最弱は間違いなく僕だが。
「種目は……そうだな、ポーカーで良いかな。霖之助、5枚ずつ配ってちょうだい」
諏訪子はそう言って僕にカードを渡してきた。好都合だ、彼女らに何のカードが渡ったか筒抜けである以上僕に負けはない。
「わかった、ジョーカーはどうする?」
「無しで。紛れが少ないほうが実力が出て楽しいでしょ」
表向きでルールの確認をしながら、僕は自らの能力を発動した。まず一番上の札を取る。この札の名称は……!!
諏訪子はそう言って僕にカードを渡してきた。好都合だ、彼女らに何のカードが渡ったか筒抜けである以上僕に負けはない。
「わかった、ジョーカーはどうする?」
「無しで。紛れが少ないほうが実力が出て楽しいでしょ」
表向きでルールの確認をしながら、僕は自らの能力を発動した。まず一番上の札を取る。この札の名称は……!!
――名称はトランプ。用途は遊具。
「どうしたの、霖之助。早く配ってよ」
「あ、ああ。すまない」
あまりの事態に硬直していた僕だったが、諏訪子の声で我に返った。
だがプランは完全に崩壊してしまっている。……まあいい、実力で勝てば良いだけの話だ。
……我ながらすごく死亡フラグっぽいな。
「あ、ああ。すまない」
あまりの事態に硬直していた僕だったが、諏訪子の声で我に返った。
だがプランは完全に崩壊してしまっている。……まあいい、実力で勝てば良いだけの話だ。
……我ながらすごく死亡フラグっぽいな。
そんな一戦目の結果だが……結論から言うと勝ってしまった。
僕の手がツーペア、諏訪子はワンペア、妖精は役無し。
「僕の勝ちだな……。と、そう言えば何戦するか決めていなかったな、それともチップでも用意しようか」
今考えればこの時点で多少強引でも僕の勝ちを宣言しておくべきだったのだ。そうすればこのあとに続く事態は未然に防げた。
勝って気が大きくなっていた事実と、ポーカーは一戦で終わるものではないという常識に縛られていたばかりに、僕はこの後に起こる惨劇を防げなかったのだ。
僕の手がツーペア、諏訪子はワンペア、妖精は役無し。
「僕の勝ちだな……。と、そう言えば何戦するか決めていなかったな、それともチップでも用意しようか」
今考えればこの時点で多少強引でも僕の勝ちを宣言しておくべきだったのだ。そうすればこのあとに続く事態は未然に防げた。
勝って気が大きくなっていた事実と、ポーカーは一戦で終わるものではないという常識に縛られていたばかりに、僕はこの後に起こる惨劇を防げなかったのだ。
「チップ? いやいや。いらないよ、そんなもん」
諏訪子はそう言うが早いか上着を脱ぎ捨てた。呆然としている僕と妖精の前で、鳥獣戯画が記された衣服が重力に引かれひらひらと舞い落ちる。
「脱ぐ物がなくなったら負けでいいでしょ。わかりやすいし」
この邪神、さらっととんでもない事をぬかしやがった。僕の顔からは血の気が引き、妖精はとうとう顔を紅潮させて卒倒した。
「というわけで早苗子も脱いだ脱いだ……って、あれ、どうしたの?」
どうしたもこうしたもあるか。さすがに抗議しようとしたが
「……まあいっか。かわりに私が脱がしてあげよう」
とかほざきながら妖精のスカートに頭を突っ込んだ疫病神を見て……その、何だ。わかるだろう?
まだ枯れきってなかったんだなあ、とか自分に対して妙な感慨を抱いている目の前では諏訪子が大爆走だった。
諏訪子はそう言うが早いか上着を脱ぎ捨てた。呆然としている僕と妖精の前で、鳥獣戯画が記された衣服が重力に引かれひらひらと舞い落ちる。
「脱ぐ物がなくなったら負けでいいでしょ。わかりやすいし」
この邪神、さらっととんでもない事をぬかしやがった。僕の顔からは血の気が引き、妖精はとうとう顔を紅潮させて卒倒した。
「というわけで早苗子も脱いだ脱いだ……って、あれ、どうしたの?」
どうしたもこうしたもあるか。さすがに抗議しようとしたが
「……まあいっか。かわりに私が脱がしてあげよう」
とかほざきながら妖精のスカートに頭を突っ込んだ疫病神を見て……その、何だ。わかるだろう?
まだ枯れきってなかったんだなあ、とか自分に対して妙な感慨を抱いている目の前では諏訪子が大爆走だった。
「はっ! な、なにをしてるんですかあ!?!?」
「うへへへへへ、敗者は失うっ…! それをねじ曲げたら………… なにがなにやらわからない…… 受け入れるべきだっ…!」
「聞いてませんっ、こんなの!!」
「うひひひひ、そりゃまあ言ってなかったからねっ!」
「やあっ! ……ぱ、ぱんつ引っ張らないで!」
「げへへへへへへへ、そおれっ! 上手に剥けました~」
「か、返してくださいよー……」
グッジョブだ、神。略してゴッドGJ!
