Drug Of Gold

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目次
作詞:悪ノP
作曲:悪ノP
編曲:悪ノP
唄:KAITO
台詞:MEIKO

曲紹介

「秘薬(秘伝の薬)」とは
 ユフィーナ=マーロンカーチェス=クリムから代々受け継がれるマーロン王家の秘宝・グリムジエンド(黄金の鍵)の粉末とジズ・ティアマ(通称「青タコ」)の墨を、それぞれ同じ分量で水に溶かした混合液。秘伝の万能薬として(一時的に)機能するとともに、手順を誤ると黄金色の粉末特有の毒性が服用者を死に至らしめる危険を孕んでいる。ヨーゼフ(カルロス)の父王・カロン=マーロン曰く、「本来子供が飲んでいい薬ではないが、治療のために仕方なく飲ませている」とのこと。
+ あらすじ①
 病弱故に秘伝の万能薬を命綱としたうだつの上がらないコック・ヨーゼフことマーロン国の第三王子・カルロス=マーロンは、持病を口実に脅威と研鑽から逃げ続けた“負け”だった。脅威のうち一人には、降って湧いたような縁談話から関係が深まったものの、婚約の為のパーティで晩餐を終えた途端に筆舌にし難い奇行を曝けたコンチータ家の令嬢・バニカ=コンチータが含まれていた。
 婚約が破談になってから程なくして、カルロスは少しでもバニカに近づけたら、という思いから王室お抱えのコックに料理を教わる。趣味の範疇でしかない実力に留まったものの、それなりの技術を身につけることに成功した。

これはカルロスが立ち向かった数少ない研鑽であり、後に彼とバニカの人生を大きく揺るがすこととなる・・・
+ あらすじ②
 さらに時が流れ、カルロスはマーロンとライオネスの戦争に巻き込まれていたところを、赤猫の魔道師AB-CIR(エイビーシアー)にライオネス城(キャッスル・オブ・ヘッジホッグ)に投獄される。地下の牢屋で燻るしかなかった状況の中、彼はバニカが食べ過ぎによる内臓異常から復帰したことを皮切りに豹変したという噂を偶然聞き付ける。驚きのあまり大声で怒鳴ってしまったことで、奇跡的にAB-CIR(エイビーシアー)と交渉するチャンスを得た。
 やがてカルロスは、脱獄する条件としてコンチータ邸に潜入する覚悟を決める。その態度と料理の腕を見兼ねたAB-CIR(エイビーシアー)は、自らの誤解で手にかけてしまった流浪の料理人・ヨーゼフに(半永久的に)成り代わることをカルロスに提案した。カルロスは半信半疑のまま提案を飲み、AB-CIR(エイビーシアー)が持つ大罪の器“ヴェノム・ソード”の力でヨーゼフそっくりの新しい顔に整形した。
 ヨーゼフに成り済ましたカルロスは、悪食の悪魔・ウラドとの契約で歪んだバニカに初対面と見せかけて服従する。ゲテモノ料理を作り続ける日々は、調理にこだわりを持たないカルロスにとって大した問題ではなかった(ポロの悪戯とアルテの罵詈雑言などに過剰なストレスを感じると、時折常備薬で発作を抑えることはあった)。ある日の夜、カルロスはワインの銘柄「ブラッド・グレイヴ」の瓶一本で酔い潰れたバニカから夕食を断られた挙げ句、正体を暴かれる。自らを引き留めるバニカの瞳が感動の涙で一層潤み始める様子に、カルロスはいても立ってもいられなくなった。

婚約の破談から十三年ぶりの再会を果たした二人は再び仲睦まじい恋人同士に戻り、褥を共にしながら愛を語り合うのだった・・・
+ あらすじ③
 ところが、カルロスはある大惨事をきっかけにまたしてもバニカと向き合うことから逃げてしまう。コンチータ邸から脱出しようとしたところをポロとアルテに敢なく連れ戻された彼は、ついに精一杯の強がりから発した一言でバニカを失望させてしまった。
 幸か不幸か、カルロスは屋敷からの外出禁止を条件に咎めを免れた。厨房に戻ったカルロスは安堵も束の間、二つの小瓶に分かれた常備薬の材料が残り僅かであることに気づく。たとえバニカから逃げ切ったとしても、肝心の材料がさしものバニカでも入手困難である為、生存確率はあまりにも絶望的であろう。

 厨房で二つのうち一つの小瓶を見つめるカルロスは、如何様な覚悟を決めるのか・・・

曲名:『Drug Of Gold』(ドラッグ オブ ゴールド*1
  • 作者が手掛けた小説『悪ノ大罪 悪食娘コンチータ』と関連している楽曲。悪ノシリーズでは珍しく、小説独自の設定を曲に逆輸入している。
  • メジャー2ndアルバム『七つの罪と罰』への書き下ろし楽曲。
  • YouTubeにアートトラックとして公開。

