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その3

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「ふぁあ~あ…」

目が覚めて時計に目をやると時刻は9時になっていた。今日は仕事がないので目覚ましをかけなかったからな…。
とりあえず朝食にするべくリビングへと向かう。


親ほむ「ホムホム…」 エッグ エッグ…
親まど「ホムラチャン…」 シクシク…
仔ほむ3「ホミュウ…」 ヒック ヒック…
仔まど「ミャドォ…」 グスグス…
仔めが「ホミィ…」 エグエグ…

仔ほむ2「ホ…ホ…」 ピクッピクッ…

…すっかり忘れていた。リビングに入った私を迎えたのはケージの中で膝を抱えて泣いているほむまど達であった。
どうやら仔ほむを助けることは出来なかったようだ。昨日と同じ磔の串刺し状態のままであり、仔ほむは虫の息を通り越して痙攣するだけであった。というよりまだ生きていたとは驚きだ…。

まぁとにかく朝食にしよう。すぐ昼になるだろうしトーストだけでいいだろう。パンに薄くバターを塗ってハムとスライスチーズをのせてトースターで数分焼いたらハイ、出来上がり。

うーむ。サクサクに焼けたパンにバターのほのかな甘み。ハムの旨みと何よりもトロトロに溶けたチーズがたまらないな…。実にお手軽だが私の好物の一つでもある。トマトケチャップをかけると更に美味い。

ほむまど一家…… ジー……

と、私がトーストを齧っていると何やら視線を感じる。ケージの方に目をやると案の定ほむまど達の視線が私…、ではなく正確に言えば私の手に持ったトーストに注がれていた。…まったくつい先程まで泣いていたくせに卑しい奴らだ。ほむまどらしいといえばらしいのだが。私はトーストを持ちながらケージに近寄った。

「食べたいか?」

ほむまど一家!! コクコク!!

もの凄い勢いで首を縦に振るほむまど達。だがそんな素直に与えるはずがない。このまま目の前で完食してやろう。
…いや待てよ。いい事を思いついた。

「そうだなー。1匹を朝食にしてあげよう。」

親まど「マドン!?」 ソンナ!?
親ほむ「ホムホムホムン!!」 ケチケチスルナ!!
仔ほむ3「ホミャアーー!」 オナカチュイタヨー!
仔まど「ミャロォ! ミャロォ!」 ゴハン! ゴハンー! ジタバタ!!
仔めが「ホミュウ…」 グー…

私の言葉に抗議する一家。一晩経ったらもう昨日味わった恐怖も忘れてしまったか?まぁいい、すぐに思い出す事になるだろうさ…。

「不満があるならいいんだ。ただし次の機会がいつ訪れるかは知らないがね。」

親ほむ「ホムム…」 グヌヌ…
親まど「マドォ…!」 ウー…!

悔しそうな顔で黙り込むほむまど達。どうやら従うしかないと諦めたようだ。

「で、誰にするのかな?」

仔ほむ3「ホミュン! ホミュ…ミュッ!?」 ハーイ! ワタ…グエッ!?
仔めが「ホミャア! ホミャ…ミャッ!?」 ワタチ! ワタ…ガッ!?


仔まど「ミャロォ! ミャロォ!」 ワタチ!ワタチ! ピョン ピョン!!

小さな体を跳ねさせて自らをアピールする仔供達。親達は流石に仔供を出し抜いてまで食べようとはせず沈黙をしていた。
すると仔ほむと仔めがの背中を仔まどが思い切り突き飛ばした。2匹はたまらず転んでしまったが仔めがはそんな2匹には目もくれず自身をアピールし続けている。…君に決まりだ。君こそ相応しい。

「なら仔まどに決定だ。他はそこで待っているんだな。」

仔まど「ミャド~♪」 ヤッタ~♪
仔ほむ3「ホ、ホミィ…」 ソ、ソンナァ…
仔めが「カニャメシャン…」 ジュルイヨォ…

大喜びの仔まどとは対称的に涙目の仔ほむと仔めが。仲の良い姉妹だったらしいがたった一晩でこの有様とはな。一部では『まどまどはほむほむ以下』という意見もあると聞いたがそれを実感させられたよ…。