「うへへへへへ、敗者は失うっ…! それをねじ曲げたら………… なにがなにやらわからない…… 受け入れるべきだっ…!」
「聞いてませんっ、こんなの!!」
「うひひひひ、そりゃまあ言ってなかったからねっ!」
「やあっ! ……ぱ、ぱんつ引っ張らないで!」
「げへへへへへへへ、そおれっ! 上手に剥けました~」
「か、返してくださいよー……」
グッジョブだ、神。略してゴッドGJ!
「さて、それじゃ二戦目行くかな。早苗子、あんた負けだから配りなさい」
妖精から剥ぎ取った下着を帽子の中にしまいつつ言う諏訪子に促され、妖精がカードを配る。
二戦目が始まった。
妖精から剥ぎ取った下着を帽子の中にしまいつつ言う諏訪子に促され、妖精がカードを配る。
二戦目が始まった。
……が、冷静さを失っていた僕と妖精が勝てるわけもなく。
僕は何かされる前に自分で上着を脱ぎ捨て、妖精はスカートをひん剥かれていた。
僕は何かされる前に自分で上着を脱ぎ捨て、妖精はスカートをひん剥かれていた。
…………
……
とまあ、そんな経緯で冒頭の状況に至ったのだが……
一瞬とは言え我を失っていた間に事態は取り返しのつかない所まで来ている。
こうなった以上結果などどうでも良い、誰かがやってくる前に一刻も早く勝負を終わらせるしかない。
諏訪子が勝てば妖精はこのまま神社に拉致される。その後にごたごたはあろうが、それに紛れてこの状況が有耶無耶になればそれで良い。ならないかもしれないが、その時はその時だ。
妖精が勝ったときはなんとかして丸め込まねばならないが、相手は妖精だ。そう難しいことはないだろう。
そういう意味では僕が勝った場合が最悪かもしれない。妖精が神社に拉致されるのは変わりないが、この場合諏訪子は僕と二人がかりで妖精を慰み者にすると宣言している。どこまで本気だか知れたものではないが、丸ごと本気だった場合、僕には諏訪子に逆らうだけの力がないのは明白で、そうなった場合は流石に妖精といえど丸め込むのは無理だろう。
最善は妖精が勝つことだが、ここ一番に弱そうなこの妖精の実力にはあまり期待できない。僕が勝つわけには行かない以上、僕に出来ることは……諏訪子にプレッシャーをかけて潰すしかない。
そして最終戦の札が配られた……
……
とまあ、そんな経緯で冒頭の状況に至ったのだが……
一瞬とは言え我を失っていた間に事態は取り返しのつかない所まで来ている。
こうなった以上結果などどうでも良い、誰かがやってくる前に一刻も早く勝負を終わらせるしかない。
諏訪子が勝てば妖精はこのまま神社に拉致される。その後にごたごたはあろうが、それに紛れてこの状況が有耶無耶になればそれで良い。ならないかもしれないが、その時はその時だ。
妖精が勝ったときはなんとかして丸め込まねばならないが、相手は妖精だ。そう難しいことはないだろう。
そういう意味では僕が勝った場合が最悪かもしれない。妖精が神社に拉致されるのは変わりないが、この場合諏訪子は僕と二人がかりで妖精を慰み者にすると宣言している。どこまで本気だか知れたものではないが、丸ごと本気だった場合、僕には諏訪子に逆らうだけの力がないのは明白で、そうなった場合は流石に妖精といえど丸め込むのは無理だろう。
最善は妖精が勝つことだが、ここ一番に弱そうなこの妖精の実力にはあまり期待できない。僕が勝つわけには行かない以上、僕に出来ることは……諏訪子にプレッシャーをかけて潰すしかない。
そして最終戦の札が配られた……
手札はダイヤの10、ダイヤのJ、ハートのQ、ダイヤのQ、クラブのQ。スリーカード確定、悪くはない。
妖精のほうを眺めると右手と左手でカードを二つに分け、右手の2枚を穴が開くほど眺めている。ワンペアだけと見て間違いないだろう。
問題の諏訪子だが、相変わらずのにやにや笑いのせいで札を推測することは出来ない。だが自身ありげな様子からして油断は出来ない。
妖精のほうを眺めると右手と左手でカードを二つに分け、右手の2枚を穴が開くほど眺めている。ワンペアだけと見て間違いないだろう。
問題の諏訪子だが、相変わらずのにやにや笑いのせいで札を推測することは出来ない。だが自身ありげな様子からして油断は出来ない。
最初の手番の妖精が左手に握っていた3枚の札を捨てる。スペードの4、スペードの5、ダイヤの7。やはりワンペアだったようだ。
祈るように目を閉じて山札から3枚引き、そしてその顔が絶望に変わる。どうやら駄目だったようだ。だがまあ、無理もない。何しろ相手はその祈るべき神なのだから。「邪」とか「疫病」とか「破壊」とか頭についてるけど。
