Ⅴ
幻想(ゆめ)を見る。
それは、
とても哀しい現実(ゆめ)だった。
全てが壊れて。
全てが無くなって。
全てが遠ざかって。
そして、
自分は、
その全てを起こして。
全てを失った。
何もかも。
仲間も。愛も。友情も。自分も。体も。意識も。心も。
幻想も。
力も。
そして、
世界は、
終焉を迎えた。
それは、
とても哀しい現実(ゆめ)だった。
全てが壊れて。
全てが無くなって。
全てが遠ざかって。
そして、
自分は、
その全てを起こして。
全てを失った。
何もかも。
仲間も。愛も。友情も。自分も。体も。意識も。心も。
幻想も。
力も。
そして、
世界は、
終焉を迎えた。
Ⅵ
「…はえ?」
思わず、上条は声を上げる。
目を開けると、移ったのは見慣れた天井。
そして、首を回すと。
移ったのは、見慣れた――――
ギュゴォッ!
と、上条は首を瞬間的に元に戻す。
そして、冷静になってみると、その視線の先には、
歯をギラつかせたインデックスが。
「…あ、あのー?」
上条が、防御態勢をとりつつ言う。
「わ、わたくしめは、注射をうたれて寝ていたわけでして…
つまり、この不可解な現象にわたくしめは関与していないわけでして…
そして、あなたのお怒りも緩和されないわけでして?」
最後だけ、ちょっと理解不能な文章になった。
だが、それでも目の前のシスターは、コクンと頷く。
そして、
「と――――う―――――ま―――――ぁ!!!!」
そう叫び、インデックスが飛びかか――――
「…?」
ろうとした時。
上条の横で、『何か』が動いた。
それは、この不幸の根源。
つまり、常盤台中学のエースで、超能力者(レベル5)の第3位で、つまり、
「…って!ちょっとあんたねぇッ!?」
御坂美琴だった。
思わず、上条は声を上げる。
目を開けると、移ったのは見慣れた天井。
そして、首を回すと。
移ったのは、見慣れた――――
ギュゴォッ!
と、上条は首を瞬間的に元に戻す。
そして、冷静になってみると、その視線の先には、
歯をギラつかせたインデックスが。
「…あ、あのー?」
上条が、防御態勢をとりつつ言う。
「わ、わたくしめは、注射をうたれて寝ていたわけでして…
つまり、この不可解な現象にわたくしめは関与していないわけでして…
そして、あなたのお怒りも緩和されないわけでして?」
最後だけ、ちょっと理解不能な文章になった。
だが、それでも目の前のシスターは、コクンと頷く。
そして、
「と――――う―――――ま―――――ぁ!!!!」
そう叫び、インデックスが飛びかか――――
「…?」
ろうとした時。
上条の横で、『何か』が動いた。
それは、この不幸の根源。
つまり、常盤台中学のエースで、超能力者(レベル5)の第3位で、つまり、
「…って!ちょっとあんたねぇッ!?」
御坂美琴だった。
なぜか、さっきまで上条と同じベッドですやすやとかわいい寝息をたてて寝ていた少女だ。
そんな可憐な美少女に、上条は思わず言った。
「ってか!全てお前のせいだからっ!?まずこの不可解な現象がおきた理由を説ぐはぁッ!?」
発言途中でインデックスに頭を噛み付かれる上条。
「え、あ、え…?私??」
途中までの発言に、戸惑う美琴。
その仕草が、なんともいえないほどかわいい。だから言った。
「すみませんっ!?なんでもいいからこの怒りボルテージMAXのシスターさんを引き剥がしてもらえませんでしょうかマジで!!」
そう叫んだ。
だって、生命の危機が現在進行形で訪れているのだ。そんな状況下で、かわいいとか可憐だとかもう関係ないよねーッ!!と上条は勝手に決め付ける。
その叫びに美琴は、
「言われなくともッ!」
と、なぜかやる気満々な声で答え、インデックスを剥がし始める。だがしかし、インデックスのあごの力が異様に強く、引き剥がせないどころかインデックスの顎が少し動いて更なる激痛が上条の体を支配する。
「-^~っ:ぉ。・っ!?」
理解できるはずがない言語を放つ上条。
それを見た美琴は、
「え?逆効果!?」
とっさに力を抜く。だが、体にかかる力がなくなったためか、やっぱりインデックスの噛み付きレベルが一つ上がってしまう。
もはや声も出せない上条。
「ちょ、もうッ!」
そう美琴が言い、少し強めの電流をインデックスに浴びせる。インデックスが少しふらっと揺れ、噛み付きから解放された上条が叫ぶ。
「だぁ!俺は今回の戦いであんまり怪我しなくて優秀だったなぁー、なんて思ったら次はこれかよっ!?
てか、俺の怪我の大半はお前のせいな気がするぞインデックス!」
「な、なにを言うのかなとうま!?そもそも、とうまが無駄な事件に首を突っ込むからいけないんだよッ!」
「の前に、あたしへの感謝の気持ちはないわけなの!?」
上条とインデックスの声量に負けじと、美琴も声のボリュームを上げる。
「あ、ありがとな」
適当に言う上条。というか、この惨事はお前のせいじゃねぇの?といいたかったところなのだが。
そして、その言葉を言った次の瞬間。
「何故お姉様が感謝の言葉をかけられ、何故私にはそれがないのですか?と、ミサカは暗に『私にも言え』と強制します」
「どういう理論だよそれ!?ってか、何もしてないのに感謝の言葉をかけられてもうれしくないだろ!」
「いいえぜんぜんっ!全く持ってうれしい限りですがっ!」
と、御坂妹に続いて病室の扉をぶち壊すような勢いで入ってくる少女。
「五和!?なんでここに?」
「説明は後回し!とりあえず今はッ!」
「なにが、とりあえず今は、よ!新参者は引っ込んでなさい!!」
「それだったら、短髪も新参者かも!」
「ふふ。あんたは知らないだろうけど、実は私たちは前から関係があったのよ」
「確かにそうだけど!事実だけど受け取れる意味がちょっとヤバい気がするのですがっ!?」
なんかヒートアップしていく彼女たちの会話に一声適当に入れ、上条はとりあえず会話から外れる。
(…さっきの夢…は?)