何にせよ約束は守ってやらないとな。私は仔まどを手に乗せて台所へと向かう。仔まどは暢気に家族に向けて手など振っているが仔ほむと仔めがはその様子を恨めしげに見つめていた。そんな2匹を慰めるかのようにほむほむとまどまどは仔供達が転んだ際にぶつけたと思わしき傷を舐めてやっていた。


仔まどを連れて台所に来ると私は早速準備に取り掛かった。といっても準備する物はさっきと殆ど同じである。パンにチーズに野菜類…、それとほむスキンだ。

仔まど「~~♪」

仔まどに目を向けるとテーブルの上でくつろいでいた。鼻歌など歌って上機嫌である。
…既に姉妹の1匹が死んでおり、もう1匹は瀕死の状態。更にお腹を空かせた姉妹や親達がいるというのに一体どういう神経をしているんだ…。私ならとても食事などする気分にはなれないな…。

「少し味見をしてくれないか?」

仔まど「マドマド!」 モチロンイイヨ! ピョン!

私の言葉に飛びついた仔まどは差し出した掌に無防備に乗り移った。

仔まど「マドマド♪ マ…? ……~~~~~~~~~ッ!!!」 ハヤク♪ ハヤ…? ……~~~~~~~~~~ッ!!? ジタバタ

そんな仔まどに対し私は素早く仔まどの口に用意したほむスキンを貼り付けた。突然の事に声を出そうとしているがもう遅い。ほむスキンの粘着力は非常に強く、剥がそうとするならば専用の剥がし液を使うか皮膚ごと剥がすしかないだろう。もっとも、仔まどにはそのどちらも出来ないだろうが。

口に貼り付いたほむスキンを剥がそうとする仔まどを私はまな板の上に乗せた。そこでも必死に剥がそうとしているのだが私の取り出した包丁を見た瞬間に仔まどは声にならない声を上げた。

仔まど「……ッ!!! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!」

仔まどを軽く抑えて包丁の切っ先をその肩の上に当てる。仔まどは涙を流しながら何かを叫ぼうとしているようだが声は出ない。私は包丁を引いた。

仔まど「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

顔から一気に汗が噴出し、思い切り目を見開いているが相変わらず声は聞こえない。私はもう片方の腕も同じ様に処理をした。
逃げられない様によく達磨にする人がいるのだが、そのためだけなら足を切り落とす必要は特にない。両手が使えない状態で立ち上がるのは結構難しいのだ。それが短足で頭の大きいほむ種ならば尚更困難だろう…。

仔まど「………………………ッ!!!!!」 ポロポロ

両腕を切り落とした仔まどを仰向けにして食パンの中心に乗せる。表面に血の色が広がるが問題はない。仔まどの上からケチャップを塗りたくった。足をバタつかせているが思ったとおり起き上がることは出来ないようだ。続けてピーマンや玉ねぎといった野菜を仔まどの周囲にトッピングする。更にその上からトーストの表面を覆うようにスライスチーズを乗せれば準備は万端、そのままトースターにIN!

トースターの中を覗くと温度が高まり次第に赤くなってきた。チーズの表面が軽く溶け始め、チーズ独特の香りが漂ってくる。すると真ん中辺りのチーズがグニャグニャと動いている。…どうやら仔まどが熱さに耐えきれずもがいているようだった。しかし無駄である。きっと溶けたチーズが仔まどに絡みついて、焼け爛れた皮膚と一体化するだけだろう…。

…あ、何か良い匂いになってきた。




…5分後。

トースターから取り出すといい感じに焼けていた。きつね色に焼けたパン、トローリ溶けたチーズ、そして仔まどの焼けたジューシーな匂い…。思わず齧りつきたくなるが残念な事に食べるのは私ではない。



リビングに行くとほむまど達は何をする訳でもなくケージの中でじっとしていた。私はそんな一家に今出来たばかりの料理を差し出した。

「ほら、食べたまえ。」

ほむまど一家!!