「ケロケロケロケロ、駄目だったみたいだねえ、残念でした。まあ私に勝ちたきゃ紅魔館の妹様でも連れてくるんだね」
絶望にくれた表情の妖精を見て諏訪子が笑う。その瞬間僕の脳裏に稲妻が走った。
祈るように目を閉じて山札から3枚引き、そしてその顔が絶望に変わる。どうやら駄目だったようだ。だがまあ、無理もない。何しろ相手はその祈るべき神なのだから。「邪」とか「疫病」とか「破壊」とか頭についてるけど。
「ケロケロケロケロ、駄目だったみたいだねえ、残念でした。まあ私に勝ちたきゃ紅魔館の妹様でも連れてくるんだね」
絶望にくれた表情の妖精を見て諏訪子が笑う。その瞬間僕の脳裏に稲妻が走った。
「さて僕の番だね。そうだな、何枚替えるとしよ……おっと!」
僕の手許からカードが滑り落ち、5枚の札はその姿を白日の下にさらす。それらを見て妖精はとうとう顔面蒼白になる。
「わざとだな、霖之助。どういうつもりだ?」
一方の諏訪子はぎろりと僕を睨めつける。勝負の興に水を差されて怒りはしているが、そこにスリーカードを見た焦りのようなものは感じられない。まあ焦ったとしても表に出すような相手ではないだけかもしれないが、普通に考えれば手札がそれ以上なのだろう。
「とんでもない。大勝負で緊張して手が震えただけさ……と言いたいところだが」
そう言って僕は無造作に手許から二枚の札を捨てる。スペードのQとクラブのQを。
そして残った3枚のカードを裏向きに床に伏せ、新たに引いてきた2枚も見ずにその上に重ねた。
僕の手許からカードが滑り落ち、5枚の札はその姿を白日の下にさらす。それらを見て妖精はとうとう顔面蒼白になる。
「わざとだな、霖之助。どういうつもりだ?」
一方の諏訪子はぎろりと僕を睨めつける。勝負の興に水を差されて怒りはしているが、そこにスリーカードを見た焦りのようなものは感じられない。まあ焦ったとしても表に出すような相手ではないだけかもしれないが、普通に考えれば手札がそれ以上なのだろう。
「とんでもない。大勝負で緊張して手が震えただけさ……と言いたいところだが」
そう言って僕は無造作に手許から二枚の札を捨てる。スペードのQとクラブのQを。
そして残った3枚のカードを裏向きに床に伏せ、新たに引いてきた2枚も見ずにその上に重ねた。
「……わざわざスリーカードを崩してまで、何のつもりだ霖之助?」
なんだか怖いオーラが押し寄せてくる諏訪子の方を見ずに、僕は答えた。
「仕方ないだろ、このままじゃ勝てないんだから。君のその手役、フルハウスだろ」
諏訪子の右眉が一瞬だけ軽く跳ね上がった……気がする。ちょっと怖くてそっちを直視できる状況じゃない。正直言うとチビりそうだ。
「紅魔館の妹君、フランドール・スカーレット。彼女の代名詞たるスペルカードが禁忌「フォーオブアカインド」。たしかポーカーにも同じ名前の役があったね、フォー・オブ・ア・カインド。またの名をフォーカード」
「……」
諏訪子は恐ろしいほど無言だが、その圧力だけは遥かに増している。呼吸すらままならないような錯覚に陥るほどに。
「さっき君が妹君を引き合いに出したときに閃いたんだよ。フォーカードがあれば勝てる役といえばフルハウスだ。その娘の手がワンペアだったのは明らかだったから、そこで3枚替えた場合作れるのはスリーカード、フォーカード、フルハウスのみ。もっともどれも出来なかったようだがね」
「な、何でわかったんですか!?」
……妖精ということを差し引いても、少し素直すぎるなこの子は。
「彼女の勝ちがなくなった時点で、君にとっては勝負などどうでも良くなったから思わず口をついた軽口なのだろうが、あれが致命打だったね。うまいこと言ってやった、くらいのつもりだったのかもしれないが」
「……その深読みを狙ったミスリードというのは考えなかったの?」
静かに、だが圧力はそのままに諏訪子が言う。
「その時はそこまで読めなかった僕が甘かっただけのこと。まあ今のこの雰囲気を考えればその判断は間違っていないと思うけどね」
ぎり……と小さく歯軋りの音が聞こえた。
なんだか怖いオーラが押し寄せてくる諏訪子の方を見ずに、僕は答えた。
「仕方ないだろ、このままじゃ勝てないんだから。君のその手役、フルハウスだろ」
諏訪子の右眉が一瞬だけ軽く跳ね上がった……気がする。ちょっと怖くてそっちを直視できる状況じゃない。正直言うとチビりそうだ。
「紅魔館の妹君、フランドール・スカーレット。彼女の代名詞たるスペルカードが禁忌「フォーオブアカインド」。たしかポーカーにも同じ名前の役があったね、フォー・オブ・ア・カインド。またの名をフォーカード」
「……」
