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長坂周次郎

長坂周次郎(ながさかしゅうじろう、1925年8月~1999年5月)、映画監督、脚本家、作家。日本著作家協会役員。

来歴

1925年、群馬県高崎市に生まれる。
群馬県立高崎商業高等学校卒業後、心身虚弱のため学徒動員を免れた。1944年4月から劇団はなびに演出見習として入団。同年7月に設立された横浜大洋歌劇団の演出班に移り、劇脚本の執筆を学ぶ。数本の劇脚本を書いただけで、反戦的として憲兵から拘束され、懲罰召集として8月1日に第14国民義勇軍陸軍戦闘団に入隊するがしばらくして15日に解放され、その足で横浜市へ戻った。

映画時代

1945年11月に大洋映画へ移籍し、制作局脚本部で、世紀の脚本家と称されていた上村章の門弟として、戦後の上村6作品(瓦礫の譜曇る教室母語の川紙風船裁判帰らぬ地図拍子木の夜)に脚本補・脚本・監督として参加。自身初脚本は、1948年公開の刑部陽監督「門司港に帰す」であった。

その後、文学作品を撮らせれば世界最高峰とされたアメリカのメテル・ブラットスキンに学ぶため一時期単身で渡米。ワールドミュージックプラスでは、映画監督としての演出学なども学んだ。1953年に刑部陽監督との連作天狗男シリーズの脚本を担当。1955年には、自身初監督作品楢山節考で、昭栄から移籍したばかりの南條沙世子を主演として、大ヒットを飛ばした。この後、南條とともに、伝説的映画シリーズとされる声と時代シリーズ五部作を世に送り出す。

作家時代

1960年に、日本発の世界的ファッション誌である「裁と形」(創元社)創刊号の表紙を飾った南條沙世子とともに巻頭特集のほか、連載小説「曇りガラス越しの彼女」を発表。以降、8作品すべてを同誌で発表した。1982年から3代目総編集長を務めたファッションの女帝橘杏は、日本書院映画作品部でくすぶっていた三流編集者だったが、自身が担ぎ上げて出世させた。一部作品では、脚本補などを担当した。
1973年に、大洋映画制作局脚本部副部長の地位にありながら帝日映画へ移籍。
移籍後、雲よかたれ物部家シリーズ落日などの歴史映画を次々に監督・脚本として世に送り出した。1988年から帝日映画取締役・映画本部長としても2作品を発表した。1993年に退職し、南條プロダクション取締役・演出教育部長として若手俳優の育成などにも携わった。

人物

裁と形
1960年創刊の「裁と形」の立ち上げに時流監督として参画した。創刊以来、30年以上にわたって文化特集・文芸アドバイザーを務めた。また、1987年から出版元の創元社取締役として、経営実見にも携わった。1982年から総編集長を務めた橘杏との交流は深く、1964年に橘が東京書院から創元社へ移籍したのは、長坂がきっかけであった。一時期、2名は愛人関係にあった。
アメリカ時代のはなし
長坂は、脚本家としてデビューした1948年に、脚本部に入社してきた才媛本庄百合子の優秀さに度肝を抜かれ、やがて彼女に抜かれるだろうと確信していた。そのため、脚本家としてではなく、演出・監督として飯を食えるようにならねばならないと考えていた。この時、アメリカのワールドミュージックプラスが、新作映画の「星条旗がなびくとき」の監督に、文学作品に造詣が深いメテル・ブラットスキンを起用するという話が出てきたため、長坂は、ブラットスキンに学ぶ目的で、単身で渡米することになる。長坂は、この作品に、監督補佐員として参加していた。

作品

脚本補として参加

脚本作品

  • 門司港に帰す(1948年、刑部陽監督)
  • 曇る教室(1950年、上村章と共同脚本)
  • 母語の川(1953年、上村章と共同脚本)
  • 天狗男(1953年、刑部陽監督、天狗男シリーズ第1作)
  • 天狗男が傘を失う(1955年、刑部陽監督、天狗男シリーズ第2作)
  • 天狗男と子供たち(1956年、刑部陽監督、天狗男シリーズ第3作)
  • 天狗男と郵便配達(1957年、刑部陽監督、天狗男シリーズ第4作)
  • 天狗男は語らない(1958年、刑部陽監督、天狗男シリーズ第5作)
  • 天狗男は名を呼ばれる(1960年、刑部陽監督、天狗男シリーズ第6作)
  • 天狗男さようなら(1962年、刑部陽監督、天狗男シリーズ第7作)

監督作品(大洋映画

監督作品(帝日映画

  • 曇よかたれ(1975年、大橋修一主演)
  • 兄とともにさりぬ(1977年、松本文男主演、物部家シリーズ第1作)
  • 久我博士日記(1979年、松本文男主演、物部家シリーズ第2作)
  • 江戸くらし手帳(1980年、松本文男主演、物部家シリーズ第3作)
  • 落日(1982年、松本文男主演、南條沙世子助演、南條プロダクション
  • 合戦(1983年、松本文男主演、物部家シリーズ第4作)
  • 白眉の男(1984年、松本文男主演、物部家シリーズ第5作)
  • 楽天な武士道(1986年、松本文男主演、物部家シリーズ第6作)
  • 曇りガラス越しの彼女(1987年、南條沙世子主演、上村章と共同脚本)
  • 神秘の経典(1989年、松本文男主演、物部家シリーズ第7作)
  • 無常(1992年、松本文男主演、物部家シリーズ第8作)
最終更新:2026年05月06日 22:06