【設定】
戦争末期にジオン軍のマルコシアス隊が鹵獲した
ペイルライダーを、ネオ・ジオン軍が10年の歳月をかけ大規模な改修を施した機体。
ネオ・ジオン軍とアナハイム・エレクトロニクス社による大規模改修に伴い型式番号と機体名称の変更が行われ、ペイルライダーが黙示録で担う役割からドイツ語で『死の騎士』を意味する名が与えられた。
パイロットはペイルライダーから引き続きクロエ・クローチェが担当するが、U.C.0090年時点にはクロエの精神は既に限界を迎えていた為、本機はペイルライダーの実質的な最終バージョンとなった。
ブラックボックスであるHADESを有する頭部メインブロックはペイルライダーからそのまま使われているが、パーツは全身に渡りほぼ一新され、完全な別機体として生まれ変わっている。
フレームも一年戦争時に使われていたセミ・モノコック構造でなくムーバブル・フレーム構造となっている。
用兵思想としてはガンダムMk-Ⅴや
ドーベン・ウルフに近いが、HADESの戦闘補佐機能を有効活用するべくトライ・ブレード付きインコムや両肩部の隠し腕で扱うハイパー・ビーム・サーベルなど、HADESが独自に制御出来る装備が追加された事でその戦闘能力は格段に向上している。
【武装】
バルカン砲
頭部に搭載している60mm口径の機関砲。
ペイルライダーから引き続き装備している牽制用の武装。
ビーム・サーベル
腕部に格納された戦後のモビルスーツの標準的な兵装。
刀身の色がペイルライダー時代のピンクからイエローに変わっているため恐らくネオ・ジオン製のもの。
ハイパー・ナックル・バスター
ガ・ゾウムのものを転用したビーム・ライフル。
取り回しを優先したEパック式のタイプのため出力はジェネレーター直結式の
ガザDのものや
ガザCのナックル・バスターには劣る。
メガ粒子砲付シールド
バウのものを転用したシールド。
低出力の5連装メガ粒子砲を内蔵している。
ハイパー・ビーム・サーベル
背部サーベルラックに懸架された大出力のビーム・サーベル。
マニピュレーターではなく肩部から展開されたサブアームで掴んで扱う。
インコム
背部スラスターバインダーに6基格納された有線式のオールドタイプ用遠隔攻撃端末。
本機の物は更にトライ・ブレードが取り付けられており、展開後に射出といった芸当も可能。
【原作の活躍】
U.C.0090年時点では10年前にクロエを拾ったヴィンセント・グライスナーと共にシャアの率いるネオ・ジオンの下でグレミー派残党を掃討する任に就いていた。
その任務の中でグレミー派残党に付いた元マルコシアス隊のメンバーであるアンネローゼ・ローゼンハインが操縦する
クィン・マンサと会敵する。
かつてマルコシアス隊を壊滅させた仇とつるんでいるヴィンセントらに怒りを燃やすローゼに対し、それに呼応するようにトーリスリッターのHADESが機動、避けられなくなった戦いの末相討ちとなり双方爆散した。
幸いなことに双方ともイジェクション・ポッドが作動したため、クロエは彼女を10年間守り続けてきたヴィンセントに、ローゼはヴィンセントを援護するための駆け付けた彼の実父トラヴィス・カークランドに救出され生還した。
【搭乗者】
クロエ・クローチェ
CV:能登麻美子
元は戦災孤児で、1年戦争時、オーガスタ研究所製の特殊システムHADESの被験体であり、それを搭載するモビルスーツ・ペイルライダーのパイロットでもあった。
その後、彼女は新生ネオ・ジオンに参加し、グレミー・トト派の残存勢力を排除すべく、トーリスリッターと名を改めたペイルライダーと
ギラ・ドーガを駆るヴィンセントと共にその作戦に従事していた。
だが、グレミー軍残党の第一波を殲滅した時、彼女の肉体は遂に限界を迎えようとしていた。更に敵の増援に囲まれ、窮地に陥った彼らのもとに一機の可変MSが近づく。