諏訪子は恐ろしいほど無言だが、その圧力だけは遥かに増している。呼吸すらままならないような錯覚に陥るほどに。
「さっき君が妹君を引き合いに出したときに閃いたんだよ。フォーカードがあれば勝てる役といえばフルハウスだ。その娘の手がワンペアだったのは明らかだったから、そこで3枚替えた場合作れるのはスリーカード、フォーカード、フルハウスのみ。もっともどれも出来なかったようだがね」
「な、何でわかったんですか!?」
……妖精ということを差し引いても、少し素直すぎるなこの子は。
「彼女の勝ちがなくなった時点で、君にとっては勝負などどうでも良くなったから思わず口をついた軽口なのだろうが、あれが致命打だったね。うまいこと言ってやった、くらいのつもりだったのかもしれないが」
「……その深読みを狙ったミスリードというのは考えなかったの?」
静かに、だが圧力はそのままに諏訪子が言う。
「その時はそこまで読めなかった僕が甘かっただけのこと。まあ今のこの雰囲気を考えればその判断は間違っていないと思うけどね」
ぎり……と小さく歯軋りの音が聞こえた。
「ああ、そうだ。先に言っておくが僕が勝った場合彼女を慰み者は遠慮させてもらうよ。よって君が混ざることも不可能だ」
「えええええ!? どうしてええ!?!?」
さっきまでの圧力は一瞬で弾け飛んだ。勝負よりそっちのほうが大事だったのか、このカエル。
「今の状況ですら人に見られたら言い訳が効かないってのに、傷口をさらに広げてどうする。ついでに言うなら勝者の権利で彼女は解放させてもらうよ」
「ちょ、ちょっと待ってよ! そうしたら巫女服必要なくなるから外の道具も無しだよ!?」
「構わないさ。商売人としてもっとも大切な信用という財産を失うよりはマシだ。つまり君が彼女を連れて帰りたいなら自力で勝つしかないということだ」
「……あーうー」
「えええええ!? どうしてええ!?!?」
さっきまでの圧力は一瞬で弾け飛んだ。勝負よりそっちのほうが大事だったのか、このカエル。
「今の状況ですら人に見られたら言い訳が効かないってのに、傷口をさらに広げてどうする。ついでに言うなら勝者の権利で彼女は解放させてもらうよ」
「ちょ、ちょっと待ってよ! そうしたら巫女服必要なくなるから外の道具も無しだよ!?」
「構わないさ。商売人としてもっとも大切な信用という財産を失うよりはマシだ。つまり君が彼女を連れて帰りたいなら自力で勝つしかないということだ」
「……あーうー」
さて、少し状況を整理しよう。
今回の勝負が始まる前に山札に残っていたカードは、スペードがA、2、4、5、6、10、J、Q、K。ハートが2、10、J、Q、K。ダイヤがA、2、7、10、J、Q、K。クラブが2、7、J、Q。
ここから僕が公開した5枚と妖精が捨てた3枚を除くと残りは、スペードがA、2、6、10、J、K。ハートが2、10、J、K。ダイヤがA、2、K。クラブが2、7、J。
ここまでは諏訪子も記憶しているだろう。彼女の場合はそれに加えて自身の手札5枚も判断基準となる。
だがここまでくればその5枚の推察もそう難しくはない。彼女の手持ちは2とJとKいずれかの組み合わせで作ったフルハウスだろう。
そしておそらくその中に2は含まれておらず、JとKでのフルハウスだ。根拠はさきほどの諏訪子の悪魔の妹に関する発言。
残ったカードの中にフォーカードが可能な組み合わせは、2のフォーカードしかないのだ。彼女の手札に1枚でも2があればあのようなことは言うまい。
つまり諏訪子の手札はスペードとハートとクラブのJ、スペードとハートとダイヤのKの合計6枚の中から、5枚の組み合わせということになる。
そして諏訪子の手にダイヤのKがなければ、そして妖精がダイヤのAとKを引いていないのならば僕にはダイヤのロイヤルストレートフラッシュの目がある。
7枚のうちから狙った2枚。確率は良いとはいえないが、他に手はないのだ。
今回の勝負が始まる前に山札に残っていたカードは、スペードがA、2、4、5、6、10、J、Q、K。ハートが2、10、J、Q、K。ダイヤがA、2、7、10、J、Q、K。クラブが2、7、J、Q。
ここから僕が公開した5枚と妖精が捨てた3枚を除くと残りは、スペードがA、2、6、10、J、K。ハートが2、10、J、K。ダイヤがA、2、K。クラブが2、7、J。
ここまでは諏訪子も記憶しているだろう。彼女の場合はそれに加えて自身の手札5枚も判断基準となる。
だがここまでくればその5枚の推察もそう難しくはない。彼女の手持ちは2とJとKいずれかの組み合わせで作ったフルハウスだろう。
