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太陽が遮られ、月は未だ出ず。
闇と影に覆われた草原を、カインは走る。
仲間の無事を守るために。だが、すぐに守とミキタカは見えなくなってしまった。
それでも、東へと走る。だが、上空を疾走する二人にはとても追いつけない。
だがその反面、別の収穫はあった。


「カイン!?」

目の前の人と人でない2人組。
そのうち人の姿をしている者は、かつての彼の仲間、ローザ・ファレルだった。


「………ローザ……本物!?」

彼は一度、ローザの姿を騙った偽物に会った。
敵意が無いとはいえ、魔物のような誰かを連れていたのもあり、疑ってしまった。


「ボトクに会ったのね…でも私は本物よ。彼が死んだから、呪いが解けたみたい。」
「私は何があったのか知らないけど…ローザさんは殺し合いに乗ってないわ。
あの時私を庇ってくれたもの。」

ローザの隣にいたクリスチーヌも、彼女がシロであることを主張する。
2人の話を聞き、ようやくカインから疑いの視線が消えた。
そして良く知っている女性の瞳を、じっと見つめる。
黒曜石を彷彿とさせる曇り無き瞳は、間違いなくバロンの白魔導士、ローザのものだ。


「無事でよかった。」

彼もまた、ローザに恋をしていた者の一人だ。
セシルがいなくなったからと言って、彼女の心を奪えるなど不埒な考えを抱くつもりは無い。
それでも、幼馴染の女性の無事を祝わざるを得なかった。


「カイン、あなたこそ。」

そしてローザもまた同じだった。
セシルが死に、その兄が死に、エッジが死んだ今、彼女が頼れる仲間はもうあまり残っていない。
共にゼロムスを倒した仲間が、一人でも無事だった。
その事実だけで涙が出て来た。

本当ならば、酒瓶の一つでも開け、互いの無事を祝う宴を開いても良い所だ。
だが、3人共やらなければいけないことがある以上、そのようなことに時間を削ぐわけにはいかない。


「済まないが、俺は行かなければならない所がある。
アキヅキマリアという、赤髪の少女を知っているか?」
「え?」
「それって……。」


カインの問いに、ローザだけでなく、クリスチーヌも驚いた。
何しろ、先程彼女らを襲った少女だからだ。
クリスチーヌに至っては、その時以外にも2度真理亜に襲われている。


「やはり奴は殺し合いに乗っていたか…。」

彼女らの反応に、真理亜という少女が良からぬことをしていたことに気付く。
既にデマオンの話から、十中八九彼女はクロだと考えていた。
だが、図書館の焼け跡に、ローザ達の反応で、残りの一二も埋まった。


「カインさんは、あの人と何があったんですか?」
「時間は無い、手短に話す。」

カインは説明した。
自分は伊東守という、真理亜を探している少年と同行していたと。
そして彼が、真理亜を慮るあまり、別の同行者の力を借りて遠くへ行ってしまったことを。


その話を聞いた女性二人の表情は、苦々しいものだった。
カインの話が正しいとすると、ミドナが真理亜に勝っても負けても、ろくな結末をむかえないということだからだ。
あの時、ミドナは真理亜を殺すつもりで、自分だけ殺人という汚れ仕事を担うつもりで戦場に残った。
彼女を助けるということはもうしないはずだし、もしかすると守までミドナに殺されてしまうかもしれない。
逆にミドナが負ければ、カインの同行者の守やミキタカにまで被害が及ぶかもしれない。
いくら守が真理亜に想いを抱いていたからと言って、それが一方通行で終わらない保証はどこにもないのだ。

「分かったなら話は早い。俺はもう行くことにする。
ローザの知り合いってことにすればミドナって奴も分かってくれるだろう。」

すぐにでもカインは走り出そうとする。
こうしている間に、守たちが死ぬ可能性は、どんどん上がっているのだ。
たとえ間に合わないのだとしても、見捨てる訳には行きたくなかった。

ローザも同じ理由で、カインを行かそうとした。
今は再会を喜びたい所だし、横槍を入れられるのはミドナとしても不服だとは考える。
それでも、彼の同行者まで向かっているとなれば、追いかけねばならないだろう。

