Shadows and Regrets(2)◆S33wK..9RQ
「『――――汝の敵を愛し、汝らを責むる者のために祈れ』。なかなか面白い物を拾ったものだ」
アシュナードは読書しながらそう呟いた。そのような機会、いつ訪れるのか。
この言葉の意味は、敵や仇などを恨むな。その者の裁きが神が行うから、汝は汚れるな。きっとそういうような意味なのだろう、とアシュナードは決め付けた。
だが自分は敵を恨んだことはない。もしや恨むなどという発想はなかった。恨まれることはあるが。
気がつくと、このゴンドラはかなり高い位置に移動していた。それでもまだ半分ぐらいでまだ高いところにいくのだろう。
ふと、下を見るとこの遊園地内に参加者が多数いるのに気付いた。
だが、心底面白くない状態だった。多数いても、戦は始まっていない。
いや、始まったには始まったが……
「……誰かと思えば槍使いの戦士じゃないか。女二人に全力を尽くすか」
それはそれはつまらない戦。片方は武器にたより幽香のように強くない。もう片方は瀬多と同じ戦法で新鮮味に欠けている。
しかし、もう片方はどこにいったのか。
「……あんなところにいたか」
セシルがやっと遊園地のエントランスに辿りつくのが見えた。
きっとこの遊園地内をかき回してくれるだろう。
―――――それにはもうすこし時間がかかるだろうから自分は読書でもしていようか。戦場が血みどろの戦いになったら、我は、横から殴りつけてやろうじゃないか。
戦に身を投じるのが楽しみだ。くくく……
この言葉の意味は、敵や仇などを恨むな。その者の裁きが神が行うから、汝は汚れるな。きっとそういうような意味なのだろう、とアシュナードは決め付けた。
だが自分は敵を恨んだことはない。もしや恨むなどという発想はなかった。恨まれることはあるが。
気がつくと、このゴンドラはかなり高い位置に移動していた。それでもまだ半分ぐらいでまだ高いところにいくのだろう。
ふと、下を見るとこの遊園地内に参加者が多数いるのに気付いた。
だが、心底面白くない状態だった。多数いても、戦は始まっていない。
いや、始まったには始まったが……
「……誰かと思えば槍使いの戦士じゃないか。女二人に全力を尽くすか」
それはそれはつまらない戦。片方は武器にたより幽香のように強くない。もう片方は瀬多と同じ戦法で新鮮味に欠けている。
しかし、もう片方はどこにいったのか。
「……あんなところにいたか」
セシルがやっと遊園地のエントランスに辿りつくのが見えた。
きっとこの遊園地内をかき回してくれるだろう。
―――――それにはもうすこし時間がかかるだろうから自分は読書でもしていようか。戦場が血みどろの戦いになったら、我は、横から殴りつけてやろうじゃないか。
戦に身を投じるのが楽しみだ。くくく……
☆ ☆ ☆
「……やはり心配でござる」
「大丈夫だって。雪子もアリスも結構強いもん」
「大丈夫だって。雪子もアリスも結構強いもん」
後悔なんやら、なんて単語が頭をぐるぐると駆け巡る。
アリスが籤に細工をして雪子とペアになったときは大丈夫だろうと思っていたが、時間が立つにつれ過ちだったという認識に変わっていく。
自分の娘に歳が近いせいか、守りたい気持ちも強い。だが、娘というのは親を嫌うものだ。そういうお年頃だった娘の事を思い出すと、女子というのは干渉されるのは嫌いらしい。
だからこそ籤に細工をしたアリスには何も言わないようにしたのだ。こういうお年頃の娘はヤンチャをしたい時期なのだろう。
「だが、やはり失敗だった」
「『だが?』って?」
「二人にしたのが失敗だったってことでござる!」
「でも大丈夫だって。雪子もアリスも強いし」
「そういう問題ではない!」
ピシャリ、とキョウがカービィに言った。カービィはキョウが何を言いたいのかわからず、不思議そうに首をかしげる。
二人が居る場所はお化け屋敷の前。この場所だけは軽快な音楽ではなく、おどろおどろとした音楽が流れる。しかし天気がいいので怖さは半減だった。
「……カービィ。気付いているか?」
「え、なにが?」
「…………何者かが拙者達を見ているでござる。気配からして三人ほど」
そういうがキョウは顔色は変えない。気付いていること気付かれては駄目だ、とわかっているのだろう。カービィにはそれがちゃんと理解できた。
だから、
「……どうした、カービィ?」
「『無』の顔 ―_― 」
自分もそれを悟られないように努力してみた。
……なにをしているんだこやつは。遊んでいる暇はない。
「……危険人物は三人。こちらは二人。数からして勝つのは難しいでござる」
「危険人物だってなんでわかるの? ―_― 」
「危険人物じゃなければこちらと接触をする筈。しかしこの気配は数十分前から感じるでござる。まだ接触してこない点を考えると拙者たちを襲う機会を狙っているかもしれん」
なるほど、キョウもキョウなりに考えているのだな、ってカービィは思った。もしかしたらキョウも結構強いのかもしれない。
「じゃあどうするの? ―_― 」
「戦略的後退でござる。一、二の三、で全速力で逃げるでござるぞ」
「戦略的後退、なんかかっこいいねそのことば ―_― 」
カービィが無表情っぽい顔でその言葉に答える。この子は一体なにを考えているのかキョウにはわからなかった。
「では、征くぞ―――――一、二の
「動かないで」
その時だった。目の前に和服の女性が現れ、拳銃を突きつけてきた。
カービィは目の前に、それも急に和服の女性が現れたのに驚いたが、キョウはまったく驚かなかった。
「……何者でござるか?くノ一か?」
「あら、私の能力を見たのにまったく驚かないなんて」
「異世界の存在を知った今、何があってもいいように覚悟はできてるでござる」
「……どうやら悪い奴じゃないようね。そっちの妖怪は……」
「 ―_― 」
「……まぁ無害っちゃ無害ね。いいわ、二人とも出てきて」
女性がそう言うと草むらの方から男性が、すぐ近くにある自動販売機の方から少女が現れた。
「うわ!近くで見るとやっぱり可愛い!」
「ぺぽ?」
少女がカービィを抱き上げる。ピカチュウみたい、と言葉に付け加える。
「すまない。一応言うけど、僕達は無害だ。……その格好って『NINJA』?」
「よかったわ。どっかの戦闘狂と違った優しそうなオジサマで」
