1 | 咀嚼 | おもに授業を受けるときにどうノートをとるかということ。 |
2 | 消化 | 反復練習や演習問題を何度も解いて、理解を深める段階でのノートが、どうあるべきかということ。 |
3 | 吸収 | 漢字・単語・理科や社会の知識・公式などの「知識」を、どういうノートにまとめて記憶を確かにしていくか。 |
4 | 肉化 | 1~3で「ひとまず頭に入った知識」を、どう有機化し体系化して、「使える筋肉=縦横無尽に応用できる学力」にするか、という課題においてノートがどうあるべきか。 |
ノートの種類 | 目的 | ポイント |
---|---|---|
授業ノート | 授業で習ったことを書き留めるだけのノート。咀嚼することが主な目的 | 大切なことは授業ノートを作る前の、授業の聞き方であり、授業で説明された内容の中で何が大切なポイントだったか問うことを押さえ、理解することに努めること。そして、それをなるべく頭に入れた状態で書くこと。ミテウツシ病状態で作ることが最もしてはいけないこと。 |
演習ノート | 各教科で習ったことを基に、問題演習をする際に使用。頭に入れた知識を消化することが目的 | 解くスピードを最も重視する。文字は読める程度でよい。基本的に消しゴムは使わず、間違えた式や答えなどには×を書き、その下に改めて正しいものを書いていく。初めて習った感じの練習の時にはスピードではなく、丁寧に書くことを意識する。 |
知識ノート | 「質問と答え」の形にまとめ、自分だけのオリジナルの辞書または参考書として使う。吸収することを目的として、確かな記憶として定着させることが大切 | 国語では知らなかった言葉の意味を調べ、使い方をまとめる「言葉ノート」、英語では「wi(word-idiom)ノート」、社会や理科では「Q&Aノート」、算数・数学では公式や発想法をまとめた「知識ノート」という名前で科目ごとに作る。 |
復習ノート・まとめノート | 頭に入れた知識を肉化させるのが目的 | 算数・数学では自分が間違えた問題の中で、「これはいい問題だ」「この問題はなかなか解き方が浮かばないぞ」という問題の間違えた理由や発想法(問題のポイント)を言語化して残す。社会や理科では「まとめノート」という名で、断片的な知識を有機的につなげていくために使う。国語ではノートという形式はとらずに、テストの答案に「青コメ(青ペンでのコメント)」という形で、どう考えればよかったかを書き込む。 |
「その場主義」を心がける | 「後まわし禁止」で、その場で理解し、その場でまとめること。後回しにすると、書き留めておくべき内容を忘れてしまい、後から読み返しても意味不明なノートになる。これは「借金」と同じであり、きちんと「返済」できなければ処理できない量がたまったしまう。理解してその場でまとめるには訓練が必要なので、慣れないうちは、とりあえず走り書きをして、授業が終わった直後(または、その日のうち)にまとめなおす。 |
「もったいない」の意識は捨てる | ノートのページ全体にびっしり文字を書いたり、余白の中に小さな字でたくさん書き込みを入れるような「もったいない」の意識は捨てる。「もったいない」に縛られすぎると、結局、ノートは汚くなり、読みづらくなってしまう。そういうノートは後で読み返すこともなくなる。 |
楽しみながらノートをつくる | 自由にノートを使うこと。覚えられない言葉があれば、その覚え方を語呂合わせやイラストで書き込む。また、「おお、そうだったのか!」「眠い」「おもしろすぎる」といった、ノートを取りながら感じたことをそのまま書き込む。大切なのは、ノートを自分好みにカスタマイズしてお気に入りにすること。そうすることで、読み返すときの心理的なハードルを下げ、後から何度も読み返したくなるものとする。 |
書くこと・書かないことを見極める | 自分の将来に役立てることがノートをとる目的。そのために教師の話を一言一句書き留める必要はない。自分にとって必要のない情報を記録するのはエネルギーの無駄である。「これは今日の話の中で一番大切なポイントだな」「これはz念会と同じ話だから、書く必要なないだろう」と考えながら書いていくこと。ノートをとる側が頭を働かせ、そのフィルターを通じて選択的に記録されたノートこそが、良いノートである。 |
元ネタを進化させる | 授業やテキストはいわば「元ネタ」であり、大切なのはこの元ネタを進化させてより分かりやすいものにしようという考え方である。進化させるためには、教師の話を聞いたり、テキストを読んだりしているときに「じぶんだったらどうやって人に伝えるだろう」と考えながらノートにとっていくこと。得た知識を、さらに進化させ変えていく、そんなマインドが、ノートの質を格段に上げることになる。 |
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(記載例)【10代 高校生 佐藤太郎(ニックネーム)】
私は、○○の時には○○することで○○しています。
【フリーライター 紀村 真利】https://www.kokuyo-st.co.jp/kokuyokakikata/work/study/post_3.php
●デキる人は知っている!正しい勉強ノートの作り方
STEP1 選ぶならフリーハンドに強い「方眼罫のノート」が最強?