確か、起きる前までやけに現実的な夢を見ていた…気がする。
しかし、ぜんぜん内容が思い出せない。分かるのは、とてつもなく悪い夢。さっきみたいな展開でもいいから、何でもいいからその夢から覚めたい、と思ってしまうほどの。
確か、
自分が笑っていて、
周りの人が泣いていて、
周りの人が泣きながら俺に襲い掛かってきて、
そして自分は―――――
(…だめだ。なんか思い出せねぇ)
上条は頭に手を当てかけ、その手を引っ込める。
(まぁ、思い出せない夢より)
と、上条は目の前の『惨事』を見つめる。
(――――目の前の事件…か)
ため息をつき、そして、
「…そういえば、何でこんなことなってんだ…?」
そんな可憐な美少女に、上条は思わず言った。
「ってか!全てお前のせいだからっ!?まずこの不可解な現象がおきた理由を説ぐはぁッ!?」
発言途中でインデックスに頭を噛み付かれる上条。
「え、あ、え…?私??」
途中までの発言に、戸惑う美琴。
その仕草が、なんともいえないほどかわいい。だから言った。
「すみませんっ!?なんでもいいからこの怒りボルテージMAXのシスターさんを引き剥がしてもらえませんでしょうかマジで!!」
そう叫んだ。
だって、生命の危機が現在進行形で訪れているのだ。そんな状況下で、かわいいとか可憐だとかもう関係ないよねーッ!!と上条は勝手に決め付ける。
その叫びに美琴は、
「言われなくともッ!」
と、なぜかやる気満々な声で答え、インデックスを剥がし始める。だがしかし、インデックスのあごの力が異様に強く、引き剥がせないどころかインデックスの顎が少し動いて更なる激痛が上条の体を支配する。
「-^~っ:ぉ。・っ!?」
理解できるはずがない言語を放つ上条。
それを見た美琴は、
「え?逆効果!?」
とっさに力を抜く。だが、体にかかる力がなくなったためか、やっぱりインデックスの噛み付きレベルが一つ上がってしまう。
もはや声も出せない上条。
「ちょ、もうッ!」
そう美琴が言い、少し強めの電流をインデックスに浴びせる。インデックスが少しふらっと揺れ、噛み付きから解放された上条が叫ぶ。
「だぁ!俺は今回の戦いであんまり怪我しなくて優秀だったなぁー、なんて思ったら次はこれかよっ!?
てか、俺の怪我の大半はお前のせいな気がするぞインデックス!」
「な、なにを言うのかなとうま!?そもそも、とうまが無駄な事件に首を突っ込むからいけないんだよッ!」
「の前に、あたしへの感謝の気持ちはないわけなの!?」
上条とインデックスの声量に負けじと、美琴も声のボリュームを上げる。
「あ、ありがとな」
適当に言う上条。というか、この惨事はお前のせいじゃねぇの?といいたかったところなのだが。
そして、その言葉を言った次の瞬間。
「何故お姉様が感謝の言葉をかけられ、何故私にはそれがないのですか?と、ミサカは暗に『私にも言え』と強制します」
「どういう理論だよそれ!?ってか、何もしてないのに感謝の言葉をかけられてもうれしくないだろ!」
「いいえぜんぜんっ!全く持ってうれしい限りですがっ!」
と、御坂妹に続いて病室の扉をぶち壊すような勢いで入ってくる少女。
「五和!?なんでここに?」
「説明は後回し!とりあえず今はッ!」
「なにが、とりあえず今は、よ!新参者は引っ込んでなさい!!」
「それだったら、短髪も新参者かも!」
「ふふ。あんたは知らないだろうけど、実は私たちは前から関係があったのよ」
「確かにそうだけど!事実だけど受け取れる意味がちょっとヤバい気がするのですがっ!?」
なんかヒートアップしていく彼女たちの会話に一声適当に入れ、上条はとりあえず会話から外れる。
(…さっきの夢…は?)
確か、起きる前までやけに現実的な夢を見ていた…気がする。
しかし、ぜんぜん内容が思い出せない。分かるのは、とてつもなく悪い夢。さっきみたいな展開でもいいから、何でもいいからその夢から覚めたい、と思ってしまうほどの。
確か、
自分が笑っていて、
周りの人が泣いていて、
周りの人が泣きながら俺に襲い掛かってきて、
そして自分は―――――
(…だめだ。なんか思い出せねぇ)
上条は頭に手を当てかけ、その手を引っ込める。
(まぁ、思い出せない夢より)
と、上条は目の前の『惨事』を見つめる。
(――――目の前の事件…か)
ため息をつき、そして、
「…そういえば、何でこんなことなってんだ…?」
その後の、上条とほかの面々の壮絶なる争いを書くといろんな意味で凄いことになるので、省略する。
とりあえず、今は昼。
そして、場所は、
「…俺、何でこんなとこいるんだ…?」
このごろ疑問系ばかりだな、と感じる上条。しかし、分からないものは分からないのだから仕方がない。
「私たち、天草式十字凄教以上の組織の中心人物が、なに言ってるんですか」
五和が、少しだけ呆れたような感じで言う。
「『上条勢力』ねぇ…実感が沸かない」
あの後、五和からいろいろと話を聞いた。
まず、五和がいきなり病室に殴りこんできた理由(上条を巡る、という意味ではない)。
今回の先頭のことを、学園都市はイギリス清教伝えたらしい。
すると、イギリス清教からの増援がよこされることになった。
その増援が、天草式十字凄教、元アニェーゼ部隊だそうだ。
そして、それらと今回の戦闘にかかわった面々で、作戦会議みたいなものを行うらしい。
「…へぇ」
適当に上条が相槌を打ったところで、とある男を見つけた。
確か名前は、
「…海原、光貴?」
8月31日に、美琴をデートに誘って上条を襲った人物だ。
その海原が、隣にいる神裂クラスに露出度の高い女と話している。そしてその女の隣には、一方通行(アクセラレータ)。
「…何なんだ、あいつら」
なんとも分かんない面子だ、と上条が思ったところで。