少女が拳銃を下げる。そして引き金を引くと小さな火が吹き出る。どうやらただのライターらしい。
「僕の名前はハル・エメリッヒ。こっちの和服が十六夜咲夜。それでそこの緑のジャージが里中千枝。君たちを尾行して悪いと思っている。君たちが無害なのか些か判断が難しくてね」
「……む?もしやアリス殿と雪子殿の知り合いでござるか?」
「え?雪子に会ったの!?どこにいた!?」
緑のジャージの少女、千枝が声を荒げる。この様子をみるとやはり知り合いらしい。
「拙者たちは二手に分かれてこの付近を捜索している。雪子殿とアリス殿はきっと今頃観覧車あたりでござる」
「……とりあえずこの付近には僕達しかいない。情報交換しながらそっちの方へ向かおう。それで君たちの名前は?」
「拙者の名前はキョウ。セキチクシティで……いや、言ってもわからんだろうから名前だけにしておく」
カービィが千枝の手をすり抜ける。
「僕の名前はカービィ!……一応言うけど、妖怪でもポケモンでもないからね!」
アリスが籤に細工をして雪子とペアになったときは大丈夫だろうと思っていたが、時間が立つにつれ過ちだったという認識に変わっていく。
自分の娘に歳が近いせいか、守りたい気持ちも強い。だが、娘というのは親を嫌うものだ。そういうお年頃だった娘の事を思い出すと、女子というのは干渉されるのは嫌いらしい。
だからこそ籤に細工をしたアリスには何も言わないようにしたのだ。こういうお年頃の娘はヤンチャをしたい時期なのだろう。
「だが、やはり失敗だった」
「『だが?』って?」
「二人にしたのが失敗だったってことでござる!」
「でも大丈夫だって。雪子もアリスも強いし」
「そういう問題ではない!」
ピシャリ、とキョウがカービィに言った。カービィはキョウが何を言いたいのかわからず、不思議そうに首をかしげる。
二人が居る場所はお化け屋敷の前。この場所だけは軽快な音楽ではなく、おどろおどろとした音楽が流れる。しかし天気がいいので怖さは半減だった。
「……カービィ。気付いているか?」
「え、なにが?」
「…………何者かが拙者達を見ているでござる。気配からして三人ほど」
そういうがキョウは顔色は変えない。気付いていること気付かれては駄目だ、とわかっているのだろう。カービィにはそれがちゃんと理解できた。
だから、
「……どうした、カービィ?」
「『無』の顔 ―_― 」
自分もそれを悟られないように努力してみた。
……なにをしているんだこやつは。遊んでいる暇はない。
「……危険人物は三人。こちらは二人。数からして勝つのは難しいでござる」
「危険人物だってなんでわかるの? ―_― 」
「危険人物じゃなければこちらと接触をする筈。しかしこの気配は数十分前から感じるでござる。まだ接触してこない点を考えると拙者たちを襲う機会を狙っているかもしれん」
なるほど、キョウもキョウなりに考えているのだな、ってカービィは思った。もしかしたらキョウも結構強いのかもしれない。
「じゃあどうするの? ―_― 」
「戦略的後退でござる。一、二の三、で全速力で逃げるでござるぞ」
「戦略的後退、なんかかっこいいねそのことば ―_― 」
カービィが無表情っぽい顔でその言葉に答える。この子は一体なにを考えているのかキョウにはわからなかった。
「では、征くぞ―――――一、二の
「動かないで」
その時だった。目の前に和服の女性が現れ、拳銃を突きつけてきた。
カービィは目の前に、それも急に和服の女性が現れたのに驚いたが、キョウはまったく驚かなかった。
「……何者でござるか?くノ一か?」
「あら、私の能力を見たのにまったく驚かないなんて」
「異世界の存在を知った今、何があってもいいように覚悟はできてるでござる」
「……どうやら悪い奴じゃないようね。そっちの妖怪は……」
「 ―_― 」
「……まぁ無害っちゃ無害ね。いいわ、二人とも出てきて」
女性がそう言うと草むらの方から男性が、すぐ近くにある自動販売機の方から少女が現れた。
「うわ!近くで見るとやっぱり可愛い!」
「ぺぽ?」
少女がカービィを抱き上げる。ピカチュウみたい、と言葉に付け加える。
「すまない。一応言うけど、僕達は無害だ。……その格好って『NINJA』?」
「よかったわ。どっかの戦闘狂と違った優しそうなオジサマで」
少女が拳銃を下げる。そして引き金を引くと小さな火が吹き出る。どうやらただのライターらしい。
「僕の名前はハル・エメリッヒ。こっちの和服が十六夜咲夜。それでそこの緑のジャージが里中千枝。君たちを尾行して悪いと思っている。君たちが無害なのか些か判断が難しくてね」
「……む?もしやアリス殿と雪子殿の知り合いでござるか?」
「え?雪子に会ったの!?どこにいた!?」
緑のジャージの少女、千枝が声を荒げる。この様子をみるとやはり知り合いらしい。
「拙者たちは二手に分かれてこの付近を捜索している。雪子殿とアリス殿はきっと今頃観覧車あたりでござる」
「……とりあえずこの付近には僕達しかいない。情報交換しながらそっちの方へ向かおう。それで君たちの名前は?」
「拙者の名前はキョウ。セキチクシティで……いや、言ってもわからんだろうから名前だけにしておく」
カービィが千枝の手をすり抜ける。
「僕の名前はカービィ!……一応言うけど、妖怪でもポケモンでもないからね!」
どうやら危険人物では無い事がわかったのでオタコンは安堵した。
慎重すぎるぐらいが丁度良いのはわかるが、時間を無駄にしたくはない。この遊園地のマスターブレーカーを上げた人物とは接触はしたくはない。
だからこの二人にその趣旨を伝えておく。
「……しまった。やはり二人きりにしたのは失敗だったでござる」
「私、雪子の事すっごい心配なってきた」
最初から心配してたじゃないの、と咲夜は言いたかったがまた噛み付かれるのは嫌だったので言わないようにした。
しかしあの人形使いが多人数で行動しているとは信じられない話だ。
「(……まあアイツもわかったのかしらね。この場で一人で行動するのは危険だってこと)」
幻想郷の常識はここでは通じない。だからこそ幻想郷の住人は自分の常識を他人に押し付けたくなるのだ。
それが間違いだって気付いた私は運が良い方なのだろう。だからと言って千枝の様な正義を翳す気にはなれないが。
まぁいいか、アリスとはあまり仲が良い訳ではないが、やっと知り合いと再開できる―――――
