ひょんなことから女の子
I'm my sister 3
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hyon
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156 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/02/27(火) 00:39:08.13 ID:2hj9+pOd0
『彼女』にとって二日目の朝が来た。
目覚まし時計より早くに起きた恵は、とんでもない状況になっていることに気づいた。
この状況を極めて客観的に説明するなら、
「弟のベッドで裸のまま寝ていた。」
それなんてエロゲ?
説明すると、風呂から上がった恵は、当然のようにのぼせていた。
その頭で、裸のまま、『いつもの』自分の部屋、つまり正樹の部屋に入り、
そのままベッドに入り眠ってしまったというわけだ。
とりあえず、掛け布団の上にパジャマが置いてあったので、急いで着替えた。
そして床に寝ていたマッキーを起こすことにした。
「ん、おはよう、姉ちゃん。」
「お…おはよ…。」
恥ずかしさのせいで声が小さい。
「き…昨日はごめんね…。」
「ほんとに…パジャマは忘れるわ、4時間も風呂入ってるわ、俺の部屋で寝るわ…、
朝だって弁当忘れたっていうじゃねえか。頭のネジ一本抜けてんじゃねえの?」
「う…あ、あんただって昨日朝練無いのに早くから行ったっていうじゃない!」
血は争えない、というよりそもそもその前の日まで同一人物だったわけだが。
「あ、ごめん。今日は絶対に朝練あるから早く行かなきゃ。準備するから出てって。」
「何だよ、ばーか。」
もう、なんか泣きそう。こっちはこんなに恥ずかしい思いしてるっていうのに、
何でそんな平然としてられるかな…。
目覚まし時計より早くに起きた恵は、とんでもない状況になっていることに気づいた。
この状況を極めて客観的に説明するなら、
「弟のベッドで裸のまま寝ていた。」
それなんてエロゲ?
説明すると、風呂から上がった恵は、当然のようにのぼせていた。
その頭で、裸のまま、『いつもの』自分の部屋、つまり正樹の部屋に入り、
そのままベッドに入り眠ってしまったというわけだ。
とりあえず、掛け布団の上にパジャマが置いてあったので、急いで着替えた。
そして床に寝ていたマッキーを起こすことにした。
「ん、おはよう、姉ちゃん。」
「お…おはよ…。」
恥ずかしさのせいで声が小さい。
「き…昨日はごめんね…。」
「ほんとに…パジャマは忘れるわ、4時間も風呂入ってるわ、俺の部屋で寝るわ…、
朝だって弁当忘れたっていうじゃねえか。頭のネジ一本抜けてんじゃねえの?」
「う…あ、あんただって昨日朝練無いのに早くから行ったっていうじゃない!」
血は争えない、というよりそもそもその前の日まで同一人物だったわけだが。
「あ、ごめん。今日は絶対に朝練あるから早く行かなきゃ。準備するから出てって。」
「何だよ、ばーか。」
もう、なんか泣きそう。こっちはこんなに恥ずかしい思いしてるっていうのに、
何でそんな平然としてられるかな…。
157 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/02/27(火) 00:39:50.65 ID:2hj9+pOd0
今度こそ今の自分の部屋に戻る。学校に行くまでまだまだ時間がある。
手帳、携帯電話などいろんなものを確認して、段々と今の状況や立花恵のことを把握してきた。
模試は明後日の土曜日らしい。そんなに近いならはっきり日付言ってくれればいいのに。
しかも来週の金曜日から期末テスト。どうやら今週は勉強漬けになりそうだ。
手帳の、来週の月曜の欄に三日月のマークが描いてある。これはなんだろう…。
とりあえず、時間が迫ってきたので後にしておこう。
時間割をあわせる。今日は木曜日…世界史、英語、数学II、体育、現代文、英語リーディング。
三年生の体育は水泳は無いらしいのだが、