トーストを見た瞬間に一家は目を輝かせた。そしてすぐに食いつこうとするが私はそれを制止した。

「待て、食べやすいように半分に切り分けてやろう。」

私の言葉に動きを止めるほむまど達。また何か文句を言うかと思ったがトーストに集中してしているようで何も言わなかった。私はトーストを真っ二つに切り分けた。…そう、真っ二つに…。

切り分けが済むと一家はすぐさま齧りつき始めた。

親ほむ「ホムホムwww」 ウマウマwww
仔ほむ3「ホミュ~ン♪」 ノビルヨ~♪ チーズ トロー
仔めが「ホミィ…///」 オイチィ…///
親まど「ハシャイジャッテwww」 ケッコウイケルネwww

どうやら評判のようだ。フフ、存分に味わってくれたまえよ…。

ほむ種にすればトースト1枚でもかなりの大きさのはずだがあっという間に半分食べ終えてしまい、残りの半分にすでに取り掛かっている状態だ。ほむまど達の腹は妊婦の様に膨れ上がっているが、それでも食べることをやめようとはしない。内側からの圧力に強いほむほむならまだ納得できるがまどまどは一体どうなっているのか…。
…もっともこの場合はたらふく食べてくれた方が後で面白いだろうがな。

などと考えている間にパンの耳も食べ終えたらしく、残すはチーズがたっぷり乗った部分だけとなっていた。一番美味しい部分だ。

仔めが「ホミュホミュ!」 ハヤイモノガチ!
仔ほむ3「ホミュー!」 ジュルーイ!

仔めががチーズの山の部分に飛びついた。出遅れた仔ほむが悔しがっているのを尻目に思い切り口を開けて齧りつく。
すると表面のチーズがはがれてその中身を一家の前に晒した。


仔めが「ホミュホミュ♪ …ホ? ……ホ、ホ、ホ、ホミャアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!」 アムアム♪ …ウン? ……ア、ア、ア、アギャアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!
親ほむ「ホムン!? ホム… ホ、ホ、ホ、ホビャアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!」 コドモ!? ドウシ… ウ、ウ、ウ、ウワアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!

親まど「マギャアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!」 イヤアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!
仔ほむ3「ホミャアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!」 ウギャアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!


仔まど「…………、……ミャ…」

チーズの中から文字通り仔まどが顔を覗かせている。顔の皮膚はチーズと一緒に剥がれてしまったのだろう。顔の筋肉がモロに見えてグロテスク極まりない。皮膚と一緒にほむスキンも剥がれた様だが喋る気力はもうないようだ。

「ほらほら、どうしたんだ?遠慮せずに食べたまえ。」

食べるように促すがほむまど達は腰を床に付けたまま震えるばかりである。私は更に言葉を続ける。

「どうしたんだ?ついさっきまで美味しそうに食べていたじゃないか。」

親ほむ「ホ、ホ、ホムム…」 マ、マ、マサカ…

震えながら尋ねるほむほむ。私は即答した。



「何を今更。そのまん丸に膨れた腹には仔まどの下半身が入っているんだぞ?」



親ほむ「ホ、ホゲェエエエエエエエエエッ!!!!」
親まど「マゲェエエエエエエエエエッ!!!!」
仔ほむ3「ホミャオェエエエエエエエエエッ!!!!」
仔めが「」 シッシン

するとほむまど達は一斉に(1匹を除くが)リバースした。ケージの中を吐しゃ物が広がり、更にほむまど自身をも汚した。しかしそれでもほむまど達は吐くのをやめなかった。




親ほむ「ホムゥ…、ホムゥ…」 ハァ… ハァ… ポロポロ

食べた物全て吐き出したのかほむほむ達は息を整え始めた。お腹も普通の状態に戻っている。しかし涙だけは流れ続けていた。

「あーあ何をするんだ、勿体ないじゃないか。」

親ほむ「ホムッ…!」 キッ…!

