ドニー・ドニーの都の南を湛えるタンネン湾。 その南端にてパララ島と対峙するもう一つの島。
かつて大
ゲート開放の折に戦神
ウルサが地球よりゲートへ向けて放り投げドニー・ドニーに落ちてきた大きな土産。海上プラント。
操業停止中で無人で放置されていたために自家発電燃料等がゼロであったが、その鉄の躯体だけでも異世界には巨大なインパクトであった。
── そして幾十年、プラントはデジマという名を持って今に至る
かつては鉄の塔島と呼ばれていた無機質だったプラントだが、今現在では無数に係留された船船船が海上に土地を作り見事な島となっている。
大ゲートが最上層にあるために人が集まってくるというのが大きかったのだろう、人が寄ってくることでドニーでの立派な経済基盤とまでになる。
晴れて風もおさまっている日はここぞとばかりに新たな船を持ってきて係留し船地を得ようとする者達がやってくる。
勿論海の縄張り主やデジマを仕切る海賊団組合に許可を取っているからこその昼間に作業である。
無許可で船地を作ろうとする者は大体暗闇や悪天候に乗じてやって来る。
折角の船地にするのだから引っ張ってくる船は機能性は二の次にしても頑丈なものが選ばれている。
そして目出度く船地の増えたデジマは更に大きな島へとなっていくのだった。
「おー、見てみろよぉ。まーたデジマに船地が向かってくぞぉ」
「ほんとだ。今月に入って何度目っすかね親方」
「漁の最中しか見てねぇが四度目くらいかぁ。今度はまーたでっけぇのがきたもんだぁ」
「旗はないっすけど…あの船の横っ腹に刻まれた紋章は
ラ・ムールの商会お抱えの“海蛇”じゃないっすか!
海のキャラバンって呼ばれるくらいに長い船列を作るって連結船団」
「代替わりする船を買い取ったのかもなぁ。金持ってるとこは持ってんだなぁー」
「あ、デジマの北に繋ぐみたいっすね。やっぱり湾の南側をシメてる魚人海賊団に許可取りに行く人っていないんすかね」
「そーりゃおめぇ怖ぇもんよ。おらなんかあいつらーの縄張りに近づくだけでぶるぶる震えがきて漏らしちまうだ」
「親方!海鼠汁が漏れてるっすよ!思い出し震えしてるっす!」
「まぁ湾北を治めているラウダフルんとこはちゃんと話して見合った銭さえ払えば許可出るもんなぁ」
「ってことは…あの船列を動かしているのはひょっとして…」
「あーあ、“船牽き”ヤンソンだろなぁ。 トロールの力と息の長さはとんでもねぇやな」
「いやいや親方…俺達海鼠人の知り合いの海棲み種族でもあんな力持ちはいないっすよ。 やっぱりラウダフル海賊団は規格外っす。
あ、船地の係留が終わったみたいっすね」
「このまま北にデジマが大きくなったら、そーのうち港とくっついちまうかんもなぁ」
「ははっ!そりゃまた気の長い話っすね!」
「そろそろ引き上げるっぺーや」
「へい親方。 あっ港に帰ってきたヤンソンが揚がっていくみたいっすね」
「おーおー、童がどんどん集まってきやがるのー」
「みるみるうちに子供まみれになったっすね。 ヤンソンはほんと子供に人気があるっすね!」
デジマの都が決まったスレの流れからデジマの様子を想像しました
- のんびりトロールほほえましい。面積が広がっているデジマだけど高さの方はどうなんだろう -- (名無しさん) 2016-02-24 06:08:19
- 膂力という点では人種族の中でもトロールは未知数な雰囲気ある -- (名無しさん) 2017-08-05 08:43:27
最終更新:2015年11月21日 23:42