慎重すぎるぐらいが丁度良いのはわかるが、時間を無駄にしたくはない。この遊園地のマスターブレーカーを上げた人物とは接触はしたくはない。
だからこの二人にその趣旨を伝えておく。
「……しまった。やはり二人きりにしたのは失敗だったでござる」
「私、雪子の事すっごい心配なってきた」
最初から心配してたじゃないの、と咲夜は言いたかったがまた噛み付かれるのは嫌だったので言わないようにした。
しかしあの人形使いが多人数で行動しているとは信じられない話だ。
「(……まあアイツもわかったのかしらね。この場で一人で行動するのは危険だってこと)」
幻想郷の常識はここでは通じない。だからこそ幻想郷の住人は自分の常識を他人に押し付けたくなるのだ。
それが間違いだって気付いた私は運が良い方なのだろう。だからと言って千枝の様な正義を翳す気にはなれないが。
まぁいいか、アリスとはあまり仲が良い訳ではないが、やっと知り合いと再開できる―――――
刹那。銃声。
「がっ!、、、あ」
「咲夜!?だ、大丈夫!?」
咲夜が胸を押さえて倒れる。そしてそれに千枝が近づき介抱する。
「……何者でござるか?」
「戦場で質問に答える馬鹿がいるか!?」
男性の声と同時にまたもや銃声。アスファルトで舗装された地面に銃創ができる。
「オタコン!咲夜を物陰に連れてって!」
千枝がそういうが、すでにオタコンは咲夜を物陰に連れて行った。
和服を脱がすと防弾チョッキがでてきた。どうやら防弾チョッキのお陰で直接的なダメージは無い。圧迫が酷いので呼吸は難しいだろう。
だがこの銃創を見ると大口径の銃弾を喰らっていることがわかる。それ以前に喰らった銃創と同じ、と言うことは今我々を襲ってきているのはリボルバーオセロット、ということになる。
危険だ。これは逃げた方がいい。しかし、咲夜を背負って逃げるのは不可能だ。では、戦闘でどうにかしてオセロットを撤退させなければならない。
「咲夜、君の防弾チョッキはもう使い物にならない。凹んでるしこれをきたら肺を圧迫する」
「……知ってるわよ、自分で、ゴホゴホ、脱ぐわ。下着つけてないから、あっち、向いていて」
咲夜は咳き込みながら防弾チョッキを脱ぐ。オタコンは目を逸らす。
目を逸らした先に戦闘態勢ととる千枝と、まだろくに情報交換をしていないキョウと、UMAのカービィがいた。
「咲夜!?だ、大丈夫!?」
咲夜が胸を押さえて倒れる。そしてそれに千枝が近づき介抱する。
「……何者でござるか?」
「戦場で質問に答える馬鹿がいるか!?」
男性の声と同時にまたもや銃声。アスファルトで舗装された地面に銃創ができる。
「オタコン!咲夜を物陰に連れてって!」
千枝がそういうが、すでにオタコンは咲夜を物陰に連れて行った。
和服を脱がすと防弾チョッキがでてきた。どうやら防弾チョッキのお陰で直接的なダメージは無い。圧迫が酷いので呼吸は難しいだろう。
だがこの銃創を見ると大口径の銃弾を喰らっていることがわかる。それ以前に喰らった銃創と同じ、と言うことは今我々を襲ってきているのはリボルバーオセロット、ということになる。
危険だ。これは逃げた方がいい。しかし、咲夜を背負って逃げるのは不可能だ。では、戦闘でどうにかしてオセロットを撤退させなければならない。
「咲夜、君の防弾チョッキはもう使い物にならない。凹んでるしこれをきたら肺を圧迫する」
「……知ってるわよ、自分で、ゴホゴホ、脱ぐわ。下着つけてないから、あっち、向いていて」
咲夜は咳き込みながら防弾チョッキを脱ぐ。オタコンは目を逸らす。
目を逸らした先に戦闘態勢ととる千枝と、まだろくに情報交換をしていないキョウと、UMAのカービィがいた。
「拙者も加勢するでござる!」
「僕も!」
「よっし!やるわよ!」
千枝がタロットカードを踏みつけると同時にトモエが現れる。
そしてカービィが虹の剣を、キョウがラグネルを構えた。
しかし、敵は現れない。それも当然だ。光学迷彩。千枝はそれの存在を知っていたがここまで完璧にわからないものとは予想していなかった。
だからこそ三人とも動かない。動けない。だがその状況でキョウは目を閉じていた。それに千枝とカービィは気付く暇はない。
「、、そこか!」
前触れも無くキョウがラグネルを、投げた。
この状況で、武器を投げつける行為というのは酷く滑稽でおかしなものだ、本当にあの男はNINJAなのか、とキョウは思った。
そもそも自分はNINJAを過大評価しすぎているのでは、と。
しかし、それも間違った認識であった事がすぐにわかった。
「なんだと!?」
ラグネルはお化け屋敷の飛び出している屋根を支える柱に刺さる。オセロットの声の驚嘆の声があたりに響いた。
それが折れると瓦がバラバラと落ちていく。そして、千枝はそこに、なにか揺らいでいるものが見えた。
「そこか!いけトモエ!暴れまくれ!」
そこにトモエが突っ込み、攻撃を加えまくる。手ごたえはある。土煙から逃げ出すように老人が飛び出してくる。
それをカービィは見逃さない。虹の剣を彼の手にあった拳銃に振り下ろした。これでオセロットには攻撃する手段がなくなった。
「ぐあ!?」
「チェックメイト!」
オタコンはその状態を驚いた。一瞬で戦況が逆転した。なにが起きたのか自分でもよくわからなかった。
カービィが虹の剣をオセロットに向ける。そして千枝もトモエを戦闘体勢のままだ。
キョウが折れた柱に刺さったラグネルを引っこ抜く。そしてキョウもラグネルをオセロットに向けた。
「お主、何者でござるか?」
「貴様こそ何者だっ!?光学迷彩を見破るとは」
「見破ったわけではない。気配がしただけでござる。お主はその『こうがくめいさい』に頼りすぎていて気配を完全には消すことはできなかった」
そして急に、そこに咲夜が現れた。オセロットを思いっきり殴りぬける。
オタコンはそれに驚き、咲夜がいた方向に視線を戻すと、やはりなにもいなかった。ため息をつき自分のオセロットの近くに移動する。
「ゴホゴホ……よくもやってくれたわね」
「ぐは、はは、ハハハハハっ!今の時代は女も子供も戦うのかっ!!ハハハっ!ジェンダーフリーもここまできた ゴフっ!?」
今度は咲夜の膝が入った。この際、和服の下の部分、つまり下の下着を着けて居ないのをこの老害に見られるのも気にしない様にした。どうせ枯れてるだろうし。
