『洋服の青山』



[登場人物]  利根川幸雄新田義史三嶋瞳ガイル西片





 Bar。それは心が落ち着く大人の雰囲気(アコースティック・ドリーム)
夜の帳が降りるころ、グラスの底でひとしずくの夢が淡く揺れる。
「あの頃は夜が今よりも深く感じた」──来客は心奥に沈み切ったはずの郷愁を、琥珀色のカクテルへ語り掛けるのだ。
今宵、世界が注目するバーテンダー・三嶋瞳の店元へ、また一人。
『逆境』と『無頼』の香を纏った男が、静かに腰を下ろした。


「マスターよ……っ、教えてやろう……大切なことを……っ! これは人生のあらゆる決断で……役に立つ……っ」

「ええ。是非ともお聞かせください」

「ククク……いいか……?──」


「──イチに『勇気』……っ! 二に『度胸』……っ! そして、三に……──」


………
……




「────『覚悟』だっ……!!」



 ──パァンッ……────



 AM.05:33。代々木公園。
スズメのさえずりを割くように、一発の銃声が朝の街を震わせた。


「一に勇気、二に度胸、三に覚悟……ですか」

「ああ……決断における大切な三つ………! いや、大切な順番なのだ…………っ!」

「へー。……ドラマとかなら、終盤思い出してピンチを跳ね返す糧になる~的なセリフになりますね~……。──」

「──……利根川先生…………」


“撃っていいのは撃たれる【覚悟】のある奴だけだ”────。
──ハードボイルド探偵(フィリップ・マーロウ)の信念が、今、この平成の現代日本で蘇った形となる。


「クク、バカが………! それではまるで……、ワシが近い未来……死んでいるかのようではないか…………!」


 殺し合い打破プランの責任者・利根川幸雄と、優秀なアドバイザー・三嶋瞳。
ゲーム開始以降、数珠つなぎのように不幸が連鎖する二人の一日は、まるで地獄の労働記録であった。
深夜ちょうどに始業し、必死で炎天下を逃げ回ること数時間。
今ようやく辿り着いたのは、木陰に佇む三本きのこの休憩舎。
サラリーマンであれば、ちょうど一日の幕開けとなる時刻にて──彼らは既に、過労の色が濃く滲んでいた。

二人──とりわけ三嶋の顔色は現在、矛盾のグラデーション。
汗びっしょりに赤潮しながらも、心底顔が青ざめるという──圧倒的熱中症が現れており、体力回復には時間を要したご様子だった。
そんな、虚ろな目でポカリを眺める三嶋へ、利根川は以上の教訓を語り聞かせたという次第に至る。


──『教訓』。
──それと並走して発せられた、乾いた発砲音──。



「なんだお嬢……言いたいのか……? ワシに“早く死ね”と…………っ!!」

「……い、いえっ!! そ、そんなつもりじゃなくて………。……はぁ、……はぁア~…………」

「フっ、だよな……。死ぬべきはワシでなく……圧倒的に『ヤツ』…………っ!!──」


「──そう……っ! 超天才・堂下浩次尊師がなッ…………!!」

「………………」


──あの一発は、愛すべき大後輩(堂下クン)の拡声器が響く方角へ向けて、放たれたものであった。

この世は因果の連鎖。
風が吹けば桶屋が儲かる──。
堂下クン(天才)という一陣の風が吹けば、ゲームそのものが夢のように揺れ動く──。

その余波は今も止まることなく。この期に及んでもなお熱い夏風が、二人の足元へ『見たくない現実』を数枚、届けてくれた。


 ──ペラッ────

『↑この顔見たらまじ通報www😭 こいつが新田だ‼️‼️‼️↑』
(#By古見親衛隊隊長)
(#堂下アニキ最強
(#殺人ニワトリまじ卍)


「ゴミクズが……ッ」

「…………ニワトリ……?」


 利根川が拾い上げる一枚の『指名手配書』。
──カメラを慌てて遮ろうとする、ブレまくった男の顔が載った手配書だ。
言わずもがな、この凶悪犯扱いされた男──新田義史は、三嶋の知己にして、彼女がもはや恋欲にも似た尊敬を抱く存在であった。

堂下クンのおかげで、本という概念そのものを嫌悪するようになった彼女である。
今度は、『紙』という概念すらも忌み嫌うのではないかというほど──三嶋の怨眼が手配書に突き刺さっていた。


