その1
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homuhomu_tabetai
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ほむほむ職人の朝は早い。
――おはようございます。
「おはようございます」
職人の一日は、牧場内に放し飼いにされたほむほむ達の餌やりから始まる。これは彼らの健康チェックも兼ねている。
餌をやった後、一匹一匹、我が子のように愛情を込めてブラッシングをしていく。
「ホムム~」「ホムゥ」「ホミャァ」「ホミィ」「ホムム~ン」
――これだけの仕事を一人でこなすのは、大変じゃないんですか?
「まぁ好きではじめた仕事ですから」
その顔に、疲れは全く見えない。
■
一仕事終えた職人。普段ならこれで午前の作業は終了だ。
だが今日は、前々から考えていた新しい挑戦に挑むのだという。
職人は小高い山の頂上へと向かう。
――いよいよ、ですね。
「ええ。天候も風向きも文句なし、この子たちを放すにはうってつけでしょう」
そういって足元のケースを愛おしそうに見つめる。
リボほむs「「ホム! ホム! マドカァーーッ!」」バタバタ
ケースの中に所狭しと詰め込まれているのはほむほむ、それも血気盛んな若リボほむばかりである。
その数三百匹ばかり、職人が仔ほむの頃から丹精込めて育てあげた、彼の作品とでもいうべきものである。
――それにしてもどうして、この子たちを放してしまうのですか?
「始めは白まどをつがいに宛がって牧場の中で養殖していたのですが、どうしても天然物の質には劣ってしまって……
そこで辿り着いたのがリボほむの放流なんです」
自然界のリボほむは発情期に入ると、『渡り』を行い『白マドの楽園』と呼ばれる南方の島々へ飛んでいく。
何しろ天然の白まどはリボほむ以上の稀少種、身近の白まどはごく一部の美リボほむに独占されてしまうのだ。
『渡り』はそこからあぶれたリボほむ達が取った苦肉の策だと言われている。
今回のリボほむ放流も、そんな天然リボほむの生態にできるだけ近づけようという案なのである。
職人がケースの蓋を開ける。
「それーーっ!」
「「ホムーッ!! マドカァーーッ!! ホマァーーーッ!!! ホムンッ!!」」バサバサバサバサ
待ってましたとばかりに、一斉に羽ばたいていくリボほむ達。
「「ホムッ!!ホムッ!!マドカァ!!ホムンッ!!ホムーーッ!!」」ドドドドド
「すごい勢いでしょう」
――えぇ、こんなに血気盛んなリボほむは初めて見ました(笑)
「実は毎日餌の中にマドエキスを少しずつ混ぜておいたんです。
お陰ですっかり野生を取り戻したようです(笑)」
あっという間に、リボほむ達は皆巣立っていってしまった。
今はただ、遠くの空に小さく点々と後姿が見えるばかりである。
ホムーーーーー ホムーーーーー マドカァーーーーー バサッ バサッ バササッ…
ホムゥ… マドカァー… ァー… バサバサ…
ホ……………ァー………… バサ
………………
………
…
――行ってしまいましたね……
「えぇ……」
そう言う職人の顔はどこか寂しげに見えた。
■
こうして巣立ったリボほむ達だが、その道のりは前途多難だ。
彼らを待ち受ける第一の障害は『白マドの楽園』への行程である。
『白マドの楽園』は赤道直下に位置する南の島々――日本からの距離は数千キロにも及ぶ。
白まどへの執念に燃える若リボほむ達とはいえ、ねんどろサイズのこの小動物にとっては余りにも酷な距離である。
そして、このリボほむも今まさに体力の限界を迎えようとしていた――
リボほむ21「ホ…ホムゥ………ァ」フラフラ…ヨロッ
リボほむ32「ホ!? ホムホムッ!!」ナカマガ!!
リボほむ37「ホムホムンッ!!」イマタスケルゾ!!
ホムーーーッ!! ホムンッ!! バサッ!! バササッ!!
危機一髪――仲間の助けで一命を取り留めた。
群れを成して『渡り』を行う最大のメリットがこれである。
リボほむ32「ホムッ!!」ソッチヲモッテ!
リボほむ37「ホムムッ!!」リョウガワカラササエルゾ!!
リボほむ21「ホム……ホム……」アリガトウ… ポロポロ
が、仮に墜落は免れたとしても……
ジャバァッ!!!
???「ウェッヒィ~」
リボほむ21「ホムン?」
リボほむ32「ホッ……ホマァ!?」
リボほむ37「ホッ!?ホビェエエエエエエエエエエエエエッ!!!」チョロロ…
ごまどか「ホムラチャァ~~♪♪ ティヒヒ~~♪♪」マルノミ ガブリッ
「「「ホビャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」」」
ドボーーーーーンッ!!!!
「「「ホガガガガガガガ…ブクブクブクブク」」」
ごまどか「ホムラチャァ~~♪♪」ゲプ スイスイ~
ほむラッコ「マロカァ~~♪♪」クッチャクッチャ スイ~ッ
――海面に近づいてしまえば海生ほ食種の格好のカモである。
従って、ひとたび洋上に出れば新たな島を見つけるまで高高度飛行を続けざるを得ない。
日本を発ったリボほむ達の内、四分の三はこの過酷な行程で命を落とすと言われている……