私の言葉に睨みつけてくるほむまど達。そして私を猛烈に非難し始めた。

親ほむ「ホムン! ホムン!」 ウソツキ! ウソツキ! ポロポロ
親まど「マドマドマドマドマドォ!!」 コマドチャンニゴハンアゲルッテイッタノニ!! ポロポロ

「失礼だな。私は嘘なんてついていないぞ?」

仔ほむ3「ホミュウウウウウウゥゥ!!!!」 オオウソチュキィイイイ!!!! ポロポロ


そう、私は嘘なんかついていない。私はあの時こう言ったのだ。

「私は1匹を   朝   食   に   し   て   あ   げ   よ   う   。こう言ったはずなのだがな。そしたら仔まどが自分を朝食にしてくれとアピールしてきたからお望み通りにしてあげたんだ。いやはや、まったくなんて家族思い(棒)の仔まどちゃんなんだ。自分の命を差し出してまで家族を食べさせてやるだなんて普通は出来ることじゃない。なのにお前達はそれを全部吐いてしまうんなんて悪いとは思わないのか?…あぁそうだ、昨日みたいにコネコネして仔まどを元の姿に戻してやったらどうだ?幸い上半身はまだあることだしな。もっとも、あの嘔吐物の山から噛み砕かれた下半身を掻き集めるのは大変だろうがな。」

私の言葉に3匹はまた吐き始めた。しかし胃はすでに空らしく吐く物といえば胃液だけだ。それとコネコネ(笑)するならそこで失神している仔めがの腹の中の物も出さなきゃ駄目だと思うぞ。

親ほむ「ホムホムゥウ……」 ポロポロ…
親まど「マドマドォオ…」 ポロポロ…
仔ほむ3「ホミュウゥ…」 ポロポロ…


胃液と涙を流し続ける一家を尻目に私はソファーに腰掛けテレビの電源を入れた。暫くはニュースでも見てゆっくりするとしよう…。


午後8時。夕食を食べ終え風呂から上がった私は一家の入ったケージを覗いた。

親ほむ「ホムホム…」 シクシク…
親まど「マドマド…」 ポロポロ…
仔ほむ3「ホミュ…」 グスグス…
仔めが「ホミィ…」 エグエグ…

4匹は身を寄せ合って泣いていた。ちなみに餌は朝以来与えてはいない。まだトーストの半分が残っているからな。トーストといえば上半身だけの仔まどはどうなったかな?それに串刺しにした仔ほむもまだ生きているのだろうか…。
流石に死んでいるだろうか?しかし奴らの生命力は並大抵ではないからな…。頭だけ残しておけばいずれ再生しそうな気がする。某宇宙人や人造人間みたいに。とりあえず生死の確認は後で行うとして今は他にやることがある。


実は私はペットを飼っている。といっても犬猫の類ではない。かといってほむ種などを飼うほど私は物好きではない。…まぁ、とにかく今からそのペットに餌を与えなければならないのだ。

その餌とは言うまでもない、あそこで泣いているほむまど達だ。…残りは成体と仔体が2匹ずつか。よしここは可愛いペットの為だ。気前良くいくとしよう。

親ほむ「ホムホム… ホッ?ホムー!!」 シクシク… ナッ!? ハナセー!! ジタバタ
仔ほむ3「ホミューン!!」 オカーターン! ピョンピョン
仔めが「ホミィイ…!? ミャッ!!」 オカー…!? ヒッ!!
親まど「ホムラチャーン!!」 コメガチャーン!!

私は取り出したほむほむと仔めがを別々の瓶に入れ蓋を閉めた。

親ほむ「ホムホムホムー!」 ココカラダセー!! コンコン!!
仔めが「カニャメサーン!!」 タチュケテー!! コンコン!!

小瓶の中から叩き続けるほむほむ達。慌てなくともすぐに出られるさ、…すぐにな。

私はまずケージを水槽のすぐ隣に置いた。勿論まどまど達にこれから起こる事を良く見てもらう為だ。
ペットの入った水槽に小瓶ごとほむほむ達をを水中に放り込んだ。突然水中に入れられた瓶の中のほむほむ達は不安そうな顔をしている。それを見つめているまどまど達も同様だ。
水槽の中には砂が敷き詰められており壷がおいてある。しばらくするとその壷の中から生き物が飛び出してきた。それを見た瞬間ほむほむ達は絶叫した。

親ほむ「ホ!?ホ、ホビャアアアアアアァァァ-----!!!」 ヒッ!? バ、バケモノォオオオオオオォォォーーーーー!!! ガタガタ
仔めが「ホミャアアアアアアアアァァァァァーーーーーーー!!!」 ナニコレェエエエエエエエエーーーーーーー!!! オシッコ ジョワジョワジョワーーーーー!!