美琴がその女を思いっきり睨み付けているのを視界が捕らえた。
「…」
上条は、ぎこちなく視線をはずす。
あれはマズい。絶対マジだ。たまに見る美琴のマジの目だ。対一方通行(アクセラレータ)のときに見たあの目だ。
…この作戦会議とやらが終わるまで、あの女の人が消し炭になっていないことを上条は天に願った。
と、そこで。
『時間となりました』
いきなり、部屋一帯に声が響いた。
「…時間?」
「ええ。あれ、聞いてませんでした?」
それに上条は、無言で頷く。
てか、五和の話が本当だとしたら、一つの組織の中心人物にそんな重要なことを教えないってのはどういうことだ、と上条は思う。
そんな上条の思いを無視し、また声が響く。
『それでは、ただいまより対反乱因子作戦会議を行います』
とりあえず、今は昼。
そして、場所は、
「…俺、何でこんなとこいるんだ…?」
このごろ疑問系ばかりだな、と感じる上条。しかし、分からないものは分からないのだから仕方がない。
「私たち、天草式十字凄教以上の組織の中心人物が、なに言ってるんですか」
五和が、少しだけ呆れたような感じで言う。
「『上条勢力』ねぇ…実感が沸かない」
あの後、五和からいろいろと話を聞いた。
まず、五和がいきなり病室に殴りこんできた理由(上条を巡る、という意味ではない)。
今回の先頭のことを、学園都市はイギリス清教伝えたらしい。
すると、イギリス清教からの増援がよこされることになった。
その増援が、天草式十字凄教、元アニェーゼ部隊だそうだ。
そして、それらと今回の戦闘にかかわった面々で、作戦会議みたいなものを行うらしい。
「…へぇ」
適当に上条が相槌を打ったところで、とある男を見つけた。
確か名前は、
「…海原、光貴?」
8月31日に、美琴をデートに誘って上条を襲った人物だ。
その海原が、隣にいる神裂クラスに露出度の高い女と話している。そしてその女の隣には、一方通行(アクセラレータ)。
「…何なんだ、あいつら」
なんとも分かんない面子だ、と上条が思ったところで。
美琴がその女を思いっきり睨み付けているのを視界が捕らえた。
「…」
上条は、ぎこちなく視線をはずす。
あれはマズい。絶対マジだ。たまに見る美琴のマジの目だ。対一方通行(アクセラレータ)のときに見たあの目だ。
…この作戦会議とやらが終わるまで、あの女の人が消し炭になっていないことを上条は天に願った。
と、そこで。
『時間となりました』
いきなり、部屋一帯に声が響いた。
「…時間?」
「ええ。あれ、聞いてませんでした?」
それに上条は、無言で頷く。
てか、五和の話が本当だとしたら、一つの組織の中心人物にそんな重要なことを教えないってのはどういうことだ、と上条は思う。
そんな上条の思いを無視し、また声が響く。
『それでは、ただいまより対反乱因子作戦会議を行います』
「反乱因子?」
上条が、そのワードに反応を表す。
『垣根聖督の戦力の超能力者(レベル5)、絶対能力者(レベル6)、および聖督本人を指します』
「ふーん…」
適当に受け流した上条、
だったのだが。
「…ハァッ!?」
大部分の科学サイドの面々が声を上げる。
「…?どうしたのよ?」
天草式教皇代理である、クワガタのような髪形をした建宮斎字が問う。
「ちょ、え!?もう一回、今の部分!!」
美琴が、かなりおかしい日本語で叫ぶ。
しかし、機械の方はそれで通じたようだ。
機械は、やはりまるで感情のない声で言う。
上条が、そのワードに反応を表す。
『垣根聖督の戦力の超能力者(レベル5)、絶対能力者(レベル6)、および聖督本人を指します』
「ふーん…」
適当に受け流した上条、
だったのだが。
「…ハァッ!?」
大部分の科学サイドの面々が声を上げる。
「…?どうしたのよ?」
天草式教皇代理である、クワガタのような髪形をした建宮斎字が問う。
「ちょ、え!?もう一回、今の部分!!」
美琴が、かなりおかしい日本語で叫ぶ。
しかし、機械の方はそれで通じたようだ。
機械は、やはりまるで感情のない声で言う。
『垣根聖督の戦力の超能力者(レベル5)、絶対能力者(レベル6)、および聖督本人を指します』
もう一度、丸々同じことを発言した。
それに科学サイド側は、
「…レ、ベル…6?」
海原、一方通行(アクセラレータ)と話していた、裸の上半身に淡い色の布、制服であろうブレザーを着込んでミニスカート、というある種神裂クラスの女が言った。
「…絶対、能力者…」
その言葉に、一方通行(アクセラレータ)さえも驚きの表情を隠しきれていない。
「その情報は、確かなものなのでしょうか?と、ミサカは機械相手に質問を投げかけます」
妹達(シスターズ)を代表している、御坂妹が問いかける。
『この情報が正確なものである確率は、かなり高いとされます。前回の戦闘において、大能力者(レベル4)の空間移動者(テレポーター)、白井黒子が倒した超能力者(レベル5)の話だと、垣根聖督は絶対能力者(レベル6)を所持しているそうです。数は未明』
淡々とした声で言う機械。
「…神ならぬ身にて天上の意思にたどり着くもの」
打ち止め(ラストオーダー)が、機械のような合成音ではなく、人間らしい高低がある声で言った。
「何で、そんなことがわかるのかしら?相手には、精神系能力者もいるのよ。もしかしたら、あの子の頭にそんな事を無理矢理インプットさせただけかもしれないじゃない」
「それはありえないわね」
美琴が、ほんの少しの可能性を提示したところで、突然女の声にさえぎられる。
ほとんどの人間の視線が、会議室につながる扉に向かう。
その扉を開け放ち、中に入ってきたのは、
それに科学サイド側は、
「…レ、ベル…6?」