それはかつて、クロエやヴィンセントが一年戦争時に戦ったスレイヴ・レイス隊隊長のトラヴィス・カークランドが駆る黒いZⅡだった。彼はかつての部下の情報提供により、実子であるヴィンセントと非合法な実験の被験体となっていたクロエの行方を追っていたのだった。
トラヴィスの協力もあり、敵の増援を退けた二人だったが、そこにマルコシアス隊のエンブレムを付けた赤いクィン・マンサが現れる。搭乗者はかつてのヴィンセントの部下であり、ニュータイプであるアンネローゼ・ローゼンハインだった。
だが、彼女は仲間の敵であるペイルライダーと共にいる彼らに殺意を向け、攻撃を掛ける。
トラヴィスはアンネローゼを説得するものの、彼女の頑なな心にはなかなか届かず、ただ激しく心がかき乱されるだけだった。
そしてとうとう感情を暴発させたアンネローゼは彼らをまとめて殺そうとするも、クロエの駆るトーリスリッターがそれを阻止。
相打ちとなり二機は共に大破するが、脱出ポッドが作動した事で、クロエとアンネローゼはどうにか無事に生き残った。
アンネローゼはこれまでにも薄々、復讐の戦いの無意味さを悟りつつあった。そして、この戦いの果てで復讐の無意味さを真の意味でようやく悟り、ポッドの中で号哭するのであった。
その後、彼ら三人はトラヴィスの下で保護され、戦争とは無縁な環境のもとで穏やかに過ごしたとされる。
そしてクロエ自身はペイルライダーが破壊され、HADESの影響を受ける事がなくなったのか心身ともに回復し、その後はヴィンセントの妻となり、彼との間に一子を儲けたのであった。
【VS.シリーズの活躍】
EXVS.2OB
第10弾追加機体として参戦。コストは2500。
GVS.の
ペイルライダーのパイロットグラフィックから参戦を匂わせていたが、OBでようやく参戦。
特射のインコムと特殊格闘の特殊移動から格闘や派生射撃を繰り出す強襲機。
サブの連射&単発ダウン、ピョン格などペイルライダーと似通った部分もあるが、メインはBRで使用感は大きく異なる。
また、時限強化としてのHADESは1出撃1回の格闘CSおよび覚醒中の自動換装となっており、システムとしては
ブルーディスティニーと同様。
特射のインコムはスタンダードなオールレンジ包囲のNもあるが、神速発生かつ3×2を左右から交差させるレバー入れが反応困難で非常に強力。
格闘面でも特格からスパアマ格闘を引き出せるため、近距離での制圧力がすこぶる高い。更にHADES中は特格を無限に使えるため、豊富な択を押し付けて逃さず狩る荒らしが得意。
「降りテクはないがいずれの武装も攻撃性が高く、堅い後衛は出来ないがピョン格や仕込み盾で足掻きが出来る」というオバブで流行った機体タイプだが、
この手の機体としてはロックを向けられていようと・かつ距離を問わず相手に圧を掛けられるのが大きなポイント。
自衛面はダブロに弱く
フラッグや
カバカーリーほどの無法ムーブはないが、その分それらよりは使い勝手がよく参戦初週から高い戦績を出している。
【勝利・敗北ポーズ】
勝利ポーズ
敗北ポーズ
【余談】
ガンプラはHGUCがプレミアムバンダイから受注生産限定で発売されている。
ペイルライダーからの流用が一切無い完全新規造形で、全ての関節がポリキャップだったペイルライダーと違い一部にKPS素材が使われている。メガ粒子砲付シールドもバウからの流用ではなく完全新規造形であり色分けが強化されている。また、完全にシール頼りだった白色部分の一部が別パーツになっている。
ペイルライダー同様に通常状態とHADES発動状態を選択して組み立てるようになっているが、ダクトが増えた分シールの量はペイルライダーに輪をかけて多くなっている。
リード線によるインコム射出やサブアーム展開など武装やギミックは殆どが再現されているが、トライブレードだけはインコムと分割線が一致するものの展開状態のものは付属せず、分離すると組み立て用のジョイントが露出しリード線の挿し込み穴が開放されてしまう構造のため再現はできない。
最終更新:2025年03月10日 08:54