ひょんなことから女の子
◆wjOmYNm0Aw 1-19
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hyon
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84 名前: 狩人(dion軍) 2007/04/01(日) 17:40:50.51 ID:m0+bZdX30
第三話
箱が置いてある場所に到着する。中からは猫の鳴き声らしき音が聞こえる
勇人「やっぱり、この箱だったか」
優「どうする?」
勇人「・・・とりあえず開けてみよう」
ダンボールの箱を開けてみる。すると、そこには一匹の猫がいた
優「わぁ・・・可愛い・・・」
優が猫を持ち上げて抱き上げる
勇人「こんな寒い日に猫を捨てるとはな・・・」
優「うん・・・あ、勇人。僕、この猫飼いたい」
- 大体言うとは思ってたけどさ。しかも、僕の借りているマンションは動物OKなのである
勇人「・・・僕は世話する気はまったく無いからな。自分で全部管理しろよ」
優「もっちろん♪」
はぁ・・・何でここで僕もあっさり許可してるのかね。それはそうと
勇人「その猫、まだ完全に大人ってわけじゃないんだな。そんなにデカくないし」
85 名前: 狩人(dion軍) 2007/04/01(日) 17:42:05.48 ID:m0+bZdX30
優「うん。そうみたい。人間に例えると、大体中学生くらいじゃないかな?」
人間に例えてもらうと助かるな。猫の寿命とか全く知らないし
勇人「あれ?」
ダンボール箱の中をふと見る。何故か一枚の手紙が入っていた
優「ん?どうしたの?」
勇人「いや・・・手紙が入ってた」
優「手紙?何て書いてあるの?」
勇人「ちょっと待って」
箱の中から手紙を取り出し、早速広げて読んでみる
-捨て猫です、どうか可愛がってあげて下さい。性別はメスです。トイレ等のしつけはある程度出来ています。詳細は裏面に-
だそうで。裏面を見ると色々と書いてある。こんなに書くのなら自分で育てればいいのに
優「成る程成る程。あ、そうだ。名前どうしよう?」
- 名前?
勇人「この紙には書いてないみたいだな。名前は勝手に決めてくれってか」
優「ねぇ、名前何がいいかな?」
86 名前: 狩人(dion軍) 2007/04/01(日) 17:44:34.34 ID:m0+bZdX30
ぶっちゃけ僕も優もネーミングセンスは皆無だからな。どうしたものか
チリーン・・・
優「んれ?あ、この子、首に鈴つけてるよ」
猫の首を見る。そこには、確かに鈴がついていた
勇人「鈴・・・か・・・」
お、ひ ら め い た
勇人「なぁ、こいつの名前 秋空鈴(あきそらすず) ってのはどうだ?」
優「あ、うん!いい名前だね!よっし、今日から君は秋空鈴だよ!」
鈴「にゃー♪」
鈴を目の前に持ち上げて優がそんなことを言う。鈴も嬉しそうににゃーと鳴いていた
勇人「しかし、葉っぱのついてないこんな木の下に置いておくなんてな。随分酷い飼い主だったんだな」
鈴の入っていたダンボール箱は、とある大きな木の下だった
今は冬だから枯れてしまっているが、その木には春には桜の花が咲く。近所ではきれいだと結構評判がいい
今は冬だから枯れてしまっているが、その木には春には桜の花が咲く。近所ではきれいだと結構評判がいい
勇人「じゃあ今日からお前も秋空家の一員だ!よかったな、鈴!」
- このときの僕は全く予想していなかった-----
- これが、一匹の猫と高校一年の僕が織り成す、不思議と悲しみの物語の幕開けだとは-----