海原、一方通行(アクセラレータ)と話していた、裸の上半身に淡い色の布、制服であろうブレザーを着込んでミニスカート、というある種神裂クラスの女が言った。
「…絶対、能力者…」
その言葉に、一方通行(アクセラレータ)さえも驚きの表情を隠しきれていない。
「その情報は、確かなものなのでしょうか?と、ミサカは機械相手に質問を投げかけます」
妹達(シスターズ)を代表している、御坂妹が問いかける。
『この情報が正確なものである確率は、かなり高いとされます。前回の戦闘において、大能力者(レベル4)の空間移動者(テレポーター)、白井黒子が倒した超能力者(レベル5)の話だと、垣根聖督は絶対能力者(レベル6)を所持しているそうです。数は未明』
淡々とした声で言う機械。
「…神ならぬ身にて天上の意思にたどり着くもの」
打ち止め(ラストオーダー)が、機械のような合成音ではなく、人間らしい高低がある声で言った。
「何で、そんなことがわかるのかしら?相手には、精神系能力者もいるのよ。もしかしたら、あの子の頭にそんな事を無理矢理インプットさせただけかもしれないじゃない」
「それはありえないわね」
美琴が、ほんの少しの可能性を提示したところで、突然女の声にさえぎられる。
ほとんどの人間の視線が、会議室につながる扉に向かう。
その扉を開け放ち、中に入ってきたのは、
「ッ!心理掌握(メンタルアウト)!?」
「あら。そんな能力で呼ぶのではなく、ちゃんと名前で呼んで欲しいものね。超電磁砲(レールガン)」
常盤台中学の制服を着た、縦長の黒髪ストレート、楚々とした表情を浮かべる少女が言った。
「まさか、あんた勝手に黒子の記憶を――――」
「勝手とは人聞きの悪い。私は、学園都市上層部の方に協力したまでよ」
美琴を見下すように、心理掌握(メンタルアウト)、と呼ばれた彼女は視線を下げる。
「…なぁ。心理掌握(メンタルアウト)、って何だよ?」
上条が、小さな声で御坂妹に問う。
だが、それは本人に聞こえたらしい。
「!?あ、あなた、この『心理掌握(メンタルアウト)』こと長谷田鏡子を知らないと!?それでも学園都市に在住する生徒かしらッ!?」
凄い勢いで、鏡子とやらにまくし立てられた。
「…いや…知らないものは知らないけど」
引き気味に上条は言う。というか、常盤台の制服を着ている時点で、自分の方が立場上なんじゃね?
能力云々の前に人間として俺のほうが上じゃね?と上条は思うのだが、
「…超能力者(レベル5)第5位を、あんたは知らないの…?」
美琴に呆れた声で言われて、初めて上条は驚きの声を上げた。
「あら。そんな能力で呼ぶのではなく、ちゃんと名前で呼んで欲しいものね。超電磁砲(レールガン)」
常盤台中学の制服を着た、縦長の黒髪ストレート、楚々とした表情を浮かべる少女が言った。
「まさか、あんた勝手に黒子の記憶を――――」
「勝手とは人聞きの悪い。私は、学園都市上層部の方に協力したまでよ」
美琴を見下すように、心理掌握(メンタルアウト)、と呼ばれた彼女は視線を下げる。
「…なぁ。心理掌握(メンタルアウト)、って何だよ?」
上条が、小さな声で御坂妹に問う。
だが、それは本人に聞こえたらしい。
「!?あ、あなた、この『心理掌握(メンタルアウト)』こと長谷田鏡子を知らないと!?それでも学園都市に在住する生徒かしらッ!?」
凄い勢いで、鏡子とやらにまくし立てられた。
「…いや…知らないものは知らないけど」
引き気味に上条は言う。というか、常盤台の制服を着ている時点で、自分の方が立場上なんじゃね?
能力云々の前に人間として俺のほうが上じゃね?と上条は思うのだが、
「…超能力者(レベル5)第5位を、あんたは知らないの…?」
美琴に呆れた声で言われて、初めて上条は驚きの声を上げた。
「…呆れた」
そう、鏡子が言う。
(いやってかっ!あれ、お嬢様ってみんなこんな口調なの?俺の知ってるお嬢様っていったら、美琴に白井、それにこの人しかいないんだけど…白井は口調は丁寧だけど、性格があれだし…あれ?マジでお嬢様ってこんなモン??)
と上条が、あまりのショックにどうでもいいことを考え始める。
「…あんたね。そんなことにショック受けんなら、あんたがあいつを倒したときのショックはどれくらいのモンなのよ?」
美琴が、一方通行(アクセラレータ)の方を首で指しながら言う。
「そういえば…ぶっちゃけ、超能力者(レベル5)っつわれてもな…」
と、いきなり平静を装う上条。
それに鏡子は、
「はぁ!?何ですのその反応は!…って、え…?まさか、あ、なたが、一方通行(アクセラレータ)を
…倒した、お方…?」
発言の途中あたりから、疑問文になった言葉。
それに上条は、
「あ、一方通行(アクセラレータ)。お前、倒された経験って俺にだけ?」
「ぶっ殺すぞ」
いきなり話を振られた一方通行(アクセラレータ)だが、もういつもどおりに戻っている。
「…まぁ、お前にだけ、って言えばそうなるか」
一方通行(アクセラレータ)が思案気な顔になり、言った。
「…?」
その、そういえば2,3回倒されたっけ?のような発言に首をかしげる上条。
一方通行(アクセラレータ)の能力は絶大だ。それこそ、上条のようなレイギュラーな能力を持ってても勝てるかどうか怪しい程度。正直、あのときの勝利は――――
「あ、あなたがあの『上条当麻』様ですかッ!!??」
「はいぅ!?」
思考の途中で、いきなり大声を出されてビクる上条。
発言の主である鏡子の方を振り返ると、
そう、鏡子が言う。
(いやってかっ!あれ、お嬢様ってみんなこんな口調なの?俺の知ってるお嬢様っていったら、美琴に白井、それにこの人しかいないんだけど…白井は口調は丁寧だけど、性格があれだし…あれ?マジでお嬢様ってこんなモン??)
