スーパーファミコン

SUPER Famicom

音源設計:久夛良木健
開発元:任天堂
発売元:任天堂
発売年:1990

概要

任天堂が発売したファミリーコンピュータの後継となる家庭用ゲーム機。
略称は表記では「SFC」、呼称では「スーファミ」が一般的。
本体開発時にファミコンとの互換性を模索した影響で、採用したCPUが16ビットとしてはクロック周波数が低く処理速度が遅いものとなってしまった。
このため開発ノウハウが蓄積される中期以降までは処理落ちが目立つゲームが多く、開発者からも「RPG専用機」などと揶揄されたが、音源性能にも遅さを助長する一因がある(後述)。

内蔵音源はSONY製サウンドチップ「SPC700*1」によるPCM8ch。
この当時PCMのみの採用は非常に画期的であったが、コスト面の折り合いからサウンドメモリはわずか64KBである。
PCMはサンプリングした音を鳴らすことで様々な音色を再現できるが、64KBでは約5秒分程度しかサンプリングできず、この5秒の音の中からその場面での効果音とBGMの音色を全て賄うための技術的工夫が必要であった。
またサウンドメモリの速度も遅かったためサンプリング音の読み込みに時間がかかり、これがゲーム起動時や場面切り替えの際に(ROMカートリッジでありながら)ロードで待たされる要因のひとつとなった。

上記の制約からSFCの音色は制作者によるクオリティの差が大きい。
作曲者が良い曲を作ってもサウンドプログラマーの腕が悪いと、音がくぐもっていたり、パペパプー*2と揶揄されるようなものになったりする。
しかし表現力がそれまでの家庭用ゲーム機の内蔵音源から格段に向上したのは事実であり、またサウンドドライバの改良や開発ノウハウの蓄積も背景にして、様々な名曲も生まれている。
ゲーム音楽と技術力が不可分な関係にあった最後の世代の家庭用ゲーム機と言える。

参考

  • アクトレイザー(独自開発したサウンドドライバにより、SFC初期に音源の潜在能力の高さを実証)
  • 餓狼伝説SPECIAL(SFC初のドルビーサラウンド採用*3
  • ダウン・ザ・ワールド(SFCの内蔵音源で初めて女性ボーカルによる主題歌を実現)
  • テイルズオブファンタジア(SFCの内蔵音源で、より複雑な歌詞による歌を実現)

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最終更新:2023年02月12日 16:40

*1 このチップの後継「SPU」が後にプレイステーションに搭載される

*2 SFC版『イースIII』のチープなサンプリング音の響きに由来

*3 家庭用ゲーム機における初採用はPCエンジンの『スーパーダライアス』