STEP2 自分にとって使いやすいフォーマットを決めよう
STEP3 余白は多め、1ページあたり1テーマでまとめる
STEP4 図表や記号・略語を駆使してスッキリ見せる
STEP5 要約を作って知識の定着度アップ
【株式会社スタディーハッカー 佐藤舜】https://studyhacker.net/study-notebook-how-to-summarize
●優れた勉強ノートの条件とは
勉強ノートのまとめ方の良し悪しは、知識の再現性に係っています。読み返したときに理解しやすいかどうか、記憶がよみがえるかどうかです。
講座の内容をノートに書き留め、数日~数ヵ月後に見返したとき、学んだことがありありと思い出せるようでなければいけません。きれいな文字で書き、色分けにこだわったとしても、読み返してパッと理解できないのは「ダメなノート」なのです。
●勉強ノートをまとめる「10のルール」
1.フォーマットを決める
2.見出しをつける
3.1ページにつき1テーマ
4.「箇条書き」が基本
5.ペンは3色まで
6.記号・略語を使う
7.丸写しをしない
8.適度な余白を残す
9.コピーを活用する
10.用途で使い分ける
【東京大学学生(理科三類在学中) 片山 湧斗】https://toyokeizai.net/articles/-/424389
●アウトプットのためにノートを取る
東大生は「アウトプット」のためにノートを取っています。「インプット」というのは、情報を自分の中で整理して頭に入れることです。逆に「アウトプット」というのは、インプットしたことを自分の頭の中から外に出すことを言います。
ノートはたいていの場合、インプットのためのものとして使われます。授業で聞いた内容や人の話を後から見返すためにノートを取るケースが多いのではないでしょうか。私もそうでした。
でも、多くの人が勘違いしていることなのですが、ノートって、インプットのためだけのツールではないんです。後から振り返って勉強するためだけにノートを取っているわけではありません。それが目的なら、授業の内容が書かれた黒板をスマートフォンなどで撮影すれば事足りてしまうわけです。時間をかけて紙に文字を書いたりする必要は皆無ですし、むしろ効率が悪いといえます。
それにもかかわらず、東大生は自分なりのノートを取っていて、写真に撮って終わりにはしません。ひと工夫もふた工夫もあるノートを日夜作って、勉強に生かしています。それはどうしてなのかといえば、東大生は「ノートをインプットのためのツール」ではなく、「アウトプットのためのツール」として使っているからです。
東大生のノートは思考の型になっています。後から見返すだけでなく、そのノートを取ること自体が記憶の定着や思考の整理につながる。つまり自分の思考が整理されて、新しいものが見えてくることがあるわけです。
- 試験で出題されるポイントを考えながら作る
- いつもどこかに「アウトプット」が意識されている
- 関連性を意識して忘れないようにする
●知識はあってもアウトプット能力がないケースも
私たちはよく「インプットしないとアウトプットできない」と考えがちです。知識量がないからテストで点が取れないとか、理解力がないから頭が悪いとか、そういうことを考えてしまいがちです。
ですが、知識があってもそれを応用してアウトプットする能力がないというケースは、よくあることなのです。試験が想定できていなかったり、関連性を覚えていないからすぐに忘れてしまったり。だからこそ、必要なのは「アウトプットを想定したノート作り」なんです。
「後でその知識を使うタイミングが来る」
「その知識をイチから再現しなければならないタイミングが来る」
そういう意識を持ってノートを取ることで、「アウトプット」できるようになる。それが、東大生のノートに共通した特徴なのです。
【株式会社スタディーハッカー 佐藤舜】https://studyhacker.net/methods-of-studying-notebook
〇ノートを使った「いい勉強法」5選
- メモリーツリー
教育事業支援などを展開する株式会社カルぺ・ディエム代表で勉強法に詳しい西岡壱誠氏は、「メモリーツリー」というテクニックを推奨しています。共通・類似する情報を線で結びつけるやり方です。
- 反復練習ノート
覚えたいことをズラリと書き、間違えた回数を記録していく「反復練習ノート」。現役東大生にして医学部予備校の講師、片山湧斗氏が推奨する勉強法です。
- 間違いノート
問題演習の振り返りに役立つのが、資格講師の石川和男氏がすすめる「間違いノート」。間違えた/解けなかった問題だけを集めるノートです。
- コーネル式ノート
ノートのまとめ方としては「コーネル式」が有名ですね。米コーネル大学の教育学部教授だった、故ウォルター・パーク氏によるテクニックです。ノートを3分割して使います。
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- 暗記ノート
知識の整理には「暗記ノート」も役立ちます。資格スクール講師・碓井孝介氏推奨の、3ステップで情報を整理するテクニックです。
1. しぼる
2. まとめる
3. 図にする
〇ノートをつくったあとは
- 何度も口頭復元
- 書き足していく
- 間違いを消さない