壷の中から飛び出してきたのは足を8本持つ生物…、そう蛸である。大きさは頭のてっぺんから触手の先まで計ると30cmは超えているだろう。私が愛情を込めて育てた自慢のペットだ。
生まれて初めて見る蛸にほむほむ達は体を震わせている。…仔めがはまた漏らしたのか。まぁ無理もないだろうな、ほむほむ達が蛸を間近で見る機会など普通はないだろうし。

と、蛸がほむほむ達に気がついたようだ。水中を素早く移動しその8本の触手でほむほむの入った瓶を包み込んだ。

親ほむ「ホギャアアアアアアアアアァァァァァァァァーーーーー-----ッ!!!!!!!!!!!!!!」 コシヌカシ

瓶の中のほむほむは腰を抜かし叫び続けている。そんなほむほむの事などお構いなしに蛸は触手を使って瓶の蓋を開け始めた。そんな蛸の意図を察したのだろう、ほむほむは抜けた腰で必死に後ずさっている。そんな狭い空間のどこに逃げようというのか。

そうこう言っている間に蛸は瓶の蓋を開けてしまった。瓶の中に水が流れ込んでくる。

親ほむ「ホビャアア…ガビャビュグガビャビュビビュグガビュ……!!」

あっという間に瓶の中は水で満たされた。当然ほむほむは息ができずもがいている。そんなほむほむを蛸の触手が絡めとり、瓶の中から引きずり出した。

親ほむ「ホビュガビャブ…!! ビャ、ビャビョギャ…………!!!!」

仔めが「カニャメシャーーーーーーーーンッ!!!」 ヤメテェエエエエエエエエエーーーーーーーッ!! コンコンコンコン!!
親まど「ホムラチャアアアアアーーーーーーーーーーンッ!!」 ホムホムーーーーーーーーーーンッ!! バンバンバンバン!!
仔ほむ3「ホミャアアアアァァァァァーーーーーーーーッ!!」 オカーターーーーーーーーンッ!! バンバンバンバン!!

蛸に捕まったほむほむを見たまどまど達はケージの壁を必死で叩き続けている。叩いた所でどうにかなるものでもないだろうがそれは別に構わない。その無駄にあがいてくれればくれるほど私を愉快にさせてくれるのだから…。

そして蛸は瓶にしたようにほむほむを包み込むと…、

親ほむ「ホビュビャビュガ……!!!」


喰らい始めた。


親まど「マドマドマドォオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」 ポロポロ
仔ほむ3「ホンミュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」 ポロポロ
仔めが「ホミャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」 ガタガタ


親ほむ「ガ…ビャギャ !ビュゴ……ビョギュ……!! ビュビャ…ビュガビョギ…ビュゲビョギャガビョギュビュガビュゴビュギュッ……!!」

水槽から何とも形容しがたい音が聞こえてくる。息の出来ない苦しみ、体を咀嚼される痛み、死への恐怖…。きっとそれら全てが含まれているのだろう。
ほむほむは今どの様な表情をしているのだろう?触手に隠れてしまい食べられている姿は殆ど見えない。それだけが残念だ。


…数分後、蛸が動き出した跡にほむほむの姿はなかった。ただほむほむのモノであっただろうほんの小さな肉片が浮いているだけであった。


仔めが「ホ、ホ、ホ、ホミャアアアアアアァァァッ!!!!」

蛸が再び動き始めると仔めがは絶叫した。それはそうだろう、親が目の前で食い尽くされてしまったのだから無理もない。
そして仔めがはほむほむと同じ状況下に置かれている…。ということは仔めがの辿る道はただ一つ。

先程の様に蛸が仔めがの入った瓶を包み込んだ。どうやらまだまだ食べたりない様だ。

仔めが「カニャメシャン! カニャメシャン! ホミャアアアアアァァァッ!!!」 オカータン! オカータン! タチュケテェエエエエエェェェッ!!! コンコン!!

