パブロ・ピカソ(Pablo Picasso, 1881年10月25日 – 1973年4月8日)は、20世紀を代表するスペイン出身の芸術家であり、絵画・彫刻・版画・陶芸・舞台美術など多岐にわたる分野で活躍した。その活動は美術史のあらゆる潮流を横断し、特にキュビスムの創始と展開において決定的な役割を果たしたことで知られる。
キュビスムとカクカク芸術運動
ピカソは1907年、ジョルジュ・ブラックとともに伝統的な遠近法や写実主義に対する批判としてキュビスムを創始した。複数の視点を一画面に収め、物体を幾何学的なパーツに分解・再構成するこの手法は、「見る」という行為そのものを解体し、美術のあり方を根本から更新する画期的な試みであった。
このキュビスムは、現代4コマ界隈においては「カクカク芸術運動」として親しまれ、そのコンセプトはデフォルメ、抽象、脱文脈化といった創作態度に大きな影響を与えている。たとえば、コマ枠を幾何学的・構造的に利用し、「物語」や「意味」の一義性を拒む現代4コマ作品は、ピカソのキュビスム的アプローチと根源的な共通性を有している。
現代4コマとの共通性
ピカソの革新性は、単に技術やスタイルにとどまらず、「既存の枠組みを疑い、別の見方を提示する」という態度にこそ本質がある。これはまさに、現代4コマが掲げる「漫画ではない4コマ」「これは4コマか?」といった姿勢に共鳴するものである。