「その減らず口を、いや、喉を潰してやりたいわ。私にあんな酷いことをしたんですもの」
「フハハハハハ!それで、どうするのだっ!?私を殺すのかっ!?」
「ええ勿論」
「ちょっ!咲夜?!殺すってどういう意味よ!?」
「拘束だけでいいんじゃないかな」
千枝が声を荒げる。やっつけることはするが、殺すことはしたくはない。
オタコンは拘束を提案したが、咲夜にはスルーされる。
「そうか、そうか。で、私を殺すことの前にまだやることがあるんじゃないかっ!?後ろを見てみろ!」
オセロットがそう言うも千枝もキョウもオタコンもオセロットから目を離さなかった。
これは自分達を油断させて隙あらば逃げる気なのだろう。その可能性があったので見ることは出来なかった。
しかし、一人だけ違った。カービィは馬鹿正直に後ろを振り向いた。
そしてそこにいたのは暗黒騎士だった。そしてカービィは声に出してその名前を呼ぶ。
「……セシル?」
「……カービィ。」
その声に気付き、千枝も、咲夜もそちらの方向を見てしまった。キョウとオタコンは見ることはしなかったものの、意識がそちらにいってしまった。
それをオセロットは見逃さなかった。
「ぐぅ!?」
無言でキョウの鳩尾に蹴りを入れる。キョウは呼吸が一瞬できなくなる。
「がっ!?」
続いてオタコンも顎に拳を入れられた。口の中に血の味が広がった。
咲夜も視線をすぐにオセロットの方向に戻し、時間を止めようとするが、先ほどのダメージが強かったのか頭がクラクラして能力が発動しない。それに短時間にそんな乱発できない。
結果的にオセロットを逃がしてしまった。
「アイツゥ!私、アイツの事追うわ!」
「…ゴホ、もう無駄でござる。あの者、老いていながら体付きは素晴らしく、日々鍛錬しているのだろう。千枝殿かどれだけ脚が早かろうともう追いつかぬ。今は、それよりすることがある」
オセロットが逃げた場所から視線を移し、セシルの方へ持っていく。
セシルは剣を構えた。だが5人には何を言っているかはわからなかった。
「ねぇ、セシル。本当に殺し合いに乗ったの?」
カービィがその言葉を、子供が素朴な疑問を母親にぶつける様に、セシルに言った。
答えは返ってこないかの様に見えた。だが、セシルは以外にもその質問を返してくれたのだ。
「……ああ。僕はこの殺し合いに乗っている」
「ローザが死んだから?」
「ローザが死んだからじゃない。僕は『無』だ。仲間も失って、今は何もない。カインだって僕の本当の本心なんて知らない」
セシルはそういうと剣をこちらに向けながら後退していく。
5対1では勝てないこと理解しているのだろう。
「カービィ。君には悪いけど、僕は人を殺す。この遊戯が終わるまで」
ふと、セシルが何かを呟く。
カービィ以外の4人はなんていったのかはわからなかった。
「僕も!」
「よっし!やるわよ!」
千枝がタロットカードを踏みつけると同時にトモエが現れる。
そしてカービィが虹の剣を、キョウがラグネルを構えた。
しかし、敵は現れない。それも当然だ。光学迷彩。千枝はそれの存在を知っていたがここまで完璧にわからないものとは予想していなかった。
だからこそ三人とも動かない。動けない。だがその状況でキョウは目を閉じていた。それに千枝とカービィは気付く暇はない。
「、、そこか!」
前触れも無くキョウがラグネルを、投げた。
この状況で、武器を投げつける行為というのは酷く滑稽でおかしなものだ、本当にあの男はNINJAなのか、とキョウは思った。
そもそも自分はNINJAを過大評価しすぎているのでは、と。
しかし、それも間違った認識であった事がすぐにわかった。
「なんだと!?」
ラグネルはお化け屋敷の飛び出している屋根を支える柱に刺さる。オセロットの声の驚嘆の声があたりに響いた。
それが折れると瓦がバラバラと落ちていく。そして、千枝はそこに、なにか揺らいでいるものが見えた。
「そこか!いけトモエ!暴れまくれ!」
そこにトモエが突っ込み、攻撃を加えまくる。手ごたえはある。土煙から逃げ出すように老人が飛び出してくる。
それをカービィは見逃さない。虹の剣を彼の手にあった拳銃に振り下ろした。これでオセロットには攻撃する手段がなくなった。
「ぐあ!?」
「チェックメイト!」
オタコンはその状態を驚いた。一瞬で戦況が逆転した。なにが起きたのか自分でもよくわからなかった。
カービィが虹の剣をオセロットに向ける。そして千枝もトモエを戦闘体勢のままだ。
キョウが折れた柱に刺さったラグネルを引っこ抜く。そしてキョウもラグネルをオセロットに向けた。
「お主、何者でござるか?」
「貴様こそ何者だっ!?光学迷彩を見破るとは」
「見破ったわけではない。気配がしただけでござる。お主はその『こうがくめいさい』に頼りすぎていて気配を完全には消すことはできなかった」
そして急に、そこに咲夜が現れた。オセロットを思いっきり殴りぬける。
オタコンはそれに驚き、咲夜がいた方向に視線を戻すと、やはりなにもいなかった。ため息をつき自分のオセロットの近くに移動する。
「ゴホゴホ……よくもやってくれたわね」
「ぐは、はは、ハハハハハっ!今の時代は女も子供も戦うのかっ!!ハハハっ!ジェンダーフリーもここまできた ゴフっ!?」
今度は咲夜の膝が入った。この際、和服の下の部分、つまり下の下着を着けて居ないのをこの老害に見られるのも気にしない様にした。どうせ枯れてるだろうし。
「その減らず口を、いや、喉を潰してやりたいわ。私にあんな酷いことをしたんですもの」
「フハハハハハ!それで、どうするのだっ!?私を殺すのかっ!?」
「ええ勿論」
「ちょっ!咲夜?!殺すってどういう意味よ!?」
「拘束だけでいいんじゃないかな」
千枝が声を荒げる。やっつけることはするが、殺すことはしたくはない。
オタコンは拘束を提案したが、咲夜にはスルーされる。
「そうか、そうか。で、私を殺すことの前にまだやることがあるんじゃないかっ!?後ろを見てみろ!」
オセロットがそう言うも千枝もキョウもオタコンもオセロットから目を離さなかった。
これは自分達を油断させて隙あらば逃げる気なのだろう。その可能性があったので見ることは出来なかった。
しかし、一人だけ違った。カービィは馬鹿正直に後ろを振り向いた。
