人造人間と格闘娘と寿司屋 ◆XksB4AwhxU


「いったい…何がどうなっている?」


突然の事態に、さすがのダークプリキュアも軽く混乱していた。
自分は惑星城にて、今まさにキュアムーンライトとの決着をつけようとしていたはずだ。
それなのに突然周りが暗転したかと思うと、気づけばあの加頭という男のいる場所へやってきていて、そして殺し合いの舞台に放り込まれたのだ。

ダークプリキュアはひとまずデイバックを開け、その中にあった参加者名簿を開く。
そして見つけた。キュアムーンライト…月影ゆりの名前を。


「そうか…奴もこの場にいるか」


それならば自分のすることは決まりだ。
この場で、今度こそキュアムーンライトとの決着をつける。
そしてこの殺し合いに優勝して、サバーク博士のもとに帰るのだ。


「キュアムーンライト…私はおまえに負けない。貴様の光など…わが闇をもって消し去ってくれる!」



※※※※



「ここは…まさか呪泉郷?」


地図を確認しながら、天道あかねは周りを見渡す。
実際に来たことはないのだが、看板も出ているし間違いないだろう。


「ここ…中国ってわけじゃないわよね?なんでこんなところに?」


とりあえず、こんなところでのんびりはしていられない。
早く乱馬や良牙たちと合流しなければ。


「それに…出来ればあまりここには長居したくないしね」


ここ、呪泉郷は泉に落ちてしまうと水をかぶると変身し、お湯をかけると元に戻るという特異体質になってしまうのだ。
実際、名簿に書かれている4人の知り合いはいずれもここ呪泉郷の泉に落ちてしまった者たちだ。
その上、あかねは超がつくほどのカナヅチなのだ。
泉に落ちてしまえば、変身どころか命があぶない。


「とりあえず支給品の確認をしないと…」


そういってあかねは、デイバックに入っているものを取り出す。


「これは…」


デイバックから取り出したもの、それはT2バードのガイアメモリだった。
あかねは加頭という男の異形の姿を思い出して思わずぶるっと震える。


「これはあまり使いたくないわね…」


他に何かないか調べようとしたその時。
人の気配を感じ、あかねはその方向へ振り向いた。
そこにいたのは…黒い服装、黒いソックス、黒い翼という出で立ちの女性だった。
その表情はとても無機質で、とても友好的な雰囲気は感じられない。


「聞きたいことがある」
「な、何?」


警戒しつつも、要件をたずねるあかね。


「キュアムーンライト…月影ゆりという女がどこにいるか知っているか?」
「知らないわ。私がここで会ったのはあなただけだもの」
「そうか……ならばもう用はない。死ね!」


黒い女…ダークプリキュアは一気に間合いを詰めると拳を繰り出す。
あかねは腕を交差させ、ダークプリキュアの拳を受け止める。


「きゃあああああ!」


しかし、当然受け止めきれるはずもなく、あかねの体はあっさり吹き飛ばされ、木に激突した。



(なんなのこいつ…強すぎるわ)


とても自分にかなう相手じゃない。
かといって、あの俊敏さでは逃げることも不可能だ。
完全に手詰まり……いや、まだ勝機が完全に断たれているわけでもなかった。


(ガイアメモリ…)


先ほどデイバックから取り出したバードのメモリ。
これを使えばまだ希望があるかもしれない。
しかし、これを使えばおそらく自分もあの加頭という男のように異形に姿を変えてしまうのだろう。
それに、なんとなくだがあかねにはこのガイアメモリというものが危険な代物であるように感じられた。


(だけど…迷ってる場合じゃない)


このまま手をこまねいていれば、殺されてしまうだけだ。
それならば、一縷の望みにかけるしかない。
あかねは覚悟を決め、メモリを…


「待て待て待てぇぇぇぇぇい!!」


…挿入しようとしたところへ、突然第三者が乱入してきた。
二人がそちらへ首を向けると、そこには半纏姿の男がこちらに向かって走ってきていた。
…なぜか屋台を引きながら。
男はあかねのもとへやってくると、彼女をかばうようにダークプリキュアの前に立ちはだかった。


「そこの黒い嬢ちゃん。あんた、殺し合いに乗ってるのか?」
「…私にはやり遂げなければならない使命と帰るべき場所がある」
「その為ならだれが死のうが知ったこっちゃないってわけかい…こりゃあ、侍として見逃すわけにはいかねえな」


男は懐からスシチェンジャーを取り出すと、「光」のボタンを押す。
さらに今度は寿司ディスクを取り出し、スシチェンジャーにセット。


「一貫献上!」


その言葉と共に、男の姿が変わる。
そう、彼こそが侍戦隊シンケンジャーの6人目、その名も…



「シンケンゴールド、梅ドゴオオオオオオオオオン!!



「………」
「………」
「………」


男の名乗りは、白い悪魔の砲撃による轟音にかき消された。


【一日目・未明 C-7/呪泉郷付近】

【ダークプリキュア@ハートキャッチプリキュア!】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム1~3個
[思考]
基本:キュアムーンライトを倒し、優勝してサバーク博士のもとへ帰る
1:今の轟音はいったい…
2:目の前の男と女を倒す
3:キュアムーンライトは最優先に探し出し、倒す
[備考]
※参戦時期は46話終了時です

【天道あかね@らんま1/2】
[状態]:ダメージ(小)、背中に痛み
[装備]:T2バードメモリ@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム0~2個
[思考]
基本:乱馬たちと合流して殺し合いから脱出する
1:今の音は何!?
2:この男の人は…味方?
3:バードメモリを使うかどうか悩んでいる
4:出来れば早く呪泉郷から離れたい
[備考]
※参戦時期は37巻で呪泉郷へ訪れるよりは前で、少なくともパンスト太郎とは出会っています

【梅盛源太@侍戦隊シンケンジャー】
[状態]:健康、シンケンゴールドに変身中
[装備]:スシチェンジャー、寿司ディスク、サカナマル@侍戦隊シンケンジャー
[道具]:支給品一式、寿司屋の屋台、ランダムアイテム0~2個
[思考]
基本:殺し合いの打破
1:俺、かっこ悪い…?
2:黒い女(ダークプリキュア)を倒す


※高町なのはの砲撃により、轟音が響き渡りました


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ダークプリキュア Next:ニアミス
天道あかね Next:ニアミス
梅盛源太 Next:ニアミス



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最終更新:2013年03月14日 22:13