「ちょっと待って!」

クリスチーヌはミドナから言われていたことを思い出す。

「カインさんは、リンクって人を知りませんか!?ミドナさんって人の仲間で、
最初の会場にいた……緑フードの人なんですが……。」
「何!?」


カインは足を止め、彼女らの方向に振り向く。


どこか間の抜けた会話になってしまった。
だが、カインの反応も無理はない。
なんせこの殺し合いが始まり、すぐに出会った人物だった。


「会ったの?どこで!?」

本当はこんな所で立ち話をするほど余裕がある訳ではないが、勿論食い入るように聞こうとする。

「この会場の北西、地図で言うとB-1あたりだ。とは言ってもこの殺し合いが始まってすぐだから、離れた場所にいてもおかしくない。」
「同行したって訳じゃないの?」
「ああ。仲間を失って意気消沈していたから、俺が殺し合いに乗った振りをして活を入れた。」
「「…………。」」

何をしているんだこの人は、という空気があたりに漂った。
ローザに至っては、彼の意志でないとはいえ、二度カインに裏切られた経験があるから猶更だった。

「と、ともかくそれからリンクには会っていない。いるとするなら、俺が言ったことのない場所だろう。入れ違いになったかもしれないが。」
「それともう一つ聞きたいことがあるわ。「マスターソード」という剣を知らない?」

今度尋ねたのはクリスチーヌの方だった。


「それは知らな……待てよ!?」

彼女の話から、それは月の地下渓谷で手に入れたラグナロクのようなものだと察した。
だが、そんな剣は見たことも聞いたこともない、と言おうとしたが、ふと思い出した。
かつて自分とエッジがガノンドロフと戦っていた際、エッジが懐から光る剣を出したことを。
どうやら鉛のように重かったらしく、彼はまともに使えていなかったが、それでもあの剣に斬られた魔王は苦しんでいた。
あれがマスターソードだったのではないか、そう考えた。


「手掛かりはあるの?」
「これも無いわけではない……といった所だ。」

その後エッジはガノンドロフに殺され、聖剣も奪われた。
そしてそのガノンドロフも死に、剣は行方不明のままだ。
彼を殺した人物が回収している可能性と考えるのが妥当だが、それがまた誰なのか分からない。
また戦いの拍子で彼の支給品が紛失してしまったという可能性も無くは無い。

「それらしい物を一瞬見ただけだ。それがどこにあるか知らないし、今の持ち主が誰かも分からない。」
「とにかく、カインは今までどこを歩いたの?」
「ああ、俺はこの場所でリンクに出会ってからな……。」


ローザが話を戻そうとする。聖剣の行方より、まだリンクの行方の方が探しやすそうだ。
カインは地図を取り出し、自分が進んだ方向を書いた。
山奥の塔と杜王駅、杜王駅と図書館、図書館と現在地を繋ぐ線が引かれる。
そしてローザやクリスチーヌも、同じことをした。
3人が引いた線の中で、入っていないのはハイラル駅とバロン城と学校、それに大魔王の城だ。
勿論、3人がいない間に、彼らが通った場所にいるという可能性も捨てきれない。
だが、ある程度リンクがいる場所の察しは付く。

ハイラル駅はカインと出会った場所から近すぎて、流石にそこまですぐ近くにはいない。
バロン城は遠すぎる上に、現在そこを繋ぐ場所のほとんどが封鎖されている。
いるとするならば学校、あるいは大魔王の城の付近である可能性が高い。


どちらの場所も、おおよそリンクに縁のある場所とは思い難い。
だが年若い参加者もいる以上、リンクは子供が集いがちな学校に籠城し、戦っているかもしれない。
また大魔王の城という、悪に与する者が跋扈しがちな場所に、自ら進んで赴いているかもしれない。


「話は分かった。だがどうして、そのリンクという奴とマスターソードが必要なんだ?」

クリスチーヌは言葉で返さず、代わりにミドナとの筆談内容を見せた。
勇者の力と、影の力を祓う聖剣で、クリスタルと影の結晶の混合物である首輪を破壊するということだ。


「なるほど……だが恐らく、それ一つでは不可能だと思う。」
「どうして?」
「もしかして、2つの力で作られた道具なら、2つの力を使わなければ壊せないということですか?」

クリスチーヌの発言は、カインの予想と一致していた。

「その通りだ。どんな道具を使ったとしても、それ一つで全てをひっくり返すことは出来ないだろう。」

かつて悪の側に付いたことのあるカインだからこそ分かる。
全てを解決する万能の道具というものは、そう簡単に目の前に降って来るものではない。
もし目の前にそれらしきものがあっても、すでに敵の側が対策を練っているはずだから。

「もう一つの手段が私達の世界の魔法なら……デスペルとかかしら?」
「まあ、どちらにせよ、肝心の聖剣が無いと話にならんがな。」


それからも話し合いの結果、ローザとクリスチーヌは方向転換して南へと向かうことにした。
カインも同行したいが、真理亜と戦っているのがリンクの仲間だというのなら、猶更急がなければならない。