「……お嬢、気持ちは察する。……だがっ……! 一旦はワシの質問に答えてもらおう……っ!! ──Quick Question(軽い質問)だ……っ!!」

「……OK, got it, boss」

「うむ、質問内容は言うまでもない………。ヤツ(新田)に関して……っ!──」

「──この写真からは分かりづらいが……新田という男。……一体どんな人間なんだ…………? 外見の話なっ……、外見の話……っ!」

「……外見ですかぁ……。金髪のオールバックで眉間の傷が特徴ですね。で、なんかいっつも黒い服を着てます。コッテコテなインテリヤクザって感じの……」

「ほう。となると気になるものだな………」

「……どれくらいコッテコテかがですか」

Fuck You(黙れゴミ)……! ……ほれ、あそこを見ろ……。──」

「──ククク……っ。果たしてワシらの味方になりえる存在かな…………? 『ヤツ』は…………っ!」

「え?」



「噴水近くにちょうどいる……、────インテリヤクザらしき……『あの男』はっ………!」


「……え」



 風に吹かれる大草原の波。どこからか聞こえるヘリコプターの音。
跳ねるしぶきが光をはじき、朝日がそれを散りばめて虹を作る、噴水近くにて。

利根川が指差す先に、────『奴』はいた。


三嶋瞳。
彼女にとって新田義史は、どんなベストセラーを出した経営者よりも、尊敬と憧憬を一身に集める誇り高き同志であった。
互いに経営者同士。
ビジネスという荒海のただ中にあって、たとえ商いの刃を交わす宿敵であろうとも、激闘の末、切磋琢磨し互いに高め合ってきた。
無論、純粋な商才だけでいえば、三嶋の方が数段上。
取引の勝率も、当然のように彼女が優勢だった。
だが、それでも執念と根性で食らいつく新田の姿は、彼女にとってただのライバルを超えた畏敬の対象だった。

そして何より、社会的立場というものを除けば、二人は信頼で結ばれた戦友だったのだ。



「に、新田さん!!??」


────三嶋にとって新田は、
────この殺し合いにおいて、誰よりも再会を願った存在であった。



「……………………………………」


 何があったのか──とは、一々説明するのも野暮だろう。
雲をほどいたばかりの淡い空の下、ただ静かに座していたその男。
沈黙の背中がすべてを物語り、世界はその周囲だけ時を止めているかの印象だった。
初対面の利根川でさえ、思わず息を呑むほどの『オーラ』。悪魔的オーラがそこにはあった。


「に、にに新田さん…………。な、なんで……、」

「…………ククク……! 血と金と暴力に飢えた男、だったか……。ヤツともなると、さすがの落ち着きぶりだな…………っ!!」

「え?? な、なに言ってんですか利根川さん……?!」

「フっ、考えてみろ……。常人であればこの殺し合い……のんびりしていられるはずもない……っ。大抵は慌てふためき……行く末は自暴自棄…………っ! 醜く瓦解していくものだが……。──」

「──見ろ……っ!! ヤツを……っ!!!──」



『平成の怪物』──。
『地と金と暴力に飢えた外道』────新田義史。

その身に纏う漆黒のオーラは、帝愛を焼き焦がしたかのような地獄の黒色なのか。
それとも、ブラックニカの酔いのような、安寧を与えてくれるのか。



「────取っておるっ……! ニットの毛玉をっ…………!! なんという圧倒的余裕…………!!!」


「………………利根川先生…。──」



いずれにせよ、その影との邂逅は、二人の運命に深く刻まれる予兆であろう────。



「──いやどんなイヤミですか……? 新田さん素っ裸じゃないですかあ!!?」







《副題:~姫と奴隷~》





……
………

 (実質)三嶋瞳経営のBar──『Little Song』。そこは、哀しみも歓びも、静かに受け入れる夜の止まり木。

逆境と無頼の香を纏った客・利根川の隣席へ、またひとり。
血と金と暴力に疲れた男が、救いを乞うように一杯注文を始める。
名カクテル──『jet-black suit(和名:洋服の青山スーツ一式)』で、喉を潤すのだった。


「……はぁ…………。三嶋、とりあえず……、」

「こちら、サービスです」

「え?」

「この一杯は、いつも御贔屓にしてもらってるお礼ですよ。常連さん」

「………三嶋……」


さすがに、ただ酒は気が引ける。
そう思った男は、高価そうな財布をカウンターにそっと置いた。

時の流れさえ酔わせるような、深紅の静寂。
囁きのようなジャズが氷の音と溶け合い、そのリズムが心拍に重なる中──卓上には、二つのカクテル。
男はやがて、マスターセレクション──『Mistakes in Saizeriya』をゆっくりと口にしていく。



そのカクテルは和名にして──『サイゼリヤのまちがい探し』とも言う。



………
……






「↑つまりはこの通り。利根川幸雄先生は、私たちを導いてくれるお方なんです!!」

「……なにこのドン引きする細かさ。お前そんな性格だっけ?」

「いやいや~、新田さんもいずれ分かりますよ。上に立つ者は『細かさ』が命なんです。直属の新人が『いちいち細けぇ』と愚痴る私の注意こそ、会社の命運を握ってるんですよ…………」