歌詞

もしも 逃げなかったならば

病弱な身体 子供の頃から生死をさまよっては
家に伝わる秘薬を飲み続けた日常
必要な事もろくに出来ないただの役立たずだと
家族に疎まれ次第に歪んでた心
希望なんてどこにもなかった
ただ生き続けるだけの日々

15歳の時 唐突に組まれた縁談の話
相手は他国の落ちぶれた貴族の娘
お互いの意思など まるで無視のただ家柄のために
自分が道具だと改めて理解をした
豚のように太った少女*2
それが彼女との出会いだった

彼女もやはり一人ぼっちで
少女時代を過ごしたそうだ
母は亡くなり父は心を病んで*3
家は没落した
いつか世界中をしたい
それが彼女の夢だという
二人で行くのも悪くないなと思った

客人を招いて開かれた
婚約の為のパーティ
そこで彼女の心の闇を
知ることになった
出された料理を乞食のように
貪り食らう彼女
残したら怒られる
呟いていた言葉
亡き母から受けてた虐待
婚約は破談になった*4

時が経った時耳に届いた
彼女に関する噂
「ゲテモノを食らう悪食娘になった」

顔を変えてコックを装い
彼女に雇われた
そこにいたのは
見違えるほど美しくなった女
禁じられた悪魔との契約
彼女はもう人でなくなっていた

異常な料理を作り続ける日々
思わず口をついて出た言葉
そろそろお暇をもらえませんか?

失望する彼女
わかっている自分は
いつだって
逃げてばかりの負け犬だと
またこうして
彼女から逃げようとしてる

あのパーティの日に
君を受け入れることができたら
君を救う事も出来たかもしれない
未だに手放せぬ薬
金の粉末入りの小瓶
決意と共に握りしめた

子供の頃から
飲み続けてきた秘伝の薬
扱いを間違えれば毒にもなる薬
たまには共に食事をしましょう
そう彼女を誘い二人分のスープ
どちらにも毒を入れた
二人で逝くのも悪くないだろ?
さあこれが僕らの最後の晩餐だ

——そして今の僕は
食卓に並べられた料理の一つ

彼女に毒は効かなかった
死んだのは僕だけ
意識を失う直前
彼女はポツリとこう言ったんだ
あなたはまた逃げたのよ私を置いて

君のための料理になって
僕は君の胃の中へと
そして僕は君の血となり肉となる
もう僕が君から
逃げることはないだろう

永遠(とわ)に君と共に

コメント

  • 悲しいけど自業自得とはいえど、とにかくぐっとくる -- 名もなき人 (2024-03-06 19:55:23)
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最終更新:2024年03月29日 13:35

*1 曲名の大文字を揃えると・・・

*2 コンチータ邸で唯一、バエムの呪い(グーラ病)に罹らなかったバニカは、母親であるメグル・コンチータ(旧姓・グラスレッド)から苦手なキャロットを無理矢理口に押し付けられるなどの凄惨な虐待を受けていた。父親であるムズーリは当時、その様子を遠巻きに眺めながら自らの胃袋を満たし続けることしかできなかった。グーラ病に侵された母親から食事を苛烈に強制され続けた結果、バニカは次第に丸々と体を太らせ、他人に対して心を閉ざすようになってしまった。

*3 エルフェゴート国宰相の息女だったメグルは出会って間もないムズーリからすぐさま求婚されるほどに心優しく聡明だったが、グーラ病による強迫観念で徐々に心身を歪ませてしまった。呪いが解けるまで、あと二ヶ月となったある日、メグルは横たわっている侍従の死体の一つを目の当たりにし、「なんだ……まだ食べるもの、あるじゃない」と呟く。憔悴しきったメグルはコック長の不在を知るや否や、夫・ムズーリから剣を借り、死体を捌くことを考えついてしまったのだった。その様子に倫理の破綻を危惧したムズーリが剣の貸出を拒否すると、メグルは苛立ちに任せてムズーリの鞘に手を伸ばし始める。鬼気迫るメグルの腕力に必死に抵抗したムズーリはやむなく鞘から剣を抜き、娘・バニカの眼前でメグルに振り翳してしまった。二ヶ月後、ムズーリは十年間の闘病生活を経て侍従・ロンとともにグーラ病から辛くも生還。改めてバニカの成長を見届けるチャンスを得たが、今度は図らずもグーラ病を屋敷で蔓延させてしまった罪に対して自責の念を感じるあまり、心身共にやつれてしまった。

*4 バニカの奇行以降の詳しい経緯は小説版においても不明。カルロスの父王・カロンがバニカの病を疑い、マーロン王家への嫁入りを拒否した、又は取り乱したバニカの不祥事を女帝ジュノ・ベルゼニアが隠蔽したなど、推測の域を出ない。