ひょんなことから女の子
名無草 1-11
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hyon
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22 名前: 名無草 2007/03/03(土) 00:35:35.77 ID:HzGYCDXL0
時間をかけて回ったせいか、教室に入る頃には陽は傾き。
辺りは暖かな朱に染まっていた。
俺と“男”と“友”はそれぞれの机に座る。
俺「なんかこうしてると昼休みとかのこと思い出すな……」
友「おいおい、高々三日前だぞ?」
言いながらも二人も同じ心境なのか、いつものように下らない話しを始めた。
しばらく喋っていて、ふと姉貴を見る。
すると優しげな瞳で俺を見つめていてなんだか照れてしまった。
目を逸らすと不意に時計が目に飛び込んできた。
俺「やべ、そろそろ校門閉まるんじゃね?」
“男”と“友”も時計を確認する。
男「ほんとだ、ちょっと急ごうか」
友「教室の鍵閉めに来た教師と会うのもヤバイしな」
当たり前だが俺は今俺の制服を着ている、教師に見咎められてゴタゴタするのも億劫だ。
俺「んじゃ、帰ろう」
そう言って立ち上がったと同時に、声が発せられた。
「君は、この学校の生徒じゃないな?こんなところで何を?」
辺りは暖かな朱に染まっていた。
俺と“男”と“友”はそれぞれの机に座る。
俺「なんかこうしてると昼休みとかのこと思い出すな……」
友「おいおい、高々三日前だぞ?」
言いながらも二人も同じ心境なのか、いつものように下らない話しを始めた。
しばらく喋っていて、ふと姉貴を見る。
すると優しげな瞳で俺を見つめていてなんだか照れてしまった。
目を逸らすと不意に時計が目に飛び込んできた。
俺「やべ、そろそろ校門閉まるんじゃね?」
“男”と“友”も時計を確認する。
男「ほんとだ、ちょっと急ごうか」
友「教室の鍵閉めに来た教師と会うのもヤバイしな」
当たり前だが俺は今俺の制服を着ている、教師に見咎められてゴタゴタするのも億劫だ。
俺「んじゃ、帰ろう」
そう言って立ち上がったと同時に、声が発せられた。
「君は、この学校の生徒じゃないな?こんなところで何を?」
28 名前: 名無草 2007/03/03(土) 01:24:16.15 ID:HzGYCDXL0
見ると、そこに居たのはいつも俺の耳を引っ張り上げる……じゃなくて、
社会科の担当で俺たちの担任の“女教師”が居た。
あー、よりによって一番厄介なのに捕まっちまった……。
そんなことを考えていると“女教師”は教室へと入ってきて、
俺の方を睨み付けるように見つめて固まってしまった。
男「先生?どうしたんですか?」
“男”の声で現実に引き戻されたのか、
女教師「ん、いや。君は誰だ?何故“俺”の制服を着て“俺”の席に座っている?」
あー、まぁ当然の疑問か。
3人を見る。助け舟、出してくれよ……。
姉「私は“俺”の姉なんですが」
姉貴が話し出した。どうするのかと俺たち男衆は姉貴を見つめる。
いや、俺は今女なんだけどね。
始めに言ったのはお詫びだった。
姉「家出している、なんて事にしてしまってすみませんでした」
何を言い出すんだろう。
それでもそうしない訳にはいきませんでした。姉貴は続ける。
どういうことかと“女教師”は尋ねる。
姉「そうそう信じられる事じゃありませんから。
先生は、そこの女の子が“俺”だと言って、信じられますか?」
俺「ちょ、姉貴……
姉「家出と偽ったのは苦し紛れの応急処置でした」
姉貴は更に続ける。
そうして10分、反論出来ずに言いくるめられた“女教師”が俺を見つめる。
女教師「にしても、これが本当に“俺”なのか……?」
社会科の担当で俺たちの担任の“女教師”が居た。
あー、よりによって一番厄介なのに捕まっちまった……。
そんなことを考えていると“女教師”は教室へと入ってきて、
俺の方を睨み付けるように見つめて固まってしまった。
男「先生?どうしたんですか?」
“男”の声で現実に引き戻されたのか、
女教師「ん、いや。君は誰だ?何故“俺”の制服を着て“俺”の席に座っている?」
あー、まぁ当然の疑問か。
3人を見る。助け舟、出してくれよ……。
姉「私は“俺”の姉なんですが」
姉貴が話し出した。どうするのかと俺たち男衆は姉貴を見つめる。
いや、俺は今女なんだけどね。
始めに言ったのはお詫びだった。
