ひょんなことから女の子
ホワイトブラウニー1
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14 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [新作。タイトル未定。] 投稿日: 2006/12/02(土) 22:36:30.94 ID:0bwkc1U7O
「おーい、トモ~?」
ここにもいないか……今日はトモと一緒に帰ろうと思ったのに、掃除が終わった時には
もう教室にいなかった。下駄箱に革靴が入ってたから帰ってはいないハズだけど。購買、
職員室と見てきて、理科室にもいないとなると、トモのヤツ、ドコにいるんだ?
「ピンポンパンポーン、迷子のお呼び出しを致します。静岡県よりお越しの、トモくん、
トモくん。保護者のオレくんが理科室で待ってます」
…………むなしいな。理科室を見回してみる。なぜ理科室に来たのかと言えば、答えは
簡単。トモが化学部だからだ。そして、化学部は放課後、理科室で活動している。まあそ
ういうことだ。ふと、机の上の物に目が止まった。コップだ。決してビーカーでもフラス
コでもない。しかも中身入りでラップがしてある。…………オレはソレを黙って飲んだ。
どうせトモのだろう。化学部でまともに活動してるのはトモと二年生の先輩の二人だけ。
あとは幽霊部員が二、三人いるだけだし、その先輩も修学旅行中だ。先生の、って可能性
もあるが…………今気付いたから後の祭だ。しょうがないさ。
「…………なかなかイケる」
謎のジュースはうまかった。何の味かイマイチわからないが、嫌いな味じゃない。どこ
で買ったのかを後でトモに聞こう。
ジュースを飲んでから二分ほど経った頃、やっと理科室にトモが入ってきた。
「お、トモ。ドコにいたんだ?」
オレがそう聞いたが、トモはなかなか返事をしない。気付いてないわけはない。トモは
さっきからオレの方を見ているんだから。少しして、やっとトモが喋った。
「…………キミ、誰?」
予想していたのとはだいぶ異なったセリフを。
「…………は?」
重ちー並みに理解不能だった。
ここにもいないか……今日はトモと一緒に帰ろうと思ったのに、掃除が終わった時には
もう教室にいなかった。下駄箱に革靴が入ってたから帰ってはいないハズだけど。購買、
職員室と見てきて、理科室にもいないとなると、トモのヤツ、ドコにいるんだ?
「ピンポンパンポーン、迷子のお呼び出しを致します。静岡県よりお越しの、トモくん、
トモくん。保護者のオレくんが理科室で待ってます」
…………むなしいな。理科室を見回してみる。なぜ理科室に来たのかと言えば、答えは
簡単。トモが化学部だからだ。そして、化学部は放課後、理科室で活動している。まあそ
ういうことだ。ふと、机の上の物に目が止まった。コップだ。決してビーカーでもフラス
コでもない。しかも中身入りでラップがしてある。…………オレはソレを黙って飲んだ。
どうせトモのだろう。化学部でまともに活動してるのはトモと二年生の先輩の二人だけ。
あとは幽霊部員が二、三人いるだけだし、その先輩も修学旅行中だ。先生の、って可能性
もあるが…………今気付いたから後の祭だ。しょうがないさ。
「…………なかなかイケる」
謎のジュースはうまかった。何の味かイマイチわからないが、嫌いな味じゃない。どこ
で買ったのかを後でトモに聞こう。
ジュースを飲んでから二分ほど経った頃、やっと理科室にトモが入ってきた。
「お、トモ。ドコにいたんだ?」
オレがそう聞いたが、トモはなかなか返事をしない。気付いてないわけはない。トモは
さっきからオレの方を見ているんだから。少しして、やっとトモが喋った。
「…………キミ、誰?」
予想していたのとはだいぶ異なったセリフを。
「…………は?」
重ちー並みに理解不能だった。
15 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [明日セブンでパン見てきます。] 投稿日: 2006/12/02(土) 22:38:10.13 ID:0bwkc1U7O
「何言ってんだよ、頭でも打ったか?」
「え、あの、ごめん。ホントに誰?」
こいつウゼー……。演技か? ワザとか? マジに忘れたのか?
「ようし、なら教えてやろう。お前は忘れてるかもしれないが、オレはお前に千円貸してたんだよ」
「…………それは嘘でしょ?」
流石に無理だったか。
「お前、マジでわかんねえの? オレだよオレ、"オレ"だよ」
「…………え?」
何固まってんのコイツ? 実はオレの髪がスゲーことになってるとか?
