スラヴィアの北方を治める『髑髏王』、ヴェルルギュリウス伯爵の居城に突如不穏な来訪者が現れる。
「髑髏王ー髑髏王ー、面白いものを見つけたんだヨー」
触れられるのを忌避したかの様に勝手に開いた城門から入り好き勝手縦横無尽に走り回る。もの言わぬ骸骨のスラヴィアン召使い達もそれを避けて壁に寄る。
それは紛れもなく、
モルテさ。
「モルテ様、来るなら来ると前以って報せてくれれば歓待用意も ──
「やだよめんどい。そんなことより“コレ”を見てくれないか?」
モルテは前に出した両手の包みをゆっくりと広げる。そこには淡い白光が揺らめいている。
「ゴーストスラヴィアン…ですかな?」
「いやー僕もサミュラん家で見つけた時はそう思ったんだけどネ、まだ未憑依のゴーストスラヴィアンかなって。でもどうやら違うみたいでサ」
モルテ曰く、素性を確かめようと無理やり武具だナモモノだに押し付けて強引に憑依させようとしたが無理だったという。ニートして腐っててもそこは神であるモルテは、何やら不思議な波長をその白光に感じたという。
「…サミュラ様が大
ゲート祭での外遊で不在のため、こちらに持ってきた、と」
「そそ。多分髑髏王の作る器なら収まるんじゃないかナ。ずっと持っとくのも面倒だから進呈しよう活用したまへ」
「ふぅむ。確かに雰囲気としては器物よりも肉体の方が良さそうではありますが…スラヴィアンの魂に近いものと仮定しておきましょうぞ」
髑髏王の掌に白光を押し付けたモルテは軽やかにスキップで跳ねて居室を去る。 直前 ──
「そうそう髑髏王。ソレに“愛”を注げば面白いことになるんじゃないかナーと、何かビビっと来たから言っとく。 じゃ、頑張ってー」
「“愛”とは… 恐らくはサミュラ様の受け売りか何かなのじゃろうが、興味深いことは興味深い」
髑髏王は早速、白光の器となるスラヴィアンの肉体を精製し始める。
インスピレーションと使える素材の中で最良のものを混ぜ合わせた結果、それは錬成筒の中で浮かぶ人の赤子と成った。
まだ体は未形成であり、これからどうしようか思案したところ妙案が浮かぶ。
「そうじゃ、あの仲睦まじいスラヴィアンの二人に子として与えてみよう。勿論、二人の要望を取り入れつつ」
すぐに骸骨鳥が髑髏王の手紙を運び飛び立つ。
その行先はアデーレ領。
優衣とアデーレの赤子のプロローグ的なものを
最終更新:2020年06月24日 03:17