プールの補修が終わったばかりだし、予報では快晴らしい、ということで今日だけあるようだ。
…彼女にとっては高校最初で最後の水泳の授業となるわけだが。
さて、準備も終わったし、朝飯食ってさっさと学校行くか。
手帳、携帯電話などいろんなものを確認して、段々と今の状況や立花恵のことを把握してきた。
模試は明後日の土曜日らしい。そんなに近いならはっきり日付言ってくれればいいのに。
しかも来週の金曜日から期末テスト。どうやら今週は勉強漬けになりそうだ。
手帳の、来週の月曜の欄に三日月のマークが描いてある。これはなんだろう…。
とりあえず、時間が迫ってきたので後にしておこう。
時間割をあわせる。今日は木曜日…世界史、英語、数学II、体育、現代文、英語リーディング。
三年生の体育は水泳は無いらしいのだが、
プールの補修が終わったばかりだし、予報では快晴らしい、ということで今日だけあるようだ。
…彼女にとっては高校最初で最後の水泳の授業となるわけだが。
さて、準備も終わったし、朝飯食ってさっさと学校行くか。
165 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/02/27(火) 05:13:01.16 ID:3gPyf3TL0
男なら誰もが一度は憧れるユートピア、女子更衣室。
だがいざ女として入ってみると、見るのも見られるのも恥ずかしい。
しかも今回は制限時間なんと10分!
ところでこの人たちはなぜ平気で裸になっているのでしょう。
普通バスタオル巻いて着替えたりしない?
などと元男の子が純女の子に「女の恥じらい」を求めているという不思議な構図。
「恵、いつまで下着姿でいるの。早くしないと授業始まるよ。」
ひとりだけタオル巻くのもなんだかなあ、とか思いつつ時間は刻一刻と過ぎていく。
と、背中に妙な感覚が走った。見かねた友人がいきなりブラのホックをはずしたのだ。
「ちょ、ちょっと!」
「早く! 時間ないよ!」
「う…うん…。」
そういえば昨日は男―まあ自分自身だけど―に見られたんだっけ。
じゃあいまさら女に見られたってどうってことないか。
と、覚悟を決めると、急いで水着に着替えた。
だがいざ女として入ってみると、見るのも見られるのも恥ずかしい。
しかも今回は制限時間なんと10分!
ところでこの人たちはなぜ平気で裸になっているのでしょう。
普通バスタオル巻いて着替えたりしない?
などと元男の子が純女の子に「女の恥じらい」を求めているという不思議な構図。
「恵、いつまで下着姿でいるの。早くしないと授業始まるよ。」
ひとりだけタオル巻くのもなんだかなあ、とか思いつつ時間は刻一刻と過ぎていく。
と、背中に妙な感覚が走った。見かねた友人がいきなりブラのホックをはずしたのだ。
「ちょ、ちょっと!」
「早く! 時間ないよ!」
「う…うん…。」
そういえば昨日は男―まあ自分自身だけど―に見られたんだっけ。
じゃあいまさら女に見られたってどうってことないか。
と、覚悟を決めると、急いで水着に着替えた。
166 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/02/27(火) 05:13:31.97 ID:3gPyf3TL0
水が冷たい。胸に水の抵抗があって泳ぎづらい。
アレがない、ということも一層強く感じる。
胴に水が当たらないことにも違和感がある。
「それでは皆さん。今日はバタフライをやってもらいます。」
周りでブーイングが起こった。
「25メートルを4セット、泳げた人から自由にしていいですよ。」
周りは歓声に変わっている。
まあ25メートルくらいなら余裕だな。
それよりやけに男子とよく目が合うな…。
いや、自意識過剰だよな。うん、そうに違いない。
いろいろ考えている間に順番が回ってきた。
…え? ちょっと…まだ半分も行ってないのに…。
予想以上に息が続かないし、腕も全然上がらない。
ようやくコースロープの色が赤に変わった。
…よし、あと5メートル…。
アレがない、ということも一層強く感じる。