と上条が、あまりのショックにどうでもいいことを考え始める。
「…あんたね。そんなことにショック受けんなら、あんたがあいつを倒したときのショックはどれくらいのモンなのよ?」
美琴が、一方通行(アクセラレータ)の方を首で指しながら言う。
「そういえば…ぶっちゃけ、超能力者(レベル5)っつわれてもな…」
と、いきなり平静を装う上条。
それに鏡子は、
「はぁ!?何ですのその反応は!…って、え…?まさか、あ、なたが、一方通行(アクセラレータ)を
…倒した、お方…?」
発言の途中あたりから、疑問文になった言葉。
それに上条は、
「あ、一方通行(アクセラレータ)。お前、倒された経験って俺にだけ?」
「ぶっ殺すぞ」
いきなり話を振られた一方通行(アクセラレータ)だが、もういつもどおりに戻っている。
「…まぁ、お前にだけ、って言えばそうなるか」
一方通行(アクセラレータ)が思案気な顔になり、言った。
「…?」
その、そういえば2,3回倒されたっけ?のような発言に首をかしげる上条。
一方通行(アクセラレータ)の能力は絶大だ。それこそ、上条のようなレイギュラーな能力を持ってても勝てるかどうか怪しい程度。正直、あのときの勝利は――――
「あ、あなたがあの『上条当麻』様ですかッ!!??」
「はいぅ!?」
思考の途中で、いきなり大声を出されてビクる上条。
発言の主である鏡子の方を振り返ると、
上条の不幸センサーがビビッと警戒態勢を知らせる警報を鳴らした。
つまり、
「あ…ッ!い、今までの無礼な言葉遣い、まことに申し訳ございませんっ!わ、わたくしとしたことが…」
なぜか一瞬で顔を赤らめ、上条に対して考えられない口調になった鏡子が写った。
それが意味することとは、
「インデックス!?私はこの件に関しては本当に関与――――?」
いつものようにインデックスが噛み付いてきて、美琴がビリビリを飛ばしてきて…という日常(不幸)を予想して右手を突き出し、左手で頭を庇う、という体制を一瞬で完成させた上条が、いつになく無反応な彼女たちに対して不信感をあらわにする。
「んー。これくらいなら、別に何の問題もないんだよ」
「てか、これくらいで問題になるんだったら、とっくに誰かとデキチャッてるわよ」
「…?」
上条をめぐる乙女関係を代表して二人の美少女が答える。そして、その乙女関係に混ざっている少女たちは、うんうんと頷いている。
一文目の前半部分については、上条には全く自覚がないのだが。
「な、なにをっ!?このわたくしを見てそんな発言が!?」
と、鏡子が二人の発言を受けて胸を張る。
上条が改めて鏡子をしげしげと眺めてみると、
足は結構美脚。スタイルもかなりのもの。顔は、まあまあ整っている。
普通にモテるくらいかなー、と適当に上条は予想する。
「どっ、どうですか上条様ッ!?」
そんな上条の反応を見て、鏡子がいきなり接近してくる。
「いや…どう、と言われても…」
苦笑い、愛想笑いが混じった笑みを浮かべ、鏡子から顔を背ける上条。
「ほら。あんたには到底手の届かない男なのよ、そいつは」
「でも本人には自覚がないんだけどね。…自覚があったらあったでそれは怖いんだよ」
予想してましたー、と二人の少女が言う。
「な、何故っ!?何故わたくしの百戦錬磨の恋愛テクが通用しないんですのッ!?」
「百戦錬磨ぁ?そんなんじゃ通用しないわよ」
美琴が、かわいそうなものを見るような目で鏡子を眺める。
…
「あ、あのー?これは、いったい何の…?」
と、今までの不可思議現象(ドッキリ)を見てきた上条が言う。
「ほーら。自覚がないんですよ」
今度は、隣に座っている五和が苦笑混じりに言った。
つまり、
「あ…ッ!い、今までの無礼な言葉遣い、まことに申し訳ございませんっ!わ、わたくしとしたことが…」
なぜか一瞬で顔を赤らめ、上条に対して考えられない口調になった鏡子が写った。
それが意味することとは、
「インデックス!?私はこの件に関しては本当に関与――――?」
いつものようにインデックスが噛み付いてきて、美琴がビリビリを飛ばしてきて…という日常(不幸)を予想して右手を突き出し、左手で頭を庇う、という体制を一瞬で完成させた上条が、いつになく無反応な彼女たちに対して不信感をあらわにする。
「んー。これくらいなら、別に何の問題もないんだよ」
「てか、これくらいで問題になるんだったら、とっくに誰かとデキチャッてるわよ」
「…?」
上条をめぐる乙女関係を代表して二人の美少女が答える。そして、その乙女関係に混ざっている少女たちは、うんうんと頷いている。
一文目の前半部分については、上条には全く自覚がないのだが。
「な、なにをっ!?このわたくしを見てそんな発言が!?」
と、鏡子が二人の発言を受けて胸を張る。
上条が改めて鏡子をしげしげと眺めてみると、
足は結構美脚。スタイルもかなりのもの。顔は、まあまあ整っている。
普通にモテるくらいかなー、と適当に上条は予想する。
「どっ、どうですか上条様ッ!?」
そんな上条の反応を見て、鏡子がいきなり接近してくる。
「いや…どう、と言われても…」
苦笑い、愛想笑いが混じった笑みを浮かべ、鏡子から顔を背ける上条。
「ほら。あんたには到底手の届かない男なのよ、そいつは」
「でも本人には自覚がないんだけどね。…自覚があったらあったでそれは怖いんだよ」
予想してましたー、と二人の少女が言う。
「な、何故っ!?何故わたくしの百戦錬磨の恋愛テクが通用しないんですのッ!?」
「百戦錬磨ぁ?そんなんじゃ通用しないわよ」
美琴が、かわいそうなものを見るような目で鏡子を眺める。
…
「あ、あのー?これは、いったい何の…?」
と、今までの不可思議現象(ドッキリ)を見てきた上条が言う。
「ほーら。自覚がないんですよ」
今度は、隣に座っている五和が苦笑混じりに言った。
「だ、だから何の話を…」
五和に言葉を返しながらも、『ドッキリ大成功!』と赤字で書かれているであろうプレートを探す上条。
「…な、ならばわたくしの能力でッ!」
「はいはいー。当麻、ずっと頭に右手当ててなさい」