姉「家出している、なんて事にしてしまってすみませんでした」
何を言い出すんだろう。
それでもそうしない訳にはいきませんでした。姉貴は続ける。
どういうことかと“女教師”は尋ねる。
姉「そうそう信じられる事じゃありませんから。
先生は、そこの女の子が“俺”だと言って、信じられますか?」
俺「ちょ、姉貴……
姉「家出と偽ったのは苦し紛れの応急処置でした」
姉貴は更に続ける。
そうして10分、反論出来ずに言いくるめられた“女教師”が俺を見つめる。
女教師「にしても、これが本当に“俺”なのか……?」
29 名前: 名無草 2007/03/03(土) 01:35:20.41 ID:HzGYCDXL0
あの“女教師”を言いくるめる辺りさすがは姉貴……。
そんなことを考えていると“女教師”が俺の顔を覗き込んできた。
俺「な、なんすか?」
まさに蛇に……酷いたとえなのでやめておこう。
女教師「……確かに、似ている気はするが」
そう易々と納得されても困る気がするが……、
それでもこの人を見方に出来るなら心強い。
俺「マジで“俺”だって、ほら、三日前も耳つねられたじゃん?」
更に10分ほど話しをして、
俺「あ、そう言えば“男”。門限大丈夫なのか?」
時計を見ると門限5分前、きわどいところだ。
男「あ!ご、ごめん。もう帰らないと!」
友「ん、そうしろそうしろ」
女教師「っと、私もさっさと帰らないと……。
“俺”、俄かには信じがたい話しだが、信じてみよう。
復学の話も、まぁなんとかしてみるよ」
そう言って教室を追い出された。
なんだかんだ言っても、あの人は生徒のことを考えてくれる本当に良い先生なんだなぁ……。
そんな事に今更ながら気付いた。
そんなことを考えていると“女教師”が俺の顔を覗き込んできた。
俺「な、なんすか?」
まさに蛇に……酷いたとえなのでやめておこう。
女教師「……確かに、似ている気はするが」
そう易々と納得されても困る気がするが……、
それでもこの人を見方に出来るなら心強い。
俺「マジで“俺”だって、ほら、三日前も耳つねられたじゃん?」
更に10分ほど話しをして、
俺「あ、そう言えば“男”。門限大丈夫なのか?」
時計を見ると門限5分前、きわどいところだ。
男「あ!ご、ごめん。もう帰らないと!」
友「ん、そうしろそうしろ」
女教師「っと、私もさっさと帰らないと……。
“俺”、俄かには信じがたい話しだが、信じてみよう。
復学の話も、まぁなんとかしてみるよ」
そう言って教室を追い出された。
なんだかんだ言っても、あの人は生徒のことを考えてくれる本当に良い先生なんだなぁ……。
そんな事に今更ながら気付いた。
31 名前: 名無草 2007/03/03(土) 01:45:20.97 ID:HzGYCDXL0
友「やっぱあの人、良い先生だよなぁ」
俺「お前はただ年上の女の人が好きなだけだろ」
言いながら思う、確かに良い先生なんだよな、あの人。
為にならないと思ったら本気で怒ってくれる、そんな人は本当に珍しい。
気付かなければウザいだけかもしれないが……。
何にしても、復学に向けてこれ以上ないくらいの味方が出来た。
それだけで良しとしておこう。
なんだかとんとん拍子で突拍子で、都合が良すぎる気もするが……。
決して細かく書くのが面倒だとか、そう言うことではない。
……誰に対する、何に対する弁解なんだ……。
俺「お前はただ年上の女の人が好きなだけだろ」
言いながら思う、確かに良い先生なんだよな、あの人。
為にならないと思ったら本気で怒ってくれる、そんな人は本当に珍しい。
気付かなければウザいだけかもしれないが……。
何にしても、復学に向けてこれ以上ないくらいの味方が出来た。
それだけで良しとしておこう。
なんだかとんとん拍子で突拍子で、都合が良すぎる気もするが……。
決して細かく書くのが面倒だとか、そう言うことではない。
……誰に対する、何に対する弁解なんだ……。
“友”に送ってもらって、玄関で別れる。
姉貴は、じゃぁね、とだけ言ってさっさと家に入ってしまった。
俺「今日は、と言うか今日もありがとな」
友「気にすんなって」
俺「んじゃな」
友「おう、またな」
一言二言多いだけで、こっちも大差ないか。
姉貴は、じゃぁね、とだけ言ってさっさと家に入ってしまった。
俺「今日は、と言うか今日もありがとな」
友「気にすんなって」
俺「んじゃな」
友「おう、またな」
一言二言多いだけで、こっちも大差ないか。