触手の隙間から仔めがの姿が見えた。瓶を必死に叩いて助けを求めている。もはや小便を漏らそうがほむパンを汚そうがお構い無しだ。

これだ。何故わざわざ2匹を別々の瓶に入れたかといえばこれが見たかったのだ。至近距離で片方が食われる姿を見せ付ける事によりこれから自身にも起こるであろう恐怖を高めてやりたかったのだ。
更に言えば蛸が食べる順番も効果的であった。自分を守ってくれるはずの存在の親が成すすべもなく食べられる…。仔供は一体どんな気持ちなのだろう?さぁ、この世で最後の悪あがきだ。もっともっと見せてくれ!蛸が蓋を開けてしまう前に。

仔めが「カニャメシャン! ホミャアァッ! ホミュウゥゥーーーーッ!!!! 」 オカータン! オネータン! タチュケテヨォオオーーーーッ!!!! ポロポロ

親まど「ホミュラチャン! ホミュラチャーーーーンッ!!!」 コメガチャン! コメガチャーーーーンッ!!! バンバンバン!!
仔ほむ3「ホミャアッ!! ホンミャアァァーーーンッ!!!」 イモウチョ! イモウチョーーーッ!!! バンバンバン!!

まどまども仔ほむも繰り返し壁を叩き続けるだけだ。泣いて助けを求める家族を目の前に何も出来ないでいる。これで一体何度目なのだろうか?彼らが自分自身の非力さを思い知るのは…。

仔めが「ホミャア! ホミュウ! ホミィイッ! ホンミャアアーーー!!」 ヤダヨ! コワイヨ! チニタクナイヨ! タチュケテヨォーーーッ!! ポロポロ

助けを求め続ける仔めが。しかしその時は訪れてしまった。蓋がゆっくりと回って…、外れた。

仔めが「ホミャアアアアァァァ!!! ホミュガビュ…ビャビュ…ゴビュガビャ……!!」 イヤダァアアアア!!! タチュ…ガボゴボブクブク……!!!

水で満たされた瓶に蛸が触手を入れ仔めがを捕まえる…。先程と同じ光景だ。そして仔めがが触手で包み込まれた。

親まど「マドオオオオオオォォォォォォッ!!!!」 イヤアアアアアアァァァァァァッ!!!! ポロポロ
仔ほむ3「ホンミュウウウゥゥイッ!!!!」 イモウチョォオオオオッ!!!! ポロポロ


仔めが「カ゛ヒ゛ャ゛ヘ゛ヒ゛ャ゛…………!! ガビュ…!ベビャゴビュ…ビビャビュベビョ…ビュビャゴ…ビュ…ビベビャビュビャ……!!」




―――――――――
――――――
―――




翌日になり私は外を歩いている。といっても散歩ではない、いうなれば尾行といった所か。尾行の対象は前方4mにいるまどまどと仔ほむだ。
まどまどは穴だらけの仔ほむを背負い、仔ほむは上半身のみの仔まどを背負っている。そう、驚くべきことにあの2匹は生きていたのだ。

私は今朝あの4匹を解放してやった。突然の解放に訝しんでいた様だが外でケージから出すと重症の仔供を背負い(ちなみに針は全部抜いた)歩き出した。恐らく巣に戻るのだろう。私の目的はその巣の場所である。巣に戻ったところで完全にあの一家を殲滅する。

それならあのまま始末しても同じじゃないかって?違う、大きく違う。私は持ち上げて落とすタイプなのだ。Sなのだ。
奴等は巣に戻った時点で初めて安心するだろう。唯一安堵できる場所で絶望的な最後を迎える…。想像するだけでもゾクゾクする。

…それにしてもこんな短い距離なのに全く気付く様子がない。精神的に参っているのか、重傷の仔供を抱えているため余裕が無いのか…。まぁその両方かもしれないが、一度後ろを振り向けばすぐに分かるというのにやはり危機管理能力というものが足りなすぎる。

…そして5分後。家からわずか20mの場所にそれはあった。そこは高さが50cm程の草が茂っており、その中に土で作ったと思わしき巣が隠されていた。
大きさは60cmくらいで高さが20cmくらいだろうか…。ほむ種が住むにしては問題ない大きさだろう。まどまど達は入り口と思わしき穴へと消えていった。

この程度の巣なら簡単に壊せるだろう。上から飛び乗るだけで中のまどまど達はペシャンコだ。しかしそれではあまりに芸がない。私は最後の仕上げを行う準備のために巣を後にした。





親まど「マドォ…」 フゥ…

巣に戻ったまどまどはようやく安堵の息を吐いた。たった2日しか経っていないのに随分と長い間留守にしていた気がする。

仔ほむと仔まどはベットで寝かせている。かろうじて息があるとはいえあの仔達は重症だ。早く治療(ペロペロ)をしてあげなければ…。仔ほむの目は見えるようになるだろうか?仔まどは…?