そう思い手で触るが、特におかしくは無さそうだ。ただ、なんか違和感があった。
「ねぇ、もしかしてここにあったコップの中身……」
「ん? ああ、飲んだぞ。アレさ、どこで売ってんの? 結構うまかったぜ」
「売ってないよ…………」
「もしかして限定? ワリィ、飲んでも問題ないと思ったからさ」
「問題大アリだよ。……これを見て」
そう言って鏡を取り出す。お、なんかかわいい娘が映ってんじゃん。
「それが今のキミの姿だよ」
「…………は?」
それが? それがって、姿って…………この娘はオレ? いやいやまさか。
「マジ?」
「大マジ」
「え、あの、ごめん。ホントに誰?」
こいつウゼー……。演技か? ワザとか? マジに忘れたのか?
「ようし、なら教えてやろう。お前は忘れてるかもしれないが、オレはお前に千円貸してたんだよ」
「…………それは嘘でしょ?」
流石に無理だったか。
「お前、マジでわかんねえの? オレだよオレ、"オレ"だよ」
「…………え?」
何固まってんのコイツ? 実はオレの髪がスゲーことになってるとか?
そう思い手で触るが、特におかしくは無さそうだ。ただ、なんか違和感があった。
「ねぇ、もしかしてここにあったコップの中身……」
「ん? ああ、飲んだぞ。アレさ、どこで売ってんの? 結構うまかったぜ」
「売ってないよ…………」
「もしかして限定? ワリィ、飲んでも問題ないと思ったからさ」
「問題大アリだよ。……これを見て」
そう言って鏡を取り出す。お、なんかかわいい娘が映ってんじゃん。
「それが今のキミの姿だよ」
「…………は?」
それが? それがって、姿って…………この娘はオレ? いやいやまさか。
「マジ?」
「大マジ」
16 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [トモのキャラが定まらないのは仕様] 投稿日: 2006/12/02(土) 22:39:47.08 ID:0bwkc1U7O
「…………言われてみれば声も高くなってるな」
胸も苦しいし、アレも無くなったみたいだ。…………今まで気付かなかったオレ、超が
付くくらいの大バカ野郎じゃねえか。
「コップの中身のことなんだけどさ、アレ…………ボクが作った薬だったんだ」
「…………薬?」
「そう…………性転換薬」
「晴天完訳?」
「簡単に言うと男が女になる薬なんだけど…………」
「は? じゃ、じゃあ何か? コレ、お前のせいか?」
「勝手に飲んだ"オレ"も悪い」
「自業自得ってか?」
「そこまでは言わないけどさ……」
「いや、言ってるだろ……」
「うん」
…………オレ、こいつのキャラが分からない。おかしいよな、幼稚園の頃から親友やっ
てるハズなのにさ。
「で、効き目はバッチシみたいだね」
「いや、何を基準にバッチシなのかよくわかんねえよ」
「裸になれば一目瞭然だよ」
「イヤだ」
「心まで女の子になったの?」
「なるかボケ!単純にイヤなんだよ。誰が好き好んで裸になるか」
「露出狂とか」
「オレはノーマルだ!」
胸も苦しいし、アレも無くなったみたいだ。…………今まで気付かなかったオレ、超が
付くくらいの大バカ野郎じゃねえか。
「コップの中身のことなんだけどさ、アレ…………ボクが作った薬だったんだ」
「…………薬?」
「そう…………性転換薬」
「晴天完訳?」
「簡単に言うと男が女になる薬なんだけど…………」
「は? じゃ、じゃあ何か? コレ、お前のせいか?」
「勝手に飲んだ"オレ"も悪い」
「自業自得ってか?」
「そこまでは言わないけどさ……」
「いや、言ってるだろ……」
「うん」
…………オレ、こいつのキャラが分からない。おかしいよな、幼稚園の頃から親友やっ
てるハズなのにさ。
「で、効き目はバッチシみたいだね」
「いや、何を基準にバッチシなのかよくわかんねえよ」
「裸になれば一目瞭然だよ」
「イヤだ」
「心まで女の子になったの?」
「なるかボケ!単純にイヤなんだよ。誰が好き好んで裸になるか」
「露出狂とか」
「オレはノーマルだ!」
18 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [ネタが多いのは書けないからです。] 投稿日: 2006/12/02(土) 22:41:17.78 ID:0bwkc1U7O
「でさ、いつ戻るんだ?」
「いつ戻るって」
「コレだよコレ!この身体、この状況」
「ああ、戻らないよ」
…………。
「何て言った? 戻らないって言ったのか今?」
「うん」
先生、コイツ殺していいですか? ってかブッ殺す。…………ごめん、スペルミスだ。
「ブッ殺した!!」
オレは冗談抜きにトモをマジ蹴りした。
「まだまだマンモーニだね」
トモはオレの蹴りをかわし、オレの頭を軽くチョップする。
「っ!?」