「(いや俺、お前と同じく経営トップなんだが。………内心見下してんのこいつは?──)」


 ──回想。
日高&なじみ&センシから逃走した先が、SPINNS SHIBUYA109(メンズファッション店)で幸運だった。
服とズボンとシャツに飢えた外道(変態)・新田義史は、三嶋がかっぱらっていたスーツのおかげで、どうにか人の尊厳を取り戻すに至る。
そもそも彼がこの窮地に陥ったのは、女子シャワー室への誤侵入。
二人の女子の裸身と鬼神の如き形相を拝んでしまったことに端を発する。
ゆえに今、肌を包み込む温もりには、心の底から救済を感じたに違いないだろう。


噴水のほとり。ベンチ足元に並ぶ四つの靴。
そこから少し離れた場所には、煙草の灰を落としながら、静かに佇む二つの靴。

ふと視線を落とした新田は、三嶋の靴底にて留まる、自分の『手配書』に気付いた。


「(──…………いや踏み下されていたし)」

「……あっ!! す、すみません新田さん~!! 気付かなかったというか~、なんていうか~………。……そうだっ!!──」

「──ほら、踏み絵ってあるじゃないですか! キリストの!! あれに倣って踏んだんです!!! だから……許される……みたいな~~?? ……なんちゃって」

「…………新人でもしねぇヒド言い訳だなぁ、三嶋さんよぉ!!──」


「──……はぁ……………。……マジで、んだよ………俺の人生(殺し合い)って」

「……あ。に、新田さん……」


 三嶋の悪意なき踏み潰しが、割と決勝タイムリーだったのだろう。
新田は頭を抱え、悲壮の色を滲ませながらうなだれ始めた。
顔を伏せ、「あ゙~あ~」呪詛めいた呻きを漏らす三十代──。
靴跡が思いっきりこびりついた手配書に映る、妙に間の抜けた外道の顔──。
無理もない。事情を聞く限り、新田のバトル・ロワイヤルは、開始からわずか五時間余りにして濃縮された悲惨の見本市であった。

拡声器(バカ)のお陰でバラ色の人生に変わった彼は、追放に次ぐ追放。
理不尽な偏見の雨に打たれ、もはやズタボロ雑巾だった。
これが台風一過の、一時的な荒天ならまだ救いはあるだろう。
だが今や、全参加者に『危険人物』と知れ渡った現状。どうしようもない未来が待ち受けていることは、もはや確定事項だった。



何故──。

何故、名ばかり極道のようなもので、
あとはほとんど平凡な主夫にすぎない新田が、

──これほどの理不尽に晒されているのか。



これは神の試練なのか、それとも悪魔の嘲笑か。
──あるいは、神と悪魔が手を組み、彼を袋小路へ追い詰めているのか。
堂下と殺人ニワトリという二羽の悪魔は、当の本人たちの想像を遥かに超えて、新田を地獄の縁に追い詰めていた。


「…………瀬戸、大介」

「……え、瀬戸さん…………? 誰なんですか?」

「……全ての元凶だ。ほら、例のやらせドキュメンタリー番組のディレクター。それと、堂下浩次に山中藤次郎だっけか…………。フルネームは把握済みだからなッ……」

「…………え?」


「三嶋さぁ、どっちが良いと思う? ──『地獄通信』か『デスノート』」

「…………。……ノートは筆跡で身元が割れますから、IPを偽装して匿名でアクセスできる地獄通信がいいのでは…………?」

「だよな、俺も今検索しようとしたんだが……それがもう、どうよ」

「そもそも充電、ゼロだったんですね……」

「あ? 違ぇよ。……最近の若い娘は容赦ねぇもんでな。あの女共の熱湯シャワーでもうグショ濡れだわ」

「あ。あぁ…………」

「笑えるだろ? これで俺はもう助けを呼べねぇ。すべてをあきらめて暇潰(パズドラ)することもできない。──……それに何より……ッ、何よりもッ……!!──」


「──アンズに…………ッ!! アンズに電話することさえ、できねェッ……!!! クッ……うぅ、くぅッ…………」

「…………新田さん」



※注釈①──。
『例のやらせドキュメンタリー番組』とは、新田の極道生活に密着したテレビ企画のこと。
あまりにも撮れ高が乏しかったため、ヤラセ編集の末、新田は『筋金入りの外道』として世間へ仕立て上げられてしまった。

※注釈②──。
『アンズ』とは、新田の娘・ヒナと同じく未来からやって来た超能力者。
その健気で素直な性格ゆえ、新田は次第に実娘以上の情愛を注ぐようになっていた。


そして、注釈③。
新田の悲惨さに、三嶋は涙を浮かべ同情しながらも、心の片隅では「……この期に及んでアンズちゃん依存?」とバカにしていた。


 堂下(Dumb)(and)ニワトリ(Dumber)は一応始末こそは可能なものの、大元凶である軽薄テレビディレクターの抹消は、現状完全不可能。
というよりも、奴らに八つ当たりをしたところで、晴れるものは一瞬の鬱憤のみ。
疑心暗鬼が渦巻くこのバトル・ロワイヤルにおいて、新田の容疑を晴らすことなど、ほとんど夢物語に等しかった。
この時、天気は皮肉にも快晴。うざったいほど太陽が陽光エールを送ってくる現状。


