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進化するほむほむ

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作者:IXR0cAeDO

359 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/07/26(木) 19:48:44.94 ID:IXR0cAeDO


やぁ。

今私の目の前には必死に石同士を打ち合わせるほむほむが2匹いる。
また、隣では必死に硬い木の枝を噛み続けているほむほむが4匹いる。

彼らは皆が兄弟だ。
一週間前にほ食種に襲われ、自らの両親と姉のまどまどを殺されて今まさに彼らも殺される時に私が助けてやったのだ。
彼らは命が助かった事に安堵していたが、親に守られるだけの無力さに悔やんでいるようだった。

そんな彼らに私は好感を覚え、ある提案をした。

「ほ食種に対抗できる力が欲しくないかい?」

そしてこれだ。
2匹の末っ子はひたすら石を打ち合わせ、
4匹の兄達が木をかじる。
ある道具を作るために、
一週間これだけをやらせている。

ずっと疑問だった。
ほむほむ達は木の実の殻を器に使用するが、他の道具を使う事は出来るのか。
縄文人の様に道具を作る事ができるのか。

それが今証明されようとしている。

ほむほむ6「ホムー」テガイタイヨ
ほむほむ5「ホムーホムムー」オニィチャンモ ガマンシテルヨ
ほむほむ6「・・・ホムッ」・・・ソウダネ

2匹の弟が音をあげる。
ひたすら尖った石の刃を握って打ち付けているのだ。
それは痛くて当然。人間だって音をあげるだろう。
しかし、彼らの瞳には口に怪我をしながらも必死に木をかじる兄達の姿が映る。
それを見ると彼らはまた痛みに堪えて作業に戻る。

そして兄達の方はというと、

ほむほむ2「ホ・・・ガァ・・・」ハガ ボドボド ダヨ
ほむほむ1「ボム・・・ゴムゴム」デモ オトウトタチモ ガンバッテルヨ
ほむほむ3「マドガァ・・・」オネェチャンノカタキモ ウタナイト・・・ ガジガジ
ほむほむ4「・・・」ガジガジ

枝を加工するために自分の歯を使っているので、歯も削れているのか喋り難そうだ。
しかし、彼らはひたすらに努力する。
隣で怪我をしてでも任務をまっとうする兄弟達の努力を無駄にしないために。



さらに3日後、材料は完成した。

「よくこの10日間頑張ったね。」

「ホムッ!」「ホグッ!!」「ホメェ!!」

それぞれが凛々しい顔で私を見る。
その顔は達成感に満ちあふれているようだった。

「皆怪我をしてるだろう。治療してあげるよ。」

そして5日間の治療を行うと彼らの傷は治った。
ほむほむ達の再生力にはさすがと言わざるをえない。
彼らに傷痕は残ってしまったが、その傷を勲章だと言っていた。

「さて、じゃあ君達にこの道具の作り方を教えよう。」
「その前に誰かから髪の毛を切らせて欲しいんだけど、いいかい?」

この要求には全員が立候補した。
本人曰く、親の敵を討つための願掛けらしい。
そして私は彼らの作った石のナイフで全員の髪を切ってやる事にした。
これは私なりの敬意だ。
余談だが、ショートヘアのほむほむも悪くはないものだな。

「さて、じゃあまずお兄さん達が作った棒の上に石を置いて、そしたらそれを君達の髪の毛で縛り上げるんだ。」

そして出来上がったのは石斧だ。

ほむほむ2「ホムッ・・・」コレガ・・・
ほむほむ3「ホムムー」ワタシタチノ ブキ
ほむほむ1「ホムッ!!」コンドハ ワタシタチガ・・・
ほむほむ4「ホムッ!」カタキヲウツ
ほむほむ5「・・・」 ギュッ
ほむほむ6「マドカァ・・・」オネェチャン・・・

「さぁ、これを武器にさやさや達へ復讐してやれ。」

これから彼らは自然に帰す。
その前に一つ褒美をあげよう。

「最後に作戦も教えてやるよ。いいか・・・・・・



―5日後―

(ほむほむ1視点)

「・・・ホムッ」

わたしはいま森の茂みに隠れている。
わたしの視線の先には愛しい末っ子達がいる。
この場所はわすれない。
お母さんが守ってくれた場所。
あの人間にあった場所。
あの人間があの時にさやさや達を追い払うだけにしてくれたのを、わたしは感謝している。
わたしたちはこの復讐を足掛かりに、出来うるかぎりのほ食種を殺してやるんだ。

・・・・・・来たようだ。



「サヤッ」ホムホムダ!
「アンアン!!」ヨシ、ツカマエヨウゼ

あいつらは奴ら(さやさや達)の子供のようだ。
という事は奴らは今はいないのか。残念だ。

ほむほむ5「ホ、ホビャアアアアアアアアア」ペタン
ほむほむ6「ホ、ホビェェェェェェ」ガクガク

あいつら、ビビって腰を落としたか。
仕方ない・・・。

「サヤッ!!」ラクショウダネ
「アンアン!!」イタダキマス

二匹が弟達に近づく・・・
今だ!

ほむほむ1「ホムッ!!」カカレ!

私が叫んだ瞬間、茂みから4匹のほむほむが飛び出し、斧を振り上げる。

「サ、サヤッ!?」ナニッ!?
「アン?」エッ?

グシャッ

突然現れた私をボーッと見ていたあんあんの脳天が割れる。
私の斧が彼女を一刀両断したのだ。
さやさやの方は・・・外したか。

「サ、サヤァ・・・」ナ・・・・
「キョウコォォォォォォォォォォォォ!!」アンアンンンン!

さやさやはボーッとあんあんの死骸を見て、状況を理解した時にあんあんへと駆け寄る。

「サヤァ!!サヤァ!!」オキテ!!オキテヨ!! ユサユサ
「・・・」 ダラー

さやさやは泣きながらあんあんの死骸を揺らす。
さやさやはこっちに意識を向ける様子がない。

そんな様子を見ると罪悪感を感じてしまう。

ごめん。今すぐあっちに送ってあげるよ。
弟達も同じ気持ちなのだろう。
次男はさやさやの脳天に斧を振り下ろす。

グシャッ

さやさや「・・・」・・・・・・ドサッ


痛みは一瞬だったのだろう。
断末魔もあげずに一瞬で死んだ。
この後、わたしたちは彼らの巣に向かい、寝ている老さやあんに同じ事をした。
老い先も短い彼らは子供を失った事に気づかずに逝った。
まだ幸せな逝き方だったろう。
わたしたちは彼らの肉で晩餐をした。
いくら親の敵でもその死を粗末にしてはいけない。

復讐からは何も得られないのは知っていた。
だがわたしたちは、やらなくては気がすまなかったのだ。

もう復讐はやめよう。
この道具は別の巣に物を切る道具として広めよう。
この道具も上手く使えば肉を集めるのにも使えるはずだ。

この後に6匹の兄弟はそれぞれ別々に旅をし、自分の着いた巣に道具を広めた。
こうして、ほむほむ達の間にも道具の文明が生まれた。
この道具を広めたほむほむ達は巣の仲間から英雄として崇められた。
そして英雄が没した後に、過ぎた力を持ち、驕ったほむほむの一部はほかのほ食種へ戦争をしかける。
持てる武器を全て装備した一世一代の特攻だ。
彼らは周囲のさやさや達を倒す事までは成功したが、
彼らの軍は全滅した。
進化をしなかったほむほむ達はまみまみの銃を看破できなかったのだ。

そしてほむほむ達は再び文明を失う。
次に文明を手にとるのはいつになるだろうか。




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