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【[二冊ください]】

異世界と大ゲートにより繋がったことがメディアに与えた影響は多大であったことは言うまでもない。
創作物の傾向、特に空想を世界主題にしたものはそれまでの全てがひっくり返る衝撃を受けた。

 夏の某日 創作作品販売会場
「あの人、大きくて目立つなぁ」
「あれは…トロールだな。しっくないでたちだから一見では分かりにくいが」
机の並ぶ列の端からじっくり物色しているずんぐり大きな姿。傍らには物言わぬシャツとGパン姿の骸骨を従えている。
「わわっ!こっちに来た!」
[どうもすみません][見本などありましたらお見せ頂けますでしょうか?]
どこからともなく取り出したプラカードには文言が書かれている。
「どっ、どうぞ」
おずおずと見本を差し出すと大きな毛むくじゃらの手は器用に優しく摘み取る。
ゆっくりとページをめくりじっくりと見分する。
(トガリさん、これって買ってくれるんです?)
(うぅむ、瞳がつぶら過ぎて感情が読めない)
ぱたっと見本を閉じるトロール。
[面白い内容でした。これは実際の出来事なのですか?]
「あっはい。知り合いにオルニト旅行に行った話をしたら本で描きたいってなりまして…後は友達の帰郷話も合わせて」
[私は滅多に国を出ることができないので、こういった旅行の話など興味があります][二冊買わせてもらいます]
「あっ、ありがとうございます!」
「ありがとうございます」
ヒロトから本を受け取ったトロールは後ろの骸骨に手渡すと、それを丁寧に鞄の中に仕舞った。
[私はスラヴィアで大ゲートのゲートキーパーをしておりますスラヴィアンの“ヤフヌール”と申します][是非今度はスラヴィアにお越しください]
小さく礼をしたヤフヌールは次の机へと歩いていった。


「素晴らしい出来栄えだわ、双鏡さん」
「百合モノはあまり描かないんで自信半分だったんですけど良かったです。売れ行きもそこそこですよ」
「売れ残った本は私が全て買うわ。セバス!カードは使えないので現金を用意なさい!」
「いや~レシエさん太っ腹ですね。今度は是非サミュラ様と一緒に来て下さい」
「それはちょっと難しいわね。貴女がスラヴィアに来た時に御目通り叶う様に手配するわ」
「双鏡双鏡!私とレシエ様の本はどーなの?どーなの?」
「アニーさんが描いた本は…意外と売れてますよ。懐かしい少女漫画みたいって評判で」
「やったー!これで私とレシエ様の仲も公認です!」


「ヤ、ヤバイ…」
本とポスターをホイホイと自らの影の中に放り込みながら青白い顔をもっと青白くする。
「持ち出してきた国庫使い切っちゃったよぉぉおお」
頭を抱えて階段の踊り場に蹲る。これでも異世界の神々の中の一人である。
「まっ、サミュラなら許してくれるよネ!もうちょっと買える、いっとこいっとこ」
 当然許されるわけもなく


コミティア行きたい薄異本買いたい

  • 俺も一度は行きたいコミティア。薄異あきとイレゲ談義したい -- (名無しさん) 2018-08-20 18:18:43
  • スラヴィアの外貨獲得からの~モルテの無駄遣い流出は国家問題。俺も二冊買いました -- (名無しさん) 2018-08-31 02:46:55
  • 人間以外の種族も集まってくる会場とかカオスそうだけど何故か意識はそんなに違いはないとかになってそう。通販で薄異本買いました -- (名無しさん) 2018-09-22 08:21:03
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最終更新:2018年08月19日 21:32