“自分の信頼する新田さんを──”
“一体どうすれば……。どうすれば救うことができるのか……”


「…………アンズ……アンズゥ……」


「…うぅ……」


三嶋は、これまでの人生で類を見ないほどに、深く深く、頭を抱え込んでいた──。



………
……


「で、ワシに相談しにきたと…………。お嬢……」

「お願いしますっ、利根川先生!!! 今こそ先生の真価を発揮する時ですよ! どうか……どうかお力添えを~~~~っ!!!」

「……どうでもいいけどこのオッサン、お前の『先生』なわけ?」


 三嶋の知己・ヒナの言葉を借りるなら──
──『三人集まればまんじゅうの知恵だよ! …カレーまん食べたいな~』。
自力での打開策は導き出せなかったため、三嶋はついに、師と仰ぐ利根川のもとを訪れた。

代々木公園に漂うニコチンの煙。
タバコをスパスパと吹かし、遠慮なく大自然を破壊していく利根川幸雄だ。
ただでさえ身体的成長が乏しい三嶋瞳(ロリ社長)にとっては、悪影響この上ない場所ではあるが、──それでも今は先生を頼るほかなかった。

蕁麻疹を帯び始めた右手で、それでもなお固く握りしめる一冊の『本』。
──『お説教 2.0』『著・利根川幸雄』。


“利根川さんなら困ってる人を見捨てないはず……”

“お願いします、何か案を……。利根川さんっ…………”


三嶋はひたすらに、天からの伝授を待ち続けたものだったが────。



「クク……ククク………っ! なぁに、答えは簡単…………!! 順を追って問おうじゃないか……っ。まず──、納豆とは、何を腐らせた食品だ………?」

「……へ? え? …………大豆……」

「パーフェクツアンサー……っ!! ──では次にガルム……! ガルムは何を発酵……とどのつまり腐らせた食べ物だ………?」

「問題の意図が分からなすぎて怖いんですが……。とりあえずガルムはナンプラー……魚ですよね?」

「ほう……! 圧倒的教養…………!! ククク……っ!──」

「──では最後に、新田とやら……っ! 今、ワシが持っているこの果物……これはなんという名前だ?」

「え。俺? ……舐められてんの? ミカンだろ」

「ククク……ククククっ!! お見事っ……全問正解……っ!! 褒美といっては物足りんだろうが……くれてやるっ……! キサマに……ミカンを……っ!!」

「いやいらねぇよ、おばあちゃんか」

「……利根川先生、そろそろ本題に参りましょうよ~。それで案というのは……、」




「「────……『腐ったみかん』……………っ?」」



「これはこれは両名……、察しがよい……っ!!──」



「──案だと? そんなものあるかっ……!! そいつを置いて、さっさと行くぞ。お嬢……っ!!」

「いやいやいやいやいやいやいやぁ~~~~!!??? な、なにを言ってるんですか!? 利根川先生ぇえ~~~~~~!!!???──」




──『悪魔』がくれたものは、新鮮なみかん一つだけ。
以降悪魔は、求めてもいないのに、持ち前の理屈責めを延々と浴びせかけてくる事となる。



「──なんでっ?! どうしてっ!!? 新田さんを見捨てるなんて……私にできるわけないじゃないですかぁ!!」

「ほう……ほう……! そういう考えを貫くというのならお嬢。キサマとはここで、決別だな……っ!!」

「えっ??! えぇぇっ!!??」

「なにせ新田は反社会勢力……っ! そしてキサマは……あまり言いたくはないが、合法『ロリ』社長ときたっ……!──」

「──口には出すまいと思っていたが……気になっていたわ……っ! お嬢の……深海のような澱み黒い……闇深さが…っ!! アウツなんだよ……キサマは……っ!!!」

「な、ナナ……な……なんですかそれ…!? ──って否定しようにも、新田さんとの経緯がメルヘン(超能力)すぎて説明できない~~~~っ……!!」

「バカ正直に説明して信じる奴の方が闇深ぇって話だわな」



 こうして幕を開けたのは、悪魔的邪推から始まる利根川式ロジック責めだった。
利根川の脳裏には新田と三嶋による「あれま~~」な映像が流れているのか、流石に否か。
いずれにせよ、今の三嶋に許される選択はただ一つ。
優秀なる上司を、理詰めで説得すること、それのみである。