胴に水が当たらないことにも違和感がある。
「それでは皆さん。今日はバタフライをやってもらいます。」
周りでブーイングが起こった。
「25メートルを4セット、泳げた人から自由にしていいですよ。」
周りは歓声に変わっている。
まあ25メートルくらいなら余裕だな。
それよりやけに男子とよく目が合うな…。
いや、自意識過剰だよな。うん、そうに違いない。
いろいろ考えている間に順番が回ってきた。
…え? ちょっと…まだ半分も行ってないのに…。
予想以上に息が続かないし、腕も全然上がらない。
ようやくコースロープの色が赤に変わった。
…よし、あと5メートル…。
167 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/02/27(火) 05:15:33.78 ID:3gPyf3TL0
「恵! 大丈夫か?」
「保健室では静かに。」
「せ…ヒデ…。」
結局、恵は直後に水を大量に飲んで溺れた。
「先生、もう大丈夫です。」
「そう。じゃあ…このベッド、カーテンあるからこの中で着替えなさい。」
「はい。」
時は昼休み。
「今日はお弁当持ってきた?」
「はい。あ、そうそう。食堂じゃ色々話しづらいし、屋上で食べません?」
「うん、じゃあそうしようか。」
「保健室では静かに。」
「せ…ヒデ…。」
結局、恵は直後に水を大量に飲んで溺れた。
「先生、もう大丈夫です。」
「そう。じゃあ…このベッド、カーテンあるからこの中で着替えなさい。」
「はい。」
時は昼休み。
「今日はお弁当持ってきた?」
「はい。あ、そうそう。食堂じゃ色々話しづらいし、屋上で食べません?」
「うん、じゃあそうしようか。」
168 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/02/27(火) 05:17:17.72 ID:3gPyf3TL0
高い所は風が強い。
「寒くない?」
「大丈夫です。」
ふたりはベンチに腰掛けた。
「あんなに泳げないなんて思わなかった。」
「男女差だけじゃないからね。恵、運動部じゃなかったからさ。」
「そう…ですか…。」
英雄は、空を見上げて遠い目をした。
「話変わりますけど、俺ってあんな無神経でしたっけ?」
「あんなって?」
少しためらったが、恵は昨日から今朝にかけてのことを話した。
「一人っ子だったから知らないと思うけど、兄弟なんてそんなものだって。」
「先輩にもお姉さんか妹さんがいらっしゃるんですか?」
「いや、僕は兄貴だけだけどさ、友達の話聞いてると。」
唐揚げを一口に放り込んで、聞いた。
「勉強はどう?」
「あー、何がなにやら…」
「だろうね。明日から部活テスト休みだからさ、教えてあげるよ。」
「え、でも先輩の勉強は?」
「だって、明らかに恵の方が深刻だしさ。ところで…。」
「…何ですか?」
「話し方、いきなりは無理かもしれないけど、お願いね。」
「あ…え…はい…じゃなかった…うんっ!」
本日一番の笑顔で、恵は応えた。
「寒くない?」
「大丈夫です。」
ふたりはベンチに腰掛けた。
「あんなに泳げないなんて思わなかった。」
「男女差だけじゃないからね。恵、運動部じゃなかったからさ。」
「そう…ですか…。」
英雄は、空を見上げて遠い目をした。
「話変わりますけど、俺ってあんな無神経でしたっけ?」
「あんなって?」
少しためらったが、恵は昨日から今朝にかけてのことを話した。
「一人っ子だったから知らないと思うけど、兄弟なんてそんなものだって。」
「先輩にもお姉さんか妹さんがいらっしゃるんですか?」
「いや、僕は兄貴だけだけどさ、友達の話聞いてると。」
唐揚げを一口に放り込んで、聞いた。
「勉強はどう?」
「あー、何がなにやら…」
「だろうね。明日から部活テスト休みだからさ、教えてあげるよ。」
「え、でも先輩の勉強は?」
「だって、明らかに恵の方が深刻だしさ。ところで…。」
「…何ですか?」
「話し方、いきなりは無理かもしれないけど、お願いね。」
「あ…え…はい…じゃなかった…うんっ!」
本日一番の笑顔で、恵は応えた。