そしておそらくその中に2は含まれておらず、JとKでのフルハウスだ。根拠はさきほどの諏訪子の悪魔の妹に関する発言。
残ったカードの中にフォーカードが可能な組み合わせは、2のフォーカードしかないのだ。彼女の手札に1枚でも2があればあのようなことは言うまい。
つまり諏訪子の手札はスペードとハートとクラブのJ、スペードとハートとダイヤのKの合計6枚の中から、5枚の組み合わせということになる。
そして諏訪子の手にダイヤのKがなければ、そして妖精がダイヤのAとKを引いていないのならば僕にはダイヤのロイヤルストレートフラッシュの目がある。
7枚のうちから狙った2枚。確率は良いとはいえないが、他に手はないのだ。
「霖之助、ダイヤのKの所在が気になってるみたいね。安心して良いよ、そこはあんたの勝ちだから」
小さく息をついて諏訪子は自らの手札を表にした。スペードのJ、ハートのJ、クラブのJ、スペードのK、ハートのK。
「これであんたのその5枚の札がダイヤのロイヤルストレートフラッシュの可能性もあるわけだよね。山にダイヤのAとKが残っていたとして確率は1/21だけど」
諏訪子はそう言って、手許の5枚を2つに分けた。スペードのJとKを1つ、それ以外を1つ。
「でもね、スペードのAと2、そしてKもまだ確認されてないんだよ?」
「わかっている。同じ役だったならばスペードがダイヤに勝つ、言うまでもないだろう」
「んー、それがわかってるならいいよ。私としても負けられない勝負だからね」
そして諏訪子の左手がスペードの2枚を掴み、右手が残り3枚を掴み、そして……それらは微動だにしなかった。
小さく息をついて諏訪子は自らの手札を表にした。スペードのJ、ハートのJ、クラブのJ、スペードのK、ハートのK。
「これであんたのその5枚の札がダイヤのロイヤルストレートフラッシュの可能性もあるわけだよね。山にダイヤのAとKが残っていたとして確率は1/21だけど」
諏訪子はそう言って、手許の5枚を2つに分けた。スペードのJとKを1つ、それ以外を1つ。
「でもね、スペードのAと2、そしてKもまだ確認されてないんだよ?」
「わかっている。同じ役だったならばスペードがダイヤに勝つ、言うまでもないだろう」
「んー、それがわかってるならいいよ。私としても負けられない勝負だからね」
そして諏訪子の左手がスペードの2枚を掴み、右手が残り3枚を掴み、そして……それらは微動だにしなかった。
「どうしたんだ、引かないのか?」
「はは、馬鹿だね霖之助。普通手札を公開するのは勝負のときだけだろう」
能天気に笑う諏訪子の声に、場が凍りつくのを確かに感じた。
「そ、そのままで勝負するのか?」
「とーぜんだよ。フルハウスできてるのにわざわざ崩す馬鹿がいるわけないでしょ」
「僕の手がロイヤルストレートフラッシュだった場合、君の負けだぞ! 負けられない勝負なんじゃなかったのか?」
「負けられないよ。負けられない勝負だからこそ手を崩すわけないでしょ。霖之助の手が成る確率は4.6%ってとこ。早苗子がそこらを引いてる可能性まで考慮すればもっと減る。なのにそんな薄い確率を恐れて、山に残っているかもわからない札を3枚引くなんてありえないでしょ」
「だが……」
「くどい! 幻影を恐れて一か八かの勝負に出て、約束されていた勝利を投げ打つほど私は愚かじゃないよ」
万事休す、諏訪子の自爆を誘うという僕の戦略は完全に破綻した。
「はは、馬鹿だね霖之助。普通手札を公開するのは勝負のときだけだろう」
能天気に笑う諏訪子の声に、場が凍りつくのを確かに感じた。
「そ、そのままで勝負するのか?」
「とーぜんだよ。フルハウスできてるのにわざわざ崩す馬鹿がいるわけないでしょ」
「僕の手がロイヤルストレートフラッシュだった場合、君の負けだぞ! 負けられない勝負なんじゃなかったのか?」
「負けられないよ。負けられない勝負だからこそ手を崩すわけないでしょ。霖之助の手が成る確率は4.6%ってとこ。早苗子がそこらを引いてる可能性まで考慮すればもっと減る。なのにそんな薄い確率を恐れて、山に残っているかもわからない札を3枚引くなんてありえないでしょ」
「だが……」
「くどい! 幻影を恐れて一か八かの勝負に出て、約束されていた勝利を投げ打つほど私は愚かじゃないよ」
万事休す、諏訪子の自爆を誘うという僕の戦略は完全に破綻した。
「さあ。ショウダウンと行こうよ、霖之助。私は見せてるんだから、霖之助も見せてよ」
こうなった以上、1/21の奇跡を信じるしかない。促されるままに僕はカードを1枚ずつめくっていく。ダイヤの10、J、Q。ここまでは予定調和、問題はここからだ。
4枚目をめくる。ダイヤのK!