「……と、利根川先生。新田さんの事情は後でどうにか説明します……。──」

「──ですが、今は私のことを信じてください!! そして共に生み出しましょう!! 新田さん救済プランをっ……、」

「Remember Plan────っ!!」

「え?」 「……あ?」

「思い出せ……っ!! ワシらの最優先事項をっ…………!!」

「…………プランA、ですか……」 「(なに? プラン?? BとかCもあるの? ていうかこのオッサンなんで意味もなく英語話したんだ? ……怖っ)」


「託されたろう……! 圧倒的無理難題……、ゲームを崩壊し……少しでも多くの参加者を救うという……プランをっ…………!!──」

「──そのためにワシら二人が必要なものは、ただ一つ。『信頼性』だ……!!──」

「──分かるか? ただでさえワシは……ヤツ(主催)と瓜二つ……っ! 難易度はベリーハードなものをっ……。……それに加えて新田を引き入れろとは……っ! 無茶だろうが…………!!」

「………………っ……」

「いやマスク被りゃいんじゃねぇの?」

「……に、新田さん!!」

「なに……? 覆面で誤魔化せと……? ……ククク……ククククク……っ! つくづく愉快な男だ新田……キサマは……っ!──」

「──さしずめオヤジ二人、マスク姿で凱旋かぁ……? ほう、なるほどなるほど……!! 顔を隠せば怪しさゼロだからなぁ~? 小娘の両脇にマスクマンとは……プロレスの前座かなぁ~~?! ククククク……ククク……っ!!!」

「……」 「……」


「麦マッチョチョコのレスラーかっ……!! ふざけるなゴミめっ!!!」

「……マッチョというより、ヨボヨボのジジイが覆面と赤いブリーフ穿かされてる的な、あのチョコのパッケージねえ~……」

「(……おじさん二人が、私の知らないチョコで以心伝心してる……)──」



 新田を欠かしてはいけない。それでいて利根川も必要不可欠な存在だというのに──。
論破されたのか、それとも利根川が矢継ぎ早に言葉を飛ばすため反論の余地さえなかったのか。
結局三嶋はこの交渉。得られたのは、しょぼいミカン一つと、謎チョコの知識だけだった。


「──……なんなの………。もう……」


 もしも。──if。
もし利根川の主張が、支離滅裂で穴だらけな詭弁であったのなら、どれほど気が楽だったものだろうか。
だが悔しい哉、現実はその逆。
彼の論は、(途中、くだらないチョコやマスクの話に脱線こそすれ)常に一貫しており、筋の通った正論そのものだった。

自分たちが遂行を託された【プランA】において、極悪のレッテルを貼られた新田の存在は、あまりにも致命的。
信頼の構築どころか、他の参加者たちに不安と畏怖を抱かせる火種でしかない。

とどのつまり、三嶋の『新田を救いたい』という願いは──言ってしまえば私情。
一社員が己の情を優先し、組織の方針を揺るがす行為に他ならず。
それは、会社の資金を横領するのと同義だった。


「…………どうして……なんで……っ」

「どうしても何もあるか……っ! ──さっさと行くぞ、お嬢………っ!!」

「…………」



三嶋は思う。

────言い返せない自分が、嫌で仕方がない。嫌いだという。

圧倒的自己嫌悪。



「……………新田さん……、新田さんは……ほんとに……っ」

「……いやつか、俺もなにしてんだろな」

「え?」

「悪ぃな邪魔して。……そもそもアンタらカタギとは、関わる権利すらねぇからよ。俺は」

「え??! に、新田さん……!?」


「利根川センセー……だっけか。言っとくが、俺とこのガキでやましい過去はねぇからなっ?! ヤらしい過去はっ!!」

「分かっている。……こちらもさんざんな物言い……失礼した。……ただ一応聞こうか、新田……。──」

「──別れの言葉は、それで十分なのか……っ?」

「え?! わ、別れって……新田さ……、」



「……もう……なんでもいいっつうの。────あばよ」



いや、違う。
三嶋は思った。思い改めた。

────私の正論が通らないように設計された、
────このバトロワという『世界』が、嫌で仕方がない。
────嫌いだ、と。

圧倒的現世嫌悪。
──ならびに、堂下嫌悪に。



「あっ。……新田……さん…………」

気がつけば──その背中は、もう遠くへと離れていた。


「新田さ……っ、……うっ……ぐっ…………!!」

気がつけば──頬を伝う涙が、止まらなくなっていた。


「う……うぅ…………! 新田さ……っ、──」

「──……あっ」


最後に気づけば──、地面に散らばっていた手配書が、すべて噴水の水面に漂っていた。
ぐしょぐしょに濡れ、ふやけきった新田の顔写真。まるで味噌汁に沈んだ油揚げのようで、哀しさとシュールさが同居していた。


「………………っ!! ……うぅっ…………。──」


思い返せば、この代々木公園は、三嶋と利根川の『始まり』の場所。
あの日、利根川が掲げたゲーム打破の宣言は、まるで雷鳴のように胸を震わせてくれた。
理不尽に満ちたこの世界で、それでもなお抗う勇気を教えてくれたのは、他ならぬあの人の一声だった。