どうでもいい、とでも言いたげにざっくばらんに言葉を放つ美琴。
「え?あ、はい??」
いまいち理解しがたいが、とりあえずそれにしたがってみる上条。
「何を?そんな手など、わたくしの能力の前には壁にもなりませんのよ」
フン、と鼻で笑う鏡子。
「どうかしらね?こいつが、どうやって学園都市最強を倒したと思う?」
鏡子の行動を受け、嘲笑するような表情になる美琴。
「いや、あの。俺、さっきからずっと疎外感を感じちゃってるのですが」
上条が、不安げに美琴に説明を求める。
だが、その説明が来る前に。
五和に言葉を返しながらも、『ドッキリ大成功!』と赤字で書かれているであろうプレートを探す上条。
「…な、ならばわたくしの能力でッ!」
「はいはいー。当麻、ずっと頭に右手当ててなさい」
どうでもいい、とでも言いたげにざっくばらんに言葉を放つ美琴。
「え?あ、はい??」
いまいち理解しがたいが、とりあえずそれにしたがってみる上条。
「何を?そんな手など、わたくしの能力の前には壁にもなりませんのよ」
フン、と鼻で笑う鏡子。
「どうかしらね?こいつが、どうやって学園都市最強を倒したと思う?」
鏡子の行動を受け、嘲笑するような表情になる美琴。
「いや、あの。俺、さっきからずっと疎外感を感じちゃってるのですが」
上条が、不安げに美琴に説明を求める。
だが、その説明が来る前に。
バギン!
上条の頭の辺りから、幻想殺し(イマジンブレイカー)が反応したときになる音がした。
上条の頭の辺りから、幻想殺し(イマジンブレイカー)が反応したときになる音がした。
「え?」
それに真っ先に声を上げたのは、鏡子だった。上条には、その音を聞いた瞬間、全てが理解できたからだ。
「何ですか、その音は…まぁ、とりあえず演算は完璧ですから、もう上条様はわたくしのものですがっッ!」
そういい、高笑いする鏡子。
「あー、ちょっとそこそこ」
やはり、かわいそうなものを見るような目で鏡子を見ていた美琴が言う。
「何ですか?今更になって帰してくれ、なんて聞きつけませんのよ。その前に、別にそういう関係であった経歴は無さそうですがね!」
同じく高笑いする鏡子。
それに、もはや何もいえなくなった美琴が、
「…あんたの口から言ってやりなさい」
上条を、どうしようもない表情で見ていった。
「あの…何が起こったのかは理解できてんだけど、何で起こったのか理解できないんだけど?」
「それはそれで逆に良いんです、と、ミサカは唐突に会話に混ざり言います」
上条の発言に即答する、御坂妹。
「…とりあえず、こっちか」
なんか、ものすごく重大なことを見落としているような気もするが、とりあえず鏡子の方に向き直る。
「あ、あのー…お取り込み中申し訳ございませんが」
もはや高笑いから、黒子の本質を表したときのような表情になっていた鏡子の前に立ち、言う。
「多分、その『心理掌握(メンタルアウト)』っていうの、効いてないよ」
その上条の発言を聞いた瞬間、鏡子は、
「ッ!?な、何故!?制御下にある上条様から、何故そんな言葉がッ!?」
なんか、急に取り乱す鏡子。
「あー、俺の右手。幻想殺し(イマジンブレイカー)ってんだけど、これが触れた全ての『異能の力』は問答無用で消去されるから」
「…」
その言葉に、反応できない鏡子。
学園都市最強を倒した男。
そんな人間から放たれる言葉には、信憑性があった。だから鏡子は黙ったのだ。
「…いろんな意味で、あんたには無理よ?」
美琴が、鏡子に止めを刺すように言う。
それに鏡子は、
それに真っ先に声を上げたのは、鏡子だった。上条には、その音を聞いた瞬間、全てが理解できたからだ。
「何ですか、その音は…まぁ、とりあえず演算は完璧ですから、もう上条様はわたくしのものですがっッ!」
そういい、高笑いする鏡子。
「あー、ちょっとそこそこ」
やはり、かわいそうなものを見るような目で鏡子を見ていた美琴が言う。
「何ですか?今更になって帰してくれ、なんて聞きつけませんのよ。その前に、別にそういう関係であった経歴は無さそうですがね!」
同じく高笑いする鏡子。
それに、もはや何もいえなくなった美琴が、
「…あんたの口から言ってやりなさい」
上条を、どうしようもない表情で見ていった。
「あの…何が起こったのかは理解できてんだけど、何で起こったのか理解できないんだけど?」
「それはそれで逆に良いんです、と、ミサカは唐突に会話に混ざり言います」
上条の発言に即答する、御坂妹。
「…とりあえず、こっちか」
なんか、ものすごく重大なことを見落としているような気もするが、とりあえず鏡子の方に向き直る。
「あ、あのー…お取り込み中申し訳ございませんが」
もはや高笑いから、黒子の本質を表したときのような表情になっていた鏡子の前に立ち、言う。
「多分、その『心理掌握(メンタルアウト)』っていうの、効いてないよ」
その上条の発言を聞いた瞬間、鏡子は、
「ッ!?な、何故!?制御下にある上条様から、何故そんな言葉がッ!?」
なんか、急に取り乱す鏡子。
「あー、俺の右手。幻想殺し(イマジンブレイカー)ってんだけど、これが触れた全ての『異能の力』は問答無用で消去されるから」
「…」
その言葉に、反応できない鏡子。
学園都市最強を倒した男。
そんな人間から放たれる言葉には、信憑性があった。だから鏡子は黙ったのだ。
「…いろんな意味で、あんたには無理よ?」
美琴が、鏡子に止めを刺すように言う。
それに鏡子は、
「…ってか、何やってんだよ?」
「んあ?」
と、上条は予想していなかった声に振り向く。
(…待てよ。またさっきの展開とおんなじ、なんてことはない…よな?普通に男っぽかったし…
ッ!?ま、まずい…白井のことを思い出してしまった…)
美琴の苦悩を、本格的に理解できるんじゃないか、と感じる上条。
だがしかし、現実は別にそう危惧すべきことは起こっていなかった。
つまり、
「へぇ。あんたが『一方通行(アクセラレータ)』を潰した男、ってか?」
「いやっ!今度はそっち!?学園都市最強を倒した男を倒せば俺が学園都市最強だぁぁぁぁぁっ!!!