「へえ、こりゃビックリだ。でももう一枚はどうだろうね」
言われるまでもない。僕は最後の一枚を表にした。
こうなった以上、1/21の奇跡を信じるしかない。促されるままに僕はカードを1枚ずつめくっていく。ダイヤの10、J、Q。ここまでは予定調和、問題はここからだ。
4枚目をめくる。ダイヤのK!
「へえ、こりゃビックリだ。でももう一枚はどうだろうね」
言われるまでもない。僕は最後の一枚を表にした。
……が、それはスペードのAだった。
「あはははは、残念でした。まあ、そうゲームや小説みたいにうまくはいかないってことね。私の勝ちぃ!」
勝ち誇る諏訪子。終わった、明日からはこの店は変態の片棒を担いだ店主のいる店として忌み嫌われるのだろう。いや、その前に魔理沙あたりに焼き尽くされるかな……
呆然とする僕の視界の隅を、その時1枚のカードがよぎった。
「あはははは、残念でした。まあ、そうゲームや小説みたいにうまくはいかないってことね。私の勝ちぃ!」
勝ち誇る諏訪子。終わった、明日からはこの店は変態の片棒を担いだ店主のいる店として忌み嫌われるのだろう。いや、その前に魔理沙あたりに焼き尽くされるかな……
呆然とする僕の視界の隅を、その時1枚のカードがよぎった。
それは求めていたダイヤのA。それに続くように目の前を4枚のカードが舞い落ちた。
「残念、勝ったのは私ですよ」
そこには傲然と笑みを浮かべる妖精が、そしてその足元にはダイヤのAと2のカードが……4枚。
「……引いてたの、あんた?」
さすがに諏訪子の顔からも笑みが消えていた。それはそうだろう、さっきの様子はとても演技には見えなかった。
「ええ。お二人の会話、なかなか滑稽で楽しかったですよ。それでは私の勝ちみたいなので失礼しますね」
目の前の現実が理解できず唖然としている僕たちに一礼し、妖精はまっすぐ湖の方へと飛んでいった。
「残念、勝ったのは私ですよ」
そこには傲然と笑みを浮かべる妖精が、そしてその足元にはダイヤのAと2のカードが……4枚。
「……引いてたの、あんた?」
さすがに諏訪子の顔からも笑みが消えていた。それはそうだろう、さっきの様子はとても演技には見えなかった。
「ええ。お二人の会話、なかなか滑稽で楽しかったですよ。それでは私の勝ちみたいなので失礼しますね」
目の前の現実が理解できず唖然としている僕たちに一礼し、妖精はまっすぐ湖の方へと飛んでいった。
「あーーっ!? やられた!!」
それから2、3分経った頃だろうか。突然諏訪子が大声で叫んだ。
「ど、どうしたんだ?」
「見てよこれ!」
「いったいどうしたと……あ」
妖精の残していった5枚のカード、だがその5枚は僕たちの使っていたカードとは明らかに裏の模様が違っていた。
あたりを見回すと、商品として置いてあったトランプが一つ開封されている。
「やれやれ、私たちが目の前の相手しか見ていなかった間にこんな仕掛けを打つとはねえ。妖精の分際で神をハメるとは、やってくれる」
悔しそうに、だがどこか楽しそうにも見える表情で諏訪子が言った。おおむね僕も同じ感想だ。
しょせん妖精、程度は知れたもの? ここ一番では何も出来そうにない?
そうやって侮ってかかった挙句がこのザマだ。彼女の度胸と機転は認めざるを得ないだろう。
やはり慌てていたのか、衣服を回収することは忘れていたようだが。彼女の上着とスカートがまだそこらに散らばっているし、下着は目の前のカエル帽子のなかに仕舞われたままだ。
しかし徳利は出るわ、トランプは出るわ、この帽子の中はどうなっているのだろうか……
それから2、3分経った頃だろうか。突然諏訪子が大声で叫んだ。
「ど、どうしたんだ?」
「見てよこれ!」
「いったいどうしたと……あ」
妖精の残していった5枚のカード、だがその5枚は僕たちの使っていたカードとは明らかに裏の模様が違っていた。
あたりを見回すと、商品として置いてあったトランプが一つ開封されている。
「やれやれ、私たちが目の前の相手しか見ていなかった間にこんな仕掛けを打つとはねえ。妖精の分際で神をハメるとは、やってくれる」
悔しそうに、だがどこか楽しそうにも見える表情で諏訪子が言った。おおむね僕も同じ感想だ。
しょせん妖精、程度は知れたもの? ここ一番では何も出来そうにない?