トモは弱そうなくせして実は結構強い。オレの方が体格が良い…………良かったにも関
わらず、ケンカはいつもオレの負けだった。ただ、トモは戯言でなく至極善良な男で、根
が優し過ぎるので暴力でどうしようなどとは考えない奴だ。だからこそ親友やってるワケ
なんだけどな。しかし全く、どう間違ったのか…………トモは底なしのバカだった。頭が
良いくせにバカだからこそタチが悪い。そういうタイプだ。
「いつ戻るって」
「コレだよコレ!この身体、この状況」
「ああ、戻らないよ」
…………。
「何て言った? 戻らないって言ったのか今?」
「うん」
先生、コイツ殺していいですか? ってかブッ殺す。…………ごめん、スペルミスだ。
「ブッ殺した!!」
オレは冗談抜きにトモをマジ蹴りした。
「まだまだマンモーニだね」
トモはオレの蹴りをかわし、オレの頭を軽くチョップする。
「っ!?」
トモは弱そうなくせして実は結構強い。オレの方が体格が良い…………良かったにも関
わらず、ケンカはいつもオレの負けだった。ただ、トモは戯言でなく至極善良な男で、根
が優し過ぎるので暴力でどうしようなどとは考えない奴だ。だからこそ親友やってるワケ
なんだけどな。しかし全く、どう間違ったのか…………トモは底なしのバカだった。頭が
良いくせにバカだからこそタチが悪い。そういうタイプだ。
19 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [今日はここまでです。] 投稿日: 2006/12/02(土) 22:42:50.75 ID:0bwkc1U7O
「質問を変えよう。男に戻るにはどうすればいい?」
「飲めばいいのが薬なの」
「薬? ドコにあるんだ?」
「ボクが作るのがその薬なの」
「えーっと…………ややこしいから普通に話せ。お前は別に手首切ったりしないだろ?」
「切らないけどさ、別にいいじゃん。まあ要するに、これからボクが作るってコト」
「これから……じゃあどれくらいで出来るんだ?」
「多分、一週間あれば出来ると思う」
「一週間も…………?」
「たった一週間だけ、だよ」
たった一週間だけだと……? どう考えても一週間もだろ。
「長い、せめて三日にしろ」
「無茶言わないでよ」
「お前ならやれる。ガンバレ」
「…………ガンバって一週間なんだよ。普通なら三週間かかる」
「え…………マジ?」
「イエス、マジ」
「オーマイガッ!」
「元気出してよ」
「一週間だぞ? 元気でいられるか!」
「良いこともあるよ、Just Do It」
「語尾につけんな!」
「ええー、良いジャマイカ…………トリ蔵です!」
「トリ蔵じゃねえだろ!!」
「飲めばいいのが薬なの」
「薬? ドコにあるんだ?」
「ボクが作るのがその薬なの」
「えーっと…………ややこしいから普通に話せ。お前は別に手首切ったりしないだろ?」
「切らないけどさ、別にいいじゃん。まあ要するに、これからボクが作るってコト」
「これから……じゃあどれくらいで出来るんだ?」
「多分、一週間あれば出来ると思う」
「一週間も…………?」
「たった一週間だけ、だよ」
たった一週間だけだと……? どう考えても一週間もだろ。
「長い、せめて三日にしろ」
「無茶言わないでよ」
「お前ならやれる。ガンバレ」
「…………ガンバって一週間なんだよ。普通なら三週間かかる」
「え…………マジ?」
「イエス、マジ」
「オーマイガッ!」
「元気出してよ」
「一週間だぞ? 元気でいられるか!」
「良いこともあるよ、Just Do It」
「語尾につけんな!」
「ええー、良いジャマイカ…………トリ蔵です!」
「トリ蔵じゃねえだろ!!」
81 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [まだタイトル未定] 投稿日: 2006/12/03(日) 22:13:15.24 ID:HVcUnXWuO
「ってか一週間もどうしてりゃいいんだよ」
こんな姿で"オレ"だって言っても誰も信じないだろうし…………家族ぐらいは信じてく
れるかなぁ。
「元々優等生じゃないしさ、学校ぐらいサボれば良いじゃん」
「いや、いくらオレでも一週間はムリだって。三日が限度だ」
「じゃあ風邪ってことにして休めば?」
「風邪かぁ…………」
「とりあえず今日はもう帰ろ。材料がないと薬も作れないし」
「…………そうだな」
「じゃあコレに着替えて」
トモはそう言うと学校指定のジャージを机の上に置いた。
「女の子が学ランじゃおかしいでしょ? まあちょっと寒いかもしれないけど我慢して」
「さっき居なかったのはコレのせいか?」
「うん」
「そっか、サンキュな」
オレは学ランとワイシャツとズボンを脱ぐと、トモのジャージを着た。サイズは結構イ
イ感じだ。トモのジャージが合うってことは背が少し縮んだか?