そしてそこにいたのは暗黒騎士だった。そしてカービィは声に出してその名前を呼ぶ。
「……セシル?」
「……カービィ。」
その声に気付き、千枝も、咲夜もそちらの方向を見てしまった。キョウとオタコンは見ることはしなかったものの、意識がそちらにいってしまった。
それをオセロットは見逃さなかった。
「ぐぅ!?」
無言でキョウの鳩尾に蹴りを入れる。キョウは呼吸が一瞬できなくなる。
「がっ!?」
続いてオタコンも顎に拳を入れられた。口の中に血の味が広がった。
咲夜も視線をすぐにオセロットの方向に戻し、時間を止めようとするが、先ほどのダメージが強かったのか頭がクラクラして能力が発動しない。それに短時間にそんな乱発できない。
結果的にオセロットを逃がしてしまった。
「アイツゥ!私、アイツの事追うわ!」
「…ゴホ、もう無駄でござる。あの者、老いていながら体付きは素晴らしく、日々鍛錬しているのだろう。千枝殿かどれだけ脚が早かろうともう追いつかぬ。今は、それよりすることがある」
オセロットが逃げた場所から視線を移し、セシルの方へ持っていく。
セシルは剣を構えた。だが5人には何を言っているかはわからなかった。
「ねぇ、セシル。本当に殺し合いに乗ったの?」
カービィがその言葉を、子供が素朴な疑問を母親にぶつける様に、セシルに言った。
答えは返ってこないかの様に見えた。だが、セシルは以外にもその質問を返してくれたのだ。
「……ああ。僕はこの殺し合いに乗っている」
「ローザが死んだから?」
「ローザが死んだからじゃない。僕は『無』だ。仲間も失って、今は何もない。カインだって僕の本当の本心なんて知らない」
セシルはそういうと剣をこちらに向けながら後退していく。
5対1では勝てないこと理解しているのだろう。
「カービィ。君には悪いけど、僕は人を殺す。この遊戯が終わるまで」
ふと、セシルが何かを呟く。
カービィ以外の4人はなんていったのかはわからなかった。
その時だった。
轟音が遊園地内に響く。それは耳を塞ぎたくなるほどの大きさだった。
轟音が遊園地内に響く。それは耳を塞ぎたくなるほどの大きさだった。
「……なにかの冗談かい、あれは?」
オタコンがふと、そして自然に口に出した。
オタコンがそういうとセシルを含めた全員が空を見上げた。
「…………っく!」
それを見たセシルは、観覧車に向かって走り出した。
それをみた千枝とキョウとカービィも走り出す。
「カービィ、千枝、キョウさん、危険だ!」
オタコンが引きとめようと声を張り上げる。
「あんなの見過ごしてられっか!」
「拙者、あれは倒さなければいけない存在と認識したでござる!」
「あんなの放っておいたら大変なことになるよ!」
だが、止まってくれるはずは無かった。正義感の塊みたいな三人だ。止めても無駄だとはわかっていたが。
「まぁ、行くしかないでしょ。こうなってしまったんですもの」
咲夜がこちらに苦笑いながら言った。そりゃそうだろう。あんなもの、笑うしかない存在だ。たとえ幻想郷の住人でも。
「……はぁ、僕はインドア派なんだ。あまり急げない」
「私だって肺を痛めてるから急ぐことはしないわ。ゆっくり行きましょう」
咲夜はそういうものの、駆け足で三人の後を追った。どこかゆっくりなのか。
それをみた千枝とキョウとカービィも走り出す。
「カービィ、千枝、キョウさん、危険だ!」
オタコンが引きとめようと声を張り上げる。
「あんなの見過ごしてられっか!」
「拙者、あれは倒さなければいけない存在と認識したでござる!」
「あんなの放っておいたら大変なことになるよ!」
だが、止まってくれるはずは無かった。正義感の塊みたいな三人だ。止めても無駄だとはわかっていたが。
「まぁ、行くしかないでしょ。こうなってしまったんですもの」
咲夜がこちらに苦笑いながら言った。そりゃそうだろう。あんなもの、笑うしかない存在だ。たとえ幻想郷の住人でも。
「……はぁ、僕はインドア派なんだ。あまり急げない」
「私だって肺を痛めてるから急ぐことはしないわ。ゆっくり行きましょう」
咲夜はそういうものの、駆け足で三人の後を追った。どこかゆっくりなのか。
「(……スネークが死んだのは本当だったのか。あんなのが居たら死ぬのも無理ないな。スネークも今頃天国で苦笑いしてるだろうね)」
そう心の中で冗談をいった。もっとも自分にとってはそれが最上級の皮肉で、ブラックジョークともとれるものだ。余計惨めになるが、ジョークを言わなきゃやっていけないだろう。
少なくともこの殺し合いで、あれはジョークみたいな存在なのだから。
少なくともこの殺し合いで、あれはジョークみたいな存在なのだから。
☆ ☆ ☆
ふざけるな。それがその書物を読んだあとにでた感想だった。
それ以前にこの小説は誰が書いたのだ?狂王が最後に蒼髪の青年に打ち倒される?
なんだこのふざけた本は。誰が書いたのだ。まるで、あの自分自身の事をを書かれているのではないか。長い平和?馬鹿にしているのか。
「……ふん」
マルクはなんなんだ。我を怒らせて何がしたいのだ。憤怒する気にもなれない。その『ある国のある青年と、それを取り巻く者たちの御伽話』を放り投げ、黙って次の本に手を伸ばす。
――――――だが、何かおかしい。その本がどこかおかしい。
そういえばこの『シャドーモセス島の極秘資料』と呼ばれる本に出てくる名『ソリッド・スネーク』が先ほど放送に呼ばれた事を思い出す。
それだけではない。こちらの『「東方求聞史紀』には幽香やレミリアの事も書かれているじゃないか。幽香と出会う前にこれを読んだので先ほどは気付かなかったが。
(因みに風見幽香の事が書かれているページやこのバトルロワイアルの参加者が書かれているページは図ったように塗りつぶされていた。もっとも意味の無い処置だとは思うが)
あの書店にある本がこのバトルロワイアルに参加している者に纏わる情報網だとするなら自分やアイクのことも書かれているのかもしれない。
もう一度『ある国のある青年と、それを取り巻く者たちの御伽話』を手に取りじっくりと読む。
アイクや自分の名前こそでてこないもののそれの呼称を見る限り自分達の話ではないかと思えてくる。
ふと、ある事を思い出す。
先ほどは読み飛ばした『気が狂った王様の最後』の章を開く。
それ以前にこの小説は誰が書いたのだ?狂王が最後に蒼髪の青年に打ち倒される?