「……うぅっ!!! …………分からないんですよ……利根川さんは……」

「……あ?」


──ならば、愛弟子たる自分も、信念の言葉を吐かねばならないだろう。



「利根川さんには……、分かるわけ……が……ないっ…………!!」

「………もういい。行……、」

「待ってください利根川さんっ!!! それに新田さんもっ!!」

「あ……っ?」 「……え?」

「利根川さん……あなたはこれまで順風満帆だったから……!!!──」



──噴水が水しぶきを上げ、朝陽を砕いた、その瞬間。



「──いじめられている人の気持ちが……分からないんですよお…………っ!!!!」


「……あ?」 「…………は?」



────『理』を押し流そうと、三嶋の懸命な泣き落としが始まった──。


「(……え? 俺、いじめられっ子扱いされてんの?)」




「何が“別れの言葉はそれで終わっていいのか”ですかっ……?!!! いいわけないに決まってるでしょっ!!! 新田さんは……あの人は、あぁ見えて繊細だから……。本心を押し殺してでも極道を演じて……去ろうとしたんですよ……っ!!──」

「──ほんとは、救われたいというのに……っ!!!!」


「…………お嬢、待て……っ、」


「いや待ちませんからっ!! ……うぅ……。待ったら……論破されちゃうから……絶対待ちませんからねっ!!!──」

「──プランとか、ゲーム打破優先とか……冷徹な論理もいいですけど、分かりませんかっ!!? ここで戦わされているのは、生身の人間なんですよっ!!!──」

「──冷徹さの中に、人情を含まなきゃ、……成功なんて掴めませんからっ!!!!」


「ま、待たんか……、」


「だから待ちませんって!!! ……利根川先生、新田さんはほんとにっ……ほんとに良い人なんですよぉ……!! ……確かに、新田さんはゲーム崩壊の役には立たないかもしれません…………っ」

「(え、そこ言う? 役立たないって、そこ口に出す?)」

「……でも、新田さんとは長い付き合いだから………私捨てられなくて……! 捨てちゃダメだって、分かってて……っ!!──」

「──……ひぐっ……うぅ……。……正直、私のことはどれだけバカにされても許せますよ……。──でも、新田さんが殺人犯扱いされるのは絶対許せないっ…………!!!──」

「──だから私はこれだけアレに殺意を抱いてるんですよ……っ!! アレに……っ!!! ひぐっ……利根川先生ぇ………!!!」


「…………」


「お願いします……!! 利根川先生……っ!!! 私が責任もって、最後まで新田さんの面倒を見ます……!!──」

「──新田さんが危なそうなことをしたら、ちゃんと手綱を引きます……っ!!──」

「──大丈夫です……放っておくような真似はしませんっ……! 最後まで、ちゃんと見届けます……!! ですからっ──!!!」



「──……お願いしますっ……新田さんを……救ってください…………」



「……………っ」



「(…………なにそのペット扱い……)」



 新田のツッコミも当然のものだった。
眼鏡を外して涙を拭う三嶋も、このまま好き放題言わせておけば、いずれ「ごはんの時間も守らせます」「ウンチの世話もちゃんとします」などと言い出しかねない勢いであった。
全く自分を人扱いしていない。おまけに、その自覚すらないのが厄介な悪魔(三嶋)
彼女の泣きざまに、新田は一切とて涙をつられることはなかった。

ただ、新田がどう感じようが、今は問題ではない。

普段、帝愛にて、『まさやん』という人間(ペット)を雇っている利根川。
三嶋の号泣を目の当たりにして、彼の脳裏に去来したのは──かつてまさやんを抱きしめた、山崎の姿。
あのときと全く同じ構図を見せつけられ、利根川は何を思ったことだろう。
彼は深くため息を吐いた。


「……もう知らん。呆れたぞ、お嬢……っ」

「ぐ……っ、うぅ…………」

「ワシはもう知らん……。やれ人情だの、長い付き合いだの……まるで子供の駄々だ…………。勝手にしろ……お嬢…………っ」

「……利根川先生……っ。……おねがい……っ、お願いしま……、」



「チッ! 分からんかっ?! ──『好きにしろ』と言っとるんだっ…………!! ワシはっ……!!」



「……え?」 「え?」


「キサマの『好き』が結果として……、どう転ぼうが……、もうワシの管轄外っ……。──」

「──知る由もないっ……! この件に関しては、お嬢……キサマが責任者だ……っ!!!──」



「──……だから責任もって面倒を見るんだぞ。お嬢に、────新田っ…………」



「えっ……えっ……!!? ……と、利根川……先生っ……!?──」


「──……う、うぅ…………! ……ひぐっ……!! ありが……とうっ……! ……ありがとうございますぅぅぅ……!!! うっ……うぅ……っ……!!──」

「──うわぁああ~~~~~~~~~~~ん!!!!!!!! 新田さぁ~~~~んっ!!! 新田さぁああ~~~~~~~~~~~ん!!!」


「うおっ!??」



──とどのつまり、三嶋プラン『わんわん作戦』、───圧倒的大成功……っ。


 『情熱なくして、仕事なし』。
これは三嶋の著書にも記された、彼女の代表的メッセージの一節であるが。
皮肉なことに、本という概念そのものを嫌悪するようになった彼女が、こうしてその信条を体現するとは、なんとも数奇な運命である。

