月夜に踊る隠密少女◆aa/58LO8JE
山の中腹に降り立った少女が最初に行ったのは、参加者名簿の確認だった。
樹木の合間からかすかに差し込む月明かりを頼りに、支倉曜子は羅列された六十以上の単語をさっと眺める。
そこに自らのよく知る少年の名がある事を確認すると、少女は表情を変えぬまま名簿を鞄に入れた。
続けて鞄から殺し合いの舞台であるこの島の地図を取り出す。
周囲の風景から自分の居る位置を確認し、更にいくつかの施設に目星を付ける。
地図に記された複数の施設群。
特に病院や大学、発電所ならば目的の物――首輪の解除に必要な工具類も揃っている可能性があると考えたのだ。
樹木の合間からかすかに差し込む月明かりを頼りに、支倉曜子は羅列された六十以上の単語をさっと眺める。
そこに自らのよく知る少年の名がある事を確認すると、少女は表情を変えぬまま名簿を鞄に入れた。
続けて鞄から殺し合いの舞台であるこの島の地図を取り出す。
周囲の風景から自分の居る位置を確認し、更にいくつかの施設に目星を付ける。
地図に記された複数の施設群。
特に病院や大学、発電所ならば目的の物――首輪の解除に必要な工具類も揃っている可能性があると考えたのだ。
彼女の目指しているもの、それは首輪を解除し、この場所から脱出する事だ。
無論、支倉曜子は争いを忌避する平和主義者というわけではないし、殺人に怒りを覚えるほど正義感の強い人間でもない。
しかしここには自らの半身とも言うべき少年が存在している。
だから、彼女は殺し合いのルールに則った方法では自身の目的を全う出来ないと判断した、ただそれだけの事だった。
無論、支倉曜子は争いを忌避する平和主義者というわけではないし、殺人に怒りを覚えるほど正義感の強い人間でもない。
しかしここには自らの半身とも言うべき少年が存在している。
だから、彼女は殺し合いのルールに則った方法では自身の目的を全う出来ないと判断した、ただそれだけの事だった。
己に支給された物品を確認しながら少女は思考する。
黒須太一と共にこの島から生還するには、やらなくてはならない事が四つ存在している。
黒須太一と共にこの島から生還するには、やらなくてはならない事が四つ存在している。
まず手始めに、太一を捜索する事。
彼は自身の命に無頓着な面があるので、殺人者に危害を加えられるまでに合流したい。
また、例え彼の肉体が生存していても、彼の心が狂気に飲み込まれてしまっては意味が無い。
彼が戻れない所にいってしまう前に、早急に保護する必要があった。
彼は自身の命に無頓着な面があるので、殺人者に危害を加えられるまでに合流したい。
また、例え彼の肉体が生存していても、彼の心が狂気に飲み込まれてしまっては意味が無い。
彼が戻れない所にいってしまう前に、早急に保護する必要があった。
次に、自身と太一の首輪を解除する事。
ここから脱出するためには、爆弾の内蔵された首輪を外さなければならない。
そのためにも解除に必要な工具や設備が島内に存在するかどうかを確認する必要がある。
それに首輪内の構造を知るのにサンプルもいくつか欲しい所だ。
ここから脱出するためには、爆弾の内蔵された首輪を外さなければならない。
そのためにも解除に必要な工具や設備が島内に存在するかどうかを確認する必要がある。
それに首輪内の構造を知るのにサンプルもいくつか欲しい所だ。
それから、太一の安全を確保する必要性もある。
例えば殺し合いに乗った存在を放置しておけば、それだけ彼に危険が及ぶ可能性が増える。
更に言えば殺し合いをする意思が無くても足手纏いになるような存在ならば、それは殺人者と同義である。
そういった障害を排除しリスクを最小限に抑える。そのついでに、首輪のサンプルを集めてもいい。
ただし、自分自身が死んでしまっては無意味なので無理をする必要は無いし、首輪も死体から回収すればいいので構わないのだが。
例えば殺し合いに乗った存在を放置しておけば、それだけ彼に危険が及ぶ可能性が増える。
更に言えば殺し合いをする意思が無くても足手纏いになるような存在ならば、それは殺人者と同義である。
そういった障害を排除しリスクを最小限に抑える。そのついでに、首輪のサンプルを集めてもいい。
ただし、自分自身が死んでしまっては無意味なので無理をする必要は無いし、首輪も死体から回収すればいいので構わないのだが。
そして最後に、島からの脱出方法の探索。
港やビーチリゾートなどに船があれば幸いだが、そううまくいくとも思えない。
そもそもこの島が“どこ”にあるもかもわからないのだ、安全な場所まで行き着けるという保障は無い。
あるいは主催者の本拠地にならば脱出方法がある可能性が高いが、今度はその本拠地を探す必要性も出てくる。
ともかく、それを踏まえてもこの島から生還するためには何らかの方法が必要だった。
港やビーチリゾートなどに船があれば幸いだが、そううまくいくとも思えない。
そもそもこの島が“どこ”にあるもかもわからないのだ、安全な場所まで行き着けるという保障は無い。
あるいは主催者の本拠地にならば脱出方法がある可能性が高いが、今度はその本拠地を探す必要性も出てくる。
ともかく、それを踏まえてもこの島から生還するためには何らかの方法が必要だった。
考えを取り纏めつつ、少女は支給品を確認し終える。
そして、その内の斧以外を全て鞄に仕舞い込むと、少女は自らの目的を実現するべく森の中へと音も無く消えた。
そして、その内の斧以外を全て鞄に仕舞い込むと、少女は自らの目的を実現するべく森の中へと音も無く消えた。
【E-6 山中 1日目 深夜】
【支倉曜子@CROSS†CHANNEL ~to all people~】
【装備】:斧
【所持品】:支給品一式、本人確認済み支給品(1~2)
【状態】:健康
【思考・行動】
1:黒須太一の捜索及び保護
2:1に並行し3~6を行う
3:殺し合いに乗った者及び足手纏いになりそうな者の排除(ただし無理はしない)
4:首輪のサンプルの入手(特に手段は問わない)
5:首輪の解除に必要な器具・設備を探す
6:島からの脱出方法を捜索する
7:太一と二人で生き残る
【支倉曜子@CROSS†CHANNEL ~to all people~】
【装備】:斧
【所持品】:支給品一式、本人確認済み支給品(1~2)
【状態】:健康
【思考・行動】
1:黒須太一の捜索及び保護
2:1に並行し3~6を行う
3:殺し合いに乗った者及び足手纏いになりそうな者の排除(ただし無理はしない)
4:首輪のサンプルの入手(特に手段は問わない)
5:首輪の解除に必要な器具・設備を探す
6:島からの脱出方法を捜索する
7:太一と二人で生き残る
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