なんだこのふざけた本は。誰が書いたのだ。まるで、あの自分自身の事をを書かれているのではないか。長い平和?馬鹿にしているのか。
「……ふん」
マルクはなんなんだ。我を怒らせて何がしたいのだ。憤怒する気にもなれない。その『ある国のある青年と、それを取り巻く者たちの御伽話』を放り投げ、黙って次の本に手を伸ばす。
――――――だが、何かおかしい。その本がどこかおかしい。
そういえばこの『シャドーモセス島の極秘資料』と呼ばれる本に出てくる名『ソリッド・スネーク』が先ほど放送に呼ばれた事を思い出す。
それだけではない。こちらの『「東方求聞史紀』には幽香やレミリアの事も書かれているじゃないか。幽香と出会う前にこれを読んだので先ほどは気付かなかったが。
(因みに風見幽香の事が書かれているページやこのバトルロワイアルの参加者が書かれているページは図ったように塗りつぶされていた。もっとも意味の無い処置だとは思うが)
あの書店にある本がこのバトルロワイアルに参加している者に纏わる情報網だとするなら自分やアイクのことも書かれているのかもしれない。
もう一度『ある国のある青年と、それを取り巻く者たちの御伽話』を手に取りじっくりと読む。
アイクや自分の名前こそでてこないもののそれの呼称を見る限り自分達の話ではないかと思えてくる。
ふと、ある事を思い出す。
先ほどは読み飛ばした『気が狂った王様の最後』の章を開く。
――――ところが王様は邪悪なメダルを自分に取り込み、果敢な青年とその仲間を怯えさせます。しかし青年は諦めません。まだ自分達には勝ち目があると踏んでいます。
そして、その青年の一撃で、狂った可哀想な王様は倒れしにました。
そして、その青年の一撃で、狂った可哀想な王様は倒れしにました。
「……ほう。我が死ぬのか。ククク」
その結末を見るとどうやら自分は死ぬ運命にあったらしい。だが今は生きているのだから別にそれにも憤怒する訳でもない。
今、自分の世界が戦火に包まれていないというが気に入らないのだ。元の世界に戻ることがあったらまた戦争でも起こそうか。
「……それにしてもまだ続きがあるのか。何が書かれているのか気になるところだ」
ここまできてもまだ本の中盤にも差し掛かっていない。青年が太陽に紋章に向かって剣を振る挿絵をビリビリと破り次のページに進む。
3年後とでかく真ん中に書かれていた。
今、自分の世界が戦火に包まれていないというが気に入らないのだ。元の世界に戻ることがあったらまた戦争でも起こそうか。
「……それにしてもまだ続きがあるのか。何が書かれているのか気になるところだ」
ここまできてもまだ本の中盤にも差し掛かっていない。青年が太陽に紋章に向かって剣を振る挿絵をビリビリと破り次のページに進む。
3年後とでかく真ん中に書かれていた。
――――狂王が死んでから三年後。狂王は腐っても王であり、政治をしていました。ですがいまでは王がいません。なので他の国からの進行などで荒れ放題でした。特に敵国からは酷い扱いを受けました。
……そして数十分、アシュナードは押し黙る。読書に熱中したと同時にある推理をしているのだ。そして物語が中盤を迎えるとその本をゴンドラ内の床に叩き付けた。
――――じつは、漆黒に身を包む鎧の男の招待は狂王の国の敵国の黒髪の青年でした。彼は悲しいことに印付きで実は青年ではありませんでした。青年は悔いはないといい、息絶えました。
「……我を騙したな、ゼルギウスっ!」
バチン、と破裂音が聞こえる。本を床に叩きつけただけなのに鉄でできた足場は凹んでしまった。
実は推理していた事は自分の部下の事であり、そしてアシュナード自身も怪しいと思っていた。はぁはぁと息が荒くなるが、意外とすぐに冷戦に戻った。
……よく考えろ。あいつは元々我に忠誠を誓っている節がまったくなかった。それ以前に『転移の粉』とかいう物を使い各地を進出鬼没しているあたりもおかしいと思っていた。
つまり、これは予想できたこと。裏切りを覚悟できていたことではある。敵の思惑通りに事が進んでいた事には変わりはないが、その歯車はもう狂っている。
よく考えろアシュナード。これは我とガウェインの息子がこの『バトルロワイアル』に呼ばれない運命の先の未来だ。
だがいまは違う。青年は死に、この3年後も戦火と絶望が渦巻いているのかもしれない。これは逆に言えば好都合だ。
ならば漆黒の騎士がゼルギウスだったことも、もはやどうでもいい。奴が印付きで悲しい人生を歩んでくこともどうでもいい。
全て、どうでもいいっ!我が今はこのバトルロワイアルで精一杯なのだっ!もはやこの話の顛末、つまり自分の世界の未来など知っても意味はない。
「……だが面白いことを色々知った。自分の世界に帰ったら、手土産に漆黒の騎士自身にこの話でもしてやろう」
自分が印付きだということをばらされてどの様な反応を見せるか。
実は推理していた事は自分の部下の事であり、そしてアシュナード自身も怪しいと思っていた。はぁはぁと息が荒くなるが、意外とすぐに冷戦に戻った。
……よく考えろ。あいつは元々我に忠誠を誓っている節がまったくなかった。それ以前に『転移の粉』とかいう物を使い各地を進出鬼没しているあたりもおかしいと思っていた。
つまり、これは予想できたこと。裏切りを覚悟できていたことではある。敵の思惑通りに事が進んでいた事には変わりはないが、その歯車はもう狂っている。
よく考えろアシュナード。これは我とガウェインの息子がこの『バトルロワイアル』に呼ばれない運命の先の未来だ。
だがいまは違う。青年は死に、この3年後も戦火と絶望が渦巻いているのかもしれない。これは逆に言えば好都合だ。
ならば漆黒の騎士がゼルギウスだったことも、もはやどうでもいい。奴が印付きで悲しい人生を歩んでくこともどうでもいい。
全て、どうでもいいっ!我が今はこのバトルロワイアルで精一杯なのだっ!もはやこの話の顛末、つまり自分の世界の未来など知っても意味はない。
「……だが面白いことを色々知った。自分の世界に帰ったら、手土産に漆黒の騎士自身にこの話でもしてやろう」
自分が印付きだということをばらされてどの様な反応を見せるか。
☆ ☆ ☆
「はぁ、はぁ、アンタ、訳分からない、のよ。チョコマカと、避けてばっかで、」
「はぁはぁ、アリス、結構、この人強、い」
「はぁ、はぁ、わかって、るわよ」
「はぁはぁ、アリス、結構、この人強、い」
「はぁ、はぁ、わかって、るわよ」
アリスと雪子はもう完全に疲労が襲ってきていた。服は槍で破れ、リボンが地面に落ちる。
雪子の赤いカーディガンは流血によりどす黒くなっていた。それは自分の服にしてもいえることだ。
アリスは弾幕を使えないので、持っている釘打ち機や、またショッピングモールで調達した花火やガス缶などで攻撃するがまともに当たることはなかった。