三嶋を一度見た後、人知れず口元に笑みを浮かべた利根川。
果たして、この情の奔流が『プランA』にどのような影響を及ぼすのか。
一方その傍らでは、新田へ子どものように頬ずりしながら「もう離さない……絶対離さない」と抱きつく三嶋の姿。
新田は、そんな彼女を見て何を思ったことだろうか。


「新田さん~~……新田さん~~~~~~~~……っ!!!」

「………………」


──新田の心情は、その表情ひとつが雄弁に物語っていた。
まさしく『語らずとも云々~』とは、このことであろう。
ただ、彼が何を思おうとも──確かなことは、ひとつ。


新田義史は、ついにこの殺し合いの渦中で。『不幸』という呪縛から解き放たれたのだった。



【1日目/F7/代々木公園/AM.05:41】
【新田義史@ヒナまつり】
【状態】健康
【装備】AT拳銃
【道具】みかんx1
【思考】基本:【静観】
1:師弟そろって俺を犬扱いしやがる……。
2:早くアンズに会いたい。
3:……もう、なんてか、基本的にどうでもいいや。

【利根川幸雄@中間管理録トネガワ】
【状態】健康
【装備】回転式拳銃
【道具】タバコ
【思考】基本:【対主催】
1:自身指揮の元、『プランA』でゲームを終わらせる。
2:生還後は、お嬢(三嶋)に『バトロワ体験記』を(無理やり)執筆させ、一儲けを企む。
3:三嶋をお守り。
4:新田に関しては『我関せず』。
5:伊井野にはいつかまた会いたい。奴は天才……。
6:会長が気がかり……。
7:黒崎っ…………。
8:味のうっすい……三十円のチョコ……っ。それが、麦マッチョチョコだ……っ!!

【三嶋瞳@ヒナまつり】
【状態】健康
【装備】ハンドガン
【道具】『お説教2.0』@トネガワ、ポカリスエット500mL
【思考】基本:【対主催】
1:仲間を集ってプランAを成功させる。
2:新田さん~~~~~~~……!!!! 絶対捨てない~~~!! ずっと一緒だからぁ~~~っ!!
3:『アレ』を確実に殺害。








────かに思われた。






 ブロロロロロロ────。


「……ん?」 「あ…………っ?」


 遥か上空。
空気を切り裂くように、──というよりも空気を読まずして現れたのは鋼鉄の獣。
ヘリコプター。

見惚れる暇もなく、機体の影から二つの影が急降下。
突風を巻き起こしながら、新田たちの目の前に着地する。


 ──タッ


「……よもやよもやだな。これは運命の悪戯か、それとも意図したものか……。巨悪二名、ここに揃い踏みとは……なんたる空気の悪さだな。西片」

「どうしますガイルさん……ッ。新田と、トネガワですよ……ッ!!」


「「「え」」」



 現れたのは、筋肉をこれでもかと誇示するタンクトップ姿の外国人と、見るからに非力そうな中学生の少年。
なんの伏線も突拍子もなく現れた二人は、自分らに一体なんの用があるというのか。
まさか利根川や三嶋にサインをねだりに来たわけあるまいに、新田ら三人はただ呆然とする他なかった。

──いや、その『まさか』のケースだったなら、どれほど幸せだったことか。

彼らの真意は、怒りに歪む拳の中で紙屑と化した、一枚の手配書が静かに語っていた。


「西片。ここで一つ、お前に判断力を試そう。お前ならどちらの相手をする?」

「え? ……そんなの決まってるじゃないですか!! 全ての元凶……主催者のみ……! 見据えるはあいつだけですよッ!!!」


「……あ………っ?!」


「フッ。百点のアンサーだな。──」

「──……だが、糠喜びはするなよ。アーケードゲームにおいて『百点』など無価値。雑魚敵を倒した際に得る小得点だ」

「あっ、うぅ……。すみません、ガイルさん……」

「考えてみろ西片。仮にお前が主催者だったとして、──自らこの蠱毒の舞台に足を踏み入れるか? ……つまりはな。今、目の前にいるトネガワは実体のない幻影……。──」

「──立体映像(ホログラム)に過ぎん……っ!!」

「あっ! そういうことでしたか!!」


「……え」 「あ………?」


的外れな推測を、まるで真理でも説くかのように語り散らすタンクトップ男──ガイル。
彼は、その幻影とやらを鋭く睨みつけたのち、静かに言い放つ。


「西片、どんな状況でも、忘れてはならないことがある。──『目の前の敵を見失うな』。それだけを肝に銘じるんだな。──」

「──では始めてみろ……ボコスカウォーズを……ッ!!! 新田で、己の力を腕試しだッ!!!」

「はいッ!!!」


「え゙」



何の恨みもない。
肩をぶつけたことも、会話したこともない、自分とは赤の他人であるはずなのに。──なぜか突如として激昂した少年。



「うおおおおおおおッ……おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!! 新田ぁああああああああああああああああああ!!!!!!」