って思考の持ち主さんですかッ!!?」
そういうことである。
…実際問題、そんなことにはなっていないのだが、上条の脳はすでにショートしている。
「…?学園都市最強を倒したところで、じゃあそいつが最強ね、なんていくはずねぇだろ」
あっさりかえされる上条。
それに、え?てことは、なんかいきなりバトろうぜ!な展開は無しッ!?と、あらぬことを想像していた上条の表情が瞬間的に明るくなる。
「…チッ」
だが、とある白髪の最強少年のあからさまな舌打ちにより、上条の笑顔は凍りつく。
「おおー、いるとは聞いていたけど…なんかこれは面倒くさい気がするぞ?」
と、一方通行(アクセラレータ)を見つけた少年が苦笑いとともに言う。
「…長点上機学園2年、葛城妖夜」
「おお、学園都市最強に覚えられてるとは。なんか光栄だなあ」
妖夜、とか言われた少年は、一方通行(アクセラレータ)に笑みを返す。
「馬鹿が。知らない方がおかしいだろォが」
「まぁ、そういうことだな」
「…はい?」
と、二人の会話に何か不穏なものを感じてしまう上条。
と、上条は予想していなかった声に振り向く。
(…待てよ。またさっきの展開とおんなじ、なんてことはない…よな?普通に男っぽかったし…
ッ!?ま、まずい…白井のことを思い出してしまった…)
美琴の苦悩を、本格的に理解できるんじゃないか、と感じる上条。
だがしかし、現実は別にそう危惧すべきことは起こっていなかった。
つまり、
「へぇ。あんたが『一方通行(アクセラレータ)』を潰した男、ってか?」
「いやっ!今度はそっち!?学園都市最強を倒した男を倒せば俺が学園都市最強だぁぁぁぁぁっ!!!
って思考の持ち主さんですかッ!!?」
そういうことである。
…実際問題、そんなことにはなっていないのだが、上条の脳はすでにショートしている。
「…?学園都市最強を倒したところで、じゃあそいつが最強ね、なんていくはずねぇだろ」
あっさりかえされる上条。
それに、え?てことは、なんかいきなりバトろうぜ!な展開は無しッ!?と、あらぬことを想像していた上条の表情が瞬間的に明るくなる。
「…チッ」
だが、とある白髪の最強少年のあからさまな舌打ちにより、上条の笑顔は凍りつく。
「おおー、いるとは聞いていたけど…なんかこれは面倒くさい気がするぞ?」
と、一方通行(アクセラレータ)を見つけた少年が苦笑いとともに言う。
「…長点上機学園2年、葛城妖夜」
「おお、学園都市最強に覚えられてるとは。なんか光栄だなあ」
妖夜、とか言われた少年は、一方通行(アクセラレータ)に笑みを返す。
「馬鹿が。知らない方がおかしいだろォが」
「まぁ、そういうことだな」
「…はい?」
と、二人の会話に何か不穏なものを感じてしまう上条。
「超能力者(レベル5)、『肉体変化(メタモルフォーゼ)』さンよォ」
「はいでましたよなんかよく分からんフラグッ!?俺はそんなもの全然希望してないんだけどッ!!」
「…?何言ってんだ…??」
妖夜なる者が、不思議そうに聞き返す。
「…なんというか…とりあえず」
上条が、息を吸い込み、
「不幸なんですわたし」
「どこら辺が不幸なんですか…?」
隣の五和が、なぜか頭を抱えてため息をつく。
「もはや口癖なっているそうですが…一般人から見ればよほどの幸運なのでは?」
ものすごい幸運を持って生まれた、『聖人』たる神裂が言う。
「…どこをどう見れば?」
「どんな角度から見ても、よ」
美琴が、やはり少し疲れたような表情で言ってくる。
「いやあのですね。わたくしは1週間に100回くらい殺されかけた経験があるきがするのですが」
上条が言っているのは、英国での騒乱、それに続いた対フィアンマ戦のことだ。
それに、インデックスがつっつきを入れた。
「それはただ単にとうまがでしゃばるからなんだよ」
「でしゃばらなければならない理由の大半のあなたが言うことじゃありませんよインデックスさん」
冷静なコメントを返す上条。
「…それにしても、本当に『不幸だ』と感じてらっしゃるのですか?」
部屋の隅っこでなんか錯乱しかけていた鏡子が、平静を取り戻しつつ言う。
「…えと、あの。全員そろって俺の不幸全否定ですか?」
上条が、不幸の原因であるらしい右手を見つつ、言う。
「さっきから話が全然掴めねぇんだけど…とりあえず、『こっち』の方を進めようぜ?」
妖夜が、自分の後ろを振り返りながら言う。
「…まだ、なんかあんのか…?」
上条が、やはり自分は不幸だ、と再確認しながら言った。
「ん?話は終わったのか?俺は他人の色恋沙汰とかに首を突っ込むほど曲がってないぞ」
唐突に、芯が通っているような声が響く。
「…?何言ってんだ…??」
妖夜なる者が、不思議そうに聞き返す。
「…なんというか…とりあえず」
上条が、息を吸い込み、
「不幸なんですわたし」
「どこら辺が不幸なんですか…?」
隣の五和が、なぜか頭を抱えてため息をつく。
「もはや口癖なっているそうですが…一般人から見ればよほどの幸運なのでは?」
ものすごい幸運を持って生まれた、『聖人』たる神裂が言う。
「…どこをどう見れば?」
