有益な理由 | 例 |
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高い動機づけは、学習プロセスや結果に対する生徒の注意を高める。 | 自分のフィードバックを十分に探知できる生徒は、より効果的に学習する傾向がある。 |
高い動機づけは、生徒の課題選択を向上させる。 | 外国語学習に打ち込んでいる生徒は、自由時間にも練習しようとする課題を選択する傾向をもつ。 |
高い動機づけは、生徒が困難な課題を学習しようとする努力をも増加させる。 | 学級でトップの成績をとろうとする生徒は、それほど高い望みをもたないクラスメートと比較して、学業により励む。 |
高い動機づけは、複雑なスキルの習得などの時間がかかる課題に粘り強く取り組む傾向も高める。 | ピアノ協奏曲のむずかしい一節が弾けるまで練習を続ける生徒は、2、3回練習するだけの生徒に比べて成功する傾向が高い。 |
主要原則1 | 生徒は、自分に期待されていることをやりきる十分な能力があると感じているとき、いっそう動機づけられる |
主要原則2 | 生徒は、行動と達成の間に安定した関連があると認識するとき、学習に対していっそう強く動機づけられる |
主要原則3 | 生徒は、教科に価値を見出し、明確な目的意識を持つとき、学習に対していっそう強く動機づけられる |
主要原則4 | 生徒は、学習活動に肯定的な感情を経験するとき、学習に対していっそう強く動機づけられる |
主要原則5 | 生徒は、否定的な感情を経験するとき、学習から関心をそらす |
主要原則6 | 生徒は、感情の強さ、長さ、そしてその表出に影響を与えることができるとき、学習に対する認知的リソースを自在に扱うようになる |
主要原則7 | 生徒は、リソースを使いこなし障壁にうまく対処することができるとき、学習にがんばって取り組むようになる |
主要原則8 | 生徒は、環境が学習に望ましいと認識するとき、動機規律方略(動機づけをコントロールする戦略)を用い、学習に対していっそう強く動機づけられる |
注目する観点 | 内容 |
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目標志向性 | 現在の自分の能力の肯定的な評価を得ることで、否定的評価を回避することを目的とする(これを「遂行目標志向性」という。)よりも、「頭の良さは変わる(知能は可変的である)」という信念(*4)に基づき、自分の能力を高めることで、肯定的な自己評価を得る目的を持つ(これを「学習目標志向性」という。)ほうが、自信がある学習者も自信がない学習者も、機会を追求し自分たちの能力向上しようと動機づけられる。 |
興味 | 強い興味(*5)が、学習への自己調整された努力を強く支える。例えば、興味が、やり遂げること、問題に直面したときの情報収集、批判的思考などの自己調整方略の使用を多くすることを見いだした研究結果がある。 |
自律的自己調整 | 評価・賞罰・強制といった外部からもたらされるものを目標とする外発的動機づけのうち、ご褒美をもらうための勉強という自律性の低いものより、憧れの高校に入るための勉強という自律性の高い動機づけ(*6)の方が学習の維持に役に立ち、また、課題や活動の喜びや満足に関する興味である内発的動機づけも同様に学習の維持に役に立つ。特に内発的目標を立てるよう教えられた生徒は、外発的目標を立てるよう教えられた生徒に比べ、持続性、学習の深さ、転移が高いことを示す研究結果がある。 |
課題価値 | 学習を自己調整するための生徒の努力に関し、生徒が課題や活動の重要性について価値があると認めるときに、より頻繁にそれを行うという研究結果がある。 |
期待 | 期待には、一連の行為を実行する自分の能力に対する期待である「自己効力感」と、行為の結果に関する期待である「結果期待」がある。前者の期待である自己効力感について、自分の能力に自身のある生徒は自分の能力に疑いを持つ生徒に比べ、より熱心に取り組み、困難に直面してもやり抜く傾向がある。また、後者の結果期待について、効果的な学習をするとよい成績が得られると期待している生徒は、自分自身の学習を自己調整することに動機づけられている。 |
将来展望 | 長い先の将来展望を持つ生徒は、短い先の将来展望を持つ生徒に比べ長く動機づけを保っている。例えば、将来のキャリでの有用性によって現在の活動が動機づけられているとき、学習の深さ、粘り強さ、学業達成の高さなどの広範囲の自己調整の特徴が現れる。 |
原因帰属 | 成績などの学習によって得られた結果の原因については、自分の能力ではなく学習のやり方が問題なのであって、上手なやり方で行えば成績を上げることができると考える生徒の方が、学習する努力を自己調整し続けるよう動機づけられる。 |
上位カテゴリー | 下位カテゴリー | 方略の内容 |
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内発的調整方略 | 整理方略 | ノートのまとめ方、部屋や机などの環境を整えることで動機づけを調整する。 |
想像方略 | 将来のことを考えたり、積極的な思考をしたりすることで動機づけを高める。 | |
めりはり方略 | 学習時間の区切りをうまくつけて集中力を高める。 | |
内容方略 | 学習内容を身近なこと、よく知っていることや興味のあることと関係づける。 | |
社会的方略 | 友達とともに学習したり相談をしたりすることで自ら動機づける。 | |