「おかしくないか?」
「ううん。イイ感じに問題ナッスィンだよ」
「そうか」
「じゃあ帰ろ」
「おう」
今脱いだ服を含めて荷物をまとめる。服を含めて。ふくを、ふくめて……トリ蔵です!
……と、とにかく、荷物をまとめて家路についた。
こんな姿で"オレ"だって言っても誰も信じないだろうし…………家族ぐらいは信じてく
れるかなぁ。
「元々優等生じゃないしさ、学校ぐらいサボれば良いじゃん」
「いや、いくらオレでも一週間はムリだって。三日が限度だ」
「じゃあ風邪ってことにして休めば?」
「風邪かぁ…………」
「とりあえず今日はもう帰ろ。材料がないと薬も作れないし」
「…………そうだな」
「じゃあコレに着替えて」
トモはそう言うと学校指定のジャージを机の上に置いた。
「女の子が学ランじゃおかしいでしょ? まあちょっと寒いかもしれないけど我慢して」
「さっき居なかったのはコレのせいか?」
「うん」
「そっか、サンキュな」
オレは学ランとワイシャツとズボンを脱ぐと、トモのジャージを着た。サイズは結構イ
イ感じだ。トモのジャージが合うってことは背が少し縮んだか?
「おかしくないか?」
「ううん。イイ感じに問題ナッスィンだよ」
「そうか」
「じゃあ帰ろ」
「おう」
今脱いだ服を含めて荷物をまとめる。服を含めて。ふくを、ふくめて……トリ蔵です!
……と、とにかく、荷物をまとめて家路についた。
82 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [こんだけしか書けてません。] 投稿日: 2006/12/03(日) 22:14:20.91 ID:HVcUnXWuO
結論から言おう。…………信じてもらえなかった。家族に。これはマジでツライ。軽く
トラウマになる。家族に否定された時のことなんて思い出したくもないぐらいに。
「元気出してよ」
まあ息子が娘になりましたなんて信じられるわけないよな。信じるほうが異常なんだ。
そう思えば多少は気も楽だ。
「平気だよ、別にさ」
「なら良いんだけどさ、ムリしなくても良いよ?」
「いや、ホント平気。ツラかったけどさ」
いつまでも気に病んでたって仕方ないしな。
「それよりこれからどうするかだよな……」
家に帰れないってことは、食事はおろか、寝る場所すらないってことだ。
「ウチくる?」
「え?」
「両親海外だし。ボクとオトウトしかいないから」
「…………いいのか?」
「ボクと"オレ"の仲じゃない。…………ウチくる?」
「行く行く!」
そんなわけで、トモの家に厄介になることになった。
トラウマになる。家族に否定された時のことなんて思い出したくもないぐらいに。
「元気出してよ」
まあ息子が娘になりましたなんて信じられるわけないよな。信じるほうが異常なんだ。
そう思えば多少は気も楽だ。
「平気だよ、別にさ」
「なら良いんだけどさ、ムリしなくても良いよ?」
「いや、ホント平気。ツラかったけどさ」
いつまでも気に病んでたって仕方ないしな。
「それよりこれからどうするかだよな……」
家に帰れないってことは、食事はおろか、寝る場所すらないってことだ。
「ウチくる?」
「え?」
「両親海外だし。ボクとオトウトしかいないから」
「…………いいのか?」
「ボクと"オレ"の仲じゃない。…………ウチくる?」
「行く行く!」
そんなわけで、トモの家に厄介になることになった。