ファミリーコンピュータ

FAMILY COMPUTER

開発元:任天堂 開発第二部
音源設計:兼岡行男田中宏和
発売元:任天堂
発売日:1983年7月15日

概要

任天堂が発売した家庭用ゲーム機。
略称は表記では「FC」、呼称は「ファミコン」。
手頃な価格とゲームに特化したスペックにより、家庭用ゲーム機市場を大きく発展させた国民機。

音源は、CPUであるRP2A03シリーズに組み込まれた「pAPU (pseudo Audio Processing Unit)」と呼ばれるカスタム音源。
パルス波2音、三角波1音、ノイズ1音、DPCM (Differential *1 Pulse-Code Modulation) 1音の計5chを同時に発音可能となっている。
「PSG」と呼称されることもあるが、PSGはデューティ比1:1固定の矩形波を発音可能なAY-3-8910(および相当品)を指すため、厳密には誤りである。
パルス波はデューティ比を4種類に切り替え可能であるため、1:1の矩形波以外も発音可能となっている。
三角波は本機特有の歪みが音の厚みとなり、当時の競合他機種に比べて低音の表現力に優れていた。
ノイズは長周期、短周期のものを発音可能だが、初期のCPU(RP2A03無印)では短周期ノイズが発音不可となっている。
DPCMはサンプリング音をドラムパートに使うソフトがあるが、容量を必要とするため、使われるようになったのはバンク切り替えによってROMカートリッジの大容量化が実現して以降が主である。
それまでのゲーム機の音がビープ音による効果音と簡素なメロディ程度だったのに比べ、多様な表現が可能であったため、様々なゲーム音楽を生み出す土壌ともなった。

またカートリッジとの接続端子のアナログ入出力用ピンを利用して、ROMカートリッジ内に特殊チップを搭載して音源を拡張したソフトも存在する。
なお欧米向けファミコンであるNESは内部設計が異なり、カートリッジ端子経由による音源拡張は行えない。
このため追加音源を使用したソフトは発売されておらず、日本版で音源を追加していたタイトルも内蔵音源のみに変更されている。

周辺機器として、磁気ディスクをソフトウェア媒体に利用する「ディスクシステム」がある。
RAMアダプタ内に波形メモリ音源1音を搭載しており、上述の音源追加の仕組みを利用して音源を拡張している。
詳細は「ディスクシステム」の項目を参照。

参考

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最終更新:2024年01月06日 18:11

*1 デルタ変調と混同したDelta ~という表記も散見されるが、理論を提唱したカシウスが発表した論文での名称からすると誤りである