「そうだ。この際だから話しておくが、気を付けて欲しい奴らが居る。」

カインは説明した。
この世界で恐ろしいのは、目が合えば即座に襲い掛かって来る敵ばかりではないことを。
殺し合いに乗っていない味方の顔をして、その裏で誰かの殺害や優勝を狙おうとするものだっている。


「吉良吉影というヤツと、スクィーラというネズミの化け物だ。
リンクを探している途中に、奴らに鉢合わせすることになるかもしれないが、コイツらが言うことは絶対に信用してはならない。」

2人共、吉良に関しては早人からその正体を聞いただけだが、下手に力を持った怪物より厄介な存在だ。
たとえ彼らが鼻持ちならないことを企んでいたと察することが出来たとしても、平気でその警戒の網を搔い潜って来る。


「分かったわ。」
「教えてくれてありがとうございます。カインさんも気を付けてください。」


そんな別れを経て、カインが目指すのはここよりさらに東である。
折角の幼馴染と再会できたのだから、放り出さずに3人で行動したいという気持ちはあった。
だが彼女らよりも、守とミキタカ、それにローザの仲間の方が危険である以上、見捨てる訳にはいかない。
それは、彼らを裏切ると同時に、ローザを信頼していないということになる。
裏切るのはゼムスに洗脳された時だけで十分だ。

セシルならば同時に守る方法を考えたかもしれない。
そんなことを考えながら、彼は走る。
もう手遅れだ、そう考えていたのだとしても。
聖騎士の代理人は、影に覆われた世界を疾走する。



【B-6 草原 午後】


【カイン@Final Fantasy IV】
[状態]:HP7/10 服の背面側に裂け目 疲労(小)
[装備]:ホーリーランス@DQ7  ミスリルヘルム@DQ7
[道具]:基本支給品 
[思考・状況]
基本行動方針:マーダーを殺す。
1.守、ミキタカを追いかける。
2.ローザとも集合したい。
3.出来るならばスクィーラ、吉良吉影の危険性を広めたい
※参戦時期はクリア後です



【クリスチーヌ@ペーパーマリオRPG】
[状態]:HP2/5 悲しみ(大)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品@ジョジョの奇妙な冒険 キングブルブリンの斧@ゼルダの伝説 マリオの帽子 ビビアンの帽子 グリンガムのムチ@ドラゴンクエストⅦㅤエデンの戦士 ビビアンの基本支給品、ランダム支給品1~2(確認済み) クローショット@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス ランダム支給品(×0~1 確認済)
[道具]:基本支給品×2(マリオ、セシル) 
[思考・状況] 
基本行動方針:首輪解除のヒントを見つける
0.マリオ……。
1. ミドナの為にも、リンクを探す。まずはローザと共に、大魔王の城方面に
2.マスターソードを見つけ、首輪を解除する。

※図書館の本から、DQ7.FF4にある魔法についてある程度の知識を得ました。
※首輪についてある程度仮説を立てました。
• 爆発物ではないが、この首輪が原因で死ぬ可能性は払拭できない。
• 力を奪うのが目的
• 素材は影の結晶(トワイライトプリンセス中盤でザントによってリンクの額に埋め込まれたもの)と、クリスタル@ff4に似た魔力の結晶。



【ローザ・ファレル@Final Fantasy IV】
[状態]:HP 1/4 MP:3/10 決意
[装備]:勇者の弓@ゼルダの伝説+矢20本 トワイライトプリンセス ふしぎなぼうし@ドラゴンクエストVII
[道具]:基本支給品、 カチカチこうら@ペーパーマリオRPG×2ランダム支給品0~1 偽クリスタル@現地調達、その他首輪の素材
[思考・状況]
基本行動方針:クリスチーヌと共に、リンク、およびマスターソードを探す。
1:まずはクリスチーヌと共に、大魔王の城方面に
2:ミドナ…無事でいて……。
3:どうして首輪の素材に、クリスタルのようなものがあるの?
※参戦時期は本編終了後です。
※この殺し合いにゼムスが関わっていると考えています。
※ジョジョ、無能なナナ、DQ7、ペーパーマリオの参戦者に関する情報を得ました。




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093:魔王の牙(前編) 時系列順 095:しかし、誰が四枚目のカードになるのか?
投下順
088:たとえ弱い環であっても カイン・ハイウインド 098:第三回放送 From Players
087:未来へ ローザ・ファレル :闇に燃えし篝火は Apocalypse Day
クリスチーヌ

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最終更新:2023年02月19日 14:56