雪子もコノハナサクヤのアギラオやマハラギダインで攻撃を試みるも、まったくと言っていいほど当たらない。
まるで、ペルソナ使いの攻撃はもう見破ったかのように。そして雪子のSPもかなり消費していった。
そして、カインは驚くことに、まだ本気をだしていなかった。攻撃をしてこないのだ。
「……………。」
カインが喋らない理由はこの二人に情が移らないようにしていたからだ。
きっとこの女二人組はリディアと同じぐらいの歳だろう。だからこそ情が移らないように一撃で、だ。
だが、この二人組みは自分を近づかせてくれなかった。針を打ち込んできたり、また鉄製の爆弾を投げたりと抵抗してくるのだ。
だから槍は刺さるものの、殺すことはできなかった。これでは一撃で葬ることができない。
………………いや、一撃で殺す必要性があるのか?否、無いはずだ。
リディアと歳が近いから一撃で。なにを言っているんだ俺は。リディアを一撃で仕留め損ねたじゃないか。
それに、殺したって、生き返るのだ。なかったことになる。
「……遊びは終わりだ」
「はぁ、はぁ、やっと喋ったかと思ったら、遊び、ですって、?、こんなの、遊びにもなり、はしないわ」
「はぁはぁ、アイク、さんの仇をとるまでは、死ねな、いのよ!」
久しく喉を動かしていなかったせいか、その声が自分の物ではないと感じた。
いや、いつだって敵を殺すときはこの感覚に襲われるのだ。自分が自分ではない感覚。
だからどうした、という話なのだが。
この二人はもうまともに動くことも不可能だろう。
自分のジャンプによるの攻撃を槍をやっとのことで何度も避け続けたのだ。
もうジャンプで攻撃せずとも、必ず当たる筈だ。
槍を構える。狙うは金髪の喉元。覚悟を決めたのか、目を逸らそうともしなかった。
「おや、無抵抗の女性に槍を突きつけるとは、竜騎士にあるまじき問題じゃないか」
「......!」
槍を金髪に向けることをやめ、その声がした方向に向けなおす。
そこにいたのは、セシル・ハーヴィの兄、ゴルベーザ。そして彼は紅白の玉を持っていた。
「……ゴルベーザ」
「アリ、ス、いくわ、よ」
黒髪が金髪の肩を支え歩きその場から逃げる。
「追うな。お前の相手は私だ。」
「……驚いたな。もしやゴルベーザが人助けとは」
「人助け?何を言うか。これは殺し合いだ。私と、お前の」
そう言うと、ゴルベーザは紅白の玉を地面に投げる。
すると淡い光と同時にグロテスクな生き物が現れた。ベトベトンであった。
「時に、カインよ。セシルを唆したのはお前か?」
「唆した?それは違う。セシルは自分の意思で殺し合いに乗った。逆に質問するが、なぜあの二人を助けた?」
「セシルを思う者だからだ。お前と同類だよ。悪い意味でだが」
「弟思いが酷いじゃないか。本当にセシルの事を思っているなら殺し合いに加担したらどうだ?」
「断る。お前は私の手で引導を渡してやろう。私や、お前の様な闇に近き者が生きていたら、世界はどうしようもなく負の方向に進むものだ」
雪子の赤いカーディガンは流血によりどす黒くなっていた。それは自分の服にしてもいえることだ。
アリスは弾幕を使えないので、持っている釘打ち機や、またショッピングモールで調達した花火やガス缶などで攻撃するがまともに当たることはなかった。
雪子もコノハナサクヤのアギラオやマハラギダインで攻撃を試みるも、まったくと言っていいほど当たらない。
まるで、ペルソナ使いの攻撃はもう見破ったかのように。そして雪子のSPもかなり消費していった。
そして、カインは驚くことに、まだ本気をだしていなかった。攻撃をしてこないのだ。
「……………。」
カインが喋らない理由はこの二人に情が移らないようにしていたからだ。
きっとこの女二人組はリディアと同じぐらいの歳だろう。だからこそ情が移らないように一撃で、だ。
だが、この二人組みは自分を近づかせてくれなかった。針を打ち込んできたり、また鉄製の爆弾を投げたりと抵抗してくるのだ。
だから槍は刺さるものの、殺すことはできなかった。これでは一撃で葬ることができない。
………………いや、一撃で殺す必要性があるのか?否、無いはずだ。
リディアと歳が近いから一撃で。なにを言っているんだ俺は。リディアを一撃で仕留め損ねたじゃないか。
それに、殺したって、生き返るのだ。なかったことになる。
「……遊びは終わりだ」
「はぁ、はぁ、やっと喋ったかと思ったら、遊び、ですって、?、こんなの、遊びにもなり、はしないわ」
「はぁはぁ、アイク、さんの仇をとるまでは、死ねな、いのよ!」
久しく喉を動かしていなかったせいか、その声が自分の物ではないと感じた。
いや、いつだって敵を殺すときはこの感覚に襲われるのだ。自分が自分ではない感覚。
だからどうした、という話なのだが。
この二人はもうまともに動くことも不可能だろう。
自分のジャンプによるの攻撃を槍をやっとのことで何度も避け続けたのだ。
もうジャンプで攻撃せずとも、必ず当たる筈だ。
槍を構える。狙うは金髪の喉元。覚悟を決めたのか、目を逸らそうともしなかった。
「おや、無抵抗の女性に槍を突きつけるとは、竜騎士にあるまじき問題じゃないか」
「......!」
槍を金髪に向けることをやめ、その声がした方向に向けなおす。
そこにいたのは、セシル・ハーヴィの兄、ゴルベーザ。そして彼は紅白の玉を持っていた。
「……ゴルベーザ」
「アリ、ス、いくわ、よ」
黒髪が金髪の肩を支え歩きその場から逃げる。
「追うな。お前の相手は私だ。」
「……驚いたな。もしやゴルベーザが人助けとは」
「人助け?何を言うか。これは殺し合いだ。私と、お前の」
そう言うと、ゴルベーザは紅白の玉を地面に投げる。
すると淡い光と同時にグロテスクな生き物が現れた。ベトベトンであった。
「時に、カインよ。セシルを唆したのはお前か?」
「唆した?それは違う。セシルは自分の意思で殺し合いに乗った。逆に質問するが、なぜあの二人を助けた?」
「セシルを思う者だからだ。お前と同類だよ。悪い意味でだが」
「弟思いが酷いじゃないか。本当にセシルの事を思っているなら殺し合いに加担したらどうだ?」
「断る。お前は私の手で引導を渡してやろう。私や、お前の様な闇に近き者が生きていたら、世界はどうしようもなく負の方向に進むものだ」
「はぁ、はぁ、アリス、大丈夫?」
自分でも何を言っているかはわからない。
この傷だ。もう助からないかもしれない。ゴルベーザが助けに入ってきた理由はわからないが、これは運がいい。早く合流せねば。
「……もう、無理かも」
「馬鹿言って、ないで!」
アリスの顔を見ると涙と血でぐちゃぐちゃだった。綺麗な顔が台無しだ。
「死なせ、ないわよ!幻想郷に、遊びに、行くまで、!!」
「はぁ、はぁ、その話は、忘れて、」