仔ほむ3「ミャロカァ…」 オカータン…
親まど「マドマド…」ダイジョウブ…

唯一無事な仔が不安げに見つめてくる。きっと姉妹の事が心配なのだろう。まどまどは安心させるように頭を撫でると治療(ペロペロ)をするべく仔まど達の元へと向かった。


親まど「…マド」 ゴシゴシ
仔ほむ3「ホミィ…」 ZZZ…

仮眠をしていたまどまどは目を覚ました。眠っていたのは1時間くらいだろうか…。隣では仔ほむがまだ寝息を立てている。
仔まど達の様子を見るべく、まどまどは仔ほむを起こさないように注意してベットから出た。仔まど達の容態は治療(ペロペロ)の甲斐もあって多少だが安定した。根気良く続ければいつかは元気になるかもしれない。


ガタンッ

親まど「マド?」

突如仔まど達が寝ている部屋から音がした。まさかもう目を覚ましたのだろうか?いくらなんでも早すぎる…。
急いで様子を伺いに行くまどまど。しかしそこで見たものは…。

さやさや「テンコーセイ…!」 ニヤリ…!
あんあん「クーカイ…!」 ニマァ…!

仔ほむ2「」
仔まど「」

親まど「マ、マギャアアアアアアアアアァァァァァァーーーーーー!!!!!!」

部屋の中にはほむまどの天敵、さやさやとあんあんがいた。何故この2匹がここにいるのかなど考えもしなかった。ただそれぞれの手に持っている血に濡れた武器を見た瞬間にまどまどは悲鳴を上げながら逃げ出した。


仔ほむ3「ホミュウ…? ミャドカァ…?」 ウーン…? オカータン…?
親まど「ホムラチャアアアァァン!! マドマドォオオ!!」 コホムチャアアアァァン!! ニゲテェエエ!!

さやさや「サヤーー!!」
あんあん「アーーン!!」



ザシュウ!! ズバァッ!! グサァッ!! バキャアッ!! ブシュウウウウッ!! グチャアアァッ!! ゴキィッ!! ザクゥッ!!








マギャアアアアアァァァァッ!!! ホミャアアアアアァァァァッ!!! ホムラチャアアアギャアアアアアアッ!!! ミャロギャアアアアアアッ!!! マギィイイイイイイイイイッ!!!


巣の外にいてもまどまど達の断末魔が聞こえてくる。中に放り込んださやさや達はちゃんと仕事をしてくれているらしい。
私は立ち上がると家に向かって歩き出す。今度こそ奴等とはお別れだ…。永久に会う事はないだろう。

私はほむまど、というよりあの一家が許せなかった。食べ物の恨みもあるが自分達の家族を大切にするあまり周りへの迷惑を考えていない自己中心的な立ち振る舞いが何より気に食わなかった。
事実、奴等はついに一度も『ごめんなさい』と言わなかった。最初に詰問したときに謝っていればすぐに解放してやったというのにあの一家は逆に私を非難した。その時一家の未来はきまったのだ…。

ほむまどは仲間意識が高いという。という事は殆どのほむまどがそうなのだろうか?だから仲間を大事にするあまり周囲への配慮が欠けているから身勝手な生き物に見られ嫌われているのだろうか…。

もっともあの家族は例外かもしれない。仔まどは自分の事しか考えていなかったし、他の家族も死にかけの家族を目の前にして平気で食事をしていたしな…。


…やめた。考えていたって答えなど出る訳がない。それより残り半日の休暇をどう有意義に使うかの方が大切だ。明日からまた忙しくなるのだから。







        ……ミャギャアアアアァァァァ!! ……ホミャアアアアァァァァ!!


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