外発的調整方略 | 負担軽減方略 | 得意なところや簡単なところをしたり、飽きたら別のことをしたり、休憩をしたりするなど、負担の軽減を図る。 |
報酬方略 | 飲食や親からのごほうび、すなわち、外的な報酬によって学習へのやる気を高める。 |
【ステップ1】 現実的な目標を設定する |
目標はなんでもかまわない。ダイエットでも、スポーツができるようになることでも、よい成績をとることでも。そして、目標を設定したら、その目標が実現した未来像を想像する。 |
【ステップ2】 現状と目標の間にある障害を思い浮かべる |
できるだけ具体的に、詳しく想像すること。極度に悲観的になる必要はないが、現実的になる必要はある。たとえば、ダイエットを目標にしたらなら、焼き立てのクッキーの匂いを嗅ぎ、つい1枚食べてしまうというのが現実的に考えられる障害になるだろう。 |
メリットを感じる | 勉強することがどれだけメリットになるかを知り、納得することが大事。強制は逆効果。(メリットの例)年収が上がる(1000時間勉強すると将来年収が100万円上がることから時給換算すると勉強の時給は4万円になる。)、将来の選択肢が増える、いい大学に行って褒められる、人生に役立つ |
やりがいを感じる | 目的・目標があるから勉強に対して必要性ややりがいを感じる。目的・目標のない勉強はただの作業。勉強することで「こんな自分になりたい」というイメージを作ることが大切。「勉強している人ってかっこいい」という感情を抱ければ、その理想像に近づくために勉強するようになる。 |
勉強自体を楽しいと感じる | 数学では、難しい計算式が苦手で問題を見るだけでも嫌気がさすのに、趣味のゲームでは自分から進んでダメージやステータスの計算をしてします。これは本質的にやっていることは同じ。「できるループを回す」「興味のある分野から始める」⇒「勉強が好きになる」⇒「悟りの境地(勉強は楽しいから楽しい)」。悟りの境地に至れば、モチベーションは関係なく勉強するようになる。 |
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(記載例)【10代 高校生 佐藤太郎(ニックネーム)】
私は、○○の時には○○することで○○しています。
【30代 会社員 管理人】
管理人は、勉強内容に対する興味関心が高い時と、目標に対するやりがいを強く感じている時に、継続して、集中して勉強することができますね。興味関心を最初持っていないときでも、できる限り、どこか自分のアンテナに引っかかるところはないか探すことで、モチベ維持につなげるようにしています。
【栄光ゼミナール】https://www.eikoh.co.jp/koukoujuken/column/c2017/
1.スマホを封印する
2.まずは10分間勉強してみる
3.目標を明確にする
4.勉強する環境を整える
5.音楽の効果を利用する
6.名言や格言を読む
7.勉強の記録を残す
8.ライバルをつくる
9.ご褒美を用意する
10.塾に行く
【学研】https://www.kame.co.jp/column/column000006.html
①勉強する意味を考え、納得する
②無理せず、毎日続けるボリュームで勉強する
③どれくらい勉強したか見えるようにする
④長期的な目標と合わせて短期的な目標を立てる
※勉強のモチベーションを上げるためにやってはいけないこと
時々「テストで◯点取ったらご褒美をもらう」など、目標達成に物やお金を設定する話を耳にします。
確かに頑張ればいい事があると思って、がむしゃらに勉強するのですが、これはあまりいい方法ではありません。その理由は2つあります。
1つ目は目標がすり替わってしまうということです。そもそも勉強は物をもらうためにやるのではありません。
2つ目に「ご褒美」はエスカレートするという事です。最初は小さなご褒美だったのが、少しずつ価値のあるご褒美へ変化していきます。そしてご褒美に魅力を感じなければ勉強する理由がなくなってしまうのです。
これら2つの理由から、ご褒美を前提とした勉強の動機付けは良い方法ではないと言えます。
【みんチャレ編集部】https://minchalle.com/blog/how-to-be-motivated-to-study
1.目標を見える化する
2.頑張った成果が見えるようにする
3.まずは1問でもいいからやり始める
4.仲間やライバルを見つける
5.塾に入会する、勉強部屋を作るなど環境を新たにする
6.合格者の声や有名人の名言を読む
7.カフェインをとる
8.適度に息抜きもとり入れる
*1 OECD教育研究革新センター,「学習の本質 研究の活用から実践へ」,明石書房,2014
*2 B・J・ジマーマン&D・H・シャンク,「自己調整学習ハンドブック」,北大路書房,2014
*3 河野玄斗,「図解 東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法」,KADOKAWA,2020
*4 これを増大理論という。一方で「知能は固定的である」という信念は、固定理論といい、遂行目標志向性は固定理論に基づいている。
*5 正確に述べると、興味には4段階あり、発達した興味によって課題や活動に取り組む機会を積極的に求めるようになる段階4の状況
*6 外発的動機づけの自律性については、次を参照。鹿毛雅治,「モチベーションをまなぶ12の理論」,金剛出版,2015
*7 ダニエル・コイル,「THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法」,かんき出版,2018