そうやって侮ってかかった挙句がこのザマだ。彼女の度胸と機転は認めざるを得ないだろう。
やはり慌てていたのか、衣服を回収することは忘れていたようだが。彼女の上着とスカートがまだそこらに散らばっているし、下着は目の前のカエル帽子のなかに仕舞われたままだ。
しかし徳利は出るわ、トランプは出るわ、この帽子の中はどうなっているのだろうか……
「ところで店主。巫女服の作成を、改めて依頼していいかな。もちろん代金は払わせて貰うよ」
しばらく妖精の飛んでいったほうを眺めていた諏訪子だったが、振り返ってそう言った。
「僕としては有難いんだが、良いのかい? あの子は帰ってしまったのに」
「良いんだよ。早苗が寂しそうだからって、他所の子を連れて帰って妹だよ、なんて言ったところで早苗も納得しないだろうし」
それとこれとがどう繋がるのかと口を挟もうとしたその時、諏訪子に突き飛ばされた。何事かと文句を言おうとした僕に諏訪子はそのまま圧し掛かってきた。
「なに、つまりは他所の子じゃなきゃ良いのよ。ふふ、子供サイズの巫女衣装の用意をよろしくね、お父さん」
そう言って諏訪子はぺろりと自身の唇の端を舐めあげた。見た目に似合わぬその淫靡な仕草に、背筋がぞくりとする。
「ちょうどお誂え向きに二人揃って裸みたいな格好だしね。大丈夫、天井の染みでも数えてりゃ直ぐに終わるサ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! いきなりこんな……おかしいだろ!!」
「あの娘も悪くはなかったけど、この土壇場で勝負を仕掛けられるあんたも気に入ったのさ」
「こ、こういうことはもう少し互いを知りあってからだな」
「往生際が悪いね。据え膳食わぬは男の恥だよ?」
「そういう問題でなくて! と言うかそもそも人間の子の妹に妖怪の血を混ぜてどうするんだ! そもそも巫女だっていうなら、あの子は君の娘じゃないだろうに!」
我ながら台詞が支離滅裂なのは理解しているが、さすがにこれを簡単に許容できるほど終わってはいないと思う。
「早苗は私の子孫だから、つまり娘みたいなもの、問題ないよ。それに人と神と妖怪の血が混じったらどんな子ができるのか、霖之助は興味ないの?」
「こ、子供をなんだと思ってる! この邪神!」
「霖之助こそ祟り神に向かって今更何を言ってるんだか。大丈夫よ、どんな子だろうと私が責任もって立派に育てるから。悪党は身内には甘いのよ。……で、オンナにここまで言わせておいてまだ何か抵抗する?」
「たしかに抵抗する理由はない。理由はないが、だからと言ってはいそうですかと簡単にするようなことじゃないだろう!」
「やれやれ、この石頭め。……ははーん、さては誰かに操でも立ててるな。誰だい?」
馬鹿なことを言うなと否定しようとしたが、一瞬脳裏を一人の少女の姿がよぎる。それは自分でも予想していなかった相手だったが、気のせいだとそれを強引に捻じ伏せる。
「……そ、そんな相手なんかは別にいないが」
「嘘だね。一瞬間があった。なに、大丈夫だよ、誰にもこの事は言ったりしないから。……それに他人のものを奪うのも嫌いじゃないし」
呟いて諏訪子が僕の上に両手をつく。押された床がきしりと小さな音を立てるのを背中で聞く。
しばらく妖精の飛んでいったほうを眺めていた諏訪子だったが、振り返ってそう言った。
「僕としては有難いんだが、良いのかい? あの子は帰ってしまったのに」
「良いんだよ。早苗が寂しそうだからって、他所の子を連れて帰って妹だよ、なんて言ったところで早苗も納得しないだろうし」
それとこれとがどう繋がるのかと口を挟もうとしたその時、諏訪子に突き飛ばされた。何事かと文句を言おうとした僕に諏訪子はそのまま圧し掛かってきた。
「なに、つまりは他所の子じゃなきゃ良いのよ。ふふ、子供サイズの巫女衣装の用意をよろしくね、お父さん」
そう言って諏訪子はぺろりと自身の唇の端を舐めあげた。見た目に似合わぬその淫靡な仕草に、背筋がぞくりとする。
「ちょうどお誂え向きに二人揃って裸みたいな格好だしね。大丈夫、天井の染みでも数えてりゃ直ぐに終わるサ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! いきなりこんな……おかしいだろ!!」
「あの娘も悪くはなかったけど、この土壇場で勝負を仕掛けられるあんたも気に入ったのさ」