雪子が泣き言をいうと自分も泣きそうになってくる。実際自分も涙目であった。まだだ。死ねない。この子を死なせるわけにはいかない。
「いい、や、忘れ、ないわ、アリスのが、人形を、手土産にして……」
「雪子……」
「なに、?」
「ありがとう」
「……アリス?ちょっと冗談やめてよね」
ふふふ、とアリスが笑う。まるでもう死ぬみたいじゃないか。やめてほしい。
自分でも何を言っているかはわからない。
この傷だ。もう助からないかもしれない。ゴルベーザが助けに入ってきた理由はわからないが、これは運がいい。早く合流せねば。
「……もう、無理かも」
「馬鹿言って、ないで!」
アリスの顔を見ると涙と血でぐちゃぐちゃだった。綺麗な顔が台無しだ。
「死なせ、ないわよ!幻想郷に、遊びに、行くまで、!!」
「はぁ、はぁ、その話は、忘れて、」
雪子が泣き言をいうと自分も泣きそうになってくる。実際自分も涙目であった。まだだ。死ねない。この子を死なせるわけにはいかない。
「いい、や、忘れ、ないわ、アリスのが、人形を、手土産にして……」
「雪子……」
「なに、?」
「ありがとう」
「……アリス?ちょっと冗談やめてよね」
ふふふ、とアリスが笑う。まるでもう死ぬみたいじゃないか。やめてほしい。
そのときだった。轟音が鳴り響く。
「……なんの、音よ?」
その場に居た者が上を見上げる。
「くくく、ハハハ、ゲハアハハハハっっっ!!!!!!我もその戦に混ぜろっっっ!!!!!」
死が、舞い降りてくる。
☆ ☆ ☆
「……アシュナード。気でも狂ったか……間違った。元から狂ってたじゃないかあの王は」
つまりあの王の今の状態は一周回って、平穏な状態なのだろうが、あまりの異常な出来事に口に出してしまう。
あの、ゴンドラを自らの拳で接合部を何度も何度も殴りぬける。笑いながら。やがてあのゴンドラは地面に激突するだろう。
予想通り、小気味良い音を立てて、堕ちていく。普通なら助からないだろう。普通なら、の話だが。
しかし、なぜあのような場所にいるのか。どうやってあそこまで登ったのか気になるところだ。
「向かわない訳にはいかないな……む」
その時だった。目の前を数人が通り過ぎる。遅れて、和服の少女と眼鏡の男性が。
「……咲夜殿じゃないか。あの惨事の中でよく無傷で居られたものだな」
そういえばあの旅館で戦闘はあったものの、死人はソリッド・スネークのみだった。
ディープスロートの名前が呼ばれていないということは、偽名だったのだろう。
しかし、偽名だろうが関係ない。自分も二つ名、通り名で名簿に載っているのだ。名前など関係ない。ただ、戦えれば良い。
その前に、あの王が、戦好きの狂王が造作も無く死人を出すのは腹立たしい。
脚を進め、あの狂王の息の根を止めてやろう。
あの、ゴンドラを自らの拳で接合部を何度も何度も殴りぬける。笑いながら。やがてあのゴンドラは地面に激突するだろう。
予想通り、小気味良い音を立てて、堕ちていく。普通なら助からないだろう。普通なら、の話だが。
しかし、なぜあのような場所にいるのか。どうやってあそこまで登ったのか気になるところだ。
「向かわない訳にはいかないな……む」
その時だった。目の前を数人が通り過ぎる。遅れて、和服の少女と眼鏡の男性が。
「……咲夜殿じゃないか。あの惨事の中でよく無傷で居られたものだな」
そういえばあの旅館で戦闘はあったものの、死人はソリッド・スネークのみだった。
ディープスロートの名前が呼ばれていないということは、偽名だったのだろう。
しかし、偽名だろうが関係ない。自分も二つ名、通り名で名簿に載っているのだ。名前など関係ない。ただ、戦えれば良い。
その前に、あの王が、戦好きの狂王が造作も無く死人を出すのは腹立たしい。
脚を進め、あの狂王の息の根を止めてやろう。
☆ ☆ ☆
「う、わ、あ」
「……冗談じゃ、ないわよ」
「……冗談じゃ、ないわよ」
口が上手く動かない。思考もストップしたままだ。
このままではあれの下敷きになるだろう。
なのになんで私の足は動いてくれないのだろう。
私はアリスを死なせないんじゃなかったのか。
こんな事を思うのは自分らしくはない。それでも、絶対に死なせたくない。
だから、動いてよ。恐怖で脚が竦んで、心臓の鼓動も酷く耳障りになってくる。早く動かなきゃ。吐き気を催す。
嫌だ。こんな所で、
このままではあれの下敷きになるだろう。
なのになんで私の足は動いてくれないのだろう。
私はアリスを死なせないんじゃなかったのか。
こんな事を思うのは自分らしくはない。それでも、絶対に死なせたくない。
だから、動いてよ。恐怖で脚が竦んで、心臓の鼓動も酷く耳障りになってくる。早く動かなきゃ。吐き気を催す。
嫌だ。こんな所で、
ガキン
「あ」
遂に、あれが、悪夢が堕ちてくる。
このままじゃ二人もろとも、
「.動いてよっ!」
「」
刹那と虚空の狭間で、アリスが呟いた。だが、それはあまりにも小さくて弱々しい声でなにも聞こえないに等しかった。
このままじゃ二人もろとも、
「.動いてよっ!」
「」
刹那と虚空の狭間で、アリスが呟いた。だが、それはあまりにも小さくて弱々しい声でなにも聞こえないに等しかった。
ドン
「え?ちょっ、」
アリスが自分を振りほどき、自分に体当たりをする。
これで自分はあれの射程範囲外だろう。自分だけ。
「なんでよ、ちょっと!アリス!約束はっ!?どうするの!?」
これで自分はあれの射程範囲外だろう。自分だけ。
「なんでよ、ちょっと!アリス!約束はっ!?どうするの!?」
雪子が叫ぶのが聞こえる。もう何も見えない。血を流しすぎたのか酷く眠い。
この場を助かっても致命傷の自分は後に死んでしまうだろう。それなら致命傷にはまだ至ってない雪子を助けた方が利益はある筈だ。
この場を助かっても致命傷の自分は後に死んでしまうだろう。それなら致命傷にはまだ至ってない雪子を助けた方が利益はある筈だ。
「……ごめんなさい。雪子。約束、守れないや」
そう呟き、雪子に詫びを入れる。もはや自分は死ぬことしか考えていなかった。
あーあ、自分がこんな所で死ぬなんて、本当、人生って何が起こるかわからないわね。死んだらあの閻魔のところか。あいつ、口五月蝿いらしいのよね。
まぁいいか。悔いは無いはずだ。……あ、完全自立稼動の人形を作る目標、叶わなくなっちゃったか。そういえば上海人形と蓬莱人形と……
あーあ、自分がこんな所で死ぬなんて、本当、人生って何が起こるかわからないわね。死んだらあの閻魔のところか。あいつ、口五月蝿いらしいのよね。
まぁいいか。悔いは無いはずだ。……あ、完全自立稼動の人形を作る目標、叶わなくなっちゃったか。そういえば上海人形と蓬莱人形と……
ぐしゃり。
またもや轟音。そして土煙。酷い匂いが立ち込める。
「......もう一度言う。我も、その、戦に、混ぜろ」
――――狂王、出陣ス