「え」



呆気にとられる新田が見た、最後の光景。
それは、信じられぬ速さで距離を詰めた、『理不尽の拳』だった。




 ──ゴスッ……────





………
……






「でよぉ、マジでバカだと思うだろ? 何が立体映像だよあの筋肉野郎……。最後、利根川の顔ギリギリまで一睨みしにいって、それでもまだ気づかないでいたんだぜ? 息当たってるっつーのに。バカすぎだろ……。──」

「──で、ガキの方はってぇと、もうバカみてぇに力強いし。……なんなのアイツ? 親の仇かってぐらい力んでたけどよぉ。……俺、再起不能にさせられるほどのことしたか? って話だわ。──」

「──……面白ぇよなあ格差社会って。方やホログラムだからセーフ、方やフルボッコだよ。なんで主催者は俺そっくりじゃなかったんだ、ってクレーム入れてぇくらいだわ! ……ははは!──」


「──化けて出たいのは、俺の方だっつーのにな……」


 柔らかな灯がグラスの縁を撫で、静寂が音もなく流れていく。
磨き抜かれたカウンターには、語られぬ物語が、琥珀の底に沈殿していた。
ここは、喧騒の街に浮かぶ小さな安息──Bar Little Sing。



「……んじゃ、もう行くわ。……明日、早ぇしな。──」


時間という概念は、グラスの氷のように静かに溶けていく。
新田は重い腰を上げ、フラフラと出口へ向かった。



「──あ、悪いけど酒代……ツケにしてくんね?──」


「──……おいおい。そう怒んなって~。俺も病院行かなきゃ金払えたんだよ。な? 災害みたいなもんだと思って、勘弁してくれよな~~。──」


「──……じゃ、またな。……つっても、──」





「────俺以外誰もいねぇんだけどよ」



 荒廃した無人のバー。
心の痛みがゆえ、「……頼むから一人にしてくれ」と、彼の孤独な集会所と化したバー。
新田はぼろきれ同然のスーツを身に纏い、埃まみれの暗い店内を後にしていく。


 カラン、カラン……────。




『バトル・ロワイヤル』。
それは、降りかかる不幸を背負う、一人の孤独な男を追った────ノンフィクション・ドキュメンタリーである。




【利根川幸雄@中間管理録トネガワ 第一回放送通過】
【三嶋瞳@ヒナまつり 第一回放送通過】
【ガイル@HI SCORE GIRL 第一回放送通過】
【西片@からかい上手の高木さん 第一回放送通過】



【1日目/F6/代々木公園外/AM.05:50】
【利根川幸雄@中間管理録トネガワ】
【状態】健康
【装備】回転式拳銃
【道具】タバコ
【思考】基本:【対主催】
1:新田…………。

【三嶋瞳@ヒナまつり】
【状態】健康
【装備】ハンドガン
【道具】『お説教2.0』@トネガワ、ポカリスエット500mL
【思考】基本:【対主催】
1:新田……さん………。


【ガイル@HI SCORE GIRL】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】くし、ポーション瓶x10@ゴールデンアックス(ハイスコアガール)
【思考】基本:【対主催】
1:新田を討伐とは……。やはり西片、光るものがあるな……。
2:……しかしトネガワめ……。わざわざホログラムで現地視察とは、何が目的だ?
3:西片を育て上げ、主催者を倒す。
4:『高木さん』を探す。
5:襲われている参加者・力なき者を助ける。
6:サチは屑と認識。
7:ハルオ……生きろよ……っ!

【西片@からかい上手の高木さん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:【対主催】
1:新田を倒したぞ!!! ……でもなんだろう、この虚しい勝利は…………?
2:ガイルさんを熱くリスペクト。
3:高木さんを探したい。



【1日目/F7/代々木公園/AM.05:50】
【新田義史@ヒナまつり】
【状態】うつ伏せ状態、全身殴打(中)、精神的苦痛(大)
【装備】AT拳銃
【道具】みかんx1
【思考】基本:【???】
1:…………なんか。もう。どうでもいいや。




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077:『違うそうじゃないっ 079:『Delicious in Dungeon~感電死までの追憶。
067:『颯爽と走るトネガワくん 利根川
067:『颯爽と走るトネガワくん 三嶋
039:『ゴースト 血のシャワー 新田
070:『男の闘い ガイル
070:『男の闘い 西片
最終更新:2025年10月07日 13:51