「どんな角度から見ても、よ」
美琴が、やはり少し疲れたような表情で言ってくる。
「いやあのですね。わたくしは1週間に100回くらい殺されかけた経験があるきがするのですが」
上条が言っているのは、英国での騒乱、それに続いた対フィアンマ戦のことだ。
それに、インデックスがつっつきを入れた。
「それはただ単にとうまがでしゃばるからなんだよ」
「でしゃばらなければならない理由の大半のあなたが言うことじゃありませんよインデックスさん」
冷静なコメントを返す上条。
「…それにしても、本当に『不幸だ』と感じてらっしゃるのですか?」
部屋の隅っこでなんか錯乱しかけていた鏡子が、平静を取り戻しつつ言う。
「…えと、あの。全員そろって俺の不幸全否定ですか?」
上条が、不幸の原因であるらしい右手を見つつ、言う。
「さっきから話が全然掴めねぇんだけど…とりあえず、『こっち』の方を進めようぜ?」
妖夜が、自分の後ろを振り返りながら言う。
「…まだ、なんかあんのか…?」
上条が、やはり自分は不幸だ、と再確認しながら言った。
「ん?話は終わったのか?俺は他人の色恋沙汰とかに首を突っ込むほど曲がってないぞ」
唐突に、芯が通っているような声が響く。
「超能力者(レベル5)、『念動砲弾(アタッククラッシュ)』こと削板軍覇だ」
「…」
それに、上条は、
「御坂を皮切りに…なんでこう次々と超能力者(レベル5)とあってしまうんだ俺…まさか、全員妹達(シスターズ)関連なのかおいッ!?」
もうあまりの自分の不幸さに、勝手に人にその不幸の原因を作ってしまう。
「ちょ、なにそれ!?確かに、わたし、一方通行(アクセラレータ)はそうだけど!ほかは関係ないじゃないッ!!」
それに、もちろん美琴は反論する。
しかし、妹達(シスターズ)ではなく美琴関連なら、一方通行(アクセラレータ)はさながら、心理掌握(メンタルアウト)とはかなりの関係を持ち、肉体変化(メタモルフォーゼ)とは大覇星祭のとき一戦交え、念動砲弾(アタッククラッシュ)は美琴の知らないところで妹達(シスターズ)とほんの少し関わりを持っている。
つまり、今この場に集っている超能力者(レベル5)は全て美琴に関わっている、と言える。
別にここがそれを認識しているわけではないのだが、この場にいる美琴を除いた超能力者(レベル5)+上条が、
「…ハァ」
「なっ…何よそのため息!?」
美琴がやはり突っかかってくる。
が、そこで、
「とりあえず、話を進めてもよろしいでしょうか」
突然、声が響く。
「戦闘可能な超能力者(レベル5)が集い、紹介も済みましたので」
「そういえば…これって、作戦会議、なんだったっけ?」
上条が、機械の声に反応して言う。
「はい。まだそろっていないメンバーもいますが、時間がかかるとのことですので」
そこで機械は、一度音を切って少し間を置く。
「それでは、会議を進めてもよろしいでしょうか?」
機械が問いかけるが、返事をするものなど一人もいない…わけではなく、打ち止め(ラストオーダー)が『オーケーだよー』とか意味が分からないはずなのに言っていた。
機械は打ち止め(ラストオーダー)の声を無視して言う。
それに、上条は、
「御坂を皮切りに…なんでこう次々と超能力者(レベル5)とあってしまうんだ俺…まさか、全員妹達(シスターズ)関連なのかおいッ!?」
もうあまりの自分の不幸さに、勝手に人にその不幸の原因を作ってしまう。
「ちょ、なにそれ!?確かに、わたし、一方通行(アクセラレータ)はそうだけど!ほかは関係ないじゃないッ!!」
それに、もちろん美琴は反論する。
しかし、妹達(シスターズ)ではなく美琴関連なら、一方通行(アクセラレータ)はさながら、心理掌握(メンタルアウト)とはかなりの関係を持ち、肉体変化(メタモルフォーゼ)とは大覇星祭のとき一戦交え、念動砲弾(アタッククラッシュ)は美琴の知らないところで妹達(シスターズ)とほんの少し関わりを持っている。
つまり、今この場に集っている超能力者(レベル5)は全て美琴に関わっている、と言える。
別にここがそれを認識しているわけではないのだが、この場にいる美琴を除いた超能力者(レベル5)+上条が、
「…ハァ」
「なっ…何よそのため息!?」
美琴がやはり突っかかってくる。
が、そこで、
「とりあえず、話を進めてもよろしいでしょうか」
突然、声が響く。
「戦闘可能な超能力者(レベル5)が集い、紹介も済みましたので」
「そういえば…これって、作戦会議、なんだったっけ?」
上条が、機械の声に反応して言う。
「はい。まだそろっていないメンバーもいますが、時間がかかるとのことですので」
そこで機械は、一度音を切って少し間を置く。
「それでは、会議を進めてもよろしいでしょうか?」
機械が問いかけるが、返事をするものなど一人もいない…わけではなく、打ち止め(ラストオーダー)が『オーケーだよー』とか意味が分からないはずなのに言っていた。
機械は打ち止め(ラストオーダー)の声を無視して言う。
「それでは、改めて…ただ今より、対反乱因子作戦会議を始めさせてもらいます」