「こ、こういうことはもう少し互いを知りあってからだな」
「往生際が悪いね。据え膳食わぬは男の恥だよ?」
「そういう問題でなくて! と言うかそもそも人間の子の妹に妖怪の血を混ぜてどうするんだ! そもそも巫女だっていうなら、あの子は君の娘じゃないだろうに!」
我ながら台詞が支離滅裂なのは理解しているが、さすがにこれを簡単に許容できるほど終わってはいないと思う。
「早苗は私の子孫だから、つまり娘みたいなもの、問題ないよ。それに人と神と妖怪の血が混じったらどんな子ができるのか、霖之助は興味ないの?」
「こ、子供をなんだと思ってる! この邪神!」
「霖之助こそ祟り神に向かって今更何を言ってるんだか。大丈夫よ、どんな子だろうと私が責任もって立派に育てるから。悪党は身内には甘いのよ。……で、オンナにここまで言わせておいてまだ何か抵抗する?」
「たしかに抵抗する理由はない。理由はないが、だからと言ってはいそうですかと簡単にするようなことじゃないだろう!」
「やれやれ、この石頭め。……ははーん、さては誰かに操でも立ててるな。誰だい?」
馬鹿なことを言うなと否定しようとしたが、一瞬脳裏を一人の少女の姿がよぎる。それは自分でも予想していなかった相手だったが、気のせいだとそれを強引に捻じ伏せる。
「……そ、そんな相手なんかは別にいないが」
「嘘だね。一瞬間があった。なに、大丈夫だよ、誰にもこの事は言ったりしないから。……それに他人のものを奪うのも嫌いじゃないし」
呟いて諏訪子が僕の上に両手をつく。押された床がきしりと小さな音を立てるのを背中で聞く。
……どうする。後腐れもなさそうだし身を任せてしまうか?
勝負の熱で忘れかけていたが、諏訪子と妖精の子の肢体は数十年そっち方面を禁欲していた身には刺激が強かった。その時の滾りはまだ体内で燻っている。
諏訪子に不満があるわけもない。むしろ一介の半妖には望外に過ぎると言っても過言ではない相手だ。
少し考えて、僕は口を開いた。
「そうだな、神への供物になるのも悪くはないか……だが一年経ったら殺すなんてのは勘弁してくれよ、諏訪の神」
「ふふ、やっと素直になったね。心配するな、死ぬまで私のそばで仕えさせる相手を殺すわけがないでしょ」
「それで最後の不安の種がなくなったよ。それじゃ……」
そこまで言ったその時、再び脳裏にあの少女の姿が浮かぶ。少女は悲しげな顔でこちらを見ているような気がした。
僕はわけもなく湧き上がる罪悪感を振り払うため視線を諏訪子から外し、妖精が開け放ったままの入り口へと向けた。
勝負の熱で忘れかけていたが、諏訪子と妖精の子の肢体は数十年そっち方面を禁欲していた身には刺激が強かった。その時の滾りはまだ体内で燻っている。
諏訪子に不満があるわけもない。むしろ一介の半妖には望外に過ぎると言っても過言ではない相手だ。
少し考えて、僕は口を開いた。
「そうだな、神への供物になるのも悪くはないか……だが一年経ったら殺すなんてのは勘弁してくれよ、諏訪の神」
「ふふ、やっと素直になったね。心配するな、死ぬまで私のそばで仕えさせる相手を殺すわけがないでしょ」
「それで最後の不安の種がなくなったよ。それじゃ……」
そこまで言ったその時、再び脳裏にあの少女の姿が浮かぶ。少女は悲しげな顔でこちらを見ているような気がした。
僕はわけもなく湧き上がる罪悪感を振り払うため視線を諏訪子から外し、妖精が開け放ったままの入り口へと向けた。
すると、そこにはミニ八卦炉を構えた魔理沙がいたわけで。
なんだか顔を紅潮させて、涙目でこっちを見ているわけで。
その周囲に目視できるほどの膨大な魔力が渦巻いていたわけで。
「……やっぱりこういうオチか」
真っ白い魔力の奔流に吹き飛ばされながら、それでも僕は何処か安堵していたのだった。
なんだか顔を紅潮させて、涙目でこっちを見ているわけで。
その周囲に目視できるほどの膨大な魔力が渦巻いていたわけで。
「……やっぱりこういうオチか」
真っ白い魔力の奔流に吹き飛ばされながら、それでも僕は何処か安堵していたのだった。
終わっちゃえ
一人称だと書きやすくていいなあ。
あ、諏訪子様はマスパ到達前に帽子の中に隠れたので無傷です。万能だなZUN帽。
あ、諏訪子様はマスパ到達前に帽子の中に隠れたので無傷です。万能だなZUN帽。